アドバンテストのAIによるテストプログラム生成・デバッグ Advantest AI-Driven Test Program Development (SmarTest 8)
半導体テスターを動かすテストプログラムの作成と不具合の修正を、生成 AI で支える技術。V93000 を動かす制御ソフト SmarTest 8 に、米ギットハブの「コパイロット」などの AI ツールを載せている。大規模言語モデル (LLM) と AI エージェントでテストプログラムを生成・デバッグする機能は、2026年3月期の研究開発の項目に挙がっている。AI 機能だけの価格と売上高は公表されていない。
詳細解説
- 位置づけ
- アドバンテストは2026年3月期の研究開発に「AI、LLM 及びエージェントを活用したテストプログラムの生成及びデバッグ機能の開発」を挙げる advantest.com
- 製品での提供
- SmarTest 8 は、米ギットハブの「コパイロット」などの AI を使ったツールでエンジニアの生産性を高めるとする (2026年4月28日) advantest.com
- 搭載
- 2026年11月5日の発表では、SmarTest 8 にテストプログラム開発を支援する AI ツールを搭載したとしている advantest.com
- 展示
- 10月11〜16日の国際テスト会議 (ITC) に、AI を使ったテストプログラム開発機能を持つ SmarTest 8 を出展すると発表した (2026年10月13日) advantest.com
- 展示の予定
- 11月10〜13日の欧州の半導体展示会セミコン・ヨーロッパにも、AI ツールを載せた SmarTest 8 を出展する予定 (2026年11月5日発表) advantest.com
- 利用者会議での評価
- 2026年5月の利用者会議 VOICE 2026 で、アドバンテスト社員の発表「V93000 の AI によるテストプログラム開発」が、論文と展示形式の発表の両部門で最優秀に選ばれた advantest.com
- エヌビディアとの共著
- 同じ会議で、エヌビディアの技術者2人とアドバンテストの社員3人が、複数の AI エージェントを組み合わせて LLM を半導体試験に使う手法を発表し、特別賞の論文に選ばれた advantest.com
- 社内での利用
- 設計やテストプログラムの生成などの業務に AI を使い、効率を高めている (統合報告書2026の座談会) advantest.com
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| 工場はない (ソフトウエア) | ドイツ・ベーブリンゲンと群馬 (主要開発拠点) | アドバンテストは研究開発の主要拠点としてドイツ・ベーブリンゲンと群馬を挙げ、両拠点の連携を強みとする | advantest.com |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- 何を自動にするか
- テストプログラムは、チップのどのピンにどんな信号を入れ、返ってきた値をどう判定するかを書いたもの。AI はその記述と不具合の切り分けを支える advantest.com
- AI エージェント
- 2026年5月の展示会セミコン東南アジアで、エージェント型 AI で開発の効率とデバッグの速さを高め、技術者の判断を支える手法について講演する予定と発表した (2026年4月28日) advantest.com
- 制御ソフト
- SmarTest 8 は OS のリナックスと開発環境のイクリプスを基盤に、アドバンテストが設計・保守している。プログラムを書く仕組みはプログラミング言語のジャバ (Java) を基にしている advantest.com
- 設計データからの生成
- 2025年9月に買収したアライアンスATE の製品 Velocity を V93000 の環境に統合した。設計データからテストプログラムを生成するソフトウエアである advantest.com
- グループの AI 利用の管理
- アドバンテストは有価証券報告書のリスクの記述で、グループ全体の AI 利用について、偏った出力や不正確な出力の恐れを認める。AI に関する基本方針と利用指針を定め、人による監督を組み込むとしている advantest.com
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| 対応する装置 | SoC (システム・オン・チップ) テストシステム V93000 (制御ソフト SmarTest 8) | advantest.com |
| 搭載する AI ツールの例 | 米ギットハブの「コパイロット」(会社発表) | advantest.com |
| ライセンス | SmarTest 8 は機能に応じたライセンス体系を持つ。AI 機能の課金方式は公表されていない | advantest.com |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 装置を動かすソフトウエア | SmarTest 8 | アドバンテスト | 6857 | 日本 公表されていない |
V93000 製品ページ A |
| AI によるプログラム作成支援 | コパイロット マイクロソフトは米ナスダック上場 (MSFT) |
ギットハブ マイクロソフトの子会社 |
— | 米国 | 2026年4月28日の会社発表が SmarTest 8 の AI ツールの例に挙げる A |
| 大規模言語モデル | 公表されていない | 公表されていない | — | どの言語モデルを使うかは会社の資料にない A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1開発アドバンテストが SmarTest 8 を開発し、社外の AI ツールを組み込む企業: アドバンテスト
- 2設計データとの連携Velocity を V93000 のソフトウエア環境に統合した (2026年5月18日)。SiConic は設計ツール (EDA) とテスターをつなぐ別の製品 (2025年2月20日発表)企業: アドバンテスト
- 3シリコン検証SiConic は試作チップの検証を自動化するソフトウエアと測定器 (2025年2月20日発表)企業: アドバンテスト
- 4利用者V93000 を使う半導体メーカー・製造受託会社・後工程会社の試験技術者企業: 個別の利用企業は公表されていない
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1製造ラインはないソフトウエアの機能で、製造工程はない。配布の方法は公表されていない
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| SmarTest 8 の AI 機能 | 公表されていない (個別の見積もり) | 2026-11-06 | advantest.com |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 直販・販売子会社 | V93000 と同じく、アドバンテスト本体と米国・欧州・台湾・シンガポールなどの販売子会社が窓口 | advantest.com |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 研修 | SmarTest 8 の利用者向け研修を各地で開く | advantest.com |
| 保守契約 | 保守契約の基本の内容は技術サポート・モジュール交換・ソフトウエア更新・校正・予防保守。AI 機能の更新の扱いは公表されていない | advantest.com |
| 遠隔支援 | 別に遠隔支援のサービスがある | advantest.com |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 全世界の V93000 の設置先 | 仕向け地ごとの提供の有無と、輸出規制の対象かどうかは公表されていない。アドバンテストは輸出管理の体制を公表している | advantest.com |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | SoC テストシステムの売上高 (V93000 全体) | 7,674 | 億円 | AI 機能だけの売上高は公表されていない | advantest.com |
💰 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 研究開発費 (グループ全体、2026年3月期) | 781億円 | advantest.com | |
| 転換社債で調達し次世代テスト技術の開発に充てる資金 | 約300億円を2028年3月までに充てる予定 (AI 機能への配分は公表されていない) | advantest.com |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
このページの技術は、AI をテストプログラムの作成と不具合の修正に使うもの。試験データの判定には、別に ACS RTDI がある。研究開発の項目には LLM と AI エージェントによる生成とデバッグが並ぶ。最大の顧客であるエヌビディアの技術者も、アドバンテスト社員との共著で、複数の AI エージェントで LLM を半導体試験に使う手法を発表した。設計データから生成する Velocity と、言語モデルで支える SmarTest 8 の2つの方法を、V93000 の環境にそろえた。
社外の AI ツールとして米ギットハブの「コパイロット」を例に挙げるが、どの言語モデルを使うかは明らかにしていない。グループ全体の AI 利用については、偏った出力や不正確な出力の恐れを有価証券報告書で認め、人による監督を組み込むとしている。価格と利用社数は公表されておらず、収益への寄与は数字で示されていない。
公表されていないこと
- 使っている大規模言語モデルの名前と提供元
- AI 機能の価格と課金方式
- AI 機能をどの拠点で開発しているか
- AI 機能を使う顧客の数と、開発期間がどれだけ縮んだかの数字
出所
- 有価証券報告書兼事業報告書 第84期 (2026年3月期) (2026-06-26)
- SEMICON SEA 2026 出展 (2026-04-28)
- VOICE 2026 開催報告 (2026-06-24)
- ITC 2026 出展 (2026-10-13)
- SEMICON Europa 2026 出展 (2026-11-05)
- Velocity を VOICE 2026 で紹介 (2026-05-18)
- V93000 製品ページ (2026-11-06)
- 統合報告書2026 (2026-10-16)
出所との照合日: 2026年11月6日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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