EV・自動運転 🤖 自動運転専業
T

チューリング

Turing

🗓 事実の最終確認: 関連記事の更新: 出典: 当サイト企業データベース (一次資料・自社記事の解剖に基づく)

主力製品・モデル
自動運転AI「TD-1」、映像と言葉から操作を出力するAI「DriveHeron」
上場
非上場
同業 4 社との比較 (企業データベースの同じ列)
企業 主力製品・モデル 評価額・時価総額 最新発表 / 確認日
小馬智行 (ポニー・エーアイ) 第7世代ロボタクシー (bZ4X、アルファT5、アイオンV… — 2026-10-01
文遠知行 (ウィーライド) ロボタクシー GXR (2024年10月発表、5人乗り) — 2026-10-01
滴滴自動運転 (ディディ) Robotaxi R2 (広汽埃安と共同開発したロボタクシ… — 2026-10-01
白犀牛 (Rino.ai) RX (鑫源汽車と開発した無人配送車の量産車、2026年1… — 2026-09-28
執筆・監修: (編集長・アナリスト) 最終確認: — 公式発表・SEC/EDINET 等の一次資料と自社記事を突合 出典 19 件 更新: 記事→企業行は日次、一次情報の再確認は週次の自動運用 編集方針
カメラの映像を入力に、1つのAIが認識から操作までを担うエンドツーエンド (E2E) 方式の自動運転を開発する未上場企業。将棋AI「Ponanza」を開発した山本一成氏らが2021年8月に創業した。2025年11月、東京都内の公道を30分以上、人が介入せずに走る目標「Tokyo30」を達成したと発表した。累計の資金調達額は366億円 (株式235億円、融資131億円。2026年10月に公式サイトで確認)。2026年7月にはシリーズAの調達を合計278億9,000万円で終えた。SUBARU、デンソーと共同研究を進める。売上高と損益は公表していない。当初掲げた自社製の電気自動車の量産から、自動運転AIの開発へ事業の軸を移した。
🔗 公式サイト

Postation の入口

📦 製品・商品 (10)

🧠 TD-1 モデル

ティーディーワン (エンドツーエンド方式の自動運転AI)

カメラの映像だけを入力に、周辺の地図、車両と歩行者の認識、運転の操作までを1つのモデルで出力する自動運転AI。都内を30分間、人が介入せずに走る計画「Tokyo30」のために開発した。2024年10月に走行試験を始め、同年12月に公道での走行試験を始めた。
入力
カメラの映像
学習の基盤
Gaggle Cluster
モデルの種類
トランスフォーマー
走行試験の開始
2024年10月 (公道は同年12月)

対象: 自社の開発車両

出典: tur.ing/news/20241030/

🧠 DriveHeron モデル

ドライブヘロン (公道を走らせたVLAモデル)

映像と言葉による状況の理解を合わせ、ハンドルと加減速に当たる運転の操作を出力するVLA (視覚・言語・行動) モデル。視覚言語モデル「Heron」を基にした。2026年3月、公道でリアルタイムに車両を制御したと発表した。会社は国内初としている (自社調べ)。
支援
経済産業省とNEDOのGENIAC
規模
約20億パラメーター (2026年3月)
推論の周期
1秒に10回
入力のカメラ
1台 (公道走行の検証時)

対象: 自社の開発車両

出典: tur.ing/news/20260326/

🧠 Heron モデル

ヘロン (日本語の視覚言語モデルと学習ライブラリ)

画像と言葉を合わせて扱うAIモデルと、その学習用のライブラリ。2023年9月に最大700億パラメーターのモデル群を公開した。2025年5月には150億パラメーターの「Heron-NVILA-Lite-15B」を公開した。20億パラメーターの版はiPhoneの上で動く。
評価
日本語の評価指標 Heron-Bench で73.5 (150億パラメーターの版、2025年5月、会社の発表)
最初の公開
2023年9月
Heron-NVILA-Lite
150億、20億、10億パラメーターの3種 (2025年5月)

対象: 研究者、開発者

出典: tur.ing/news/20250512/

🧠 Terra モデル

テラ (自動運転向けの世界モデル)

運転の場面を動画として生成する世界モデル。運転の操作を指定すると、その結果の映像を出力する。運転シミュレーターとして使うほか、自動運転システムの一部として先の予測に使う。2024年8月に発表し、同年12月にモデルとソースコードを公開した。
公開
2024年12月 (評価指標 ACT-Bench と同時)
発表
2024年8月
学習データ
約1,500時間分 (自社の走行データと公開の走行映像)

対象: 自社の開発、研究者

出典: tur.ing/news/20240814/

📦 CoVLA-Dataset 製品

コブラ・データセット (自動運転向けの公開データセット)

車載カメラの映像に、状況を説明する文と走行経路を付けたデータセット。VLAモデルの学習に使う。2024年9月に一部を、同年12月に600万フレームの全データを公開した。論文は国際会議WACV 2025に採択された。
規模
600万フレーム、80時間以上の運転データ
全データの公開
2024年12月

対象: 研究者、開発者

出典: tur.ing/news/20241223/

📦 STRIDE-QA 製品

ストライド・キューエー (3次元の情報を付けた走行データセット)

東京都内で集めた3,500時間超の運転データから、100時間、2万の場面を選んでつくったデータセット。車両や歩行者に3次元の枠を付け、質問と回答を1,263万組そろえた。2025年5月に一部を学術機関向けに公開した。
公開
2025年5月 (200場面の STRIDE-QA-Mini)
規模
100時間、2万場面、質問と回答1,263万組

対象: 研究者、開発者

出典: tur.ing/news/20250512/

📦 Japan Open Driving Dataset 製品

国内の走行データを集めた公開データセット

東京都内で集めた約111時間分の走行データ。エンドツーエンド方式のAIとVLAモデルの学習と評価に使う。経済産業省の委託事業の一環で、2026年3月に公開した。利用には申請が必要である。
形式
自動運転の研究で広く使われる nuScenes と互換
走行時間
約111時間
総データ量
約24テラバイト

対象: 研究者、開発者

出典: tur.ing/news/opendataset_2025/

📦 開発車両 製品

トヨタ自動車のアルファードを改造した試験車

トヨタ自動車のアルファード (ハイブリッド車) の中古車に、カメラと車載コンピューターを載せた車両。同じ車両をデータ収集と走行実験の両方に使う。2026年8月時点で30台を超える。改造は自社で行う。
台数
30台超 (2026年8月)
カメラ
8台 (前3台、横4台、後ろ1台)
1台の費用
約950万円 (車両を含む。2025年7月、国土交通省の検討会の資料)
車載コンピューター
エヌビディア Jetson AGX Orin 1台

対象: 自社のデータ収集と走行実験

出典: turipo.tur.ing/techtalk44/

📦 THE FIRST TURING CAR 製品

自動運転機能を載せて1台だけ販売した車両

トヨタ自動車のレクサスRX450hに、自社のAI自動運転システムを載せた車両。2023年1月に1台限定で発売し、同年3月に納車した。運転の主体は運転者で、システムは運転を支援する。
発売
2023年1月
納車
2023年3月
販売台数
1台

対象: 個人

出典: tur.ing/news/20230120/

📦 Turing Machine Alpha 製品

チューリングマシン アルファ (自社で開発した試作車)

車体と骨組みを自社で開発したコンセプトカー。車両の設計と製造の技術を得るために製作した。2023年11月のJAPAN MOBILITY SHOW 2023で公開した。
公開
2023年11月

対象: 展示

出典: tur.ing/news/20231110/

🧪 技術・サービス (6)

🧪 エンドツーエンド (E2E) 自動運転 技術

1つのAIが認識から操作までを担う方式

認識、予測、計画、制御を分けず、1つのニューラルネットワークがカメラの映像から走行経路を出力する方式。同社は創業時からこの方式に絞って開発してきた。2025年11月末、東京都内の公道を30分以上、人が介入せずに走ったと発表した。運転席には社員が乗っていた。
推論
車載コンピューター1台
達成
Tokyo30 (2025年11月末、会社の発表)
2026年の目標
より複雑な都内で安定して30分走ること、カーナビとの連携

対象: 乗用車

出典: turipo.tur.ing/v92wboto/

🧰 Gaggle Cluster 基盤

ガグルクラスター (自社専用の計算基盤)

自動運転AIと生成AIの学習に使う自社専用の計算基盤。2023年11月に構築を始め、2024年10月に運用を始めた。NTTPCコミュニケーションズが構築を支援した。
GPU
エヌビディア H100 を96基
通信
NVIDIA InfiniBand NDR400
運用開始
2024年10月

対象: 自社のAI開発

出典: tur.ing/news/20241030/

🧰 学習データの基盤 基盤

走行データからデータセットをつくる仕組み

車両から集めた走行データを整え、学習用のデータセットを自動でつくる仕組み。米データブリックスのクラウドの上に構築した。数万時間の走行データを管理し、1,000時間分のデータセットを1時間ほどでつくる (2026年9月)。
処理した場面
1億2,500万 (1場面は20秒)
管理するデータ
数万時間、動画だけで数ペタバイト (2026年9月)

対象: 自社のAI開発

出典: turipo.tur.ing/techtalk45/

🧪 3次元再現による走行シミュレーション 技術

3D Gaussian Splatting を使う仮想の走行環境

走行の動画から街を3次元で再現し、その中でAIに車を走らせて評価する技術。実際に走る前にAIの良し悪しを確かめられる。人の介入が多かった場所を重点的に再現する。強化学習の環境にも使う。
用途
AIの評価、強化学習
関連の論文
P2GS (CVPR 2026 に採択)

対象: 自社のAI開発

出典: turipo.tur.ing/v92wboto/

🧪 画像トークナイザ 技術

One-D-Piece、DriveTiTok (映像を圧縮してAIに渡す技術)

画像や映像を、AIが扱う単位であるトークンの列に変えて圧縮する技術。2025年1月に「One-D-Piece」を発表した。2026年3月には、運転の映像を約100分の1に圧縮する「DriveTiTok」を公開した。
DriveTiTok
2026年3月公開。圧縮は約100分の1
One-D-Piece
2025年1月発表。特許出願中

対象: 自社のAI開発、研究者

出典: tur.ing/news/20260326/

🧰 車両の管理と遠隔更新 基盤

開発車両のソフトウェアを無線で更新する仕組み

開発車両と、載せている機器、ソフトウェアの版をまとめて管理する自社製のシステム。新しいソフトウェアは、車両基地の無線LANを通じて配る。運転者が車内の画面で更新を始める。
対象
開発車両 約30台、開発用の計算機 約75台 (2026年6月)
更新の時間
約10分

対象: 自社の開発車両

出典: turipo.tur.ing/techtalk41/

🔭 構想 (3)

会社が将来の事業として掲げているが、まだ事業として存在しないもの。売上・契約の実績はない。

🔭 完全自動運転の車両 構想

ハンドルのない車両 (構想)

会社が開発を目指すと公表している構想で、製品は存在しない。2024年12月の発表文は「2030年までにハンドルのない完全自動運転車の開発を目指す」とした。2023年に掲げた「2030年に1万台を生産」の目標は、2024年以降の発表文に出てこない。
目標の時期
2030年まで (2024年12月の発表文)

対象: 未定

出典: tur.ing/news/20241225/

🔭 次期GPU計算基盤 構想

自社で設備を持つ次の計算基盤 (構想)

2025年12月に公表した構想で、完成した設備は存在しない。計算能力を2年間で5〜10倍に増やす。最新世代のGPUを採用し、サーバーの間を毎秒800ギガビットの通信でつなぐ。BIPROGYが構築で連携する。
目標の時期
2025年12月から2年間
現在の計算能力
約0.7エクサフロップス (2025年12月)
目標の計算能力
3.5〜7エクサフロップス (計算の速さの単位。半精度の演算での換算)

対象: 自社のAI開発

出典: turipo.tur.ing/v92wboto/

🔭 車載向けのAI半導体 構想

Hummingbird (自社で開発するとした半導体の構想)

2023年12月に開発を決めたと公表した構想で、製品は存在しない。大規模なAIモデルを車の中で動かすための半導体で、当時の自動運転向け半導体の500倍の処理能力を目指すとした。2024年2月の告知より後の発表文に、進み具合の記載は無い。
名称の公表
2024年2月 (Hummingbird)
開発の決定
2023年12月

対象: 自社の車両

出典: tur.ing/news/20231228/

📊 開示データ (6)

チューリングは未上場で、決算を公表していない。会社の発表文と公式サイト、協業先の発表文、官庁の公表で確かめられる数字と事実を表にまとめた。業績の表は無い。

最終確認:

資金調達の履歴 単位: 億円

時期 区分 合計 株式 融資 主な相手
2022年7月 シード 10.0 10.0 ― ANRI、グローバル・ブレイン、DIMENSION、HEROZなど
2023年8月 新株予約権 5.2 5.2 ― 山本一成氏、田中大介氏とエンジェル投資家5人
2024年4月 プレシリーズA 前半 30.0 30.0 ― ANRI (主導) など
2024年7月 プレシリーズA 後半 15.0 15.0 ― X&KSKなど
2024年12月 プレシリーズA 追加 10.2 8.2 2.0 JICベンチャー・グロース・インベストメンツなど。融資はみずほ銀行
2025年3月 融資 5.0 ― 5.0 三井住友銀行
2025年4月 融資 13.25 ― 13.25 みずほ銀行
2025年11月 シリーズA 1回目 152.7 97.7 55.0 JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、グローバル・ブレイン (共同で主導)。融資はみずほ銀行など7者
2026年7月 シリーズA 2回目 126.2 68.2 58.0 米AMDベンチャーズ、三菱商事など8社。融資は三菱UFJ銀行
累計 (会社の公表) ― 366 235 131 公式サイトの会社概要
  • 金額は会社の発表文のまま。
  • 会社はプレシリーズAの前半と後半の合計を45億3,800万円、追加を含めた総額を55億5,800万円としている。
  • シリーズAは1回目と2回目の合計で278億9,000万円。
  • シリーズAの1回目の株式は、1倍非参加型の優先株式である。
  • 2023年8月はJ-KISS型の新株予約権による。
  • 会社が発表した額を足すと367億9,300万円になる (株式234億6,800万円、融資133億2,500万円。
  • プレシリーズAの前半と後半は会社の合計45億3,800万円で数えた。
  • 編集部の計算)。
  • 公式サイトの累計より株式は3,200万円少なく、融資は2億2,500万円多い。
  • 違いの理由は公表されていない。
  • 調達の時の評価額は公表されていない。
  • 資本金は3,000万円。

出典: チューリング 発表文「シードラウンドで10億円の大型資金調達を実施」(2022年7月13日) 、チューリング 発表文「計7名より5.2億円の資金調達を実施」(2023年8月31日) 、チューリング 発表文「プレシリーズA 前半で30億円の資金調達を実施」(2024年4月23日) 、チューリング 発表文「総額45億円の調達でプレシリーズAラウンドを完了」(2024年7月1日) 、チューリング 発表文「プレシリーズAラウンドで総額55億円を調達」(2024年12月25日) 、チューリング 発表文「三井住友銀行と5億円の融資契約を締結」(2025年3月11日) 、チューリング 発表文「みずほ銀行と13億円の融資契約を締結」(2025年4月25日) 、チューリング 発表文「シリーズA 1st closeとして153億円の資金調達を実施」(2025年11月17日) 、チューリング 発表文「シリーズAラウンド全体で278.9億円の資金調達を完了」(2026年7月6日) 、チューリング 会社情報 (公式サイト、2026年10月1日に確認)

シリーズAの出資者と融資元

出資者・融資元 回 区分 上場の有無 (証券コード)
JICベンチャー・グロース・インベストメンツ 1回目 株式 (共同で主導) ―
グローバル・ブレイン 1回目 株式 (共同で主導) ―
ANRI 1回目 株式 ―
Canon Marketing Japan MIRAI Fund 1回目 株式 ―
ちばぎんキャピタル 1回目 株式 ―
大日本印刷 1回目 株式 上場 (7912)
デンソー 1回目 株式 上場 (6902)
ENEOSホールディングス 1回目 株式 上場 (5020)
GMOインターネットグループ 1回目 株式 上場 (9449)
日揮みらいファンド 1回目 株式 ―
マーキュリアインベストメント 1回目 株式 ―
三菱HCキャピタル 1回目 株式 上場 (8593)
三菱UFJキャピタル 1回目 株式 ―
三井不動産&イノベーションファンド 1回目 株式 ―
みずほキャピタル 1回目 株式 ―
未来創造キャピタル 1回目 株式 みずほリース (8425) のCVC
ソニーフィナンシャルベンチャーズ 1回目 株式 ―
Spiral Capital 1回目 株式 ―
東急不動産ホールディングス 1回目 株式 上場 (3289)
ウイング・キャピタル・パートナーズ 1回目 株式 ―
ヤンマーベンチャーズ 1回目 株式 ―
ゼンリンフューチャーパートナーズ 1回目 株式 ―
Z Venture Capital 1回目 株式 ―
みずほ銀行 1回目 融資 (取りまとめ役) 親会社が上場 (8411)
静岡銀行 1回目 融資 親会社が上場 (5831)
商工組合中央金庫 1回目 融資 ―
りそな銀行 1回目 融資 親会社が上場 (8308)
JA三井リース 1回目 融資 ―
千葉銀行 1回目 融資 上場 (8331)
常陽銀行 1回目 融資 親会社が上場 (7167)
AMDベンチャーズ (米国) 2回目 株式 ―
BIPROGY 2回目 株式 (資本業務提携) 上場 (8056)
データダイレクト・ネットワークス (米国) 2回目 株式 ―
GMOインターネット 2回目 株式 上場 (4784)
三菱商事 2回目 株式 上場 (8058)
三菱UFJ銀行 2回目 株式と融資 親会社が上場 (8306)
スーパー・マイクロ・コンピューター (米国) 2回目 株式 ―
東京エレクトロン デバイス 2回目 株式 上場 (2760)
  • 1回目は2025年11月17日、2回目は2026年7月6日の発表。
  • 並びは会社の発表文の順 (主導した2者のあとはアルファベット順)。
  • 出資の額と比率は、どの出資者についても公表されていない。
  • 証券コードは東京証券取引所のもので、2026年8月末の上場銘柄一覧で確かめた。
  • 「上場」は出資者・融資元そのものが上場している場合、「親会社が上場」は銀行の持ち株会社が上場している場合を指す。
  • 親会社は順に、みずほフィナンシャルグループ、しずおかフィナンシャルグループ、りそなホールディングス、めぶきフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ。
  • 「―」は東京証券取引所に上場していないか、投資会社やファンドであることを示す。
  • 未来創造キャピタルだけ親会社を示したのは、会社の発表文に「みずほリース株式会社CVC」と記載があるため。
  • CVCは、事業会社が自己資金で運営する投資部門のこと。
  • AMDベンチャーズは、米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイス (AMD) の投資部門。

出典: チューリング 発表文「シリーズA 1st closeとして153億円の資金調達を実施」(2025年11月17日) 、チューリング 発表文「シリーズAラウンド全体で278.9億円の資金調達を完了」(2026年7月6日) 、BIPROGY ニュースリリース「チューリングと資本業務提携」(2026年7月6日) 、日本取引所グループ 東証上場銘柄一覧 (2026年8月末)

国の事業の採択と受注

時期 事業 所管 内容と金額
2022年10月 SBIR推進プログラム NEDO AI自動運転による長距離走行の研究。フェーズ1の受注額は1,499万8,500円
2024年2月 GENIAC 第1期 経済産業省、NEDO 約7億4,000万円相当の計算資源を利用 (2024年2月〜8月)
2024年9月 ディープテック・スタートアップ支援事業 NEDO 最大約3億円の助成。都内を30分間、人が介入せずに走るシステムの開発
2024年10月 GENIAC 第2期 経済産業省、NEDO 約5億2,000万円分の計算資源の利用と、データセット構築への助成
2025年3月 自動運転サービス開発・実証支援事業 経済産業省 委託事業。6者の共同提案で採択。公開データセットをつくる。金額は非公表
2025年7月 GENIAC 第3期 経済産業省、NEDO 車に載せられるAI (100億パラメーター規模のフィジカル基盤モデル) の開発。金額は非公表
2025年8月 一貫型自律走行技術の検証役務 防衛装備庁 一般競争入札で受注。1,096万9,000円。実施期間は2026年3月23日まで
2026年5月 ロボット基盤モデルの研究開発 (GENIAC) 経済産業省、NEDO 補助事業。応募3件のうち2件が採択。金額は非公表
  • NEDOは新エネルギー・産業技術総合開発機構。
  • GENIACは、経済産業省とNEDOが生成AIの開発を支援する事業で、チューリングの採択は4度。
  • 時期は採択か受注の月で、会社の発表は翌月以降になったものがある (2025年3月の採択は同年4月、2025年8月の受注は同年10月に発表)。
  • 2025年3月の共同提案者は、産業技術総合研究所、日産自動車、日本自動車研究所、ティアフォー、チューリング、野村総合研究所。
  • 受注額は政府の法人情報サイト gBizINFO の調達の欄による。
  • 防衛装備庁の発注元は陸上装備研究所。
  • 2023年4月には、経済産業省のスタートアップ支援プログラム「J-Startup」に選ばれた。

出典: チューリング 発表文「NEDO事業 SBIR推進プログラムに採択」(2022年10月3日) 、チューリング 発表文「競争力ある生成AI基盤モデルの開発の事業者に採択」(2024年2月2日) 、チューリング 発表文「NEDO ディープテック・スタートアップ支援事業 STSフェーズに採択」(2024年9月12日) 、チューリング 発表文「GENIAC の第2期に採択」(2024年10月10日) 、経済産業省 令和6年度補正「地域の移動課題解決に向けた自動運転サービス開発・実証支援事業」の採択結果 (2025年3月19日) 、チューリング 発表文「GENIAC の第3期に採択」(2025年7月15日) 、チューリング 発表文「防衛装備庁と自動運転AIの性能検証に関する役務請負契約を締結」(2025年10月3日) 、チューリング 発表文「ロボット基盤モデルの研究開発 (GENIAC) に採択」(2026年5月14日) 、NEDO「ロボット基盤モデルの研究開発 (GENIAC) (補助) の実施体制の決定について」(2026年5月14日) 、経済産業省 gBizINFO「Turing株式会社」(2026年10月1日に確認)

技術と計画の年表

時期 出来事 区分
2021年8月 創業 実績
2022年10月 北海道一周1,480キロメートルのうち約95%を自動運転の状態で走行 実績
2023年1月 自動運転機能を載せた車両を1台限定で発売 (3月に納車) 実績
2023年2月 千葉県柏市に生産拠点を新設。2025年に100台、2030年に1万台の目標を公表 計画 (2024年以降の発表文に無い)
2023年9月 視覚言語モデルの学習ライブラリ「Heron」を公開 実績
2023年12月 車載向けAI半導体の開発を決定 計画 (進み具合は未公表)
2024年8月 世界モデル「Terra」を発表 実績
2024年10月 計算基盤「Gaggle Cluster」の運用と、自動運転AI「TD-1」の走行試験を開始 実績
2024年12月 走行データセット「CoVLA-Dataset」の全データを公開 実績
2025年11月 東京都内の公道で30分以上、人が介入しない走行 (Tokyo30) を達成 実績
2025年12月 計算能力を2年間で5〜10倍にする計画を公表 計画
2026年1月 本社を東京都大田区平和島へ移転 実績
2026年3月 約20億パラメーターのVLAモデルで公道を走行 実績
2026年6月 SUBARU、デンソーと共同研究を開始 実績
2026年7月 シリーズAの調達を完了 実績
2026年中 より複雑な都内で安定して30分走ることと、カーナビとの連携 目標
2030年まで ハンドルのない完全自動運転の車両の開発 目標 (2024年12月の発表文)
  • 区分の「実績」は会社が達成や実施を発表したもの、「計画」「目標」は会社が公表しただけのもの。
  • Tokyo30の達成は、2025年12月1日の説明会で公表された。
  • 達成は2025年11月末で、走行時は社員が運転席に乗っていた (2026年3月の会社の情報発信サイト「チューリポ」)。
  • 達成した日付と経路の詳細は公表されていない。
  • VLAモデルは、映像と言葉から運転の操作を出力するAIで、会社は公道での走行を国内初としている (自社調べ)。

出典: チューリング 会社情報 (公式サイト、2026年10月1日に確認) 、チューリング 発表文「北海道一周長距離走行実証を実施」(2022年10月12日) 、チューリング 発表文「THE 1st TURING CAR を販売開始」(2023年1月20日) 、チューリング 発表文「TURING Kashiwa Nova Factory を千葉県柏市に新設」(2023年2月17日) 、チューリング 発表文「マルチモーダル学習ライブラリ Heron を公開」(2023年9月7日) 、チューリング 発表文「半導体チップ・車載LLMアクセラレーター開発チームを発足」(2023年12月28日) 、チューリング 発表文「自動運転向け生成世界モデル Terra を開発」(2024年8月14日) 、チューリング 発表文「専用計算基盤 Gaggle Cluster を公開」(2024年10月30日) 、チューリング 発表文「CoVLA-Dataset 全データを公開」(2024年12月23日) 、チューリング「Turing AI DAY 2025 (書き起こし記事)」(2025年12月2日) 、チューリング「TuringTechTalk#38 E2E自動運転をスケールさせる ─ Tokyo30を支えたデータと学習のエコシステム」(2026年3月2日) 、チューリング「本社移転のお知らせ」(2025年12月23日) 、チューリング 発表文「VLAモデルによる公道でのリアルタイム自動運転制御を実現」(2026年3月26日) 、チューリング 発表文「車載E2Eシステムおよびフィジカル基盤モデルの共同研究を開始」(2026年6月4日) 、チューリング 発表文「シリーズAラウンド全体で278.9億円の資金調達を完了」(2026年7月6日) 、チューリング「TuringTechTalk #34 E2Eモデルの進化と、2026年の目標」(2026年2月10日) 、チューリング 発表文「プレシリーズAラウンドで総額55億円を調達」(2024年12月25日)

主な協業先

協業先 対象 内容と時期
SUBARU 車載のE2E自動運転システム 共同研究を開始 (2026年6月)。軽くしたAIと車両制御を組み合わせ、将来の公道実証を見据える
デンソー 歩行者や標識を言葉として理解するAI (フィジカル基盤モデル) 共同研究を開始 (2026年6月)。2025年11月に出資
BIPROGY 画像処理半導体 (GPU) を使う大規模な計算基盤 資本業務提携 (2026年7月)。基盤の構築で連携し、自動運転の実用化に向けた取り組みも検討
NTTPCコミュニケーションズ 計算基盤 Gaggle Cluster 構築を支援 (2024年10月に運用開始)
日産自動車、ティアフォーなど5者 経済産業省の委託事業 共同提案で採択 (2025年3月)。チューリングは学習用データセットの構築に取り組む
防衛装備庁 陸上装備研究所 未舗装路での自動運転AIの検証 役務を受注 (2025年8月)。実施期間は2026年3月23日まで
S.RIDE、大和自動車交通 走行データの収集 タクシーに収集用の機器を載せて実証 (2024年1〜2月)
東京アールアンドデー 車両の試作 戦略的パートナーシップ (2023年3月)
  • SUBARU、デンソーとの共同研究は、経済産業省とNEDOの「ロボット基盤モデルの研究開発 (GENIAC)」の一環。
  • 量産車への搭載を決めた自動車メーカーは発表されていない (2026年10月1日時点)。
  • 東京アールアンドデーとの提携は、自社製の電気自動車を開発していた時期のもの。

出典: チューリング 発表文「車載E2Eシステムおよびフィジカル基盤モデルの共同研究を開始」(2026年6月4日) 、チューリング 発表文「シリーズA 1st closeとして153億円の資金調達を実施」(2025年11月17日) 、BIPROGY ニュースリリース「チューリングと資本業務提携」(2026年7月6日) 、チューリング 発表文「専用計算基盤 Gaggle Cluster を公開」(2024年10月30日) 、経済産業省 令和6年度補正「地域の移動課題解決に向けた自動運転サービス開発・実証支援事業」の採択結果 (2025年3月19日) 、チューリング 発表文「経済産業省の自動運転サービス開発・実証支援事業に採択」(2025年4月24日) 、チューリング 発表文「約111時間分の自動運転開発向けデータセットを公開」(2026年3月27日) 、チューリング 発表文「防衛装備庁と自動運転AIの性能検証に関する役務請負契約を締結」(2025年10月3日) 、経済産業省 gBizINFO「Turing株式会社」(2026年10月1日に確認) 、チューリング 発表文「タクシーアプリのS.RIDEと自動運転領域で協業」(2024年3月21日) 、チューリング 発表文「東京アールアンドデーと戦略的パートナーシップを締結」(2023年3月1日)

計算基盤・開発車両・走行データ

項目 数字 時点 説明
GPUの数 (Gaggle Cluster) 96基 2024年10月 エヌビディアの H100
計算能力 約0.7エクサフロップス 2025年12月 半精度の演算での換算。当初の Gaggle Cluster の約8倍。クラウドを含む
計算能力の目標 3.5〜7エクサフロップス 2025年12月から2年間 5〜10倍に増やす計画
開発車両 25台 2025年7月 国土交通省の検討会に出した資料
開発車両 約30台 2026年6月 会社の情報発信サイト「チューリポ」
開発車両 30台超 2026年8月 会社の情報発信サイト「チューリポ」
走行データ 通算1万5,000時間 2025年7月 国土交通省の検討会に出した資料
走行データ 数万時間 2026年9月 動画だけで数ペタバイト
車両1台の費用 約950万円 2025年7月 車両と自動運転の機器を含む
カメラ (車両1台) 8台 2026年8月 前3台、横4台、後ろ1台
社員数 106人 2026年10月1日に確認 役員と正社員85人、インターンと有期雇用21人
  • エクサフロップスは計算の速さの単位で、1エクサフロップスは1秒に100京回の演算に当たる。
  • 会社は、2025年12月時点の計算能力がスーパーコンピューター「富岳」のAI演算性能の約40%に当たると説明している。
  • 開発車両は、トヨタ自動車のアルファード (ハイブリッド車) を改造したもの。
  • 車載コンピューターはエヌビディアの Jetson AGX Orin で、性能は約250TOPS (1秒に約250兆回の演算)。
  • 社員数は公式サイトの会社概要の数字で、いつの時点かは書かれていない。

出典: チューリング 発表文「専用計算基盤 Gaggle Cluster を公開」(2024年10月30日) 、チューリング「Turing AI DAY 2025 (書き起こし記事)」(2025年12月2日) 、国土交通省 自動運転インフラ検討会 第3回 資料4 (2025年7月9日) 、チューリング「TuringTechTalk#41 OTAとフリート管理」(2026年6月26日) 、チューリング「Turing TechTalk#44 E/Eアーキと統合設計」(2026年8月14日) 、チューリング「Turing TechTalk#45 Databricksで加速するAI開発基盤」(2026年9月10日) 、チューリング「TuringTechTalk #34 E2Eモデルの進化と、2026年の目標」(2026年2月10日) 、チューリング 会社情報 (公式サイト、2026年10月1日に確認)

📋 詳細情報

技術・事業

技術概要
開発の柱は2つある。1つは、カメラの映像から走行経路を直接出力するエンドツーエンド (E2E) 方式のAIで、2024年10月に「TD-1」の走行試験を始めた。もう1つは、映像と言葉を合わせて理解し、運転の操作まで出力するVLA (視覚・言語・行動) モデルである。公道を走らせたVLAモデルを「DriveHeron」と呼ぶ。このほか、運転の場面を動画で生成する世界モデル「Terra」、日本語の視覚言語モデル「Heron」を公開した。走行データセット「CoVLA-Dataset」も公開している。学習には自社の計算基盤「Gaggle Cluster」とクラウドを使う。
コア技術
設計の考え方を、同社は「3つの技術的信念」として公表している。AIが自動運転に到達すること、単純な仕組みが複雑な仕組みに勝つこと、世界を理解した生成AIが完全自動運転の解法であること、の3つである。レーザー光で距離を測るセンサー「LiDAR (ライダー)」と高精度地図を前提にせず、カメラを中心に構成する。開発の方針は「Less is More」で、同じことができるならソースコードも機器も少ないほうがよいとする。山本一成氏は2025年12月の説明会で、先行する米テスラ (Tesla) を追う後発の立場を生かす戦略を取ると説明した。
事業セグメント
会社は事業の区分と売上高を公表していない。公式サイトが掲げる事業内容は「完全自動運転システムの開発」の1つである。公表された活動は3つに分けられる。1つ目は、自社の資金によるAIモデルと車載システムの開発。2つ目は国の事業で、経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) の生成AI開発事業「GENIAC」に4度採択された。3つ目は企業との共同研究で、2026年6月にSUBARU、デンソーと始めた。2023年には自動運転機能を載せた車両を1台販売した。その後、車両の販売は発表していない (2026年10月1日時点)。
主力製品・モデル
自動運転AI「TD-1」、映像と言葉から操作を出力するAI「DriveHeron」
ガバナンス

経営陣・組織

CEO
山本一成 (代表取締役CEO)
創業者
山本一成氏、青木俊介氏 (2021年8月20日に創業。青木氏は2025年12月に退職)
役員
代表取締役CEO (最高経営責任者) 山本一成、取締役COO (最高執行責任者) 田中大介、取締役CFO (最高財務責任者) 盛島正人、社外取締役 山本良蔵 (グローバル・ブレイン)、監査役 雨越仁 (公認会計士)、執行役員兼CTO (最高技術責任者) 山口祐、執行役員兼CSO 徳地佑悟 (渉外と事業推進を担当)、執行役員 棚橋耕太郎、執行役員 渡邉礁太郎、執行役員 大杉亘平 (2026年4月1日の発表と公式サイト)
専門指標

業界別スペック

主要製品
TD-1・DriveHeron・Heron・Terra・CoVLA-Dataset・STRIDE-QA・Japan Open Driving Dataset・開発車両・THE FIRST TURING CAR・Turing Machine Alpha
主力モデル
自動運転AI「TD-1」、映像と言葉から操作を出力するAI「DriveHeron」
自動運転レベル
完全自動運転 (レベル5) を開発の目標に掲げる
事業の内容
カメラと生成AIによるエンドツーエンド自動運転の開発
自動運転システム
TD-1 (カメラの映像から走行経路を出力するAI)
半導体の調達先
エヌビディア (車載は Jetson AGX Orin、学習は H100 など)
開発と運行の段階
2025年11月末、社員が運転席に乗った状態で、東京都内の公道を30分以上、人が介入せずに走ったと発表。開発車両は30台超 (2026年8月)
資金調達の累計
累計366億円 (株式235億円、融資131億円。公式サイト、2026年10月1日に確認)
直近の資金調達
シリーズA (2025年11月と2026年7月の2回、合計278億9,000万円)
上場の状況
未上場
主な出資者
シリーズAの2回目 (2026年7月、株式): 米AMDベンチャーズ、BIPROGY、米データダイレクト・ネットワークス、GMOインターネット、三菱商事、三菱UFJ銀行、米スーパー・マイクロ・コンピューター、東京エレクトロン デバイス。 シリーズAの1回目 (2025年11月、株式): JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、グローバル・ブレイン (以上が共同で主導)、ANRI、大日本印刷、デンソー、ENEOSホールディングス、GMOインターネットグループ、三菱HCキャピタル、東急不動産ホールディングスなど23者。 プレシリーズA (2024年4〜12月): ANRI (前半を主導)、NTTドコモ・ベンチャーズ、JR西日本イノベーションズ、X&KSKなど。 シード (2022年7月): ANRI、グローバル・ブレイン、DIMENSION、HEROZなど。

⭐ 強み・特徴

  1. ①都内の公道での実績 2025年11月末、東京都内の公道を30分以上、人が介入せずに走ったと発表した。運転席には社員が乗り、推論は車載コンピューター1台で行った
  2. ②計算基盤 2025年12月時点で、約0.7エクサフロップスの計算能力を常時使える (半精度の演算での換算)。エクサフロップスは計算の速さの単位である。会社は、スーパーコンピューター「富岳」のAI演算性能の約40%に当たると説明している
  3. ③走行データを自社で集める体制 開発車両は30台超 (2026年8月)。同じ車両をデータ収集と走行実験の両方に使う。集めた走行データは数万時間、動画だけで数ペタバイトに上る (2026年9月)
  4. ④出資者の広がり 累計の資金調達額は366億円 (2026年10月に公式サイトで確認)。シリーズAにはデンソー、三菱商事、米アドバンスト・マイクロ・デバイス (AMD) の投資部門などが出資した

📝 現状分析

売上高、損益、現金の残高は公表していない。資本金は3,000万円である。累計の資金調達額は366億円で、うち131億円は融資による (2026年10月に公式サイトで確認)。シリーズAの融資は、1回目が55億円の協調融資、2回目が三菱UFJ銀行の58億円だった。資金の使い道は、計算基盤の拡充、事業体制の強化、人材の採用としている。開発は国の事業の支援も受けている。経済産業省とNEDO (新エネルギー・産業技術総合開発機構) の生成AI開発事業「GENIAC」には、2024年2月から4度採択された。計算資源の利用などに助成を受ける。2026年3月に発表した公道走行の成果も、この事業の一環だった。政府の調達情報に載る受注は2件で、金額は1,096万9,000円と1,499万8,500円である。販売中の自動運転システムは無い。量産車への搭載を決めた自動車メーカーも発表していない (2026年10月1日時点)。2025年12月には共同創業者の青木俊介氏が退職した。

🧭 ビジョン・戦略

山本一成氏は2025年12月の説明会で、調達した資金の使い道を2つ挙げた。画像処理半導体 (GPU) を大量に使う大規模な学習と、自社での走行データの収集である。背後に大きな基盤モデルを置き、20分の1から30分の1ほどに圧縮したAIを車に載せる構成を最終的な姿とする。基盤モデルは700億パラメーター級か、それ以上を想定する。車両は、トヨタ自動車のアルファードに加えて複数の車種に対応させる方針だ。車載の半導体は、エヌビディアの次世代品と量産車向けの製品に対応する。将来は他社製にも広げる構想を示した。

🔮 今後の展望

会社が示す目標は3つある。計算能力は、2025年12月から2年間で5〜10倍に増やす計画である。計算の速さの単位で、約0.7エクサフロップスから3.5〜7エクサフロップスへ引き上げる。走行の面では、2026年の目標に、より複雑な都内で安定して30分間、人が介入せずに走ることを挙げた。カーナビとの連携を安定させることも目標とする。完全自動運転の車両は、2024年12月の発表文で「2030年までに開発を目指す」とした。焦点は、次の資金調達、SUBARUとの公道実証の時期、経済産業省などの事業「GENIAC」の成果の公表である。会社は決算を公表していないため、進み具合は発表文で確かめることになる。

📊 詳細ビジネスデータ

⚙️ アルゴリズム・メカニズム

従来の自動運転は、認識、予測、計画、制御の機能を分けてつなぐ方式が多かった。同社のエンドツーエンド (E2E) 方式は機能を分けない。1つのニューラルネットワークが、カメラの映像から走行経路を直接出力する。AIは、画像から特徴を取り出す部分と、トランスフォーマーと呼ぶ仕組みを組み合わせた構成である。人の運転を手本にする模倣学習を基本に、仮想空間で試行を繰り返す強化学習を加える。仮想空間は、走行の動画から街を3次元で再現する技術 (3D Gaussian Splatting) でつくる。映像と言葉から運転の操作を出力するVLAモデルは約20億パラメーターで、1秒に10回の推論で公道を走った (2026年3月)。このときの入力はカメラ1台だった。

🏗️ システム基盤構成

学習の基盤は、2024年10月に運用を始めた「Gaggle Cluster」である。エヌビディアの画像処理半導体 (GPU)「H100」を96基載せ、NTTPCコミュニケーションズが構築を支援した。クラウドの計算資源も使い、2025年12月時点の計算能力は当初のGaggle Clusterの約8倍になった。次の基盤は自社で設備を持つ方式で、サーバーの間を毎秒800ギガビットの通信でつなぐ計画である。開発車両は、トヨタ自動車のアルファード (ハイブリッド車) の中古車を改造する。カメラ8台、測位用のアンテナ、エヌビディアの車載コンピューター「Jetson AGX Orin」1台を載せる。拠点は東京都大田区平和島の東京流通センターにあり、本社と車両の整備場を兼ねる。

💰 売上の見込み

会社は業績予想を公表していない。売上高と損益の実績も公表していない。公表済みの計画は、計算能力を2025年12月から2年間で5〜10倍に増やすことである。2023年には「2025年に自社開発車100台を販売し、2030年に完全自動運転の電気自動車1万台を生産する」目標を掲げていた。この目標は、2024年以降の発表文には出てこない。

💸 売上の出どころ

会社は売上高と、その内訳を公表していない。対価を得たことが公表資料で確かめられるのは3つである。1つ目は国からの受注で、防衛装備庁の陸上装備研究所から「一貫型自律走行技術の検証役務」を1,096万9,000円で受注した (2025年8月)。2つ目は国の委託事業で、経済産業省の自動運転の事業に、日産自動車などとの共同提案で採択された (2025年3月)。3つ目は車両の販売で、2023年に自動運転機能を載せた「THE FIRST TURING CAR」を1台販売した。経済産業省とNEDO (新エネルギー・産業技術総合開発機構) の「GENIAC」は、計算資源の利用やデータセットの構築に助成を受ける事業である。

👤 経営者履歴

CEO — 山本一成 (代表取締役CEO)

山本一成氏は愛知県出身。東京大学の在学中にプログラミングを学び始め、約10年にわたり将棋AI「Ponanza」を開発した。Ponanzaは佐藤名人 (当時) に勝った。東京大学大学院を修了してHEROZ (4382) に入社し、開発の中心を担う技術者として、HEROZの上場まで携わった。2021年8月にチューリングを創業し、代表取締役CEO (最高経営責任者) に就いた。愛知学院大学の特任教授を兼ねる。

CTO / 主席科学者 — 山口祐 (執行役員兼CTO)

山口祐氏は東京大学大学院理学系研究科の出身。産業技術総合研究所の研究員、米国立標準技術研究所 (NIST) の客員研究員を務めるかたわら、ゲームAIの開発を始めた。囲碁AIの開発代表として世界大会で準優勝し、将棋AIでも世界大会で優勝した。HEROZの執行役員を経て、2022年に創業メンバーとしてチューリングに加わった。2024年8月にCTO (最高技術責任者) に就き、2026年3月から執行役員を兼ねる。2026年7月には、機械学習の競技会Kaggleの大会で金メダルを得た。

🇯🇵 日本企業との取引・関係

2026年6月、SUBARU (7270) と車載の自動運転システムの共同研究を始めた。1つのAIが認識から操作までを担うエンドツーエンド (E2E) 方式を対象にする。デンソー (6902) とは、歩行者や標識を言葉として理解するAI「フィジカル基盤モデル」の共同研究を始めた。デンソーは2025年11月のシリーズAで出資している。この回には大日本印刷 (7912)、ENEOSホールディングス (5020) なども出資した。2026年7月の調達では、三菱商事 (8058)、BIPROGY (8056)、東京エレクトロン デバイス (2760) などが出資した。BIPROGYとは資本業務提携を結び、大規模な計算基盤の構築で連携する。融資は、みずほフィナンシャルグループ (8411) のみずほ銀行と、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306) の三菱UFJ銀行が中心である。計算基盤「Gaggle Cluster」は、NTT (9432) グループのNTTPCコミュニケーションズが構築を支援した。

🤝 主要パートナーシップ

共同研究: SUBARU (1つのAIが認識から操作までを担うエンドツーエンド方式の車載システム)、デンソー (歩行者や標識を言葉として理解するAI「フィジカル基盤モデル」)。いずれも2026年6月に開始。
資本業務提携: BIPROGY (2026年7月。大規模な計算基盤の構築)。
計算基盤: NTTPCコミュニケーションズ (Gaggle Clusterの構築を支援)。
国の事業の共同提案: 産業技術総合研究所、日産自動車、日本自動車研究所、ティアフォー、野村総合研究所 (経済産業省、2025年3月に採択)。
データの収集: S.RIDE、大和自動車交通 (2024年1〜2月にタクシーで走行データを収集)。
車両の試作: 東京アールアンドデー (2023年3月に戦略的パートナーシップ)。

基本情報

上場・財務

本社
東京都大田区平和島 (東京流通センター内。2026年1月に品川区大崎から移転)
創業
2021
従業員
106人 (役員と正社員85人、インターンと有期雇用21人。2026年10月1日に公式サイトで確認)
上場ステータス
未上場
コンプライアンス

信用・米制裁

銀行信用
健全
🇺🇸 米制裁
なし
グローバル

海外進出

資金流出
なし
出典・検証

📚 信頼性メタデータ

信頼度
🅱 専門メディア
最終確認
2026-10-01 16:24:40
検証者
claude+primary-sources

資金調達と資本提携の履歴

内容時期相手
シードで総額10億円2022年7月ANRI、グローバル・ブレイン、DIMENSION、HEROZなど
新株予約権で5億2,000万円2023年8月山本一成氏、田中大介氏とエンジェル投資家5人
プレシリーズAの前半で30億円2024年4月ANRI (主導)、NTTドコモ・ベンチャーズなど
プレシリーズAの後半で15億円。前半と合わせて45億3,800万円2024年7月X&KSKなど
プレシリーズAの追加で10億2,000万円 (株式8億2,000万円、融資2億円)2024年12月JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、JR西日本イノベーションズ、NCBベンチャーキャピタル、盛島正人氏、みずほ銀行
5億円の融資契約2025年3月三井住友銀行
13億2,500万円の融資契約2025年4月みずほ銀行
シリーズAの1回目で152億7,000万円 (優先株式97億7,000万円、協調融資55億円)2025年11月JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、グローバル・ブレイン (共同で主導)、デンソーなど。融資はみずほ銀行など7者
シリーズAの2回目で126億2,000万円 (株式68億2,000万円、融資58億円)。BIPROGYとは資本業務提携2026年7月米AMDベンチャーズ、三菱商事、BIPROGYなど8社。融資は三菱UFJ銀行

出典 URL

  • https://tur.ing/about/
  • https://tur.ing/news/20260706/
  • https://tur.ing/news/20260604/
  • https://tur.ing/news/20260514/
  • https://tur.ing/news/20260401/
  • https://tur.ing/news/20260326/
  • https://tur.ing/news/opendataset_2025/
  • https://tur.ing/news/20251117/
  • https://tur.ing/news/20251003/
  • https://tur.ing/news/20241030/
  • https://turipo.tur.ing/v92wboto/
  • https://turipo.tur.ing/43nnkwv/
  • https://turipo.tur.ing/techtalk38/
  • https://turipo.tur.ing/techtalk44/
  • https://www.biprogy.com/pdf/news/nr_260706.pdf
  • https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100427.html
  • https://www.meti.go.jp/information/publicoffer/saitaku/2025/s250319001.html
  • https://info.gbiz.go.jp/hojin/ichiran?hojinBango=4010001220641
  • https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/jido-infra/pdf03/04.pdf

最新動向

資金 2026年7月6日、シリーズAの2回目の調達で126億2,000万円を集めたと発表した。シリーズAは合計278億9,000万円で完了した。2回目は、株式が68億2,000万円、三菱UFJ銀行からの融資が58億円。株式の引受先は8社で、米アドバンスト・マイクロ・デバイス (AMD) の投資部門、三菱商事、BIPROGYなどが入った。2025年11月17日に発表した1回目は152億7,000万円だった。株式が97億7,000万円、複数の金融機関による協調融資が55億円である。政府系のJICベンチャー・グロース・インベストメンツと、グローバル・ブレインが共同で主導した。

事業 2026年6月4日、SUBARU、デンソーと共同研究を始めると発表した。SUBARUとは、軽くしたエンドツーエンド (E2E) 方式のAIと車両制御の組み合わせに取り組み、将来の公道実証を見据える。デンソーとは、歩行者や標識、信号を言葉として理解するAI「フィジカル基盤モデル」を開発する。共同研究は、経済産業省とNEDO (新エネルギー・産業技術総合開発機構) の「ロボット基盤モデルの研究開発 (GENIAC)」の一環である。チューリングは5月14日にこの事業に採択された。NEDOの公表では、応募は3件、採択は2件だった。2025年10月3日には、防衛装備庁の陸上装備研究所から、未舗装路での自動運転AIの検証を請け負ったと発表した。実施期間は2026年3月23日までだった。

技術 2025年11月末、東京都内の公道を30分以上、人が介入せずに走る目標「Tokyo30」を達成したと、12月1日の説明会で公表した。達成時の走行では社員が運転席に乗っていた。2026年3月26日には、約20億パラメーターのVLA (視覚・言語・行動) モデルで公道を走ったと発表した。国内で初めてとしている (自社調べ)。3月27日には、東京都内で集めた約111時間分の走行データセットを公開した。経済産業省の委託事業の成果である。2月25日には、画像認識の国際会議CVPR 2026に論文2本が採択されたと発表した。8月時点の開発車両は30台を超える。

経営陣と本社 2026年4月1日、取締役会を置き、執行役員制度を導入したと発表した。代表取締役CEO (最高経営責任者) は山本一成氏、取締役COO (最高執行責任者) は田中大介氏、取締役CFO (最高財務責任者) は盛島正人氏。社外取締役にグローバル・ブレインの山本良蔵氏、監査役に公認会計士の雨越仁氏が就いた。CTO (最高技術責任者) の山口祐氏は執行役員を兼ねる。共同創業者の青木俊介氏は取締役を退き、2025年12月に退職した。本社は2026年1月、東京都品川区大崎から大田区平和島へ移した。

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小馬智行 (ポニー・エーアイ)

ロボタクシーとロボトラックを手がける中国の自動運転企業で、2016年に設立した。米ナスダック (PONY) と香港証券取引所 (証券コード2026) に上場する。北京、上海、広州、深圳の4都市で、運転席が無人のロボタクシーを有料で運行している。ロボタクシーは2026年6月末に1,975台で、会社は年末に3,500台超へ増やす目標を掲げる。2025年12月期の連結売上高は9,000万ドル、営業損失は2億6,090万ドルだった。トヨタ自動車は発行済み株式の9.8%を持つ株主である (2026年3月末)。bZ4X を基にしたロボタクシーは、小馬智行と広汽トヨタが共同で生産している。

🤖 自動運転専業

文遠知行 (ウィーライド)

ロボタクシー、ロボバス、無人の清掃車、運転支援システムを手がける中国の自動運転企業。2017年に景馳科技として創業し、2018年10月に文遠知行 (WeRide) へ社名を改めた。米ナスダック (WRD) と香港証券取引所 (証券コード0800) に上場する。車両の販売と、運行や技術の支援の対価で収益を得る。レベル4の車両は約3,400台で、うちロボタクシーは1,800台を超える (2026年7月末)。アブダビとドバイでは米ウーバーテクノロジーズと組み、保安要員を乗せない有料運行をしている。2025年12月期の売上高は6億8,459万元、最終損失は16億5,490万元。ルノー、日産自動車、三菱自動車の投資会社が株主で、日産自動車の幹部が取締役を務める。

🤖 自動運転専業

滴滴自動運転 (ディディ)

中国の配車アプリ大手、滴滴出行 (ディディ) の自動運転部門で、レベル4のロボタクシーを開発し運行する。2016年に開発を始め、2019年8月に独立した会社になった。持ち株会社はケイマン諸島籍のボイジャー・グループ (Voyager Group) で、滴滴が70.2%を持つ (2026年4月時点)。ソフトバンクグループ傘下のファンドなどが出資し、2024年末までの調達額は累計11億2,300万ドル。広州汽車集団傘下の広汽埃安 (アイオン) と共同開発した専用車「R2」は、2026年1月に納車が始まった。8月には広州市と北京市の指定区域で、無人の試験運行に入った。部門単体の売上高と損益は開示されていない。

🤖 自動運転専業

白犀牛 (Rino.ai)

無人の配送車を開発、製造、販売する中国の未上場企業。百度 (バイドゥ) の自動運転部門の出身者が、2019年4月に北京市で設立した。宅配の営業所と中継拠点の間の輸送を主な用途とし、宅配大手の順豊 (SFエクスプレス) や中国郵政に車両を納めている。運用中の車両は2,000台を超え、170を超える都市で走る (2025年12月の会社発表)。2026年1月には、商用車メーカーの鑫源汽車と開発した量産車「RX」を発表し、4月に合弁会社の設立を発表した。資金は2025年に3回の調達で1億ドル超を集め、2026年5月にも調達した。売上高と損益は公表していない。

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