EV・自動運転 🤖 自動運転専業
W

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Wayve

🗓 事実の最終確認: 関連記事の更新: 出典: 当サイト企業データベース (一次資料・自社記事の解剖に基づく)

主力製品・モデル
Wayve AI Driver (自動車メーカーに供給する自動運転AI)
評価額・時価総額
86億ドル (2026年2月のシリーズD、資金調達後。会社発表)
上場
非上場
同業 4 社との比較 (企業データベースの同じ列)
企業 主力製品・モデル 評価額・時価総額 最新発表 / 確認日
小馬智行 (ポニー・エーアイ) 第7世代ロボタクシー (bZ4X、アルファT5、アイオンV… — 2026-10-01
文遠知行 (ウィーライド) ロボタクシー GXR (2024年10月発表、5人乗り) — 2026-10-01
滴滴自動運転 (ディディ) Robotaxi R2 (広汽埃安と共同開発したロボタクシ… — 2026-10-01
白犀牛 (Rino.ai) RX (鑫源汽車と開発した無人配送車の量産車、2026年1… — 2026-09-28
執筆・監修: (編集長・アナリスト) 最終確認: — 公式発表・SEC/EDINET 等の一次資料と自社記事を突合 出典 39 件 更新: 記事→企業行は日次、一次情報の再確認は週次の自動運用 編集方針
1つのAIが認識から操作までを担うエンドツーエンド (E2E) 方式の自動運転AIを開発する、英国の未上場企業。2017年にロンドンで設立し、自動運転AI「Wayve AI Driver」を自動車メーカーに供給する。高精度地図を使わず、車載のカメラやレーダーの情報から運転を判断する。日産自動車は、このAIを使う次世代の運転支援技術「プロパイロット」の搭載車を、2027年度に日本で発売する計画だ。2026年2月のシリーズDでは12億ドルを調達し、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2などが主導した。同年9月には米ウーバー・テクノロジーズとロンドンで、保安要員が乗る自動運転の配車を始めた。2024年8月期の連結最終損失は6,175万ポンドで、会社は重要な収益がまだ無いと説明している。
🔗 公式サイト

Postation の入口

📦 製品・商品 (11)

📦 Wayve AI Driver 製品

ウェイブ・エーアイ・ドライバー (自動車メーカーに供給する自動運転AI)

車載のセンサーの情報から運転の操作までを1つのAIで出すソフトウェア。高精度地図を使わず、車載コンピューターの上で動く。日産自動車とメルセデス・ベンツは量産車への搭載に向けた契約を結び、ステランティスは2028年に北米で搭載を始める計画を示した。
方式
エンドツーエンド (1つのAIが認識から操作までを担う)
更新
無線でソフトウェアを更新
センサー
カメラが中心。レーダーで補い、LiDAR (レーザー光で距離を測るセンサー) は自動車メーカーの必要に応じて加える
最初の搭載
日産自動車の次世代プロパイロット (2027年度、日本)
対応するレベル
レベル1からレベル4 (製品は4種類)

対象: 自動車メーカー、配車の事業者

出典: wayve.ai/product/wayve-ai-driver/

📦 Wayve AI Sense 製品

レベル1向けの安全機能

衝突被害軽減ブレーキ、車線維持、車間距離を保つ機能などの安全機能にAIを使う製品。運転者は前を見て、ハンドルを握る。会社は搭載車や契約を公表していない。
機能
速度の制御、車間距離の維持、緊急時のブレーキと操舵、車線維持、死角の監視、車線変更の支援
レベル
レベル1

対象: 自動車メーカー

出典: wayve.ai/product/wayve-ai-driver/

📦 AI Driver Assist 製品

レベル2+向けの手放し運転の運転支援

市街地、幹線道路、高速道路で手放し運転ができる運転支援。運転者は前を見て監視する。会社は欧州、米国、日本から投入すると説明している。日産自動車とステランティスの量産計画は、この水準の製品から始まる。
レベル
レベル2+ (ステランティスとの発表文の表記はレベル2++)
投入の計画
日産自動車が2027年度に日本、ステランティスが2028年に北米

対象: 自動車メーカー

出典: wayve.ai/product/wayve-ai-driver/

📦 AI Driver CoPilot 製品

レベル3向けの自動運転

高速道路では運転者が視線を外せ、ほかの道路では手放し運転の運転支援として働く製品。会社は、言葉や身ぶりで車に指示する機能も挙げている。搭載車は公表されていない。
レベル
レベル3
付加する機能
記憶した場所への駐車、無人での駐車

対象: 自動車メーカー

出典: wayve.ai/product/wayve-ai-driver/

📦 AI Driver (レベル4) 製品

ロボタクシーと配送向けの自動運転

市街地で運転者を必要としない自動運転に使う製品。ウーバー・テクノロジーズの配車網に載せるロボタクシーに使う。2026年9月時点の運行は、保安要員が乗る段階にある。
レベル
レベル4
次の予定
東京で試験運行 (2026年後半の計画)
運行の状況
ロンドンで保安要員が乗る配車 (2026年9月3日から)

対象: 配車の事業者、配送の事業者、自動車メーカー

出典: wayve.ai/press/wayve-uber-launch-autonomous-rides/

🛠️ ウーバーの配車 (ロンドン) サービス

Uber rides powered by Wayve (保安要員が乗る自動運転の配車)

ウーバーのアプリで配車を頼むと、追加料金なしでウェイブのAIを載せた車が来ることがある。乗客は、自動運転でない車に替えることもできる。両社は、英国で一般の乗客が使える初めての自動運転の配車だと説明している。
区域
ロンドン全域 (空港を除く)
台数
非公表 (会社は少数の車両から始めたと説明)
車両
フォード・モーターの電気自動車「マスタング・マッハE」
開始
2026年9月3日
保安要員
ロンドン交通局の免許を持つ運転者が乗る
希望の登録
14万人超 (2026年9月3日時点)

対象: ロンドンでウーバーを使う乗客

出典: wayve.ai/press/wayve-uber-launch-autonomous-rides/

📦 次世代プロパイロット向けのAI 製品

日産自動車の次世代の運転支援技術に使う Wayve AI Driver

日産自動車の次世代の運転支援技術「プロパイロット」は、Wayve AI Driver と、日産が次世代のLiDAR (レーザー光で距離を測るセンサー) で開発した認識の技術を組み合わせる。日産は幅広い車種に載せ、日本や北米などに投入する方針を示した。
契約
2025年12月10日に協業契約
試作車
日産アリアが基。カメラ11個、レーダー5個、次世代LiDAR 1個 (2025年9月、東京・銀座で実演)
日産の計画
2026年夏に発売予定のエルグランドに、2027年度末までに次世代プロパイロットを導入
最初の搭載車
2027年度に日本で発売する計画

対象: 日産自動車

出典: global.nissannews.com/ja-JP/releases/251210-01-j

🧠 日産リーフのロボタクシー試作車 モデル

東京の試験運行に使う車両

日産リーフを基に、日産自動車の車両、ウェイブのAI、エヌビディアの車載コンピューターを組み合わせた試作車。2026年3月に公開した。東京の試験運行では、日の丸交通の乗務員が保安要員として乗る。
運行
日の丸交通 (2026年8月13日に Uber Japan と契約)
センサー
全周のカメラ、周囲と前方のレーダー、前方のLiDAR (レーザー光で距離を測るセンサー)
試験運行
東京で2026年後半に開始する計画 (関係当局との協議が前提)
車載コンピューター
エヌビディア DRIVE AGX Thor を2基 (標準構成 DRIVE Hyperion)

対象: ウーバー・テクノロジーズの配車網

出典: wayve.ai/press/wayve-nissan-robotaxi-gtc/

🧠 第3世代の開発車両 モデル

Gen 3 (ウェイブが開発に使う試験車両の構成)

ウェイブが世界の公道試験で使う開発車両の第3世代。レベル3とレベル4に必要なセンサーと車載コンピューターの構成を備える。複数の車種に載せ替えられる設計で、自動車メーカーとの開発にも使う。
発表
2025年9月19日
車載コンピューター
エヌビディア DRIVE AGX Thor

対象: 自社の開発、自動車メーカーとの開発

出典: wayve.ai/thinking/wayve-gen-3/

🏢 ウェイブテクノロジーズジャパン 子会社・関連

Wayve Technologies Japan (日本法人、合同会社)

日本の公道試験と開発を担う日本法人。横浜市港北区に試験と開発の拠点を置く。2025年4月に拠点の開設を発表し、首都圏で試験を始めた。
所在地
横浜市港北区北新横浜 (2025年9月に東京都港区から移転)
法人番号の指定
2025年2月5日
拠点の開設の発表
2025年4月22日

対象: 日本の自動車メーカー

出典: houjin-bangou.nta.go.jp/henkorireki-johoto.html?selHouzinNo=5010403034300

🏢 クオリティ・マッチ 子会社・関連

Quality Match (ドイツのデータ品質管理の企業)

画像認識のAIに使う学習データの品質を確かめる技術を持つドイツの企業。2019年に設立された。ウェイブが2025年12月に買収し、20人がウェイブに加わった。買収額は公表されていない。
従業員
20人 (買収時)
買収の発表
2025年12月1日

対象: 自社のAIの学習

出典: wayve.ai/press/quality-match/

🧪 技術・サービス (9)

🧪 AV2.0 技術

エーブイ2.0 (ウェイブが提唱する自動運転の方式)

1つのニューラルネットワークが、センサーの入力から運転の操作までを出す方式。認識や計画を別々の部品に分ける従来の方式を、ウェイブはAV1.0と呼んで区別する。高精度地図と、人が定めたルールを使わない。
地図
高精度地図を使わない
学習
人が正解を付けていない走行データから学ぶ
車種
乗用車と配送用のバンの両方に対応

対象: 自動運転の開発

出典: wayve.ai/technology/

🧰 ウェイブの基盤モデル 基盤

Wayve Foundation Model (運転用のモデルの土台)

各国の走行データで学習した大規模なAIモデル。ウェイブはここから、公道で使う運転用のモデルを作る。会社は、70を超える国の走行データで学習したと説明している (2026年2月)。日本のデータにはS.RIDEが集めた走行データも使う。
学習データ
70を超える国の走行データ (2026年2月、会社発表)
日本のデータ
世界共通のモデルの学習データの約2% (2025年10月、会社発表)

対象: 自社の開発

出典: wayve.ai/thinking/japan-generalization/

🧪 GAIA 技術

ガイア (運転場面の映像を生成する世界モデル)

文章や操作の指示から、運転場面の映像を生成するAI。公道では集めにくい危険な場面を作り、自動運転AIの学習と検証に使う。GAIA-4は、AIの操作に応じて次の映像が変わる閉ループの検証に対応した。
GAIA-1
2023年6月に予告、10月に技術報告。90億パラメーター。英国の走行データ約4,700時間
GAIA-2
2025年3月。英国、米国、ドイツのデータ。複数のカメラの映像をそろえて生成
GAIA-3
2025年12月。150億パラメーター。学習データはGAIA-2の10倍
GAIA-4
2026年8月。閉ループの検証。レーダーの信号も生成

対象: 自社の学習と検証

出典: wayve.ai/thinking/gaia-4/

🧪 LINGO 技術

リンゴ (運転の判断を言葉で説明するモデル)

映像と言葉を入力にして、運転の操作と、その理由の説明を出す研究用のモデル。AIがなぜ減速したかを言葉で尋ねられる。LINGO-2は、公道で試した最初の視覚・言語・行動モデルだと会社は説明している。
LINGO-1
2023年9月。運転の場面を言葉で解説する (操作はしない)
LINGO-2
2024年4月。運転の操作と言葉の説明を同じモデルが出す

対象: 自社の学習と検証

出典: wayve.ai/press/introducing-lingo-2/

🧪 PRISM-1 技術

プリズム1 (走行場面を立体で再現するモデル)

カメラの映像だけから、走行場面を立体と時間の流れで再現するモデル。歩行者、自転車、ブレーキランプのように形や見え方が変わるものも再現する。ウェイブのシミュレーター「Ghost Gym」で使う。
入力
カメラの映像のみ (レーザー光で距離を測るセンサー「LiDAR」を使わない)
発表
2024年6月17日

対象: 自社の検証

出典: wayve.ai/press/wayve-unveils-prism-1/

📐 WayveScenes101 規格

ウェイブシーンズ101 (公開した走行場面のデータ)

101の走行場面を収めたデータで、ウェイブが2024年6月に公開した。別の視点から見た映像を合成する技術を、研究者が同じ条件で比べるために使う。
公開
2024年6月17日
場面の数
101

対象: 研究者

出典: wayve.ai/press/wayve-unveils-prism-1/

🏭 フリート学習 工程

Fleet Learning Loop (走行データで学習を回す仕組み)

車両が集めた走行データをクラウドで学習に使い、検証を経て新しいモデルを車両に配る仕組み。記録、学習、評価、配布を繰り返す。学習と検証はマイクロソフトのクラウド「Azure」で動かす。
クラウド
マイクロソフト Azure (2020年から)
データの協力先
S.RIDE (日本、2025年5月から)

対象: 自社の開発、自動車メーカー

出典: wayve.ai/thinking/scaling-embodied-ai-for-autonomous-driving-with-microsoft-azure/

🏭 Safety 2.0 工程

セーフティ2.0 (ウェイブの安全の考え方)

世界モデルで危険な場面を作って試し、AIの判断を言葉などで確かめる安全の進め方。会社は、自動車の機能安全の規格 ISO 26262 と、意図した機能の安全性を扱う規格 SOTIF に沿うと説明している。
使う技術
GAIA (危険な場面の生成)、LINGO (判断の説明)
沿う規格
ISO 26262、SOTIF

対象: 自動車メーカー、規制当局

出典: wayve.ai/technology/safety-framework/

🧰 Snapdragon Ride との協業 基盤

クアルコムの車載半導体の基盤に組み込む協業

クアルコムの車載半導体と安全機能のソフトウェアに Wayve AI Driver を組み込み、自動車メーカーに提供する協業。2026年3月に発表した段階で、搭載車は公表されていない。両社は、レベル4のロボタクシーにクアルコムの半導体を使うことも検討する。
対象
手放し運転の運転支援から、視線を外せる自動運転まで
発表
2026年3月10日

対象: クアルコムの車載半導体を使う自動車メーカー

出典: wayve.ai/press/qualcomm-wayve-collaboration/

🔭 構想 (1)

会社が将来の事業として掲げているが、まだ事業として存在しないもの。売上・契約の実績はない。

🔭 汎用ロボット向けのAI 構想

General Robotics Intelligence (ウェイブ・ラボの研究)

自動車以外のロボットにも使えるAIをつくる構想。研究部門ウェイブ・ラボが2026年8月、米サニーベールに研究チームを新設した。ロボットが物を扱う動作と移動に使うAIを研究する。製品や顧客は存在しない。
発表
2026年8月18日
責任者
アレックス・トシェフ氏 (米アップル、米グーグル出身)

対象: ロボットのメーカー

出典: wayve.ai/press/alex-toshev-joins-wayve-labs/

📊 開示データ (6)

ウェイブは未上場で、業績の定期的な発表は無い。会社の発表文、協業先の発表文、英国の会社登記所に提出された決算書から、確かめられる数字と予定を表にまとめた。金額は出所の通貨のままで、円に換算していない。△はマイナス (損失や資金の流出) を表す。

最終確認:

資金調達の履歴

時期 内容 額 主な出資者
2022年1月 シリーズB 2億ドル エクリプス (主導)、D1キャピタル・パートナーズ、ベイリー・ギフォード、マイクロソフト、ヴァージン、バルダートン
2024年5月 シリーズC 10億5,000万ドル ソフトバンクグループ (主導)、エヌビディア、マイクロソフト
2024年8月 シリーズCの延長 非公表 ウーバー・テクノロジーズ
2025年9月 出資を検討する基本合意書 5億ドル エヌビディア
2026年2月 シリーズD 12億ドル エクリプス、バルダートン、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2 (主導)。マイクロソフト、エヌビディア、ウーバー、メルセデス・ベンツ、日産自動車、ステランティス
2026年4月 シリーズDの延長 6,000万ドル AMD、アーム、クアルコム・ベンチャーズ
2026年7月 従業員の株式の買い取り 8,500万ドル 既存と新規の出資者
  • 額は会社の発表による。
  • シリーズDの資金調達後の評価額は86億ドル (会社発表)。
  • 会社は、ウーバーが節目に応じて追加で出資する約束を含め、15億ドルを確保したと説明している。
  • 公式サイトは累計の調達額を28億ドル、資金調達を4回としている (2026年10月1日に確認)。
  • 2025年9月の基本合意書は、エヌビディアが次の資金調達で出資を検討する内容で、払い込みの額ではない。
  • 2026年7月の買い取りは従業員が持つ株式を出資者が買うもので、会社に入る資金ではない。
  • 決算書は、シリーズCの総額をポンドで8億200万ポンドと記している。

出典: ウェイブの発表文 シリーズB (2022年1月18日) 、ウェイブの発表文 シリーズC (2024年5月7日) 、ウェイブの発表文 ウーバーとの提携 (2024年8月29日) 、ウェイブの発表文 エヌビディアとの基本合意 (2025年9月18日) 、ウェイブの発表文 シリーズD (2026年2月25日) 、ウェイブの発表文 シリーズDの延長 (2026年4月15日) 、ウェイブのブログ 従業員の株式の買い取り (2026年7月1日) 、ウェイブ 公式サイト (出資者のページ) 、英国の会社登記所 2024年8月期のグループ決算書 (2025年7月22日提出)

主な協業先と計画

協業先 対象 内容と計画
日産自動車 次世代の運転支援技術「プロパイロット」 2025年12月に協業契約。最初の搭載車を2027年度に日本で発売する計画。日産は日本や北米などに投入する方針
日産自動車、ウーバー 東京のロボタクシー (日産リーフ) 2026年3月に覚書。2026年後半に試験運行を始める計画 (関係当局との協議が前提)。保安要員が乗る
日の丸交通 東京の試験運行の運行 2026年8月に Uber Japan と契約。運行の管理、整備、充電を担い、乗務員が保安要員として乗る
ウーバー ロンドンの配車 2026年9月3日に開始。保安要員が乗る。車両はフォード・モーターのマスタング・マッハE。10を超える市場に広げる計画
ステランティス 手放し運転の運転支援 (レベル2++) 2026年5月に提携。ステランティスの基盤 STLA AutoDrive に組み込む。最初の搭載は2028年に北米の計画
ステランティス、ウーバー レベル4のロボタクシー 2026年6月に提携。開発と導入を3社で検討する。時期は非公表
メルセデス・ベンツ 市街地と高速道路の運転支援 2026年9月に量産契約。発表から2年以内に搭載を始める計画
クアルコム 車載半導体の基盤 Snapdragon Ride 2026年3月に協業を発表。Wayve AI Driver を組み込んだ形で自動車メーカーに提供する計画。搭載車は公表されていない
エヌビディア 車載コンピューターと学習用の半導体 2018年から協業。第3世代の開発車両と日産リーフの試作車に DRIVE AGX Thor を使う
マイクロソフト クラウド Azure 2020年から学習と検証の基盤に使う
S.RIDE 首都圏の走行データ 2025年5月から収集。タクシー会社のグリーンキャブから始め、4つの事業者が順次加わる予定とされた
英国ビジネス・貿易省 自動運転の研究 2026年5月に覚書。安全の確認、大規模なシミュレーション、量産車への組み込みで協力する
  • 自動車メーカーへの搭載は、2026年9月28日時点でいずれも計画の段階で、搭載車は発売されていない。
  • 日産自動車は、2026年夏に発売予定のエルグランドに、2027年度末までに次世代プロパイロットを導入すると説明している。
  • ロンドンの配車は、英国政府が定めた自動運転車の試験の実施基準に従う。
  • 会社は台数を公表しておらず、少数の車両から始めたと説明している。
  • S.RIDE の発表文が挙げた4つの事業者は、国際自動車、寿交通、大和自動車交通、チェッカーキャブ無線協同組合。
  • 契約額とライセンス料は、どの協業でも公表されていない。

出典: 日産自動車の発表文 協業契約 (2025年12月10日) 、日産自動車の発表文 ロボタクシーの協業 (2026年3月12日) 、日産自動車の発表文 長期ビジョン (2026年4月14日) 、Uber Japan の発表文 日の丸交通との契約 (2026年8月13日) 、ウェイブの発表文 ロンドンの配車の開始 (2026年9月3日) 、ウェイブの発表文 シリーズD (2026年2月25日) 、ウェイブの発表文 ステランティスとの提携 (2026年5月21日) 、ウェイブの発表文 ステランティス、ウーバーとの提携 (2026年6月17日) 、ウェイブの発表文 メルセデス・ベンツとの量産契約 (2026年9月22日) 、ウェイブの発表文 クアルコムとの協業 (2026年3月10日) 、ウェイブの発表文 エヌビディアとの基本合意 (2025年9月18日) 、ウェイブのブログ 第3世代の開発車両 (2025年9月19日) 、ウェイブのブログ マイクロソフトとの協業 (2026年1月8日) 、S.RIDE の発表文 公道データの収集 (2025年5月12日) 、英国政府の発表文 ウェイブとの覚書 (2026年5月12日)

技術の年表 (モデルの公開)

時期 名前 内容
2023年9月 LINGO-1 運転の場面を言葉で解説し、質問に答えるモデル。運転の操作はしない
2023年10月 GAIA-1 (技術報告) 運転場面の映像を生成する世界モデル。90億パラメーター。英国の走行データ約4,700時間で学習。同年6月に予告
2024年4月 LINGO-2 運転の操作と言葉の説明を同じモデルが出す。会社は、公道で試した最初の視覚・言語・行動モデルと説明
2024年6月 PRISM-1、WayveScenes101 カメラの映像だけで走行場面を立体で再現するモデルと、101の走行場面を収めた公開データ
2025年3月 GAIA-2 英国、米国、ドイツのデータで学習。複数のカメラの映像をそろえて生成する
2025年9月 第3世代の開発車両 エヌビディアの DRIVE AGX Thor を使う。レベル3とレベル4の開発に充てる
2025年12月 GAIA-3 150億パラメーターで、GAIA-2の2倍。学習データは10倍
2026年5月 ウェイブ・ラボ 研究部門の設立を公表。世界モデル、強化学習、空間の理解などを研究する
2026年8月 GAIA-4 AIの操作に応じて次の映像が変わる閉ループの検証に対応。レーダーの信号も生成する
  • 時期は会社が発表文かブログで公表した月。
  • GAIA と LINGO、PRISM-1 は開発と検証に使う研究用のモデルで、自動車メーカーに売る製品ではない。
  • 製品は自動運転AIの Wayve AI Driver。
  • 閉ループは、AIの操作の結果を次の入力に反映させて試す検証の方法を指す。
  • パラメーターは、AIモデルの規模を示す数。

出典: ウェイブの発表文 LINGO-1 (2023年9月14日) 、ウェイブの発表文 GAIA-1 の技術報告 (2023年10月3日) 、ウェイブの発表文 LINGO-2 (2024年4月17日) 、ウェイブの発表文 PRISM-1 (2024年6月17日) 、ウェイブの発表文 GAIA-2 (2025年3月26日) 、ウェイブのブログ 第3世代の開発車両 (2025年9月19日) 、ウェイブの発表文 GAIA-3 (2025年12月2日) 、ウェイブのブログ ウェイブ・ラボの設立 (2026年5月29日) 、ウェイブのブログ GAIA-4 (2026年8月3日)

公道試験の実績 (会社発表)

指標 数字 時点と説明
走った都市 506都市 2025年12月まで。欧州、北米、日本。1つのAIモデルで走り、運転席に保安要員が乗った
走行距離 145万キロメートル 同じ試験で、AIが運転を担った距離
試験の時間 46,347時間 同じ試験の合計
現地データなしの都市 219都市 (43%) その都市の走行データが学習に入っていなかった都市
データが少ない都市の割合 67% 学習に使った走行データが100キロメートル未満だった都市
日本での性能の伸び +275% 2025年9月下旬。同年7月との比較。同じ期間にドイツ+190%、英国+150%、米国+210%
米国向けの追加データ 500時間分 2025年3月の発表。8週間で集め、英国に近い性能になったと会社は説明
  • 数字はすべて会社の発表で、第三者の検証は無い。
  • 試験の名前は「AI-500ロードショー」。
  • 性能の伸びは会社の内部の指標によるもので、指標の定義は公表されていない。
  • ロンドンの公道試験は2018年から、米国は2024年10月、ドイツは2025年3月、日本は2025年4月に始めた。
  • 事故や保安要員の介入の件数は公表されていない。

出典: ウェイブのブログ AI-500ロードショーの結果 (2025年12月17日) 、ウェイブの発表文 日本での学習の結果 (2025年10月22日) 、ウェイブの発表文 米国での学習の結果 (2025年3月10日) 、ウェイブの発表文 ロンドンの配車の開始 (2026年9月3日) 、ウェイブの発表文 米国での試験の開始 (2024年10月23日) 、ウェイブの発表文 ドイツの拠点の開設 (2025年3月3日) 、ウェイブの発表文 日本の拠点の開設 (2025年4月22日)

拠点

拠点 所在地 役割と時期
本社 英国ロンドン 2017年8月に会社を登記。ロンドンの公道試験は2018年から
米国 カリフォルニア州サニーベール 米国の本部。2024年10月に公道試験を開始。2026年7月に拡張を公表
カナダ バンクーバー 研究の拠点。2024年4月に開設を発表
ドイツ レオンベルク (シュツットガルト地域) 公道試験と開発の拠点。2025年3月に開設を発表
日本 横浜市港北区北新横浜 公道試験と開発の拠点。2025年4月に開設を発表。日本法人はウェイブテクノロジーズジャパン合同会社
イスラエル ヘルツリーヤ 役割は非公表。決算書は2024年8月期に進出したと記載
  • 所在地は公式サイトの拠点の一覧による (2026年9月28日に確認)。
  • 日本法人の法人番号の指定は2025年2月5日で、2025年9月8日に東京都港区から横浜市港北区へ移った (国税庁の法人番号公表サイト)。
  • 従業員は約1,200人 (2026年7月、会社発表)。
  • 決算書による平均の従業員数は、2024年8月期が連結で263人だった。

出典: ウェイブ 公式サイト (会社と拠点のページ) 、英国の会社登記所 会社概要 (Wayve Technologies Ltd、登記番号10924127) 、ウェイブの発表文 米国での試験の開始 (2024年10月23日) 、ウェイブの発表文 バンクーバーの拠点の開設 (2024年4月11日) 、ウェイブの発表文 ドイツの拠点の開設 (2025年3月3日) 、ウェイブの発表文 日本の拠点の開設 (2025年4月22日) 、国税庁 法人番号公表サイト (ウェイブテクノロジーズジャパン合同会社) 、ウェイブのブログ 従業員の株式の買い取り (2026年7月1日) 、英国の会社登記所 2024年8月期のグループ決算書 (2025年7月22日提出)

連結の損益と資金 (英国の会社登記所に提出した決算書) 単位: ポンド

項目 2023年8月期 2024年8月期
管理費 45,127,353 74,159,289
営業損益 △45,288,150 △81,781,672
その他の収益 4,056,663 18,184,367
受取利息 35,444 1,456,879
税引き前損益 △41,196,043 △62,140,426
最終損益 △34,824,518 △61,752,056
営業キャッシュフロー △40,930,938 △62,415,850
株式の発行による収入 39 820,150,877
現金及び現金同等物 118,294,544 886,556,336
純資産 132,612,073 895,199,220
平均の従業員数 (人) 202 263
  • 英国の会計基準 (FRS 102) による連結の決算で、会計年度は9月1日から翌年8月31日まで。
  • 損益計算書に売上高の行は無い。
  • 戦略報告書は、重要な収益や利益をまだ生んでいないと説明している。
  • 営業損益は、管理費と公正価値の変動 (2024年8月期は762万ポンドの損失) の合計。
  • 2024年8月期のその他の収益は、手元資金の運用益1,749万ポンドと補助金70万ポンド。
  • 現金及び現金同等物はキャッシュフロー計算書の期末の額で、貸借対照表の額は886,556,375ポンド。
  • 差の39ポンドは当座借越で、純負債の分析表に載っている。
  • 平均の従業員数は取締役を含む。
  • 監査法人プライス・ベイリー (Price Bailey LLP) の監査を受け、限定の付かない意見が出ている。
  • 会社は決算期を12月末に変えた。
  • 次の決算は2024年9月から2025年12月までの16カ月で、提出期限は2026年12月31日。

出典: 英国の会社登記所 2024年8月期のグループ決算書 (2025年7月22日提出) 、英国の会社登記所 会社概要 (Wayve Technologies Ltd、登記番号10924127)

📋 詳細情報

技術・事業

技術概要
製品は自動運転AI「Wayve AI Driver」で、自動車メーカーの車両に組み込むソフトウェアとして供給する。手放し運転ができる運転支援 (レベル2+) から、運転者を必要としないレベル4までを、同じAIで賄う設計である。センサーは車載カメラが中心で、レーダーで補う。レーザー光で距離を測るセンサー「LiDAR (ライダー)」は、自動車メーカーの必要に応じて加える。開発を支える研究用のモデルも公表している。運転場面の映像を生成する世界モデル「GAIA」、運転の判断を言葉で説明する「LINGO」、走行場面を立体で再現する「PRISM-1」の3つである。
コア技術
ウェイブは自社の方式を「AV2.0」と呼ぶ。認識、予測、計画を別々の部品に分け、人が定めたルールと高精度地図で動かす従来の方式は「AV1.0」と位置づける。AV2.0は、1つのニューラルネットワークがセンサーの入力から運転の操作までを出すエンドツーエンド (E2E) 方式で、走行データから運転を学ぶ。会社は、地図を作り直さずに新しい都市や車種へ広げられる点を、他社との違いに挙げる。2025年の公道試験では、1つのAIモデルで欧州、北米、日本の506都市を走った。
事業セグメント
会社は事業の区分ごとの数字を開示していない。公表している事業は2つある。1つは自動車メーカー向けで、Wayve AI Driver をライセンス供与し、乗用車の運転支援と自動運転に使う。日産自動車、独メルセデス・ベンツとは量産車への搭載に向けた契約を結び、欧米ステランティスとは搭載に向けて提携した。もう1つはロボタクシー向けで、米ウーバー・テクノロジーズの配車網に自動運転の車両を載せる。車両はウーバーが保有して運行し、ウェイブはAIを供給する。
主力製品・モデル
Wayve AI Driver (自動車メーカーに供給する自動運転AI)
ガバナンス

経営陣・組織

CEO
アレックス・ケンダル
創業者
アレックス・ケンダル氏ら (2017年にロンドンで設立。会社の登記は同年8月21日)
役員
社長 エレズ・ダガン (イスラエルのモービルアイに20年在籍、2024年3月に就任)、CFO (最高財務責任者) エリサ・ドゥ・マルテル (米ウェイモの前CFO、2026年9月に就任を発表)、チーフサイエンティスト ジェイミー・ショットン (マイクロソフト出身、研究部門ウェイブ・ラボを統括)、最高人事責任者 エマ・ベイリー、上級副社長 (エンジニアリング) シルビウス・ルス、副社長 (事業と運営) ケイティ・フィッシャー、副社長 (製品) シモーネ・ファブリス。取締役 (2026年9月28日時点の英国の会社登記): アレックス・ケンダル、セス・ウィンターロス (エクリプス)、松井健太郎 (ソフトバンクグループ新規事業室長)、スランガ・チャンドラティレイク (バルダートン、2026年2月に就任)
子会社
日本: ウェイブテクノロジーズジャパン合同会社 (横浜市港北区。法人番号の指定は2025年2月)。米国: ウェイブ・テクノロジーズ (Wayve Technologies Inc、カリフォルニア州サニーベール)。カナダ: ウェイブ・テクノロジーズ・カナダ (Wayve Technologies Canada Ltd、バンクーバー)。ドイツ: 支店 (2025年初めに開設)。買収: ドイツのクオリティ・マッチ (Quality Match。AIの学習データの品質管理、従業員20人、2025年12月)
専門指標

業界別スペック

主要製品
Wayve AI Driver・Wayve AI Sense・AI Driver Assist・AI Driver CoPilot・AI Driver (レベル4)・ウーバーの配車 (ロンドン)・次世代プロパイロット向けのAI・日産リーフのロボタクシー試作車・第3世代の開発車両・ウェイブテクノロジーズジャパン・クオリティ・マッチ
主力モデル
Wayve AI Driver (自動車メーカーに供給する自動運転AI)
自動運転レベル
レベル2+からレベル4まで (同じAIで対応する設計)
事業の内容
エンドツーエンド方式の自動運転AI (自動車メーカー向け)
自動運転システム
Wayve AI Driver
半導体の調達先
エヌビディア (開発車両と試作車)。クアルコムとは協業を発表 (2026年3月)
開発と運行の段階
ロンドンで保安要員が乗る配車を開始 (2026年9月)。乗用車への搭載は日産の2027年度が最初
研究開発費
研究開発費は非開示。管理費は7,416万ポンド (2024年8月期・連結)
資金調達の累計
累計28億ドル、4回の資金調達 (公式サイト、2026年10月1日に確認)
直近の資金調達
シリーズDで12億ドル (2026年2月)、延長で6,000万ドル (同年4月)
上場の状況
未上場
主な出資者
シリーズD (2026年2月) の主導: エクリプス、バルダートン、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2。同じ回の出資者: オンタリオ州教職員年金基金、ベイリー・ギフォード、英国ビジネス銀行、アイスハウス・ベンチャーズ、シュローダーズ・キャピタル、マイクロソフト、エヌビディア、ウーバー・テクノロジーズ、メルセデス・ベンツ、日産自動車、ステランティス。延長 (2026年4月): AMD、アーム、クアルコム・ベンチャーズ。シリーズC (2024年5月) の主導: ソフトバンクグループ。シリーズB (2022年1月) の主導: エクリプス

⭐ 強み・特徴

  1. ①地図に頼らず新しい都市を走る 2025年の公道試験「AI-500ロードショー」では、1つのAIモデルで506都市を走った。うち219都市 (43%) は、現地の走行データが学習に入っていなかった (会社発表、2025年12月)
  2. ②自動車メーカー3社との契約と提携 日産自動車 (2025年12月) とメルセデス・ベンツ (2026年9月) は、量産車への搭載に向けた契約を結んだ。ステランティスは2026年5月に提携し、2028年に北米で搭載を始める計画を示した。3社はいずれも2026年2月のシリーズDで出資した
  3. ③車載半導体を選ばない設計 開発車両と試作車はエヌビディアの車載コンピューターを使う。2026年3月には、米クアルコムの車載半導体の基盤「Snapdragon Ride」に組み込む協業を発表した。同年4月には米AMD、英アーム、クアルコム・ベンチャーズが計6,000万ドルを出資した
  4. ④資金 シリーズDで12億ドルを調達した。会社は、ウーバーが節目に応じて追加で出資する約束を含め、15億ドルを確保したと説明している

📝 現状分析

ウェイブは研究開発の段階にある。2024年8月期の戦略報告書は、重要な収益や利益をまだ生んでおらず、事業の資金を株式による出資で賄うと説明している。英国の会社登記所に提出した2024年8月期の連結決算は、管理費が7,416万ポンド、営業損失が8,178万ポンド、最終損失が6,175万ポンドだった。前の期の最終損失は3,482万ポンドで、損失は広がった。2024年8月期は株式の発行で8億2,015万ポンドを得ており、期末の現金及び現金同等物は8億8,656万ポンドだった。従業員は約1,200人で、1年前の2倍を超えた (2026年7月、会社発表)。乗用車への搭載は日産自動車の2027年度が最初で、2026年9月時点で搭載車は発売されていない。ロンドンの配車は保安要員が乗る段階で、会社は少数の車両から始めたと説明している。2024年9月以降の決算はまだ提出されていない。

🧭 ビジョン・戦略

ケンダルCEO (最高経営責任者) は2026年3月の文章で、自動運転の事業の型を3つに分けた。自社の車に載せて売る型、ロボタクシーを自社で保有して運行する型、あらゆる車に載るソフトウェアを供給する型である。ウェイブは3つ目を選ぶ。AIを自動車メーカーにライセンス供与し、メーカーは自社のブランドと乗り味を保つ。ロボタクシーでも車両は持たず、製造は自動車メーカー、運行はウーバーなどの事業者が担う。会社は、この型なら少ない資本で世界に広げられると説明している。

🔮 今後の展望

会社と協業先が公表している予定は次のとおり。2026年後半に、日産自動車、ウーバーと東京でロボタクシーの試験運行を始める (関係当局との協議が前提)。2027年度に、日産がWayve AI Driver を使う次世代プロパイロットの搭載車を日本で発売する。2028年に、ステランティスが北米で手放し運転の運転支援を投入する。メルセデス・ベンツは、2026年9月の発表から2年以内の搭載開始を目指す。ウーバーとの配車は、ロンドンと東京を含む10を超える市場に広げる計画だ。次に確かめる開示は2つある。1つは、2026年12月末が提出期限の2025年12月期 (16カ月) の決算。もう1つは、東京での試験運行の開始の発表である。英国では、自動運転車法の全面施行が2027年後半からの予定だ。

📊 詳細ビジネスデータ

⚙️ アルゴリズム・メカニズム

Wayve AI Driver は、1つのニューラルネットワークがセンサーの入力から運転の操作までを出すエンドツーエンド (E2E) 方式を採る。土台は、各国の走行データで学習した基盤モデルである。会社はこの基盤モデルから、実際の道路で使う運転用のモデルを作る。新しい国では、現地のデータを加えた地域向けのモデルを先に作り、後から世界共通のモデルに取り込む。国ごとに別のモデルは持たない。国と、右側通行か左側通行かを示す情報を入力に加え、1つのモデルを全世界で動かす。日本では、日本の走行データが全体の約2%になった段階で、世界共通のモデルが安定して走るようになったと会社は説明している (2025年10月)。

🏗️ システム基盤構成

学習と検証の基盤はマイクロソフトのクラウド「Azure」で、2020年から使っている。学習にはエヌビディアの半導体を使う。開発用の車両には、世代ごとにエヌビディアの車載コンピューターを載せてきた。第3世代の開発車両は「DRIVE AGX Thor」を使い、レベル3とレベル4の開発に充てる。検証では、世界モデル「GAIA」が作る映像で、公道では再現しにくい危険な場面を試す。2026年8月に公表したGAIA-4は、AIの操作に応じて次の映像が変わる閉ループの検証に対応し、レーダーの信号も生成する。拠点はロンドンの本社のほか、米サニーベール、カナダ・バンクーバー、ドイツ・レオンベルク、横浜、イスラエル・ヘルツリーヤにある。

💰 売上の見込み

会社は業績予想を公表していない。公表済みの計画は3つある。2026年にロボタクシーの試験運行を始める。2027年から、手放し運転の運転支援 (レベル2+) を載せた乗用車が発売される。ウーバーとの配車を10を超える市場に広げる。ロンドンの配車は2026年9月3日に始まった。決算期を8月末から12月末に変えたため、次の決算は2024年9月から2025年12月までの16カ月になる。提出期限は2026年12月末である。

💸 売上の出どころ

対価を得る相手は、自動車メーカーと配車の事業者である。自動車メーカーには Wayve AI Driver をライセンス供与する。会社は、走行データで性能を上げ続けるソフトウェアとして、継続して収益を得る形を想定すると説明している。ライセンス料や契約額は公表していない。ロボタクシーでは、ウーバーが車両を保有して運行し、ウェイブはAIを供給する。2024年8月期の連結決算に売上高の計上は無い。同じ期のその他の収益1,818万ポンドは、手元資金の運用益1,749万ポンドと補助金70万ポンドだった。

👤 経営者履歴

CEO — アレックス・ケンダル

アレックス・ケンダル氏は共同創業者で、CEO (最高経営責任者) を務める。英ケンブリッジ大学で、深層学習を使う自動運転の研究をした。2017年に同大学トリニティ・カレッジのフェローに選ばれ、同じ年にウェイブを設立した。博士研究は2018年に英国機械視覚協会 (BMVA) の賞、2019年に欧州の研究者組織ELLISの賞を受けた。2025年には英国王立工学アカデミーのシルバーメダルを受け、AIへの貢献で大英帝国勲章 (OBE) を受章した。

🇯🇵 日本企業との取引・関係

ソフトバンクグループ (9984) は、2024年5月のシリーズC (10億5,000万ドル) を主導した。2026年2月のシリーズDは、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2が米エクリプス、英バルダートンと主導した。ソフトバンクグループ新規事業室長の松井健太郎氏が、2024年4月からウェイブの取締役を務める。日産自動車 (7201) は2025年12月に量産に向けた協業契約を結び、シリーズDで出資した。Wayve AI Driver を使う次世代プロパイロットの搭載車を、2027年度に日本で発売する計画だ。2026年3月には日産、米ウーバー・テクノロジーズと覚書を結んだ。日産リーフを使うロボタクシーの試験運行を、東京で2026年後半に始める計画である。日々の運行は、タクシー会社の日の丸交通が担う。タクシー配車アプリのS.RIDE (東京都港区) とは、2025年5月から首都圏の走行データを集めている。大和自動車交通 (9082) などのタクシー会社も順次加わる予定とされた。日本法人はウェイブテクノロジーズジャパン合同会社で、横浜市港北区に置く。

🚗 モデルラインナップ

製品の構成は自動運転のレベルごとに4つある。レベル1向けの「Wayve AI Sense」は、衝突被害軽減ブレーキや車線維持などの安全機能にAIを使う。レベル2+向けの「AI Driver Assist」は、市街地と高速道路で手放し運転ができる運転支援である。レベル3向けの「AI Driver CoPilot」は、高速道路で視線を外せる。レベル4向けの「AI Driver」は、ロボタクシーや配送に使う。載せる車両は協業先が用意する。ロンドンの配車は米フォード・モーターの電気自動車「マスタング・マッハE」、東京の試験運行は日産リーフを使う。日産の次世代プロパイロットの試作車は、日産アリアが基になっている。

🛡️ 安全機能

会社は安全の考え方を「Safety 2.0」と呼ぶ。世界モデルで危険な場面の映像を作り、AIを公道に出す前に試す。緊急時の対応は、危険な場面の学習データを増やして身につけさせる。車載システムは、自動車の機能安全の規格 ISO 26262 と、意図した機能の安全性を扱う規格 SOTIF に沿って設計すると説明している。ロンドンの配車では、ロンドン交通局の免許を持つ運転者が保安要員として乗る。運行は、英国政府が定めた自動運転車の試験の実施基準に従う。2026年8月の発表によると、ロンドン交通局はウェイブの車両に、予約制の配車に使うハイヤーの車両免許を交付した。

🤝 主要パートナーシップ

自動車メーカー: 日産自動車 (2025年12月に協業契約)、ステランティス (2026年5月に提携)、メルセデス・ベンツ (2026年9月に量産契約)。
ロボタクシー: ウーバー・テクノロジーズ (2024年8月に提携、2026年9月にロンドンで配車を開始)、日産自動車とウーバー (東京、2026年3月に覚書)、ステランティスとウーバー (2026年6月)。
半導体とクラウド: エヌビディア (2018年から)、マイクロソフト (2020年から)、クアルコム (2026年3月に協業を発表)、AMD、アーム。
日本: S.RIDE (走行データの収集)、日の丸交通 (東京の試験運行の運行)、平和島自動運転協議会 (2025年5月に参画)。
政府: 英国ビジネス・貿易省 (2026年5月に覚書)

🌏 輸出先・市場

公道試験は英国で2018年に始め、米国 (2024年10月)、ドイツ (2025年3月)、日本 (2025年4月) に広げた。2025年の公道試験では欧州、北米、日本の506都市を走った。一般の乗客を乗せる運行は、2026年9月のロンドンが最初である。乗用車向けでは、手放し運転の運転支援を欧州、米国、日本から投入すると会社は説明している。日産自動車は日本と北米など、ステランティスは北米から搭載する計画だ。

基本情報

上場・財務

本社
英国ロンドン
創業
2017
従業員
約1,200人 (2026年7月、会社発表)
上場ステータス
未上場
売上高 (最新期)
売上高の計上なし (2024年8月期・連結。最終損失は6,175万ポンド)
コンプライアンス

信用・米制裁

銀行信用
健全
🇺🇸 米制裁
なし
グローバル

海外進出

資金流出
なし
出典・検証

📚 信頼性メタデータ

信頼度
🅰 一次情報
最終確認
2026-10-01 17:12:59
検証者
claude+primary-sources

海外子会社・拠点

会社役割所在地出資比率
ウェイブテクノロジーズジャパン合同会社日本の公道試験と、日本の自動車メーカーとの開発。法人番号の指定は2025年2月。2025年9月に東京都港区から移転横浜市港北区北新横浜非公表 (会社の決算書は子会社と記載)
ウェイブ・テクノロジーズ (Wayve Technologies Inc)米国の本部。公道試験、ソフトウェアの開発、車両への組み込み。2024年10月に試験を開始米国カリフォルニア州サニーベール非公表
ウェイブ・テクノロジーズ・カナダ (Wayve Technologies Canada Ltd)研究の拠点。2024年4月に開設カナダ・バンクーバー非公表
ドイツの拠点 (支店)公道試験と開発。2025年3月に開設ドイツ・レオンベルク (シュツットガルト地域)支店
イスラエルの拠点役割は非公表。決算書は、2024年8月期にカナダとともにイスラエルへ進出し、人材を集める体制を作ったと記載イスラエル・ヘルツリーヤ非公表

資金調達と資本提携の履歴

内容時期相手
シリーズBで2億ドル。会社は、株式による調達の累計が2億5,800万ドルを超えたと説明2022年1月エクリプス (主導)、D1キャピタル・パートナーズ、ベイリー・ギフォード、マイクロソフト、ヴァージン、バルダートンなど
シリーズCで10億5,000万ドル。決算書の記載はポンドで8億200万ポンド2024年5月ソフトバンクグループ (主導)、エヌビディア、マイクロソフト
シリーズCの延長として出資。額は非公表。自動運転の車両をウーバーの配車網に載せる提携と同時2024年8月ウーバー・テクノロジーズ
次の資金調達で5億ドルの出資を検討する基本合意書2025年9月エヌビディア
シリーズDで12億ドル。資金調達後の評価額は86億ドル。ウーバーの追加出資の約束を含め、確保した資金は15億ドル2026年2月エクリプス、バルダートン、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2 (主導)。マイクロソフト、エヌビディア、ウーバー、メルセデス・ベンツ、日産自動車、ステランティスなど
シリーズDの延長で6,000万ドル2026年4月AMD、アーム、クアルコム・ベンチャーズ
出資者が、従業員の持つ株式を8,500万ドル分買い取る。新株の発行ではない。2回目2026年7月既存と新規の出資者

出典 URL

  • https://wayve.ai/press/series-d/
  • https://wayve.ai/press/series-d-extension/
  • https://wayve.ai/press/series-c/
  • https://wayve.ai/press/wayve-and-uber-partner/
  • https://wayve.ai/press/wayve-uber-launch-autonomous-rides/
  • https://wayve.ai/press/wayve-uber-phv-license/
  • https://wayve.ai/press/wayve-mercedes-benz-announce-production-agreement/
  • https://wayve.ai/press/stellantis-wayve-partnership/
  • https://wayve.ai/press/stellantis-wayve-uber-robotaxi-partnership/
  • https://wayve.ai/press/qualcomm-wayve-collaboration/
  • https://wayve.ai/press/wayve-nissan-robotaxi-gtc/
  • https://wayve.ai/press/wayve-japan-launch/
  • https://wayve.ai/press/wayve-japan-results/
  • https://wayve.ai/thinking/japan-generalization/
  • https://wayve.ai/thinking/ai-500-roadshow-500-cities/
  • https://wayve.ai/thinking/the-path-to-autonomy/
  • https://wayve.ai/thinking/wayve-announces-employee-tender-offer/
  • https://wayve.ai/thinking/gaia-4/
  • https://wayve.ai/press/wayve-launches-gaia3/
  • https://wayve.ai/press/wayve-appoints-elisa-de-martel/
  • https://wayve.ai/company/leadership-team/
  • https://wayve.ai/company/investors/
  • https://wayve.ai/product/wayve-ai-driver/
  • https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/250410-01-j
  • https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/250922-01-j
  • https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/251210-01-j
  • https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/260312-01-j
  • https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/260414-01-j
  • https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000211.000036935.html
  • https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000124.000130465.html
  • https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000091164.html
  • https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/henkorireki-johoto.html?selHouzinNo=5010403034300
  • https://group.softbank/news/press/20221121
  • https://find-and-update.company-information.service.gov.uk/company/10924127
  • https://find-and-update.company-information.service.gov.uk/company/10924127/filing-history
  • https://www.gov.uk/government/news/government-and-wayve-sign-partnership-to-accelerate-britains-self-driving-future
  • https://www.gov.uk/government/news/driving-innovation-38000-jobs-on-the-horizon-as-pilots-of-self-driving-vehicles-fast-tracked
  • https://www.gov.uk/government/news/passengers-one-step-closer-to-booking-taxi-and-bus-style-self-driving-vehicles
  • https://www.legislation.gov.uk/ukpga/2024/10/introduction

最新動向

資金 2026年2月25日、シリーズDで12億ドルを調達したと発表した。資金調達後の評価額は86億ドル。米エクリプス、英バルダートン、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2が主導した。マイクロソフト、エヌビディア、ウーバー・テクノロジーズのほか、メルセデス・ベンツ、日産自動車、ステランティスが出資した。4月15日には米AMD、英アーム、クアルコム・ベンチャーズが計6,000万ドルを出資した。7月1日には、既存と新規の出資者が、従業員の持つ株式を8,500万ドル分買い取る計画を公表した。

事業 2025年12月1日、AIの学習データの品質管理を手がけるドイツのクオリティ・マッチを買収した。12月10日、日産自動車と量産に向けた協業契約を結んだ。2026年3月12日、日産、ウーバーと、東京でのロボタクシーの試験運行に向けた覚書を結んだ。5月21日、ステランティスと提携し、2028年に北米で手放し運転の運転支援を投入する計画を示した。6月17日には、ステランティス、ウーバーとレベル4のロボタクシーでも提携した。8月13日、Uber Japan が東京の試験運行の運行を日の丸交通に任せる契約を結んだ。9月3日、ウーバーとロンドンで、保安要員が乗る自動運転の配車を始めた。9月22日、メルセデス・ベンツと量産契約を結んだ。

技術 2025年12月2日、運転場面の映像を生成する世界モデル「GAIA-3」を公表した。パラメーターは150億で、前の世代の2倍である。2026年3月10日、クアルコムの車載半導体の基盤「Snapdragon Ride」に Wayve AI Driver を組み込む協業を発表した。5月29日、研究部門ウェイブ・ラボの設立を公表した。8月3日、AIの操作に応じて次の映像が変わる検証に対応した「GAIA-4」を公表した。8月18日、ウェイブ・ラボに汎用ロボットの研究チームを新設した。

制度 2026年5月12日、英国のビジネス・貿易省と、自動運転の研究で協力する覚書を結んだ。5月22日、英運輸省は自動運転の旅客運送の試験的な運行について、事業者の申請の受け付けを始めた。8月5日、ウェイブとウーバーは、ロンドン交通局がウェイブの車両にハイヤーの車両免許を交付したと発表した。

経営陣 2026年9月16日、CFO (最高財務責任者) に米ウェイモの前CFOのエリサ・ドゥ・マルテル氏が就任すると発表した。2024年からCFOを務めたマックス・ウォーバートン氏は顧問に移る。同年2月11日には、英国の会社登記で取締役が1人交代した。バルダートンのスランガ・チャンドラティレイク氏が就任した。

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🤖 自動運転専業

小馬智行 (ポニー・エーアイ)

ロボタクシーとロボトラックを手がける中国の自動運転企業で、2016年に設立した。米ナスダック (PONY) と香港証券取引所 (証券コード2026) に上場する。北京、上海、広州、深圳の4都市で、運転席が無人のロボタクシーを有料で運行している。ロボタクシーは2026年6月末に1,975台で、会社は年末に3,500台超へ増やす目標を掲げる。2025年12月期の連結売上高は9,000万ドル、営業損失は2億6,090万ドルだった。トヨタ自動車は発行済み株式の9.8%を持つ株主である (2026年3月末)。bZ4X を基にしたロボタクシーは、小馬智行と広汽トヨタが共同で生産している。

🤖 自動運転専業

文遠知行 (ウィーライド)

ロボタクシー、ロボバス、無人の清掃車、運転支援システムを手がける中国の自動運転企業。2017年に景馳科技として創業し、2018年10月に文遠知行 (WeRide) へ社名を改めた。米ナスダック (WRD) と香港証券取引所 (証券コード0800) に上場する。車両の販売と、運行や技術の支援の対価で収益を得る。レベル4の車両は約3,400台で、うちロボタクシーは1,800台を超える (2026年7月末)。アブダビとドバイでは米ウーバーテクノロジーズと組み、保安要員を乗せない有料運行をしている。2025年12月期の売上高は6億8,459万元、最終損失は16億5,490万元。ルノー、日産自動車、三菱自動車の投資会社が株主で、日産自動車の幹部が取締役を務める。

🤖 自動運転専業

滴滴自動運転 (ディディ)

中国の配車アプリ大手、滴滴出行 (ディディ) の自動運転部門で、レベル4のロボタクシーを開発し運行する。2016年に開発を始め、2019年8月に独立した会社になった。持ち株会社はケイマン諸島籍のボイジャー・グループ (Voyager Group) で、滴滴が70.2%を持つ (2026年4月時点)。ソフトバンクグループ傘下のファンドなどが出資し、2024年末までの調達額は累計11億2,300万ドル。広州汽車集団傘下の広汽埃安 (アイオン) と共同開発した専用車「R2」は、2026年1月に納車が始まった。8月には広州市と北京市の指定区域で、無人の試験運行に入った。部門単体の売上高と損益は開示されていない。

🤖 自動運転専業

白犀牛 (Rino.ai)

無人の配送車を開発、製造、販売する中国の未上場企業。百度 (バイドゥ) の自動運転部門の出身者が、2019年4月に北京市で設立した。宅配の営業所と中継拠点の間の輸送を主な用途とし、宅配大手の順豊 (SFエクスプレス) や中国郵政に車両を納めている。運用中の車両は2,000台を超え、170を超える都市で走る (2025年12月の会社発表)。2026年1月には、商用車メーカーの鑫源汽車と開発した量産車「RX」を発表し、4月に合弁会社の設立を発表した。資金は2025年に3回の調達で1億ドル超を集め、2026年5月にも調達した。売上高と損益は公表していない。

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