日産リーフ (3代目) Nissan Leaf (3rd generation)
2010年発売の量産EVの3代目で、2025年6月17日に世界初公開し、クロスオーバー型に転換した。日本仕様はB7 (78kWh) を2025年10月8日に発表して2026年1月から納車、B5 (55kWh) を2026年1月29日に発表して3月から納車した。日本と米国向けは栃木工場で生産し、電池はCATLからAESC製に切り替え、ジヤトコ製の3-in-1電動パワートレインを初採用したと日経クロステックが報じた。
概要
- 世界初公開
- 2025年6月17日 (オンライン発表)。第3世代のクロスオーバーEV。CMF-EVプラットフォーム global.nissannews.com
- 日本仕様 B7 発表
- 2025年10月8日発表、10月17日受注開始、2026年1月から納車 global.nissannews.com
- 日本仕様 B5 発表
- 2026年1月29日発表・同日受注開始、2026年3月から納車 global.nissannews.com
- リーフ NISMO
- 2026年7月22日発表・同日発売 (2WD、B5/B7) global.nissannews.com
- 生産工場
- 栃木工場 (栃木県河内郡上三川町上蒲生2500)。日産の事業所一覧はアリア・リーフのほか「アクスルの組立・機械加工、モーター組立」を生産品目に挙げる。欧州向けは英国サンダーランド工場 nissan-global.com
- 国内生産拠点の変更
- 先代は追浜工場、新型は栃木工場で生産し、米国向けも栃木工場から供給する (日本経済新聞 2025年7月4日、日経クロステック 2025年6月18日) nikkei.com
- 車両区分
- 登録車 (普通乗用車)、クロスオーバー、型式 ZAA-ZE2、5人乗り、前輪駆動 www-asia.nissan-cdn.net
- 開発の経緯
- アリアをベースに全長を約240mm短縮し、ハッチバックからSUVタイプに変更 (日経クロステック 2025年8月8日)。初代からの15年で世界約70万台を販売 (日産 2025年6月17日)。米国から2025年秋に投入し、日本は2026年1月から納車 xtech.nikkei.com
- 電池調達の遅れ
- 電池の調達遅れで2025年9〜11月の生産台数を従来計画の半分以下に下方修正したと日本経済新聞が報じた (2025年9月16日) nikkei.com
- 受賞
- ウィメンズ・ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー2026 (2026年3月10日)。EVパワートレインが米ワーズ社「10ベストエンジン&推進システム」2025年に選出 (2025年9月24日発表) global.nissannews.com
価格と補助金
| グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| B5 S (55kWh) | 4,389,000 | 2026-01-29 | global.nissannews.com |
| B5 X (55kWh) | 4,738,800 | 2026-01-29 | global.nissannews.com |
| B5 G (55kWh) | 5,648,500 | 2026-01-29 | global.nissannews.com |
| AUTECH B5 (B5 G ベース) | 6,162,200 | 2026-01-29 | global.nissannews.com |
| B7 X (78kWh) | 5,188,700 | 2025-10-08 | global.nissannews.com |
| B7 G (78kWh) | 5,999,400 | 2025-10-08 | global.nissannews.com |
| AUTECH B7 G | 6,513,100 | 2025-10-08 | global.nissannews.com |
| B5 NISMO | 6,601,100 | 2026-07-22 | global.nissannews.com |
| B7 NISMO | 6,952,000 | 2026-07-22 | global.nissannews.com |
| B7 NISMO RECARO製スポーツシート装着車 | 7,227,000 | 2026-07-22 | global.nissannews.com |
| 先代 e+ X (60kWh・参考) | 5,253,600 | 2022-12-22 | global.nissannews.com |
| 先代 e+ G (60kWh・参考) | 5,834,400 | 2022-12-22 | global.nissannews.com |
| 項目 | 額 (円) | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| CEV 補助金 (令和7年度補正・登録日 2026年4月1日〜2026年12月31日) | 1,290,000 | 別表1 (2026年10月21日現在)。B5 S/X/G、AUTECH B5、NISMO B5、B7 X/G、AUTECH B7、NISMO B7 の全銘柄が129万円。保有義務期間 自家用4年。列は見出し行「登録日:R8.4.1〜R8.12.31/登録日:R9.1.1以降/自家用車両/貸自動車業用車両」で確認 | cev-pc.or.jp |
| CEV 補助金 (令和7年度補正・登録日 2027年1月1日以降) | 774,000 | 経済産業省が2026年10月21日に補助額の見直しを発表し、別表1の2027年1月1日以降の列が100万円から77万4,000円に変わった。全銘柄同額。一覧の定価 (税抜) は B5 S 3,990,000円・B7 X 4,717,000円・B7 G 5,454,000円 | cev-pc.or.jp |
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| 電池容量 (総電力量) | B7: 78kWh (使用可能容量 75.1kWh)、B5: 55kWh。液冷式リチウムイオン電池 (日産 2025年6月17日)。総電圧は B7 353V、B5 372V (諸元表) | global.nissannews.com |
| 一充電走行距離 (WLTC) | B7 X 702km (プロパイロット2.0装着車 687km)、B7 G 685km (670km)。B5 S 521km、B5 X/G 469km (461km) | www-asia.nissan-cdn.net |
| 交流電力量消費率 (WLTC) | B7 X 130Wh/km (133)、B7 G 133Wh/km (137)、B5 S 118Wh/km、B5 X/G 131Wh/km (135)。括弧内はプロパイロット2.0装着車 | www-asia.nissan-cdn.net |
| モーター | 型式 YM52 交流同期電動機、定格出力 70kW。B7: 最高出力 160kW (218PS)/4,400〜11,700rpm、最大トルク 355N・m。B5: 130kW (177PS)/3,600〜11,700rpm、345N・m | www-asia.nissan-cdn.net |
| 3-in-1 電動パワートレイン | モーター・インバーター・減速機を一体化。従来モデル比でユニットを10%小型化し、新しい高剛性モーターマウントで振動を75%低減 (日産 2025年6月17日)。発表会では最大トルク4%増と説明した (Car Watch 2025年10月9日)。減速比 9.328 (諸元表) | global.nissannews.com |
| 急速充電 | 最大150kW。150kW充電器で充電量10%から80%まで35分 (B7、日産) | global.nissannews.com |
| 普通充電 | 車載充電器 6kW用 (3kW・6kW充電器に対応) | www-asia.nissan-cdn.net |
| 熱管理 | 水冷式の電池温調システムを採用し、車載充電器 (OBC) が充電中に出す熱で電池を温める (日産 2025年6月9日)。ナビゲーション連動の「ナビリンクバッテリーコンディショニング」で、走行ルートに応じて電池の昇温と冷却を制御する (日産 2025年10月8日)。ヒートポンプ (省電力暖房) と PTCヒーター 7kW を全車標準 (諸元表) | global.nissannews.com |
| 車両重量 | B5 S 1,750kg、B5 X 1,770kg、B5 G 1,820kg、B7 X 1,880kg、B7 G 1,920kg | www-asia.nissan-cdn.net |
| タイヤ | 215/55R18 95H (B5 S/X、B7 X)、235/45R19 95V (B5 G、B7 G、NISMO) | www-asia.nissan-cdn.net |
| 寸法・空力 | 全長4,360×全幅1,810×全高1,550mm (プロパイロット2.0装着車1,565mm)、ホイールベース2,690mm。最小回転半径5.3m、Cd値0.26 (日本・米国仕様) | global.nissannews.com |
| 外部給電 | V2H対応 (日本仕様)。100V AC 1500W電源 (センターコンソール・荷室) | global.nissannews.com |
| 電池保証 | 新車登録から8年間または16万kmのどちらか早い方。容量計が9セグメントを下回り8セグメントになった場合に9セグメント以上へ戻す | www3.nissan.co.jp |
🏭 部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは自動車メーカーか部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 駆動用電池セル・モジュール | 液冷式リチウムイオン電池 (78kWh/55kWh)。セルの形式は公表されていない 日経クロステック (2025年6月18日) が「電池を中国CATLからAESCグループ製に切り替えた」と報じた。日本経済新聞 (2025年7月4日) も「AESCグループ (横浜市) 製に切り替え」と報じた。日本経済新聞 (2025年9月16日) は電池調達の遅れで2025年9〜11月の生産を半減と報じた |
AESCグループ 旧エンビジョンAESC |
— | 日本 (本社 神奈川県。中国エンビジョングループ傘下、日産が約20%出資) 公表されていない |
報道 (自動車メーカー・電池メーカーとも採用発表なし) B |
| 3-in-1 電動パワートレイン (モーター・インバーター・減速機一体) | EV向け「3-in-1」(ジヤトコの電動パワートレイン「X-in-1」の一つ)。モーター型式 YM52、3相交流永久磁石型同期モーター (日経クロステック 2026年2月17日)。B7 160kW/355N・m、B5 130kW/345N・m、減速比 9.328 ジヤトコ (2026年6月24日) は3-in-1が「2025年に北米で販売開始した新型リーフに採用され、日本を含むグローバル市場で展開」と発表した。Car Watch (2026年6月25日) も同じ内容を報じた。日経クロステック (2025年6月18日) は「電動アクスルにジヤトコ製を初めて採用」と報じた。ユニット内のモーター・インバーター単体の供給元は公表されていない |
ジヤトコ 日産自動車の連結子会社・非上場 |
— | 日本 静岡県富士市 (本社所在地で開発から生産まで一貫) |
部品メーカーの採用発表 A |
| タイヤ (B7 X・B7 G) | ダンロップ「e. SPORT MAXX」低電費タイヤ。B7 X 215/55R18 95H、B7 G 235/45R19 95V。新配合トレッドゴムで転がり抵抗を低減 2026年1月27日発表。B5向けの装着銘柄は発表されていない |
住友ゴム工業 | 5110 | 日本 公表されていない |
部品メーカーの「新車装着」発表 A |
| タイヤ (NISMO) | ミシュラン パイロットスポーツ5、235/45R19 ユーロネクスト・パリ上場 (ML)。日産のリリースに「ミシュラン Pilot Sport 5」235/45R19 と明記 |
ミシュラン | — | フランス 公表されていない |
自動車メーカー発表 A |
| ホイール (NISMO) | 19インチ アルミホイール (エンケイ製) | エンケイ | — | 日本 公表されていない |
自動車メーカー発表 A |
| 車載充電器 (OBC) | 6kW用。排熱を電池加温に使う | 公表されていない | — | 自動車メーカー発表・諸元表 A | |
| ヒートポンプ (省電力暖房システム)・PTCヒーター 7kW | 全車標準 | 公表されていない | — | 自動車メーカーの諸元表 A | |
| 電動パワーステアリング | ラックアシスト式。改良により最小回転半径を0.1m縮めて5.3mに | 公表されていない | — | 自動車メーカー発表 A | |
| ブレーキ (回生) | 前後ベンチレーテッドディスク、回生ブレーキコントロールパドル、e-Pedal Step | 公表されていない | — | 自動車メーカーの諸元表 A | |
| サスペンション | リア マルチリンク式 (車体の横剛性66%向上と日産が説明) | 公表されていない | — | 自動車メーカー発表 A | |
| インフォテインメント | 12.3インチ NissanConnect (Google搭載)。Googleマップ・Googleアシスタント・Google Play | グーグル (ソフトウェア)。ハードウェアの供給元は公表されていない | — | 米国 | 自動車メーカー発表 A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から車両の組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
-
1
正極材・負極材・電解液・セパレーター
公表されていない
-
2
電池セル・モジュール
AESCグループ製 (日経クロステック 2025年6月18日、日本経済新聞 2025年7月4日)。AESCの茨城工場 (茨城県茨城町) は2024年3月に量産を始めた。年産6GWh (60kWhのリーフ10万台分) で次世代Gen5を日産とホンダに供給する (日経クロステック 2023年8月30日)。新型リーフ向けかは公表されていない企業: AESCグループ
-
3
3-in-1 電動パワートレイン
静岡県富士市で開発から生産まで一貫企業: ジヤトコ
-
4
モーター組立・アクスル
栃木工場の生産品目に「アクスルの組立・機械加工、モーター組立」。アリアのモーターは栃木で巻線する (日産 2021年10月8日)。リーフの3-in-1はジヤトコが富士市で生産するため、栃木の工程がリーフに関わるかは明記が無い企業: 日産自動車 栃木工場
-
5
タイヤ
ダンロップ e. SPORT MAXX (B7)企業: 住友ゴム工業 (5110)
-
6
車両組み立て
日本・米国向けは栃木工場、欧州向けは英国サンダーランド工場。栃木工場は2021年10月公開の「ニッサン インテリジェント ファクトリー」ラインで、EV・HEV・エンジン車を混流生産企業: 日産自動車 栃木工場 (栃木県上三川町)
-
7
販売
全国の日産販売会社で受注。販売会社数・店舗数は公表資料で確認できなかった企業: 日産の国内販売会社
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年1〜8月 | 国内小売販売台数 (日産集計) | 13,411 | 台 | 前年同期 2,490台、+438.6%。8月単月 1,395台。2026年度 (4〜8月) は8,346台 (+515.0%) | nissan-global.com |
| 2025年度 (2025年4月〜2026年3月) | 国内小売販売台数 (日産集計) | 7,460 | 台 | 前年度 4,666台、+59.9%。2026年1〜3月は5,065台 (前年同期 1,133台)、3月単月 2,514台。先代と新型の合算 | nissan-global.com |
| 2025年1〜12月 | 国内小売販売台数 (日産集計) | 3,528 | 台 | 前年 5,211台、-32.3%。ほぼ先代 (ZE1) の実績。12月単月は575台 | nissan-global.com |
| 2025年10月〜2026年3月 | 新型リーフの受注台数 (日産) | 8,000 | 台 | 2025年度決算説明資料の「25年度 市場実績」に「リーフ:受注8,000台」。集計時点の明記は無い | nissan-global.com |
| 2026年1月 | 国内販売台数 (報道) | 1,376 | 台 | 前年同月の3.1倍と日本経済新聞が報じた (2026年2月5日)。同月の国内EV販売は6,511台 (+43%)、首位はトヨタbZ4Xの1,651台 | nikkei.com |
| 2025年1〜6月 | 国内販売台数 (報道) | 2,000 | 台 | 前年同期比 22%減と日本経済新聞が報じた (先代) | nikkei.com |
| 2010年〜2025年6月 | 世界累計販売台数 | 700,000 | 台 | 初代発売からの15年で約70万台、推定累計走行距離 約280億km (日産) | global.nissannews.com |
| 2025年度 | 日産の国内出荷台数に占めるEV比率 | 4 | % | パワートレイン比率 (出荷台数ベース)。e-POWER 39%、ガソリン車48% | nissan-global.com |
| 2025年度 | 日産の国内小売販売台数 (全車種) | 398,681 | 台 | 前年度比 -13.5%。連結売上高 12兆79億円、営業利益 580億円、当期純損失 5,331億円 | nissan-global.com |
| 2026年5月 | 国内の乗用EV販売台数 (市場全体・報道) | 9,632 | 台 | 前年同月の2.5倍で、新車販売に占める比率3.5%は過去最高と日本経済新聞が報じた (2026年6月4日)。同月のリーフは4.5倍の1,422台。4月に見直した国の購入補助金が要因 | nikkei.com |
月間の新車販売台数 (直近9か月)
| 年月 | 台数 | 前年同月比 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 2026-09 | 2,013 | 906.8% | 自販連 乗用車ブランド通称名… |
| 2026-08 | 1,395 | 722.8% | 自販連 乗用車ブランド通称名… |
| 2026-07 | 2,005 | 675.1% | 自販連 乗用車ブランド通称名… |
| 2026-06 | 1,504 | 397.9% | 自販連 乗用車ブランド通称名… |
| 2026-05 | 1,422 | 451.4% | 自販連 乗用車ブランド通称名… |
| 2026-04 | 2,021 | 1161.5% | 自販連 乗用車ブランド通称名… |
| 2026-03 | 2,514 | 683.2% | 自販連 乗用車ブランド通称名… |
| 2026-02 | 1,175 | 371.8% | 自販連 乗用車ブランド通称名… |
| 2026-01 | 1,376 | 306.5% | 自販連 乗用車ブランド通称名… |
💴 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 車両本体価格 | 438万9,000〜722万7,000円 (税込、NISMO含む)。標準車は B5 S 438万9,000円〜B7 G 599万9,400円 | global.nissannews.com | |
| CEV 補助金 | 2026年4月1日〜12月31日の登録は129万円、2027年1月1日以降は77万4,000円 (2026年10月21日の見直し後の別表1) | cev-pc.or.jp | |
| 補助金後の実質価格 (計算値) | 2026年12月31日までの登録: B5 S 309万9,000円、B7 X 389万8,700円、B7 G 470万9,400円。2027年1月1日以降の登録: B5 S 361万5,000円、B7 X 441万4,700円、B7 G 522万5,400円。税込価格から国の補助金を引いた編集部の計算 | cev-pc.or.jp | |
| 先代との価格比較 | 先代 e+ X (60kWh) 525万3,600円に対し、新型 B7 X (78kWh) は518万8,700円で、容量を増やしながら値下げ | global.nissannews.com | |
| 電池の保証 | 8年または16万km、容量計9セグメント以上を保証 | www3.nissan.co.jp | |
| 栃木工場の投資額 (参考) | 「ニッサン インテリジェント ファクトリー」導入に330億円 (日経クロステック 2021年10月26日)。アリア向けに整備した混流ラインで、リーフ専用の追加投資額は公表されていない | xtech.nikkei.com | |
| AESC 茨城工場の投資額 (参考) | 約500億円、将来さらに500億円 (日本経済新聞 2023年5月9日)。新型リーフ向けかは公表されていない | nikkei.com |
解析 — 部品と供給網の特徴
3代目リーフの供給網で最も大きな変化は、電動の中核部品を日産グループ内に戻した点である。電池はアリアで使ったCATL製からAESCグループ製に切り替えた (日経クロステック 2025年6月18日)。モーター・インバーター・減速機を一体にした3-in-1はジヤトコ製を初めて採用した (ジヤトコ 2026年6月24日)。AESCは旧日産系で日産が約20%を出資し、ジヤトコは日産の連結子会社である。車両の組み立ても追浜から栃木に移し、栃木工場は「アクスルの組立・モーター組立」を生産品目に持つ。電池・駆動・組立が国内の日産系に揃った形だが、AESCの資本は中国エンビジョングループにあり、セルの材料の調達先は公表されていない。
グループ内調達は供給の制約にも直結した。日本経済新聞 (2025年9月16日) は、電池の調達遅れで2025年9〜11月の生産を従来計画の半分以下に下げたと報じた。新型は水冷式の温調を備え、最大150kWの急速充電に対応する (日産 2025年6月9日・10月8日)。電池の仕様が変わる一方で供給元が一社に戻ったため、立ち上がり期は電池の供給量が生産の上限になった。
価格の構成では、容量を60kWhから78kWhに増やしながら上位グレードの価格を先代以下に抑えた。先代e+ X 525万3,600円に対し新型B7 Xは518万8,700円である。国のCEV補助金は2026年登録分が129万円で、B5 Sの実質価格は約310万円、B7 Xは約390万円になる。2026年10月21日の見直しで2027年1月1日以降の登録は77万4,000円に減り、B5 Sの実質価格は約362万円になる (編集部の計算)。電池容量当たりで見ると、B5 S (55kWh) は税込価格で1kWh当たり約8万円、B7 X (78kWh) は約6万7,000円である (編集部の計算)。大容量の方が単価は低い。
販売は新型の投入で急回復した。2025年 (暦年) の国内小売は先代の末期で3,528台、前年比32.3%減だった。2026年1〜8月は13,411台で前年同期の5.4倍になった (日産の月次実績)。2025年度決算説明資料では受注8,000台を挙げる。国内の乗用EV市場も2026年5月に9,632台と前年同月の2.5倍に増え、リーフは4.5倍の1,422台だった (日本経済新聞 2026年6月4日)。補助金増額と新型投入が重なった。
部品メーカーの裏付けは電池 (報道) と3-in-1 (ジヤトコ発表)、タイヤ (住友ゴム工業発表) の3つにとどまる。3-in-1の内部のモーターとインバーター、パワー半導体、車載充電器、ヒートポンプ、ADASのセンサーの供給元はいずれも公表されていない。
公表されていないこと
- 電池セルの形式 (ラミネート型か角型か) と製造工場 (AESCの座間か茨城か)。日産・AESCとも採用を正式に発表していない
- 正極材・負極材・電解液・セパレーターの供給元
- 3-in-1 内のモーター・インバーターの供給元 (ジヤトコ向けの受注を発表した会社はあるが、車種名が無く新型リーフでの採用の裏付けが無い)
- インバーターのパワー半導体 (SiC か IGBT か) とメーカー
- 車載充電器 (6kW)、DC-DCコンバーター、BMS の供給元
- ヒートポンプ・電動コンプレッサー・冷却系の供給元
- 電動パワーステアリング・ブレーキ・ADASセンサー (カメラ・レーダー) の供給元
- ワイヤーハーネス・車体材料の供給元
- B5 グレードの急速充電の最大受入出力 (諸元表・リリースに記載なし)
- B5 向けの新車装着タイヤの銘柄
- 新型リーフの国内生産台数・輸出台数 (車名別の内訳は確認できなかった)
- 栃木工場のリーフ向け投資額と生産能力
- AESCの新型リーフ向け電池の生産拠点と供給契約の規模
- 日産の国内販売会社数・店舗数
- 部品単価・原価の内訳
出所
- 日産自動車 ニュースリリース「新型『日産リーフ』をグローバルに発表」 (2025-06-17)
- 日産自動車 ニュースリリース「パフォーマンスと快適性、そして効率を追求した新型『日産リーフ』」 (2025-06-09)
- 日産自動車 ニュースリリース「新型『日産リーフ』B7を発表」 (2025-10-08)
- 日産自動車 ニュースリリース「新型『日産リーフ』B5を発表」 (2026-01-29)
- 日産自動車 ニュースリリース「『日産リーフ NISMO』を発表」 (2026-07-22)
- 日産自動車 ニュースリリース「新型『日産リーフ』が『ウィメンズ・ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー2026』を受賞」 (2026-03-10)
- 日産自動車 ニュースリリース「日産とインフィニティ 両ブランドの新商品と新技術の投入計画を発表」 (2025-03-26)
- 日産自動車 ニュースリリース「『日産リーフ』と『日産サクラ』、注文受付再開と価格改定について」(先代価格) (2022-12-22)
- 日産自動車 リーフ 主要装備一覧・諸元表 (2026年9月版) (2026-09)
- 日産自動車 リーフ 航続距離・充電ページ (電池保証) (2026-10-20 閲覧)
- 日産自動車 日本の主な事業所 (栃木工場の生産品目) (2026-10-20 閲覧)
- 日産自動車 2025年12月度 生産・販売・輸出実績 (車名別国内小売) (2026-01-29)
- 日産自動車 2026年3月度 生産・販売・輸出実績 (車名別国内小売) (2026-04)
- 日産自動車 2026年8月度 生産・販売・輸出実績 (車名別国内小売) (2026-09)
- 日産自動車 2025年度 決算説明資料 (リーフ受注8,000台) (2026-05-13)
- 日産自動車 サステナビリティデータブック2026 (2026)
- ジヤトコ ニュースリリース「ジヤトコ、電動パワートレイン『X-in-1』の採用拡大」 (2026-06-24)
- 住友ゴム工業 ニュースリリース「DUNLOP『e. SPORT MAXX』が日産自動車株式会社の新型『日産リーフ』に装着」 (2026-01-27)
- 次世代自動車振興センター 令和7年度補正 CEV補助金 銘柄ごとの補助金交付額 (車両登録日 R8.4.1〜) (2026年10月21日見直し後、10月23日取得) (2026-10-21)
- 日経クロステック「日産新型リーフ、電池はCATLからAESCへ 追い風なき米国投入」 (2025-06-18)
- 日経クロステック (日経Automotive)「日産新型リーフ、追い風なき米国投入 電池はCATLからAESCへ」 (2025-08-08)
- 日経クロステック「日産の新型リーフ、開発者に聞く走行性能のこだわり 実用電費も改善」 (2026-02-17)
- 日経クロステック「AESCの新電池工場が24年3月に量産開始、ホンダなどに供給」 (2023-08-30)
- 日経クロステック「日産栃木工場、新型EV『アリア』量産へ 極限まで生産自動化」 (2021-10-26)
- 日本経済新聞「日産新型『リーフ』、EV中核部品をグループ調達 生産は栃木」 (2025-07-04)
- 日本経済新聞「日産の新型EV『リーフ』、電池不足で生産数半減 経営再建に足かせ」 (2025-09-16)
- 日本経済新聞「1月EV販売43%増、日産やスズキ新車でシェア2%に」 (2026-02-05)
- 日本経済新聞「国内新車販売の1〜6月、EVは2年連続減 シェアは1%」 (2025-07-04)
- 日本経済新聞「エンビジョンAESC、電池生産能力20倍に 6カ国で新工場」 (2023-05-09)
- Car Watch「新型『キックス』にジヤトコのe-POWER用『5-in-1』採用 新型『エルグランド』など複数モデルに展開」(新型リーフの3-in-1にも言及) (2026-06-25)
- Car Watch「日産、新型『リーフ』発表会」 (2025-10-09)
- MONOist「日産リーフが全面改良、『効率至上主義』でEVの実用性高める」 (2025-06-18)
- 日産自動車 ニュースリリース「新型『日産リーフ』のEVパワートレインが、米国ワーズ社の『10ベストエンジン&推進システム』に選出」 (2025-09-24)
- 日本経済新聞「国内EV販売シェア、5月は3.5% 補助金効果で過去最高」 (2026-06-04)
出所との照合日: 2026年10月20日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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