銘柄スキャナーの使い方・強み・他ツールとの比較
銘柄スキャナーは、有価証券報告書の連結実数と需給の一次データ (空売り残高報告・逆日歩・信用残・自社株買い・大株主) を1銘柄1枚にまとめ、条件を組み合わせて日本株563社を絞り込む無料ツールです。株価と点数を使わない代わりに、すべての数字に基準日と原文への経路を付けています。
強み — 何が他と違うか
JPX の空売り残高報告 (報告者名つき)、日証金の逆日歩、JPX の信用残、EDINET の自社株買いと大株主を、1銘柄のカードに同時に置きます。これらは別々のサイトに散っているのが普通で、横断して条件にできるツールは多くありません。
「総合スコア80点」のような加点は使いません。16本の条件はそれぞれ定義を画面に書き、該当した理由の数値をカードに出します。判定の根拠が読者に見えます。
移動平均や RSI は株価が動いた後に反応します。本ツールは開示と需給だけを入力にするので、株価に織り込まれる前の材料 (自社株買いの進捗、空売りの積み増し、大株主の放出) を条件にできます。
カードから銘柄ページに進むと、有報の業績推移、空売り報告者の一覧、大株主の前年比較、開示原文へのリンクがあります。数字を疑ったらその場で確かめられます。
防衛装備庁の調達相手方、稼働中の系統用蓄電所の台帳、当サイトの検証記事の言及数など、当サイトが一次資料から作った台帳を条件に使えます。これは他のスクリーナーにはない軸です。
30銘柄に、編集部が数字を読んで書いた「読み方」を付けています。本文の数字は基準日の実数と機械照合しており、生成モデルの自動文章ではありません。
正直に書く弱み
- 対象は563社 (有報の連結実数を取り込んだ会社) で、全上場企業 (約3,900社) ではありません。
- 株価・時価総額・PER・配当利回りは持ちません。バリュエーションで絞りたい場合は他ツールと併用してください。
- 更新は統計の公表日に従います (下の「データと更新周期」)。リアルタイムではありません。
競合との比較 — 誰と、どこが違うか
同じ「条件で絞る」道具でも、入力にするデータが違います。各ツールの特徴は2026年9月7日時点の公開情報の範囲で一般的な傾向を書いたもので、細部は各社のサイトで確認してください。
| ツール | 主な入力 | 得意なこと | 本ツールとの違い |
|---|---|---|---|
| 会社四季報オンライン | 四季報の業績予想・財務・株価指標 | 記者の業績予想と長期の財務推移、全上場企業 | 予想値と株価指標が軸。本ツールは開示済みの実数と需給が軸で、予想は持たない |
| 株探 (かぶたん) | 決算速報・株価・テーマ | 決算発表直後の速報性と、株価の動きと結びついたランキング | 速報性は株探が上。本ツールは速報ではなく、需給と大株主まで含めた「構造」を1枚で見る |
| バフェット・コード | 財務諸表・株価指標 | 長期の財務データの可視化とバリュエーション | 財務の深さは同種。本ツールは需給 (空売り・逆日歩・信用残) と文脈条件を持ち、株価指標は持たない |
| Yahoo!ファイナンス / みんかぶ | 株価指標・掲示板・予想 | 全上場企業の株価指標スクリーニングと個人投資家の意見 | 株価指標が中心。本ツールは開示と需給だけを使い、意見は編集部メモとして根拠つきで分ける |
| 証券会社のスクリーナー (マネックス銘柄スカウター など) | 業績・株価・一部の需給指標 | 口座と一体で、10年以上の業績推移や信用残を銘柄ごとに見られる | 口座がなくても使える点と、空売り報告者名・大株主の前年差・防衛/蓄電所の文脈を横断条件にできる点が違う |
| TradingView スクリーナー | 株価・テクニカル指標 (世界) | チャートとテクニカル条件の組み合わせ、海外市場 | テクニカルは扱わない。日本株の開示・需給に特化 |
| IR BANK / 開示検索サイト | EDINET・TDnet の開示原文 | 原文の網羅と検索 | 原文は同じ源。本ツールは原文を機械抽出して条件にし、原文へ戻る経路も残す |
| stock-scanner (オープンソース) | 中国A株の株価・財務・ニュース (akshare) | 25の財務指標とテクニカル、LLM の解説を1画面に | 本ツールの設計の参考元。固定加点スコアと単語一致の感情分析は検証がないため採用せず、日本株の一次データに置き換えた |
ひとことで言うと、「株価で選ぶ」ツールが多い中で、本ツールは「開示と需給で選ぶ」道具です。株価指標で候補を作ってから本ツールで需給を確かめる、あるいは本ツールで需給の異常を見つけてから株価ツールで値位置を見る、という併用が実用的です。
画面の構成
- ① 型 (6枚のカード)
- 押すと条件・並び順・「すべて/いずれか」が一括で入ります。迷ったらここから。
- ② 検索と並び順
- 社名・証券コード・業種で探し、増収率・利益率の改善幅・空売り残高・逆日歩・自社株買い・検証記事の順に並べ替えます。
- ③ 条件を自分で組む
- 折りたたみを開くと16本の条件が「決算・需給・開示・文脈」の4群で並びます。数字は現在の該当社数。型を押したあとに足し引きもできます。
- ④ 結果 (1銘柄1枚)
- 上段に4つの数字 (増収率、利益率の前期→今期、空売り残高、信用倍率)、中段に自社株買い・逆日歩・大株主、下段に該当条件と編集部メモの見出し。40社ずつページ送り。
- ⑤ カードの読み方・判定規則
- 結果の下に、各数字の意味と基準日、16条件の定義全文と出典があります。
使い方の手順
例えば「増収増益で需給が軽い」を押すと、増収10%以上 × 営業利益率が改善、の2条件が入り、増収率の高い順に並びます。結果の見出しの下に、その型で気をつける読み方が1行出ます。
増収率 (緑=増収)、利益率の前期→今期 (小さな数字が改善幅)、空売り残高の合計と変化 (+は積み増しで赤、−は買い戻しで緑)、信用倍率 (1倍未満は売り長)。「—」は公表データが無いという意味で、悪い値ではありません。
結果の見出しにある条件チップの「×」で1つ外せます。「条件を自分で組む」を開いて、例えば「逆日歩が発生」を足すと、需給が締まっている会社だけになります。条件が多すぎて0社になったら「いずれかを満たす」に切り替えます。
「空売り残高の多い順」にすると買い戻し候補が上に、「自社株買いの金額順」にすると需給の下支えが大きい会社が上に来ます。並び順は URL に残るので、そのまま共有できます。
カードの「銘柄ページ →」で、空売りの報告者名と日付、大株主の前年比較、信用残の推移、自社株買いの報告原文に進めます。「業績推移・開示原文 →」は有報の数字の元です。編集部メモがある銘柄は、基準日つきの読み方が冒頭に出ます。
空売りは営業日ごと、信用残は週次、自社株買いは月次で更新されます。同じ型の URL をブックマークして週1回見ると、「先週は空売りが積み増し、今週は買い戻し」のような変化が追えます。
6つの型 — それぞれ何を探し、どこに気をつけるか
探すもの: 売上が10%以上伸び、営業利益率も改善した会社。空売り・逆日歩の欄が「—」なら需給の重しが無い
気をつける点: 利益率の改善幅が小さい会社も入る。前期→今期の数字を見て、改善が1pt未満なら「横ばい」と読む
この型で開く →探すもの: 増収10%以上なのに空売り残高 (0.5%以上の報告者合計) が3%以上ある会社。買い戻しが起きると値動きが大きい
気をつける点: 空売りは「下がる」予想とは限らない (裁定・ヘッジも含む)。変化の符号 (+は積み増し、−は買い戻し) を必ず見る
この型で開く →探すもの: 減収かつ利益率低下の会社と、信用買い残が4週で20%以上増えた会社。どちらか一方でも該当すれば表示
気をつける点: 信用買い残の増加率は小さい残高から膨らむと数百%になる。倍率と併せて水準を確認する
この型で開く →探すもの: 直近の報告月に自社株を取得した会社。進捗%が高いほど残りの買付枠が少ない
気をつける点: 取得額は月次の報告値。決議枠の残り (100%−進捗) が需給の下支えの残量
この型で開く →探すもの: 売り残が買い残より多く (信用倍率1倍未満)、かつ逆日歩 (売り方の費用) が発生している会社
気をつける点: 逆日歩は日々変わる。基準日 (日証金の公表日) を確認し、権利日前の一時的な発生と区別する
この型で開く →探すもの: 防衛装備庁の調達相手方、または稼働中の系統用蓄電所に名前が出る上場企業。当サイトの一次データに直接つながる
気をつける点: 文脈の条件は「その事業がある」ことを示すだけで、業績への寄与の大きさは各社の売上構成で確認する
この型で開く →数字の読み方 (全条件の定義)
- 増収10%以上
- 最新の有価証券報告書 (連結・通期) の売上高が前期比 +10% 以上 (現在 109社)
- 営業利益率が改善
- 最新期の営業利益率 (営業利益÷売上高) が前期を上回る (現在 270社)
- 営業利益率15%以上
- 最新期の営業利益率が 15% 以上 (現在 106社)
- 減収かつ利益率低下
- 売上高が前期比マイナスで、営業利益率も前期を下回る (売り警戒シグナルと同じ規則) (現在 63社)
- 自社株買いを実施中
- EDINET の自己株券買付状況報告書で、直近の報告月に取得金額が 1 円以上 (parse_status=ok の行のみ) (現在 27社)
- 空売り残高 合計3%以上
- JPX 空売り残高報告 (0.5%以上の報告者) の最新残高の合計が発行済株式の 3% 以上 (現在 46社)
- 空売り残高が増加
- 各報告者の最新報告で (残高 − 前回残高) の合計が +0.5pt 以上 (現在 15社)
- 空売り残高が減少
- 各報告者の最新報告で (残高 − 前回残高) の合計が −0.5pt 以下 (買い戻しの痕跡) (現在 9社)
- 逆日歩が発生
- 日本証券金融の直近公表日に逆日歩 (品貸料) が 0 円超で、貸株超過株数が 1 株以上 (現在 82社)
- 信用倍率1倍未満
- JPX 週次の信用取引残高で 買い残 ÷ 売り残 が 1 未満 (売り長) (現在 59社)
- 信用買い残 4週で+20%
- 直近週の信用買い残が 4 週前より 20% 以上増加 (現在 116社)
- 大株主の持分が±1pt以上
- 有報の大株主上位10名のうち、信託口 (信託銀行の信託勘定) を除く同一株主で、前年との比率差が 1.0pt 以上ある (新規登場は除く。信託口の増減は投信の資金流出入で日常的に動くため対象外) (現在 189社)
- 当サイトの検証記事で言及
- Postation の Deep Dive・検証記事で 3 本以上に登場 (現在 120社)
- 防衛装備庁の調達相手方
- 防衛装備庁 中央調達 (令和5〜8年度) の契約相手方として実名で登場する上場企業 (現在 28社)
- 系統用蓄電所を稼働
- 稼働中の系統用蓄電所に一次ソースで名前が出る上場企業 41 社の台帳 (2026-09-06 時点) に載る (現在 28社)
- 編集部メモあり
- 編集部が一次データを読んで書いた「読み方」メモが付いている銘柄 (現在 30社)
データと更新周期
| データ | 出典 | 更新 | 現在の基準日 |
|---|---|---|---|
| 売上高・営業利益 (連結・通期) | 金融庁 EDINET の有価証券報告書 (XBRL) | 開示のたび | 各社の最新期 |
| 空売り残高 | JPX 空売り残高報告 (0.5%以上の報告者) | 営業日ごと | 2026-09-02 |
| 逆日歩 | 日本証券金融 品貸料 | 営業日ごと | 2026-09-03 |
| 信用残 (買い残・売り残) | JPX 信用取引残高 (週次) | 週1回 | 2026-08-28週 |
| 自社株買い | EDINET 自己株券買付状況報告書 | 月1回 | 2026-08-01報告分 |
| 大株主上位10名 | 有価証券報告書 | 年1回 (有報の提出時) | 各社の最新期と前年 |
| 防衛調達・系統用蓄電所・検証記事 | 防衛装備庁 中央調達、当サイトの台帳と記事 | 随時 | 台帳の時点 |
スキャナーの集計は6時間ごとに再計算します。基準日はカードの下の凡例と編集部メモに出ています。
よくある質問
「—」と 0 の違いは何ですか
空売り残高が多い会社は「下がる」のですか
逆日歩とは何ですか
大株主の条件で信託口を除くのはなぜですか
編集部メモは AI が書いていますか
買い推奨・売り推奨ですか
条件の追加要望はどこに送れますか
当サイトの数表は EDINET (金融庁) の開示原文からの機械抽出、買い推奨・売り推奨などの見解は Postation 編集部の分析に基づく意見です。いずれも不特定多数の読者に無償で公開する一般的な 情報提供であり、金融商品取引法上の投資助言・代理業 (報酬を伴う契約に基づく助言) として 提供するものではありません。将来の株価や成果を保証するものではなく、最終的な投資判断は ご自身の責任で行ってください。数値の正確な内容は必ず各社の開示原文をご確認ください。