ラピダスRUMS(2nm GAAロジックの受託製造) RUMS (Rapid and Unified Manufacturing Service)
ラピダスが北海道千歳市の製造拠点IIM-1で提供する2nm世代GAA (ゲートオールアラウンド) ロジック半導体の受託製造。設計支援・前工程・後工程を一体で引き受け、全工程をウエハー1枚ずつの枚葉処理にして納期を縮める事業の形をラピダスはRUMSと呼ぶ。パイロットラインの立ち上げを2025年4月1日に始め、同年7月18日に2nm GAAトランジスタの動作確認を発表した。先行顧客向けの評価用PDK (プロセス設計キット) は2025年末に提供した。量産は計画では2027年度後半に始まる。契約した顧客の名前と価格は公表していない。
詳細解説
- 提供するもの
- 2nm世代GAAロジック半導体のウエハー受託製造。ラピダスは設計支援 (AIを使う設計支援ツール群Raads・PDK)・前工程 (IIM-1)・後工程 (後工程拠点RCS、Rapidus Chiplet Solutions) を一体で提供する事業の形をRUMS (Rapid and Unified Manufacturing Service) と呼ぶ rapidus.inc
- 技術の出どころ
- 2022年12月に米IBMと戦略提携し、IBMが2021年に発表した2nm世代の技術を共同で開発して千歳の工場に移管する。ラピダスの技術者は米ニューヨーク州アルバニーの研究拠点アルバニー・ナノテク・コンプレックスでIBMの研究者と働く newsroom.ibm.com
- パイロットラインの開始
- 2025年4月1日にIIM-1でパイロットラインの立ち上げを開始した。2025年6月までに200台以上の枚葉式製造装置を新しい搬送システムでつなぎ、2nm GAAトランジスタの試作を始めた rapidus.inc
- トランジスタの動作確認
- 2025年7月18日に、IIM-1で試作した2nm GAAトランジスタの動作を確認したと発表した。ラピダスの講演資料では、初回ロットの投入が6月16日、工程の所要時間は12日18時間、電気特性の取得が7月10日 hc2025.hotchips.org
- PDK (プロセス設計キット)
- 先行顧客向けの評価用PDKを2025年末に提供し (会社発表は2025年度内、経済産業省資料は2025年末)、2025年度の目標を達成したと発表した。2026年度は顧客の設計に必要なPDKを提供する計画 rapidus.inc
- 2026年度の計画
- 顧客の設計に使うPDKの提供、製造期間 (TAT) を縮める生産システム (装置・搬送・生産管理) のパイロットラインへの導入と検証、歩留まり向上の施策で年度内に欠陥密度の目標を達成すること (会社発表、2026年4月11日) rapidus.inc
- 量産の予定
- 経済産業省に提出した実施計画では、2027年度後半に2nm世代の量産を開始し、その後2〜3年ごとに1.4nm・1.0nm世代の量産を行う。いずれも予定 mof.go.jp
- 顧客の状況
- 契約した顧客の名前は公表されていない。経済産業省の資料 (2026年10月19日) は60社以上の顧客候補と交渉中とし、富士通とIBMが生産にラピダスを使う意向を表明、キヤノンと日本シノプシスが2nm世代の製造技術を使って設計するとしている。小池淳義社長は2027年前半に先行顧客2〜3社の製品を試作すると説明した (報道、2026年3月31日) mof.go.jp
- 国内の顧客候補
- プリファードネットワークス (PFN)・さくらインターネットと2025年1月8日に基本合意し、PFNが新たに設計するMN-Coreシリーズの最先端モデルをラピダスが製造する計画。テンストレントとは2023年11月の回路設計資産 (IP) の共同開発合意に続き、2024年2月に技術研究組合最先端半導体技術センター (LSTC) が新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) から受けた事業でエッジAIアクセラレーターの製造を目指すと発表した rapidus.inc
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| IIM-1 (Innovative Integration for Manufacturing) | 北海道千歳市美々758-62 (工業団地「千歳美々ワールド」) | 2nm GAAロジックの前工程。2023年9月1日起工、2024年12月に極端紫外線 (EUV) 露光装置を搬入、2025年4月1日にパイロットラインの立ち上げを開始。計画では2027年度後半に量産。最大稼働時の生産能力は月2万5,000枚と小池淳義社長が説明 (報道、2026年3月31日)。施工は鹿島建設 (会社サイトのIIMのページと2023年6月の工事計画説明会の概要) | rapidus.inc | |
| 解析センター | 北海道千歳市美々 (IIM-1隣接) | 2026年4月11日開所。物理解析・環境化学分析・電気特性評価・信頼性評価。歩留まり向上に向けた解析の拠点。建屋は建築基準法が求める1.5倍の耐震性能 | rapidus.inc | |
| アルバニー・ナノテク・コンプレックス (IBMとの共同開発拠点) | 米ニューヨーク州アルバニー | 2023年4月から技術者を派遣し、IBMと2nm世代の量産技術を共同開発。派遣は約150人で、約80人が千歳に戻った (2025年7月時点・会社サイトの社員インタビュー)。製造拠点ではない | rapidus.inc |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- GAA (ゲートオールアラウンド) トランジスタ
- シリコンのナノシートを積み重ねたチャネルの全周をゲートで囲み、フィン型 (FinFET) より漏れ電流を抑える。IBMは2021年の発表で、7nm世代と比べて性能45%向上または消費電力75%削減と説明した。ラピダスは会社サイトで、3nm世代から2nm世代に移すと同じチップの電力コストを4分の1にできると説明する (会社主張) rapidus.inc
- 複数のしきい値電圧を持つナノシートGAA
- IBMリサーチとラピダスの共著論文が国際電子デバイス会議 (IEDM 2024) で採択された。ナノシートの層数を場所ごとに減らすエッチング (SLR) で、複数のしきい値電圧を持つナノシートGAAトランジスタを作る rapidus.inc
- 裏面電源供給 (BSPDN)
- 2024年12月の米ケイデンス・デザイン・システムズとの協業で、2nm GAAと裏面電源供給 (BSPDN) の設計と製造に対応する参照設計フロー (リファレンスフロー) と回路設計資産 (IP) を顧客に提供すると発表した。BSPDNを量産の最初の世代に採用するかどうかはラピダスが公表していない rapidus.inc
- EUV (極端紫外線) 露光
- 波長13.5nmの極端紫外線と反射型フォトマスク、ミラーの光学系で2nm世代の回路を形成する。IIM-1のASML NXE:3800Eは国内で初めての量産対応EUV露光装置で、ラピダスは2024年12月に搬入し、2025年4月1日に露光と現像に成功した rapidus.inc
- 全工程の枚葉処理
- 酸化・成膜などバッチ処理が一般的な工程も含めて全工程をウエハー1枚ずつの枚葉式にし、1枚ごとに条件を変えて大量のデータを取る。米国の半導体講演会ホットチップス (Hot Chips 2025) の講演資料では、標準ロットの製造期間を従来の120日から50日に、最優先ロットを15日に縮める (ラピダスの社内試算) hc2025.hotchips.org
- 搬送と生産管理
- 天井搬送 (OHT) で生じる装置前の待ち時間をなくすため、格子状の搬送システムとAIを使った生産管理システムを組み合わせる。2026年度に製造期間 (TAT) を縮めるこの生産システムの装置・搬送・生産管理をパイロットラインに導入して検証する計画 rapidus.inc
- DMCO (設計と製造の相互最適化)
- 従来のDFM (製造を考えた設計) に加え、製造で得たデータを設計に戻すMFD (設計のための製造) を取り入れる。米シノプシスとは、PDKの更新のたびに2〜3か月かかるロジックとメモリーのタイミングモデルの再作成を数日に縮める手法を共同開発する (2024年12月発表)。米キーサイト・テクノロジーとは、パラメトリックテストのデータを根本原因の解析に使い、PDKの精度を上げる (2025年8月発表) rapidus.inc
- PDKの共同開発
- 独シーメンスの設計自動化 (EDA) 部門シーメンスEDAが持つ検証ツールCalibreを基盤にPDKを共同開発し、前工程から後工程までのリファレンスフローを作る (2025年6月発表)。PDKは、2025年4月の報道によると0.2版を2024年度末までに先行顧客へ、0.5版を2026年3月までに提供する計画だった (報道) rapidus.inc
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| プロセス世代 | 2nm世代 GAA (ゲートオールアラウンド) | rapidus.inc |
| ウエハー | 300mm | rapidus.inc |
| 露光装置 | ASML NXE:3800E (EUV、波長13.5nm) | rapidus.inc |
| 製造装置 | 200台以上の枚葉式製造装置 (2025年6月時点) | rapidus.inc |
| 製造期間 (会社試算) | 標準ロット120日から50日、最優先ロット15日 (Hot Chips 2025講演資料、ラピダスの社内試算) | hc2025.hotchips.org |
| 初回ロットの所要時間 | 2025年6月16日投入、工程12日18時間、7月10日に電気特性を取得 (会社講演資料) | hc2025.hotchips.org |
| 生産能力 | IIM-1の最大稼働時に月2万5,000枚 (小池淳義社長の説明、報道)。試作は2026年4月時点で月約1,000枚 (報道) | hokkaido-np.co.jp |
| 消費電力の比較 (会社展示) | SEMICON Japan 2025の展示で、2nm GAAは40nm世代のプレーナー型の約20分の1、7nm世代のフィン型 (FinFET) の約4分の1の消費電力と説明 (報道、会社主張) | eetimes.itmedia.co.jp |
| 量産開始 | 2027年度後半 (実施計画・予定) | mof.go.jp |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| EUV (極端紫外線) 露光装置 | NXE:3800E 海外上場 (ユーロネクスト・アムステルダム、NASDAQ: ASML) |
ASML | — | オランダ 公表されていない |
会社発表 (2024年12月18日) とIIMのページが、ASML製NXE:3800Eを国内で初めての量産対応EUV露光装置として搬入したと明記 A |
| 枚葉式の製造装置 (成膜・エッチング・洗浄など) | 公表されていない 装置は新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) の委託事業で取得しNEDOが所有、量産開始時に情報処理推進機構 (IPA) を経て現物出資する方針 (経済産業省資料) |
公表されていない | — | 公表されていない |
ラピダスは200台以上の枚葉式装置を世界中から集めたと発表したが、装置メーカーの名前と台数の内訳は公表していない A |
| ウエハー搬送システム | 公表されていない (格子状の搬送システム) | 公表されていない | — | 公表されていない |
ラピダスの講演資料は格子状の搬送システムとAIの生産管理を組み合わせると説明するが、納入企業は公表していない A |
| ウエハーの根本原因解析 (Root-Cause Analysis) の解析技術 | Keysight Wafer Operations Analytics Suite (発表時点で製品化を進めている段階) 海外上場 (NYSE: KEYS) |
キーサイト・テクノロジー | — | 米国 公表されていない |
2025年8月26日の基本合意書で、キーサイトのパラメトリックテスト技術と解析技術のノウハウをPDKの精度向上に使い、パラメトリックテスターのデータをキーサイトの根本原因解析にかけると発表。IIM-1のテスター本体の供給元は公表されていない A |
| EDA (設計自動化) ツール (物理検証・PDK基盤) | Calibre・Solido | シーメンス シーメンスEDA |
— | ドイツ | 2025年6月23日の協業発表で、Calibreプラットフォームを基盤にPDKを共同開発すると明記 A |
| EDAツール・IP (参照設計フロー) | InnoStack AI Super Agent、HBM4・毎秒224ギガビットの高速シリアル送受信回路 (SerDes)・PCI Express 7.0などの回路設計資産 (IP) 海外上場 (NASDAQ: CDNS) |
ケイデンス・デザイン・システムズ | — | 米国 | 2024年12月11日と2026年7月17日の協業発表 A |
| EDAツール (タイミングモデル生成) | PrimeShield 海外上場 (NASDAQ: SNPS) |
シノプシス | — | 米国 | 2024年12月11日の協業発表で、機械学習を使ったタイミングモデル生成ツールPrimeShieldを使うと明記 A |
| シリコンウエハー・フォトマスク・薬液などの材料 | 公表されていない | 公表されていない | — | 公表されていない |
ラピダスは材料の供給元を公表していない。清水敦男代表取締役は社員インタビューで材料が本州から運ばれると説明するにとどまる A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1技術の供給2nm世代のGAA技術を米IBMと共同開発 (2022年12月提携)。ベルギーの研究機関imec (アイメック) の中核パートナー制度に参加 (2023年4月発表)。経済産業省の資料はIBM (米)・imec・フラウンホーファー研究機構 (独)・シンガポール科学技術研究庁 (A*STAR) との連携を挙げる企業: IBM・imec・フラウンホーファー研究機構・シンガポール科学技術研究庁 (A*STAR)
- 2設計支援 (EDA・IP)ケイデンス・シノプシス・シーメンスとリファレンスフローとPDKを共同開発。2026年10月5日発表のRapidus COREで設計会社17社を組織企業: ケイデンス・シノプシス・シーメンス・Rapidus CORE参加17社
- 3製造装置EUV露光装置はASML。200台以上の枚葉式装置の納入企業は公表されていない。装置はNEDOの委託事業で取得企業: ASML、ほかは公表されていない
- 4前工程IIM-1 (千歳) で全工程を枚葉処理企業: ラピダス
- 5後工程Rapidus Chiplet Solutions (千歳) でチップレット実装。フリップチップBGA (FCBGA) 基板への実装とテストはOSAT (後工程受託会社) に委託する計画 (会社サイトの社員インタビュー)企業: ラピダス、OSATは公表されていない
- 6顧客との接点米国はRapidus Design Solutions (サンタクララ) が窓口。シンガポールの設計会社クエスト・グローバルの受託製造の提携先になり、クエスト・グローバルの顧客が2nm GAAを選べるようにした (2025年3月)企業: Rapidus Design Solutions・クエスト・グローバル
- 7資金NEDOの研究開発委託費 (2022〜2025年度約1兆7,000億円、2026年度6,315億円)、情報処理推進機構 (IPA) の出資2,500億円、民間32社の出資1,676億円。量産に向けて民間融資2兆円を計画企業: NEDO・IPA・民間32社・民間金融機関
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1設計支援顧客はPDKとRaads、リファレンスフローを受け取り設計する。製造で得たデータを設計に戻す (DMCO)設備・企業: Raads・ケイデンス・シノプシス・シーメンスのツール
- 2露光EUV露光装置NXE:3800Eで2nm世代のパターンを形成。2025年4月1日に露光・現像に成功設備・企業: ASML NXE:3800E
- 3成膜・エッチング・洗浄など全工程を枚葉式で処理。1枚ごとに条件を変えてデータを取る設備・企業: 200台以上の枚葉式装置 (納入企業は公表されていない)
- 4搬送・生産管理格子状の搬送システムとAIの生産管理システムで装置前の待ち時間をなくす。2026年度にパイロットラインへ導入して検証する計画設備・企業: 公表されていない
- 5測定・解析パラメトリックテストのデータを根本原因の解析に使い、歩留まりとPDKの精度を上げる。2026年4月開所の解析センターで物理解析・電気特性評価・信頼性評価設備・企業: キーサイトの解析ソフト・解析センター
- 6後工程RCSでチップレット実装する (詳細は「ラピダスのチップレット先端パッケージ」の項)。IIM-1にも2027年に後工程のラインを設ける計画 (会社サイトの社員インタビュー)設備・企業: Rapidus Chiplet Solutions
💴 販売価格と補助金
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 2nm GAAロジックのウエハー受託製造 | 公表していない。見積もり | 2026-11-01 | rapidus.inc |
| 項目 | 額 (円) | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| NEDO 研究開発委託費 | mof.go.jp | ||
| 政府出資 (IPA) | digitalpr.jp |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 直接の商談 | 半導体の受託製造 (ファウンドリー) で、ラピダスと直接契約する。米国の顧客はRapidus Design Solutions (サンタクララ) が窓口。日本の問い合わせは会社サイトの窓口から | rapidus.inc |
| 設計会社を通じた発注 | クエスト・グローバルの受託製造の提携先として、クエスト・グローバルの顧客が2nm GAAを選べる (2025年3月)。Rapidus COREに参加する設計会社17社 (Design Solution Associate) が顧客の設計を支える (2026年10月) | rapidus.inc |
| PDKの入手 | 評価用PDKは先行顧客に提供済み (2025年末)。顧客の設計に使う版は2026年度に提供する計画。一般公開はしていない | rapidus.inc |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 保証・保守 | 受託製造の保証条件・歩留まり保証は公表されていない。会社サイトと発表に記載がない | rapidus.inc |
| 設計側の支援 | 製造データを顧客の設計に戻すDMCOと、2026年7月17日に提供を始めたRaads Navigator/Indicatorで設計課題の解決を支援する (会社発表) | rapidus.inc |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 米国 | Rapidus Design Solutions (サンタクララ) で米国の顧客を開拓。経済産業省の資料は、AIデータセンターで使う特定用途向け半導体 (ASIC) を設計するファブレス企業からの受注を先に狙うとする。米国の輸出管理 (EAR) や外為法の扱いはラピダスが公表していない | rapidus.inc |
| 欧州 | 2026年6月14日に英国の半導体振興機関UKセミコンダクター・センター、6月15日にイタリアのChips-IT財団と将来の半導体製造に関する基本合意 (MoU) を締結。情報共有と意見交換が内容で、受注ではない | rapidus.inc |
| アジア | シンガポールのクエスト・グローバル (2025年3月) とマレーシア・インドの設計会社 (Rapidus CORE、2026年10月) を通じた顧客開拓。インドのIT大手HCLテクノロジーズがラピダス向けの開発拠点を2026年10月26日に開設 | rapidus.inc |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年度 | NEDO研究開発委託費 (前工程・支援上限額) | 5,141 | 億円 | 製品の売上ではない。量産開始前。経済産業省の2026年4月11日の発表 (報道) | eetimes.itmedia.co.jp |
| 2022〜2025年度 | NEDO研究開発委託費 (累計・前後工程) | 約1兆7,000 | 億円 | 経済産業省資料の表記は約1.7兆円 | mof.go.jp |
💰 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 資本金と資本準備金の合計 | 4,249億5,000万円 (2026年6月5日時点) | rapidus.inc | |
| 政府出資 (IPA) | 1,000億円 (2026年2月27日) + 1,500億円 (2026年6月5日) | rapidus.inc | |
| 民間出資 | 32社から1,676億円 (2026年2月27日)。初期出資は8社73億円 (2022年) | rapidus.inc | |
| 民間融資の計画 | 量産に向けて2兆円。2027年度は4,000億円程度。民間金融機関から法的拘束力のない意向表明書を受けた (経済産業省資料) | mof.go.jp | |
| 追加出資の方針 | 2027〜2029年度に計4,000億円 (1,500億円・1,500億円・1,000億円)。毎年度の財政投融資の要求が前提 | mof.go.jp |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
2025年度の節目 (パイロットライン始動・GAA動作確認・評価用PDK) は、計画どおりに達成したとラピダスが発表した。量産は2027年度後半の予定で、量産顧客の名前はまだ公表されていない。経済産業省の資料に名前が出る富士通・IBM・キヤノン・日本シノプシスは意向表明や設計の段階で、受注ではない。資金は政府の委託費と出資が中心で、2027年度からの量産には民間融資2兆円が必要になる。ラピダスが他社との違いとして挙げるのは少量多品種と短い納期で、製造期間120日を50日にする数字は社内試算にとどまる。生産能力の月2万5,000枚も最大稼働時の数字で、量産初年度に何枚を生産するかは示されていない。次の節目は2026年度のPDK提供と欠陥密度の目標達成、2027年前半の先行顧客の試作、融資の実行だ。
公表されていないこと
- 契約した量産顧客の名前と受注額
- ウエハーの販売価格 (ラピダスは報道の数字を実際の販売価格ではないと説明)
- 歩留まりと欠陥密度の実績値、2026年度の欠陥密度の目標値
- 200台以上の製造装置の納入企業の内訳
- 裏面電源供給 (BSPDN) を量産の最初の世代に採用するかどうか
- 2025年12月期の決算公告の数字
出所
- Rapidus 事業と技術 (RUMS・Raads・DMCO・GAA) (2026-11-01)
- Rapidus 半導体開発製造拠点 IIM (2026-11-01)
- Rapidus 会社概要 (2026-07-01)
- Rapidus、IIM-1にて2nmノード GAAトランジスタの動作を確認 (2025-07-18)
- NEDO、2026年度の計画・予算を承認 (Rapidus発表) (2026-04-11)
- NEDO、2025年度の計画・予算を承認 (Rapidus発表) (2025-04-01)
- Rapidus、解析センターとRCSを開所 (2026-04-11)
- Rapidus begins installation of Japan's first NXE:3800E EUV lithography machinery (2024-12-18)
- Rapidusとキーサイト、歩留まり向上とPDK高精度化の協業 (2025-08-26)
- Rapidus、シーメンスと2nm半導体設計に向け協業を開始 (2025-06-23)
- AIおよびHPC向け最先端2nm半導体設計でケイデンスと協業 (Rapidus発表) (2024-12-11)
- 半導体の設計期間の短縮に向けてシノプシスと協業 (2024-12-11)
- Rapidusとケイデンス、エージェント型AIを活用した先端SoC設計で協業 (2026-07-17)
- IBM ResearchとRapidus、IEDM 2024で共著論文が採択 (2024-12-10)
- Rapidus、Quest Globalと戦略的パートナーシップ (2025-03-24)
- Rapidus、シリコンバレーに新会社設立 (2024-04-12)
- Preferred Networks、Rapidus、さくらインターネットが基本合意 (2025-01-08)
- 「Rapidus CORE」を発表 (2026-10-05)
- RapidusとHCLTech、次世代半導体技術における協業 (2026-10-26)
- 一部報道について (ウエハー単価) (2026-07-09)
- Rapidus、UK Semiconductor Centreと基本合意 (2026-06-15)
- Rapidus 1,500億円の追加出資 (2026-06-05)
- Rapidus Secures 267.6 Billion Yen in Funding (2026-02-27)
- 石丸一成CTOインタビュー (Rapidus) (2025-07-18)
- 清水敦男 代表取締役インタビュー (Rapidus) (2025-11-11)
- 折井靖光 専務執行役員インタビュー (Rapidus) (2026-01-26)
- アンリ・リシャール RDS社長インタビュー (Rapidus) (2025-09-22)
- Hot Chips 2025 基調講演資料 (小池淳義) (2025-08-26)
- 財政投融資分科会 説明資料 (経済産業省・IPA) (2026-10-19)
- IPA プレス発表 Rapidus株式会社に出資 (2026-02-27)
- IBM and Rapidus Form Strategic Partnership (2022-12-12)
- 千歳半導体工場の生産能力「フルで月産2万5千枚」(北海道新聞) (2026-03-31)
- ラピダスの勝負の年が始まった (北海道新聞) (2026-04-05)
- Rapidus、2nm GAAと600mm RDLインターポーザーをSEMICON Japan 2025で展示 (EE Times Japan) (2025-12-24)
- Rapidus 2nmパイロットライン立ち上げ (マイナビニュース) (2025-04-01)
- 経産省、Rapidusに6315億円追加支援 (EE Times Japan) (2026-04-13)
- 北海道における次世代半導体プロジェクト説明会及び工事計画等説明会概要 (Rapidus) (2023-06-06)
出所との照合日: 2026年11月1日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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