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ラピダスの設計支援(Raads・Rapidus Design Solutions・Rapidus CORE) Rapidus design support: Raads, Rapidus Design Solutions, Rapidus CORE

ラピダスが2nm世代GAA (ゲートオールアラウンド) ロジックの受託製造とともに顧客に提供する設計支援。AIを使う設計支援ツール群Raads (Rapidus AI-Agentic Design Solution) が中心にある。Raadsはプロセス設計キット (PDK) とともに顧客に提供する。製造データを設計に戻すDMCO (設計と製造の相互最適化) で設計期間を縮める。米国の顧客窓口は2024年4月にサンタクララに設けた子会社Rapidus Design Solutions。2026年10月5日には設計会社17社を束ねるRapidus COREを発表した。Raadsは2026年7月にNavigatorとIndicatorの提供を始め、残りは順次提供する予定で、価格は公表していない。

🏢 ラピダス の企業ページ

詳細解説

提供するもの
製造工程で得たデータをAIで解析して顧客と共有し、設計の最適化を速めるRaadsと、設計と製造を同時に最適化するDMCOの考え方。ラピダスは、前工程・後工程・設計支援を一体で引き受ける事業RUMSの設計支援の柱と位置づける rapidus.inc
Raadsの発表
2025年12月17日、Raadsを具体化したツール群を発表した。「Rapidus AI-Assisted Design Solution」の構想を「Rapidus AI-Agentic Design Solution」へ進める。PDKと設計の参照手順 (リファレンスフロー) とともに顧客に提供し、2026年度から順次提供する (予定)。NavigatorとIndicatorは2026年7月17日に提供を始めた (会社発表) rapidus.inc
ラピダスの目標
既存のEDA (設計自動化) ツールとRaadsを合わせて使うと設計期間を50%、設計コストを30%減らせるとラピダスは説明する (会社主張)。ケイデンスとの2026年7月の協業では設計の所要時間 (TAT) を最大で半分にすることを目標に掲げた rapidus.inc
Rapidus Design Solutions (RDS)
2024年4月にカリフォルニア州サンタクララに設立した米国子会社 (Rapidus Design Solutions LLC)。顧客開拓と設計支援が役割。ゼネラルマネジャー兼社長は、AMD・IBM・ネットアップ・サンディスクで営業とマーケティングを担ったアンリ・リシャール rapidus.inc
Rapidus CORE
2026年10月5日発表。Rapidus Collaborative Open Rapid Ecosystemの略で、研究機関・設計自動化ツール (EDA)・回路設計資産 (IP)・設計・製造をつなぐ枠組み。第1弾として設計会社17社を「Design Solution Associate (設計支援の協力会社)」として組織し、今後EDAやIPの企業にも広げる rapidus.inc
Design Solution Associateの17社
米国: ケイデンス・デザイン・システムズ、シノプシス。日本: 大日本印刷、TOPPAN、東芝情報システム、NSW、メイビスデザイン。インド: HCLテクノロジーズ、インフォシス、ウィプロ、MosChip Technologies。マレーシア: GreatAsic Technology、Infinecs Systems、Oppstar Technology、SkyeChip。シンガポール: クエスト・グローバル。英国: AION Silicon (国は各社の本社所在地で、発表には社名だけがある) rapidus.inc
インドの開発拠点
2026年10月26日、インドのIT大手HCLテクノロジーズがベンガルールとフブリにラピダス向けの開発拠点を開設した。マスク設計・設計基盤・PDK開発・設計と製造技術の協調最適化 (DTCO)・レイアウト設計を担い、技術者の育成と確保でも協力する rapidus.inc
EDA各社との協業の経緯
2024年12月11日にケイデンス (2nm GAAと裏面電源供給 (BSPDN) の参照設計フロー・IP) とシノプシス (タイミングモデル生成の短縮)、2025年3月24日にクエスト・グローバル (受託製造の提携先)、2025年6月23日に独シーメンス (検証ツールCalibreを基にしたPDK)、2025年8月26日に米キーサイト・テクノロジー (PDKの精度向上)、2026年7月17日にケイデンス (エージェント型AI) と協業を発表した rapidus.inc

🏭 製造工場

この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。

工場所在地役割備考出所
Rapidus Design Solutions LLC (米国子会社・事務所)3945 Freedom Circle, Suite 920, Santa Clara, CA 95054, 米国米国の顧客開拓と設計支援。製造はしないrapidus.inc
HCLテクノロジーズの開発拠点 (協力会社)インド カルナータカ州ベンガルールとフブリラピダス向けのマスク設計・設計基盤・PDK開発・設計と製造技術の協調最適化 (DTCO)・レイアウト設計 (2026年10月26日開所)rapidus.inc
IIM-1 (データの出どころ)北海道千歳市美々758-62ウエハーを1枚ずつ処理する枚葉式の製造ラインで得たデータをRaadsとPDKに反映するrapidus.inc

⚙️ 技術・仕組み

どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。

Raads Generator
大規模言語モデル (LLM) を基にしたEDAツール。設計者が半導体の仕様を入力すると、ラピダスの2nm製造プロセスに最適化した回路の動作記述 (RTL) の設計データを出力する rapidus.inc
Raads Predictor
RTLのデバッグと物理設計・配置配線の最適化ツール。RTLとSDC (設計制約) を入力すると、ラピダスで製造した場合のチップの電力・性能・面積 (PPA) を短期間で予測する rapidus.inc
Raads Navigator / Indicator
LLMで設計者の問い合わせに答え、設計課題の解決策を導く。2026年7月17日に提供を始め、ケイデンスのInnoStack AI Super Agentと統合済みと同日の協業発表で説明した rapidus.inc
Raads Manager / Optimizer
機械学習で階層レイアウトの構成を決めて設計期間を縮めるManagerと、PPAを最適化するパラメーターを探索するOptimizer。順次提供する予定 rapidus.inc
DMCOとMFD
従来のDFM (製造を考えた設計) に加え、MFD (設計のための製造) を取り入れ、設計と製造を同時に最適化する。全工程の枚葉処理で得たシリコンのデータを設計に戻す rapidus.inc
タイミングモデルの短縮 (シノプシス)
PDKや製造プロセスの更新のたびに2〜3か月かかるロジックとメモリーのタイミングモデルの再作成を、機械学習を使うPrimeShieldと、実際のチップの測定データによる補正で数日に縮める (会社発表の目標) rapidus.inc
参照設計フローとIP (ケイデンス)
2nm GAAと裏面電源供給 (BSPDN) に対応する、AIを使ったデジタル回路とアナログ・デジタル混載回路の参照設計フロー。HBM4、毎秒224ギガビットの高速シリアル送受信回路 (SerDes)、PCI Express 7.0などの入出力とメモリーの回路設計資産 (IP) を顧客が使える rapidus.inc
PDKの検証環境 (シーメンス)
検証ツールCalibreのプラットフォームを基盤にPDKを共同開発し、前工程から後工程までの設計・検証・製造のリファレンスフローを作る。設計データの管理と製造のトレーサビリティーも対象 rapidus.inc

主要諸元

項目値出所
ツール群の構成Raads Generator・Predictor・Navigator・Indicator・Manager・Optimizerrapidus.inc
提供開始2026年度から順次 (予定)rapidus.inc
ラピダスの目標設計期間50%短縮・設計コスト30%削減 (会社主張)、設計の所要時間を最大で半分 (ケイデンスとの協業)rapidus.inc
対応するEDAケイデンス・シノプシス・シーメンスEDAのツールと組み合わせて使うrapidus.inc
Design Solution Associate17社 (2026年10月5日時点)rapidus.inc

🔩 各部品と部品メーカー

部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。

部品品名・型式メーカー銘柄国・製造拠点根拠
EDAツール・AIエージェント InnoStack AI Super Agent、参照設計フロー、HBM4・毎秒224ギガビットの高速シリアル送受信回路 (SerDes)・PCI Express 7.0の回路設計資産 (IP)
海外上場 (NASDAQ: CDNS)
ケイデンス・デザイン・システムズ — 米国 2024年12月11日と2026年7月17日の協業発表 A
EDAツール (タイミングモデル生成)・IP PrimeShield、入出力の回路設計資産 (インターフェースIP)・基本回路の設計資産 (ファウンデーションIP)
海外上場 (NASDAQ: SNPS)
シノプシス — 米国 2024年12月11日の協業発表 A
EDAツール (物理検証) Calibre・Solido シーメンス
シーメンスEDA
— ドイツ 2025年6月23日の協業発表 A
ウエハーの根本原因解析の解析技術 Keysight Wafer Operations Analytics Suite (発表時点で製品化を進めている段階)
海外上場 (NYSE: KEYS)
キーサイト・テクノロジー — 米国 2025年8月26日の基本合意書。テスター本体の供給元は公表されていない A
Raadsの基盤となるLLM・機械学習モデル 公表されていない 公表されていない — ラピダスはRaads GeneratorがLLMベースと説明するが、使うモデルの名前と提供元は公表していない A

🔗 部品製造サプライチェーン

材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。

  1. 1EDA・IP
    ケイデンス・シノプシス・シーメンスが参照設計フロー・PDK・IPを共同開発。キーサイトが測定と解析でPDKの精度を上げる
    企業: ケイデンス・シノプシス・シーメンス・キーサイト
  2. 2設計サービス
    Rapidus COREのDesign Solution Associate 17社が、顧客の設計資源と知見を補う。クエスト・グローバルは受託製造の提携先として自社の顧客に2nm GAAを提供する
    企業: 17社 (日本: 大日本印刷・TOPPAN・東芝情報システム・NSW・メイビスデザイン。米国: ケイデンス・シノプシス。インド: HCLテクノロジーズ・インフォシス・ウィプロ・MosChip Technologies。マレーシア: GreatAsic Technology・Infinecs Systems・Oppstar Technology・SkyeChip。シンガポール: クエスト・グローバル。英国: AION Silicon。国は各社の本社所在地)
  3. 3技術者の供給
    HCLテクノロジーズがインドの2拠点でラピダス向けの設計業務と技術者の育成・確保を担う
    企業: HCLテクノロジーズ
  4. 4顧客との接点
    米国はRapidus Design Solutions。日本は東京本社。経済産業省の資料によると60社以上の顧客候補と交渉中 (2026年10月)
    企業: Rapidus Design Solutions

🏗️ 製造ライン

工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。

  1. 1仕様からRTL生成
    Raads Generatorが仕様入力から2nmプロセスに最適化したRTL (回路の動作記述) を出力
    設備・企業: Raads Generator (ラピダス)
  2. 2PPA予測・物理設計
    Raads PredictorがRTLとSDCから電力・性能・面積 (PPA) を予測。Managerが階層レイアウト、Optimizerがパラメーターを最適化
    設備・企業: Raads Predictor/Manager/Optimizer (ラピダス)、ケイデンス・シノプシスのEDA
  3. 3検証・設計完了 (テープアウト)
    シーメンスのCalibreを基盤にしたPDKとリファレンスフローで物理検証。シノプシスのPrimeShieldでタイミングモデルを短期間に生成
    設備・企業: シーメンスEDA・シノプシス
  4. 4製造データの反映
    IIM-1の枚葉処理で得たデータとキーサイトの解析結果をPDKと設計に戻す (DMCO・MFD)
    設備・企業: IIM-1・キーサイトの解析ソフト

💴 販売価格と補助金

型番・グレード税込価格 (円)時点出所
Raads・PDK・設計支援公表していない2026-11-01rapidus.inc
項目額 (円)備考出所
NEDO 研究開発委託費rapidus.inc

🛒 購入方法

経路内容出所
受託製造の顧客への提供RaadsはPDKとリファレンスフローとともに、ラピダスで製造する顧客に提供する。一般販売の案内はないrapidus.inc
米国の窓口Rapidus Design Solutions (サンタクララ) が米国の顧客の相談先rapidus.inc
設計会社経由Design Solution Associate 17社やクエスト・グローバルを通じて設計から製造まで依頼できるrapidus.inc

🛠️ アフターサービス・保守サービス

項目内容出所
設計課題の支援2026年7月17日に提供を始めたRaads Navigator/Indicatorが設計者の問い合わせに答え、設計課題の解決策を導く (会社発表)rapidus.inc
ソフトウエアの更新・保守更新の頻度や保守の条件は公表されていないrapidus.inc

🌏 海外輸出

仕向け地内容出所
米国Rapidus Design Solutionsが米国の顧客を開拓する。リシャール社長は社員インタビューで、市場投入の速さを競うAIの新興企業と、半導体を必要とするが自社で半導体の専門部隊を持ちたくない企業を顧客像に挙げたrapidus.inc
インド・東南アジアDesign Solution Associateにインド (HCLテクノロジーズ・インフォシス・ウィプロ・MosChip Technologies)、マレーシア (GreatAsic Technology・Infinecs Systems・Oppstar Technology・SkyeChip)、シンガポール (クエスト・グローバル) の設計会社が参加 (国は各社の本社所在地)rapidus.inc
欧州英国のAION Siliconが参加。英国の半導体振興機関UKセミコンダクター・センターとイタリアのChips-IT財団とは情報共有の基本合意 (MoU) を結んだ (2026年6月)rapidus.inc

📈 販売の実績

期間指標値単位備考出所
2026年度Raadsの売上公表されていない2026年度から順次提供の予定で、量産開始前rapidus.inc

💰 金額

項目値備考出所
Design Solution Associate17社 (2026年10月5日)rapidus.inc
Rapidus Design Solutions設立2024年4月 (サンタクララ)rapidus.inc

解析 — 部品・製造・販売の特徴

設計支援は、先行する受託製造大手 (ファウンドリー) とラピダスの差を埋める仕組みだ。2nmの受託製造を依頼する顧客の設計資源を、ラピダスはEDA3社との参照設計フロー、AIツール群Raads、設計会社17社の枠組みで補う。ただしRaadsは6種のうちNavigatorとIndicatorが2026年7月に出たばかりで、設計期間50%短縮などの数字はラピダスの目標にとどまる。評価用PDKは2025年末に提供したが、顧客の設計に使う版は2026年度中の提供予定である。大日本印刷・TOPPAN・東芝情報システムなど国内の設計会社がこの枠組みで受注するかは、まだ分からない。設計支援そのものの売上は公表されず、受託製造の受注に結びついて初めて売上高として表れる。

公表されていないこと

  • Raads Generator・Predictor・Manager・Optimizerの提供時期
  • Raadsの基盤となるLLM・機械学習モデルの提供元
  • 顧客の設計に使うPDKの提供日
  • Rapidus Design Solutionsの人員数と、米国で契約した顧客の名前
  • Design Solution Associate各社の分担と契約条件

出所

  1. Rapidus、AIを活用した独自の「Raads」コンセプトを具現化 (2025-12-17)
  2. Rapidusとケイデンス、エージェント型AIを活用した先端SoC設計で協業 (2026-07-17)
  3. 「Rapidus CORE」を発表 (2026-10-05)
  4. RapidusとHCLTech、次世代半導体技術における協業 (2026-10-26)
  5. Rapidus、シリコンバレーに新会社設立 (2024-04-12)
  6. Rapidus 会社概要 (事業所一覧) (2026-07-01)
  7. Rapidus 事業と技術 (Raads・DMCO) (2026-11-01)
  8. AIおよびHPC向け最先端2nm半導体設計でケイデンスと協業 (Rapidus発表) (2024-12-11)
  9. 半導体の設計期間の短縮に向けてシノプシスと協業 (2024-12-11)
  10. Rapidus、シーメンスと2nm半導体設計に向け協業を開始 (2025-06-23)
  11. Rapidusとキーサイト、歩留まり向上とPDK高精度化の協業 (2025-08-26)
  12. Rapidus、Quest Globalと戦略的パートナーシップ (2025-03-24)
  13. NEDO、2026年度の計画・予算を承認 (Rapidus発表) (2026-04-11)
  14. アンリ・リシャール RDS社長インタビュー (2025-09-22)
  15. Rapidus、伊Chips-IT財団と基本合意 (2026-06-16)
  16. 財政投融資分科会 説明資料 (経済産業省・IPA) (2026-10-19)

出所との照合日: 2026年11月1日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。

ラピダス のほかの製品

ラピダスRUMS(2nm GAAロジックの受託製造) ラピダスのチップレット先端パッケージ(Rapidus Chiplet Solutions)

🧰 ツール・特集の入口

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