ホンダ スーパーワン (Super-ONE) Honda Super-ONE
本田技研工業が2026年5月22日に発売した小型EV (登録車、型式ZAA-JG6)。軽乗用EV「N-ONE e:」を基に全幅とトレッドを広げ、BOOSTモードで最高出力を47kWから70kWに引き上げる。モノグレードで税込339万200円、電池は29.6kWh、WLTCモードの一充電走行距離は274km。発売前の先行予約は約7,000台で、英国では「Super-N」の名で2026年6月に受注を始めたと報じられた。
概要
- 発表日
- 2026年5月21日 (ニュースリリース) global.honda
- 計画の公表
- 2025年10月29日、ジャパンモビリティショー2025で試作車「Super-ONE Prototype」を世界初公開。2026年の日本発売を皮切りに英国やアジアへ投入する計画を英文リリースで公表 (英国名はSuper-N) global.honda
- 発売日
- 2026年5月22日 global.honda
- 先行予約の開始
- 2026年4月16日 newswitch.jp
- 車両区分
- 小型乗用車 (登録車)。車名・型式 ホンダ・ZAA-JG6、乗車定員4名、FF、1グレード honda.co.jp
- 生産工場
- 公表されていない
- プラットフォーム
- N-ONE e: 由来のプラットフォーム。トレッドを40mm広げ1,345mmにし、ワイドフェンダーと専用エアロパーツを付けた global.honda
- 駆動系の共通性
- 電池を含むパワートレーンはN-ONE e: と同じハードウエア。モーターはハードとしては100kW近い出力を出せる。電池パック内のジャンクションボックスの配線に流せる電流の上限から70kWに抑え、ソフトウエアで電流の上限を引き上げて実現したと日経クロステックが報じた xtech.nikkei.com
- 開発の経緯
- グランドコンセプトは「e: Dash BOOSTER」。会社は小型EVの「操る喜び」と感性に訴える演出 (エンジン音を模した音・仮想7段変速) を組み合わせたとしている。名称は「従来のEVや軽自動車の枠を超える」意味 global.honda
- 開発費の抑え方
- 他車種と部品を共通化して開発費を抑えたと日本経済新聞が報じた。日本統括部長の川坂英生氏は国内のEV普及率が足元の2〜3%から2030年度に8%程度になるとの見方を示した nikkei.com
- 海外展開
- 日本の発売を皮切りに、1年以内に英国 (車名Super-N)・アジア・オセアニアに順次投入すると日本統括部統括部長の川坂英生氏が説明した newswitch.jp
- 後続のEV計画
- 会社は2028年中にN-BOXのEV版を投入予定と公表 global.honda
価格と補助金
| グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| Super-ONE (モノグレード) | 3,390,200 | 2026-05 | global.honda |
| 有料色 4色 (ブーストバイオレット・パール、プラチナホワイト・パール、チャージイエロー、ルミナス・グレー) | 33,000 | 2026-05 | global.honda |
| 2トーン (ブラックルーフ) | 104,500 | 2026-05 | global.honda |
| Super-ONE (CEV補助金一覧の税抜本体価格) | 3,390,200 | 2026-04 | cev-pc.or.jp |
| 項目 | 額 (円) | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| CEV補助金 (令和7年度補正、車両登録日2026年4月1日〜2026年12月31日) | 1,300,000 | 別表1の見出し行は「登録日:R8.4.1〜R8.12.31」「登録日:R9.1.1以降」「自家用車両」「貸自動車業用車両」の順。Super-ONE (ZAA-JG6、車両コード1183) は1,300千円・780千円 (2026年10月21日現在の別表1)、保有義務4年・3年。登録車のためEVの上限額130万円が適用される | cev-pc.or.jp |
| CEV補助金 (令和7年度補正、車両登録日2027年1月1日以降) | 780,000 | 経済産業省が2026年10月21日に補助額の見直しを発表し、別表1の2027年1月1日以降の列が130万円から78万円に変わった | cev-pc.or.jp |
| 東京都ZEV補助金 (令和8年度、2026年7月1日以降登録) | 900,000 | 通常分80万円+給電機能付車両10万円。V2H等の充放電設備で最大10万円、太陽光発電30万円、再エネ100%電力契約15万円を加算できる。登録日2026年4月1日〜6月30日は60万円〜 | honda.co.jp |
| エコカー減税 | 自動車重量税 免税 | honda.co.jp |
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| 電池 | リチウムイオン電池、容量82.7Ah、総電圧358V、総電力量29.6kWh | honda.co.jp |
| 一充電走行距離 (WLTCモード、国土交通省審査値) | 274km | honda.co.jp |
| 交流電力量消費率 (WLTCモード、国土交通省審査値) | 114Wh/km (市街地86・郊外105・高速道路133Wh/km) | honda.co.jp |
| モーター | 型式MCF7、交流同期電動機、定格出力39kW、最高出力70kW (95PS)、最大トルク162N・m (16.5kgf・m)。通常時の最高出力は47kWで、BOOSTモードで70kW | honda.co.jp |
| 走行モード | ECON・CITY・NORMAL・SPORT・BOOSTの5つ。CITYでシングルペダルコントロール。SPORT・BOOSTで仮想7段変速とアクティブサウンドコントロール | honda.co.jp |
| 急速充電 | CHAdeMO 50kW対応、充電残量警告灯の点灯時から80%まで約30分 | honda.co.jp |
| 普通充電 | 6kW標準、満充電まで約4.5時間 | honda.co.jp |
| 外部給電・V2H | AC100V 最大1,500W (ディーラーオプションのHonda Power Supply Connectorが必要)。V2H機器で家との双方向の充放電が可能 | honda.co.jp |
| 寸法 | 全長3.580m×全幅1.575m×全高1.615m、ホイールベース2.520m、トレッド前後1.345m、最低地上高0.140m、最小回転半径5.2m | honda.co.jp |
| 車両重量 | 1,090kg (型式指定申請書数値)。会社は小型EVクラス最軽量としている (2026年5月時点の会社調べ) | global.honda |
| タイヤ | 185/55R15 82V (前後) | honda.co.jp |
| ブレーキ・サスペンション | 前 油圧式ディスク/後 油圧式リーディング・トレーリング。前マクファーソン式/後車軸式。スタビライザーは前後トーション・バー式 | honda.co.jp |
| 電池の温度管理 | 低温時はヒーターで温め、高温時はラジエーターで冷却。ヒーターは室内暖房と共用 | honda.co.jp |
| 車体剛性 (N-ONE RS比) | トレッドはN-ONE RS仕様より50mm広く、接地点の横剛性は前で約37%、後で約57%向上と日経クロステックが報じた | xtech.nikkei.com |
| 音響・情報機器 | BOSEプレミアムサウンドシステム (8スピーカー、13.1Lサブウーファー、ホンダの小型車で初)。Google搭載9インチHonda CONNECTディスプレー。ETC2.0車載器 | global.honda |
| 運転支援 | Honda SENSING標準 (CMBS・渋滞追従機能付ACC・LKAS・急アクセル抑制機能など) | global.honda |
🏭 部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは自動車メーカーか部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 駆動用電池セル・モジュール | 三元系リチウムイオン電池 (パウチ型)、総電圧358V・82.7Ah・29.6kWh。N-ONE e: と同じハードウエア 日経クロステック (2026年4月16日) は「電池も含むパワートレーンには、N-ONE e:と同じハードウエアを使う」と報じた。N-ONE e: の電池については、ホンダが2022年4月12日に「日本:軽EV向けにエンビジョンAESCから調達」と公表した。座間工場がN-VAN e: 向け電池を造っていることは工場見学記にある。この2つからの読み取りで、Super-ONEを名指しした採用発表は無い |
AESCグループ 旧エンビジョンAESC、AESCジャパン |
— | 日本 (本社は横浜市、座間工場は神奈川県座間市) 公表されていない (座間工場がN-VAN e: 向けを製造と工場見学記。同記事は茨城工場もホンダ向けの生産を始めたとする) |
自動車メーカー発表 (軽EV向けの調達先) + 報道 B |
| 駆動用モーター | MCF7型 交流同期電動機、定格39kW・最高70kW (BOOST時)・162N・m N-ONE e: と同型式。出力の上限はジャンクションボックスの配線の電流値で決まり、ソフトウエアで上限を引き上げたと日経クロステックが報じた。製造者は公表されていない |
公表されていない | — | 自動車メーカー発表 (諸元表) A | |
| タイヤ (新車装着) | ADVAN FLEVA V701 185/55R15 82V 2026年5月25日発表。横浜ゴムは日本・英国・アジア各国で順次発売する小型EV「Super-ONE」の新車装着用として納入を開始したとしている |
横浜ゴム | 5101 | 日本 公表されていない |
部品メーカーの「新車装着」発表 A |
| オーディオ | BOSEプレミアムサウンドシステム (8スピーカー、13.1Lサブウーファー) 諸元表に「BOSEは、米国Bose Corporationの商標」と記載。ホンダの小型車で初採用 |
ボーズ Bose Corporation |
— | 米国 公表されていない |
自動車メーカー発表 A |
| 車載情報機器のソフトウエア | Google搭載 (Google アシスタント・Google マップ・Google Play) 9インチHonda CONNECTディスプレー ディスプレー本体の製造者は公表されていない。親会社アルファベットは米ナスダック上場 (GOOGL) |
グーグル Google LLC、アルファベット傘下 |
— | 米国 | 自動車メーカー発表 A |
| 車載充電器 (普通充電6kW) | 6kW普通充電器 (標準装備) 供給元は公表されていない |
公表されていない | — | 自動車メーカー発表 A | |
| 急速充電ポート | CHAdeMO 50kW対応 (標準) 供給元は公表されていない |
公表されていない | — | 自動車メーカー発表 A | |
| 電動パワーステアリング | ラック・ピニオン式 (電動パワーステアリング仕様) 供給元は公表されていない |
公表されていない | — | 自動車メーカー発表 (諸元表) A | |
| ブレーキ (回生協調) | 電動サーボブレーキシステム、前 油圧式ディスク/後 油圧式リーディング・トレーリング、EBD付ABS (VSA) 供給元は公表されていない |
公表されていない | — | 自動車メーカー発表 (装備表) A | |
| 電池の熱管理 | ヒーター加温 (室内暖房と共用)・ラジエーター冷却 ヒートポンプ空調の有無は公表されていない |
公表されていない | — | 自動車メーカー発表 A | |
| V2H充放電器 (ディーラーオプション) | Honda V2H Stand (充電・放電とも最大5.9kW)、税込110万円 機器の製造元は公表されていない |
ホンダアクセス 本田技研工業の子会社 |
— | 日本 公表されていない |
自動車メーカー系の発表 A |
| AC外部給電器 (ディーラーオプション) | Honda Power Supply Connector (AC100V 最大1,500W)、税込4万1,800円 普通充電器Honda EV Charger (6kW) は税込22万2,200円 |
ホンダアクセス | — | 日本 公表されていない |
自動車メーカー系の発表 A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から車両の組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
-
1
正極材・負極材・電解液・セパレーター
公表されていない企業: 公表されていない
-
2
電極 (正極・負極ロール)
AESCジャパンの相模原工場で製造し座間工場へ送る (工場見学記の説明。N-VAN e: 向け電池の経路)企業: AESCジャパン
-
3
電池セル・モジュール
N-ONE e: と同じ電池ハードウエア (日経クロステック)。ホンダは軽EV向け電池をエンビジョンAESCから調達すると2022年に公表。工場は公表されていない。工場見学記は座間工場 (2.6GWh) がN-VAN e: 向けを製造とし、茨城工場もホンダ向けの生産を始めたとする企業: AESCグループ
-
4
電池パック (IPU) の組み立て
公表されていない企業: 公表されていない
-
5
モーター・インバーター
モーター型式MCF7 (N-ONE e: と同じ)。製造者は公表されていない企業: 公表されていない
-
6
タイヤ
ADVAN FLEVA V701 185/55R15 82Vを新車装着用に納入企業: 横浜ゴム (5101)
-
7
音響・車載ソフトウエア
BOSEプレミアムサウンドシステム、Google搭載Honda CONNECT企業: ボーズ・グーグル
-
8
車両組み立て
公表されていない (基になったN-ONE e: は鈴鹿製作所で生産とMONOistが報じたが、Super-ONEの工場名は会社も報道も明記していない)企業: 公表されていない
-
9
販売
全国のHonda Cars (店舗数は公表されていない)。純正アクセサリーはホンダアクセスが2026年5月22日発売企業: Honda Cars各社・ホンダアクセス
-
10
海外展開
日本の発売から1年以内に英国 (Super-N)・アジア・オセアニアに順次投入する計画 (日本統括部統括部長の川坂英生氏の説明、ニュースイッチ)。英国では1万8,995ポンドから (2026年6月22日受注開始と英国の報道)企業: 本田技研工業
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年4月16日〜5月21日 | 先行予約台数 | 7,000 | 台 | 発表会で川坂英生日本統括部長が「7000台規模」「想定を上回る」と説明。予約者の8〜9割が男性、50歳代が半数超。販売目標は非公表 | newswitch.jp |
| 2026年 (年間計画) | 年間販売計画 | 10,000 | 台 | 日刊自動車新聞 (2026年5月22日)。販売店に通達した年間計画1万台に、発売前の約1か月の先行予約が迫ったとしている。会社は販売目標を公表していない | netdenjd.com |
| 先行予約開始〜2026年6月1日 | 累計受注台数 | 10,000 | 台 | 日経クロステック (2026年6月12日) は先行予約から6月1日までの受注を約1万台と報じた。carview! (2026年8月3日、記事末尾に訂正の注記あり) は6月初旬までに1万1,000台超と報じた。販売店で一時的に受注を止めたようだとの伝聞表現は carview! のもの | xtech.nikkei.com |
| 2026年5月 (発売は5月22日) | 新車販売台数 (自販連、乗用車ブランド通称名別31位) | 1,736 | 台 | 自販連・全軽自協が2026年6月4日に発表した車名別新車販売台数を基にCar Watchが報じた | car.watch.impress.co.jp |
| 2026年6月 | 新車販売台数 (自販連、乗用車ブランド通称名別43位) | 1,061 | 台 | 43位 (自販連 乗用車ブランド通称名別順位 2026年6月分)。マイナビニュースの42位は誤り | jada.or.jp |
| 2026年7月 | 新車販売台数 (自販連、乗用車ブランド通称名別48位) | 730 | 台 | 自販連 乗用車ブランド通称名別順位 2026年7月分 | jada.or.jp |
| 2026年8月 | 新車販売台数 (自販連、乗用車ブランド通称名別50位圏外) | 385 | 台 | 50位圏外のため月次の公表値は無い。1〜9月累計4,967台から5〜7月と9月を引いた編集部の計算 | jada.or.jp |
| 2026年7月下旬時点 | 累計受注台数 (試乗車を含む) | 14,000 | 台 | マイナビニュースが報じた。購入者は新規5%・ガソリン車からの乗り替え55%・増車40%、色はプラチナホワイト・パール約40%・ルミナスグレー約35% (マイナビニュース) | news.mynavi.jp |
| 2026年9月 | 新車販売台数 (自販連、普通乗用車45位) | 1,055 | 台 | 自販連の2026年9月データを基にした集計 | car-repo.jp |
| 2026年4〜9月 | 販売台数 (自販連、乗用車ブランド通称名別の1〜9月累計48位。発売は5月のため4〜9月の累計と同じ) | 4,967 | 台 | 自販連の同資料で月次は5月1,736・6月1,061・7月730・8月は50位圏外 (差し引き385)・9月1,055。WEB CARTOP (2026年10月19日) の「毎月1,000台」は7〜8月と合わない | jada.or.jp |
| 2026年4〜9月 | 国内乗用EV新車販売台数 (軽を含む、市場全体) | 70,273 | 台 | 前年同期比2.5倍で過去最高、比率3.7% | nikkei.com |
💴 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 車両本体価格 (税込) | 339万200円 (有料色+3万3,000円、2トーン+10万4,500円) | global.honda | |
| CEV補助金 | 2026年4月1日〜12月31日の登録は130万円 (登録車のEV上限額)、2027年1月1日以降は78万円 (2026年10月21日の見直し後の別表1) | cev-pc.or.jp | |
| 補助金後の参考価格 (国のみ) | 2026年12月31日までの登録は約209万円 (339万200円−130万円)。2027年1月1日以降の登録は261万200円 (339万200円−78万円、編集部の計算) | carview.yahoo.co.jp | |
| 補助金後の参考価格 (東京都在住、2026年7月1日以降登録の会社試算) | 119万200円 (国130万円+東京都90万円=220万円。太陽光発電設置で最大260万円) | honda.co.jp | |
| 駆動用電池の保証 | 新車登録日から8年間または16万kmまで、電池容量 (蓄電能力) の70%を保証 | honda.co.jp | |
| V2H充放電器の価格 (税込、ディーラーオプション) | Honda V2H Stand 110万円 (充電・放電とも最大5.9kW、設置工事費は別途) | honda.co.jp | |
| 普通充電器の価格 (税込、ディーラーオプション) | Honda EV Charger 22万2,200円 (6kW、設置工事費は別途) | honda.co.jp | |
| AC外部給電器の価格 (税込、ディーラーオプション) | Honda Power Supply Connector 4万1,800円 (AC100V 最大1,500W) | honda.co.jp | |
| 英国価格 (Super-N) | 1万8,995ポンドから (2026年6月22日受注開始と英国の報道) | theevreport.com | |
| 英国価格 (発売前の報道) | 2万ポンド未満、2026年7月発売とEVパワードが2026年4月に報じた | evpowered.co.uk | |
| 電動化投資 (会社全体、投入資源の見直し) | 2031年3月期までの投入資源10兆円を2025年5月20日に3兆円減の7兆円へ見直し | global.honda | |
| 電動化投資 (会社全体、投資済み額) | 2026年3月12日の記者会見資料は現時点までの投資額を約3.5兆円とし、追加投資を見直す | global.honda | |
| EV関連損失 (2026年3月期) | 1兆5,778億円 (営業損益への影響1兆4,536億円と持分法投資損失1,241億円の合計)。見直しの損失上限は最大2.5兆円 (質疑応答議事録) | global.honda |
解析 — 部品と供給網の特徴
Super-ONEの部品で一次資料に辿れる供給元は3つである。横浜ゴムのタイヤ (ADVAN FLEVA V701、2026年5月25日発表)、ボーズの音響、グーグルの車載ソフトウエアである。いずれもホンダか部品側の発表に名前がある。電池・モーター・インバーターは「N-ONE e: と同じハードウエア」(日経クロステック) である。そのためN-ONE e: 側の根拠 (ホンダが軽EV向け電池をエンビジョンAESCから調達すると公表) を経由してAESCグループ製と読むしかない。Super-ONEを名指しした電池やモーターの採用発表は無く、生産工場も会社は書いていない。
この車の設計上の特徴は、ハードを足さずにソフトで性能を変えた点にある。日経クロステックによれば、モーターは100kW近い出力を出せる。しかし電池パック内のジャンクションボックスの配線に流せる電流の上限から70kWに抑え、ソフトウエアで電流の上限を引き上げてBOOSTモードを作った。電池も29.6kWhのままで、重量はN-ONE e: より60kg重い1,090kgにとどまる。部品の共通化で開発費を抑えたと日本経済新聞が報じた。ソフトで出力を変えるこの設計がその一例とみられる。
価格の構成は補助金制度に強く依存する。軽EVのN-ONE e: が国の補助58万円なのに対し、登録車のSuper-ONEは上限の130万円を受けられる (2026年12月31日までの登録)。車両価格は339万200円とN-ONE e: のe: Gより69万円高い。しかし国の補助後は約209万円、東京都の90万円を足すと119万200円 (会社試算) まで下がり、N-ONE e: e: Gの121万9,400円と並ぶ。受注は発売前に約7,000台、6月1日までに約1万台 (日経クロステック)、7月下旬に約1.4万台 (マイナビニュース) に達した。この背景には補助金の差がある。2026年10月21日の見直しで、2027年1月1日以降の登録は国の補助が78万円 (N-ONE e: は45万8,000円) に減る。国のみの実質価格は261万200円になる (編集部の計算)。
販売の実測は自販連の乗用車ブランド通称名別順位による。発売月の2026年5月は1,736台 (31位) だった。6月1,061台、7月730台、8月は上位50位圏外、9月1,055台と、月1,000台前後から一度落ちて9月に戻した。4〜9月の累計は4,967台 (自販連) で、日刊自動車新聞が報じた年間計画1万台の半分に当たる。受注が1万台超 (日経クロステック) に対し月販は1,000台前後で、納期・生産能力は公表されていない。
会社全体では北米向けEV3車種を中止し、2026年3月期に1兆5,778億円のEV関連損失を計上した。その中でSuper-ONEは、N-ONE e: の部品と軽自動車の車体を共用し、英国・アジア・オセアニアにも同じ車を投入する計画である。投資を増やさずにEVの台数を積む役割を担う。N-BOXのEV版 (2028年) も同じ軽EVの基盤から出ると見られ、日本のEV戦略は軽の基盤を小型登録車へ広げる方向に定まりつつある。
公表されていないこと
- 生産工場 (会社・報道とも明記なし。N-ONE e: は鈴鹿製作所と報じられている)
- Super-ONEを名指しした駆動用電池・モーター・インバーターの採用発表
- 電池セルの正極材・負極材・電解液・セパレーターの供給元
- 電池パック (IPU) とジャンクションボックスの組み立て主体
- 車載充電器・DC-DCコンバーター・BMS・電動パワーステアリング・ブレーキ・ワイヤーハーネスの供給元
- ヒートポンプ空調の有無
- Honda SENSINGのカメラ・レーダー、9インチディスプレー本体の供給元
- 会社としての年間販売目標 (会社は非公表。1万台は日刊自動車新聞の報道)
- 2026年8月の月次販売台数 (自販連の上位50位圏外のため公表値なし。385台は累計からの編集部の計算)
- 受注停止の有無と時期 (carview!の伝聞表現のみ)
- 英国・アジア・オセアニア向けの投入台数と現地価格の一次資料 (Honda UKの発表は未確認。1万8,995ポンドは英国の報道)
- 生産能力・納期 (報道の「納期1年近く」は未確認)
- リース・残価設定の条件
- 部品の価格・原価 (分解調査の報道は見つからない)
出所
- 本田技研工業 ニュースリリース「小型EV『Super-ONE』を発売」 (2026-05-21)
- 本田技研工業 Super-ONE 主要諸元表 (PDF) (2026-05)
- 本田技研工業 Super-ONE タイプ・価格 (補助金試算) (2026-10-20)
- 本田技研工業 Super-ONE 走行性能 (webcatalog performance) (2026-10-20)
- 本田技研工業 Super-ONE 充電・給電 (webcatalog relation) (2026-10-20)
- 本田技研工業 Super-ONE EVペディア Q&A (電池保証) (2026-10-20)
- ホンダアクセス Super-ONE用純正アクセサリー発売 (2026-05-21)
- 横浜ゴム「ADVAN FLEVA V701」がHondaの「Super-ONE」に新車装着 (2026-05-25)
- 次世代自動車振興センター 令和7年度補正CEV補助金 別表1 (登録日R8.4.1〜) (2026年10月21日見直し後、10月23日取得) (2026-10-21)
- 本田技研工業 2022年4月12日 四輪電動ビジネスの取り組み (軽EV向けにエンビジョンAESCから調達) (2022-04-12)
- 本田技研工業 2025年5月20日 ビジネスアップデート (2025-05-20)
- 本田技研工業 2026年3月12日 記者会見資料 (2026-03-12)
- 本田技研工業 2026年3月期 決算説明会 スクリプト (2026-05-14)
- 日本自動車ジャーナリスト協会 AESCジャパン座間工場 勉強会・見学 (2025-04-09)
- 日経クロステック「ホンダの小型EV『Super-ONE』、出力1.5倍 軽PFの可能性示す」 (2026-04-16)
- 日経クロステック「ホンダの小型EVは出力1.5倍、軽プラットフォームの可能性示す」(日経Automotive) (2026-05-19)
- 日本経済新聞「ホンダ、EV『スーパーワン』受注好調 実質150万円から」 (2026-05-21)
- 日本経済新聞「ホンダ、小型EV『スーパーワン』を26年に投入 街乗り需要開拓」 (2025-10-29)
- 日本経済新聞「国内EV販売が4〜9月過去最高 補助金効果で2.5倍、シェアは3.7%に」 (2026-10-06)
- ニュースイッチ (日刊工業新聞)「ホンダの新型EV『スーパーワン』、予約7000台規模」 (2026-05-25)
- 日刊自動車新聞「ホンダの新型EV『スーパーワン』 先行予約は計画超えの7000台」 (2026-05-22)
- Car Watch「ホンダ、新型EV『スーパーワン』価格339万200円で発売」 (2026-05-21)
- Car Watch「2026年5月の車名別新車ランキング、スーパーワンが1736台で乗用車31位に」 (2026-06-05)
- マイナビニュース「ホンダ『スーパーワン』が受注1.4万台に到達!」 (2026-07-24)
- carview!「1万1000台超えで一時受注停止に…初月で登録車トップ50入り」(記事末尾に訂正の注記) (2026-08-03)
- car-repo「2026年9月 車名別新車販売台数ランキング」 (2026-10-06)
- WEB CARTOP「補助金で軽より安い? ホンダ スーパーワンとN-ONE RSを徹底比較」 (2026-10-19)
- EVパワード「ホンダSuper-Nの英国価格と2026年7月の発売時期を発表」 (2026-04-10)
- S&Pグローバル オートテックインサイト「横浜ゴムがホンダSuper-ONEにADVAN FLEVA V701を新車装着用に供給」 (2026-05-29)
- MONOist「N-VANと同じEVシステムで走行可能距離は50km増、N-ONE e:は295kmに」(鈴鹿製作所の記述) (2025-09-16)
- 日経クロステック「ホンダの小型EV『Super-ONE』受注好調、背後に補助金マジック」 (2026-06-12)
- 本田技研工業 英文リリース「ジャパンモビリティショー2025で小型EV『Super-ONE Prototype』を世界初公開」 (2025-10-29)
- 日本自動車販売協会連合会 乗用車ブランド通称名別順位 (2026年1月〜9月、月報を含む PDF) (2026-10-05)
- 日本自動車販売協会連合会 ブランド通称名別ランキング (掲載ページ) (2026-10-23)
- 本田技研工業 Super-ONE 補助金 (東京都の登録日別の額と試算例) (2026-10-23)
- 本田技研工業 Super-ONE 主要装備表 (PDF) (2026-05)
- ザ・EVリポート「ホンダSuper-Nの英国価格と受注開始」(1万8,995ポンドから、2026年6月22日受注開始) (2026-06)
- 本田技研工業 2026年3月12日 機関投資家向け説明会 質疑応答議事録 (損失上限2.5兆円) (2026-03-12)
- AESC 会社概要 (About Us。本社横浜市、株主にエンビジョンエナジー・日産など) (2026-10-23)
出所との照合日: 2026年10月20日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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