クオンタムソリューションズのAIデータセンター(AIDC)計画 AI Infrastructure Data Centre (AIDC)
大阪府内のデータセンターに画像処理半導体 (GPU) のサーバーを置き、計算資源を貸す計画。テルストラ・ジャパンと約3メガワット (MW) の容量を確保する基本条件に合意し、2MW分についてサービス申込書を交わした。GPUサーバーの売買契約は2026年9月に解除し、再発注は決まっていない。顧客との利用契約はなく、売上は0円だ (2026年10月13日時点)。
詳細解説
- 構想の始まり
- 2024年8月26日、クラウドゲーム基盤のユビタス (東京都新宿区) とAIデータセンター事業で基本合意した。合意は正式契約に至らず、2024年11月26日に失効した quantum-s.co.jp
- 当初の調達計画
- ユビタスとの合意の下で、エヌビディアのH200を載せた画像処理半導体 (GPU) サーバー32台を調達する予定だった。供給元を決められず、調達しなかった quantum-s.co.jp
- 2026年3月の状況
- 2026年3月24日時点で、AIデータセンター (AIDC) 事業の実質的な設備投資と運営を始めていないと開示した quantum-s.co.jp
- 推進の決議
- 2026年5月22日の取締役会で、AIDCを2027年2月期から本格的に進めると決めた。この時点でGPU設備とデータセンターの正式契約はなかった quantum-s.co.jp
- データセンター容量
- 2026年7月2日、テルストラ・ジャパンが見積書の形で示した基本条件に合意した。第1期は約3メガワット (MW) で、保証金を払って優先的に確保する quantum-s.co.jp
- サービス申込書
- 2MW分について2026年8月28日にサービス申込書を交わし、初期構築の作業を始めた。残る1MWは協議している disclosure2dl.edinet-fsa.go…
- B300の32台の計画
- 2026年8月には、新株の資金をエヌビディアのB300を載せたGPUサーバー32台の製造枠を確保する前払金に充てる予定とした。購入契約は結んでいない quantum-s.co.jp
- GPUサーバーの売買契約
- 2026年9月7日に総額6,098万5,056ドルの売買契約を結び、9月10日に初回830万ドルを払った。9月18日に契約の解除で合意し、9月24日に初回の830万ドルが全額戻った quantum-s.co.jp
- 2026年10月13日の状況
- 再発注の注文書は出していない。顧客とは複数回協議したが、利用契約も意向表明書 (LOI) も覚書 (MOU) も結んでいない quantum-s.co.jp
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| 第1期のデータセンター (借りる予定) | 大阪府内 | テルストラ・ジャパンを通じて約3メガワット (MW) の電力と区画を確保する。クオンタムソリューションズは2026年7月2日、2MW分はエクイニクスのグループが運営する施設の中にあると開示した | quantum-s.co.jp | |
| 提供単位 | 大阪府内 | 施設は約1MWを1単位として容量と設備を提供する。予定の構成では1MWあたり最新世代の画像処理半導体 (GPU) サーバー約64台を置ける | quantum-s.co.jp | |
| 保有する設備 | なし | 親会社に主要な設備はなく、子会社の設備は重要性が乏しいとして記載を省いている (2026年2月期)。AIデータセンター (AIDC) 向けのGPU設備も保有していない (2026年5月22日) | quantum-s.co.jp |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- 提供する計算資源
- 画像処理半導体 (GPU) の計算能力、API (外部から機能を呼び出す仕組み) による利用、データセンター関連のサービスを提供する方向で顧客と協議している quantum-s.co.jp
- 検討するGPU
- エヌビディアのB300を含む高性能GPUを中心に検討するとした (2026年5月22日)。9月の契約では、守秘義務を理由に型番を開示しなかった quantum-s.co.jp
- 用途
- 大規模AIモデルの学習、生成AIの推論、高性能計算 (HPC)、AIが文章を作るときの単位 (トークン) の大量生成に使う基盤とする計画だ quantum-s.co.jp
- 将来の形
- 中長期に、学習・推論・運用を一体で支える自社運営の「AIコンピュート・ファクトリー」への発展を検討する quantum-s.co.jp
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| 第1期の容量 | 約3メガワット (MW)。うち2MWはサービス申込書を交わし、1MWは協議している | disclosure2dl.edinet-fsa.go… |
| 画像処理半導体 (GPU) サーバーの台数 (計画) | 2MWを使うには約128台の導入が合理的と判断した。当初は最大32台の計画だった (2026年9月9日) | quantum-s.co.jp |
| GPUの型番 | 公表されていない (2026年9月7日の契約は守秘義務を理由に開示せず、その後解除) | quantum-s.co.jp |
| 稼働の開始時期 | 公表されていない。2026年11月ごろとしていた導入の予定を、9月18日に見直すとした | quantum-s.co.jp |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 画像処理半導体 (GPU) | B300を含むエヌビディア製の高性能GPU (検討段階) エヌビディアの上場先はナスダック |
公表されていない エヌビディア製を検討していると開示 |
— | 公表されていない |
2026年5月22日の開示は検討の対象を示しただけで、調達は決まっていない A |
| GPUサーバー一式 | 最新世代・高密度データセンター向けGPUサーバーと関連機器 (第1弾) | 公表されていない | — | 公表されていない |
販売会社 (関東に本拠) との売買契約は2026年9月18日に合意解除。再発注は未定 A |
| データセンターの電力と区画 | 約3メガワット (MW) (第1期) | テルストラ・ジャパン テルストラ・ホールディングスの完全子会社 |
— | 日本 大阪府内 |
基本条件の合意と保証金220万2,864ドルの支払い、2MW分のサービス申込書 A |
| ネットワーク・ストレージ・冷却 | 公表されていない | 公表されていない | — | 公表されていない |
資金の使い道に整備費用として挙がるだけで、購入先は書かれていない A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1データセンター容量第1期約3メガワット (MW) の基本条件に合意し、2MW分のサービス申込書を交わした企業: テルストラ・ジャパン
- 2画像処理半導体 (GPU) サーバーの調達関東に本拠を置く販売会社1社と契約した。供給元から各サプライヤーへの供給数量が減り、納期が約36週に延び、価格も定まらないため解除した。複数の候補と改めて協議している企業: 公表されていない (守秘義務)
- 3調達の協力子会社コンパスクラウドAIジャパンが7月、ルービン・テックと業務協力・資金支援の契約を結び、無利息で150万ドルを借りた (9月2日に親会社が全額返済)。機器の調達で最初に見積もりを出す機会を与えるが、購入の義務はない企業: ルービン・テック (米カリフォルニア州)
- 4資金ブラックウェル・クラウド (香港) が新株を引き受けて4億8,552万円を払い込み、260万ドルを年利2.5%で貸した (9月10日実行)企業: ブラックウェル・クラウド
- 5事業の主体完全子会社のコンパスクラウドAIジャパンを主体にデータセンター容量の協議を進める。保証金・GPUの契約・借入れは親会社が結んだ企業: コンパスクラウドAIジャパン
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1容量の確保保証金220万2,864ドルを2026年7月2日と8日に払い終えた設備・企業: テルストラ・ジャパン
- 2初期構築2メガワット (MW) の初期構築で、電力・冷却条件、ラック配置、ネットワーク、導入日程、運用体制を詰めている (2026年10月13日)設備・企業: テルストラ・ジャパン
- 3画像処理半導体 (GPU) の設置と稼働まだ始まっていない。再発注と支払いの時期は決まっていない設備・企業: 公表されていない
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 画像処理半導体 (GPU) の計算資源の利用料 | 公表されていない (サービスは始まっていない) | 2026-11-06 | quantum-s.co.jp |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 個別の利用契約 (計画) | 利用期間・保証金・前受金・最低利用条件・サービスの水準を顧客と協議している。2026年10月13日時点で契約はない | quantum-s.co.jp |
| 顧客 (想定) | 国内外のクラウドサービス事業者など、大規模なAIの計算需要を持つ企業を想定する (2026年9月7日) | quantum-s.co.jp |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 保守と運用 | 保守・運用の体制とサービスの水準は公表されていない。顧客とサービスの水準の条件を協議している段階だ | quantum-s.co.jp |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 海外の顧客 (計画) | 海外のクラウドサービス事業者に計算資源を提供する計画を示す。輸出規制の対象になるかどうかは公表されていない | quantum-s.co.jp |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年3〜8月期 (2027年2月期の中間期) | AIデータセンター (AIDC) 事業の売上高 | 0 | 円 | 前年同期も0円 | quantum-s.co.jp |
| 2026年2月期 | 汎用サーバー関連の売上高 (AIインフラ領域) | 935 | 万円 | AIDCの収益ではない | disclosure2dl.edinet-fsa.go… |
| 2025年2月期 | 機器 (GPUサーバー) 販売の売上高 | 4億5,771 | 万円 | AIDCを始める前の、画像処理半導体 (GPU) サーバーの販売代理の事業 | disclosure2dl.edinet-fsa.go… |
💰 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| データセンターの保証金 | 220万2,864ドル (支払い済み) | quantum-s.co.jp | |
| 画像処理半導体 (GPU) サーバーの契約総額 (解除済み) | 6,098万5,056ドル。初回830万ドルは全額返還された | quantum-s.co.jp | |
| 新株による調達 | 4億8,552万円 (2026年8月24日)。第16回新株予約権の発行額813万円と合わせた払込額は約4億9,400万円 | quantum-s.co.jp | |
| 暗号資産の売却収入 | 14億8,600万円 (2026年6〜8月)。AIデータセンター (AIDC) の設備投資・データセンター費用・運転資金に充てるとした | quantum-s.co.jp | |
| GPU契約の残額の資金 (解除前) | 初回を除く残額5,268万5,056ドルは、主要株主からの借入れや顧客の前受金などでまかなう案を検討するとし、金額と条件は決まっていなかった | quantum-s.co.jp | |
| 第16回新株予約権の調達額 | すべて行使された場合に9億8,568万円。行使の時期と量は決まっていない | quantum-s.co.jp | |
| 借入れ | ブラックウェル・クラウドから260万ドル (年利2.5%、2026年9月10日実行、返済期限2027年12月31日) | quantum-s.co.jp | |
| 資金調達枠 (覚書) | 米パーミアン・ラボと、GPU資産を担保にした最大2億ドルの資金調達枠について覚書を結んだ (2025年12月8日)。法的拘束力のある契約ではない | quantum-s.co.jp |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
画像処理半導体 (GPU) の調達計画は、2024年にユビタスと組んだH200の32台から、2026年8月のB300の32台へ変わった。9月7日には総額6,098万ドルの売買契約を結んだが、9月18日に解除した。供給元から各サプライヤーへの供給数量が減り、納期が約36週に延びる見通しとなったためだ。決まっているのは、大阪府内の容量の保証金約220万ドルと、2メガワット (MW) のサービス申込書だ。GPUの注文書も、顧客の利用契約も、意向表明書もまだない (2026年10月13日時点)。2026年6〜8月の暗号資産の売却で14億8,600万円、8月の新株で4億8,552万円、9月の借入れで260万ドルを得た。パーミアン・ラボとの最大2億ドルの資金調達枠は覚書の段階で、GPUの稼働を確かめた後に資金を引き出す仕組みだ。クオンタムソリューションズは、稼働と収益計上の時期は再発注、設備の整備、顧客との契約、資金調達しだいだと説明している。
公表されていないこと
- 画像処理半導体 (GPU) サーバーの再発注先・型番・台数・納期
- 大阪府内のデータセンターの施設名と、正式な利用契約の期間と月額費用
- 最初の顧客と、稼働を始める時期
- 再発注するGPUサーバーの代金をまかなう資金
出所
- 株式会社ユビタスとの基本合意書締結に関するお知らせ (2024-08-26)
- パーミアン・ラボとのオンチェーン型ファイナンス協業に関するMOU (2025-12-08)
- AIDC事業に関する現状のアップデートについて (2026-03-24)
- AIインフラストラクチャ (AIDC) 事業推進に関するお知らせ (2026-05-22)
- データセンター容量確保に向けた基本条件合意及び保証金の支払い (2026-07-02)
- データセンター容量確保に向けた保証金初回支払い完了 (2026-07-02)
- データセンター容量確保に向けた保証金残額の支払完了 (2026-07-08)
- 第三者割当の払込完了ほか (2026-08-24)
- 約4億9,400万円の払込完了 (プレスリリース) (2026-08-25)
- GPUコンピューティング基盤への設備投資に関するお知らせ (2026-09-07)
- GPUコンピューティング基盤の調達契約を締結 (プレスリリース) (2026-09-07)
- 調達資金の支出予定時期の変更に関するお知らせ (2026-09-09)
- 資金の借入れに関するお知らせ (2026-09-09)
- GPUコンピューティング基盤に係る売買契約の合意解除及び初回支払金の返還合意 (2026-09-18)
- 第28期 半期報告書 (2027年2月期中間期) (2026-10-13)
- 上場維持基準への適合に向けた計画の進捗状況 (第2回) (2026-10-13)
- 第27期 有価証券報告書 (2026年2月期) (2026-05-28)
- 完全子会社における業務協力及び資金支援契約の締結並びに無利息借入れ (2026-07-06)
- 完全子会社における既存借入金の全額返済に関するお知らせ (2026-09-02)
出所との照合日: 2026年11月6日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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