ソニーのIMX908(監視カメラ用の4Kイメージセンサー) IMX908
ソニーセミコンダクタソリューションズが2026年3月17日に商品化を発表した、監視カメラ (セキュリティーカメラ) 用のイメージセンサー。1/2.8型で約840万画素の4Kに対応する。1回の露光で96デシベルの明暗差を写し、カメラのAIによる画像認識の精度を上げる狙いだ。センサー内でAI処理をする機能は仕様に挙がっていない。
詳細解説
- 発表
- 2026年3月17日に商品化を発表した。サンプル出荷は2026年3月末に始めると同じ日に発表した sony-semicon.com
- 位置づけ
- ソニーは、監視カメラでAIによる画像認識の標準搭載が進み、明所から暗所まで安定して撮れるセンサーが要ると説明する sony-semicon.com
- 型番
- カラー品のIMX908-AQR1とIMX908-AQH5の2つ。製品概要の資料を型番ごとに出す sony-semicon.com
- 画素の技術
- 監視カメラ向けの新しいLOFIC (横型オーバーフロー蓄積容量) 画素の技術「STARVIS 3」を載せる sony-semicon.com
- 画素の大きさの主張
- ソニーは1.45マイクロメートルのLOFIC画素を業界最小とする (会社主張、2026年3月17日時点)。監視カメラ用のCMOS (相補型金属酸化膜半導体) センサーとしての比較だ sony-semicon.com
- 用途
- 施設と街の監視、ドライブレコーダー、ライブ会場の観客の見守り sony-semicon.com
- 有価証券報告書での扱い
- ソニーグループは2026年3月期の主な研究開発の成果の1つにIMX908を挙げた disclosure2dl.edinet-fsa.go…
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| IMX908を造る工場は公表されていない | ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングの生産拠点は熊本・長崎・山形・大分・鹿児島・宮城・愛知にある | 製品ごとの製造拠点の割り当ては公表されていない | sony-semicon.com |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- LOFIC構造
- 光を変換した電荷を、フォトダイオードだけでなく電圧に変える部分 (FD) にもためる。FDに容量素子を足し、ためられる電荷の量を従来品の約20倍にした sony-semicon.com
- 比べた従来品
- 1/2.8型、有効約845万画素の監視カメラ向けセンサーIMX778と比べた値 sony-semicon.com
- 1回の露光で広い明暗差
- 露光時間を変えて撮った複数の画像を合わせる方式と違い、1回の露光で96デシベルを写す。動く被写体の輪郭のずれや色のずれが減り、AIの認識の誤りを減らす sony-semicon.com
- 暗い場所の性能
- ソニー独自の暗所の画質の指標SNR1sで、従来品より約27%改善した sony-semicon.com
- 近赤外の感度
- 裏面照射型の構造と深いフォトダイオードで、近赤外の光への感度を上げた。隣の画素への信号の混入は遮光壁を強めて抑えた sony-semicon.com
- センサー内の合成
- Clear HDR3は、センサーの中で複数のフレームを即時に合成して1枚の4K画像を作り、外部での処理が要らない。ソニーは、1回の露光のHDR (広い明暗差の撮影) で毎秒30コマを出すと説明する sony-semicon.com
- 複数の変換効率
- 1回の露光から、変換効率の違う複数の画像データを出すこともできる sony-semicon.com
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| センサーの大きさ (光学サイズ) | 対角6.42ミリ (1/2.8型) | sony-semicon.com |
| 有効画素数 | 3,856×2,180、約840万画素 | sony-semicon.com |
| 画素の大きさ | 1.45マイクロメートル角 | sony-semicon.com |
| コマ数 | 10ビットで毎秒90コマ、12ビットで60コマ | sony-semicon.com |
| ダイナミックレンジ | 96デシベル (製品ページの表はClear HDR3の値として示す)。Clear HDR・Clear HDR3は毎秒30コマ・16ビット | sony-semicon.com |
| 暗所の画質 (SNR1s) | 0.53ルクス。SNR1sはソニー独自の暗所の画質の指標 | sony-semicon.com |
| シャッター・出力 | ローリングシャッター。カメラの接続規格MIPI D-PHYの2レーンか4レーン | sony-semicon.com |
| 電源電圧 | 1.1・1.8・3.3ボルト | sony-semicon.com |
| パッケージ | 反射防止膜付きのセラミック製LGA (底面に電極を並べた形、12.0×9.3ミリ) とベアチップ | sony-semicon.com |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| センサーのチップ | STARVIS 3のLOFIC画素を持つ裏面照射型のCMOSセンサー 証券コードは親会社ソニーグループのもの |
ソニーセミコンダクタソリューションズ | 6758 | 日本 公表されていない |
製品ページ (画素と構造の説明) A |
| パッケージ | 反射防止膜付きのセラミック製LGA | 公表されていない | — | 公表されていない |
ソニーはパッケージの形と大きさだけを公表している A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1設計画素とセンサーを設計する企業: ソニーセミコンダクタソリューションズ
- 2製造製造の担い手と工場は公表されていない企業: 公表されていない
- 3カメラ監視カメラやドライブレコーダーのメーカーが組み込む。採用したメーカーの名前は公表されていない企業: 公表されていない
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1イメージセンサー一般の工程画素部をウエハーに作り込み、カラーフィルターとオンチップレンズを付け、ウエハーの状態で検査した後に切り分けて封止する。封止の方式は製品で違い、IMX908はセラミック製LGAとベアチップで出す設備・企業: ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング
- 2IMX908の製造ライン製造ラインと生産能力は公表されていない設備・企業: 公表されていない
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| IMX908-AQR1・IMX908-AQH5 | 公表されていない。個別に見積もる | 2026-11-07 | sony-semicon.com |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 購入先・見積もり | 製品ページの「製品の購入先」と問い合わせ窓口から、仕様書と見積もりを求める | sony-semicon.com |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 資料 | 型番ごとに製品概要の資料を配る。保証の年数と保守の内容は公表されていない | sony-semicon.com |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 公表されていない | 仕向け地の内訳と、外為法や米国の輸出管理規則の対象かどうかは公表されていない | sony-semicon.com |
💰 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| イメージング&センシング・ソリューション (I&SS) 分野の売上高 | 2兆1,515億円 (2026年3月期)。IMX908単独の売上高は開示されていない | disclosure2dl.edinet-fsa.go… |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
IMX908は、AIが読む画像の質を上げるためのセンサーだ。ソニーが強調するのは、1回の露光で96デシベルを写し、動く物の輪郭のずれを減らす点にある。露光時間を変えて何度も撮る方式では、このずれがAIの認識の妨げになりうるとソニーは説明する。技術の要は、1.45マイクロメートルの小さい画素でためられる電荷を約20倍に増やしたことだ。暗い場所の画質も約27%改善した。ソニーグループは2026年3月期の有価証券報告書で、主な研究開発の成果の1つにIMX908を挙げた。イメージング&センシング・ソリューション (I&SS) 分野で成長を引っ張るのはスマートフォン向けだ。ソニーはカメラ向けと産業・社会インフラ向けを「収益事業領域」と位置づけ、安定した利益を求めている。
公表されていないこと
- サンプル出荷が2026年3月末に始まったかどうかは発表されていない
- 量産の開始時期、価格、採用したカメラメーカーは公表されていない
- IMX908を造る工場は公表されていない
出所
- 業界最小1.45µmのLOFIC画素を採用した4Kイメージセンサーをセキュリティカメラ向けに商品化 (2026-03-17)
- IMX908 製品ページ (2026-11-07)
- ソニーセミコンダクタソリューションズ: 拠点一覧 (2026-11-07)
- ソニーセミコンダクタソリューションズ: 開発・設計・生産の取り組み (2026-11-07)
- ソニーグループ 有価証券報告書 (2026年3月期) (2026-06)
出所との照合日: 2026年11月7日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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