アセンテックのEdge AI Array(オンプレミス生成AI基盤) Edge AI Array
アセンテックが2026年3月11日に発表したオンプレミスの生成AI基盤。ラック2段分 (2U) の筐体に最大5台の計算機 (ノード) を収め、各ノードにエヌビディアの画像処理半導体 (GPU) を1基載せる。大規模言語モデル (LLM) と、画面の中で話す仮想の人物 (バーチャルヒューマン) の処理を1台にまとめる。SB C&Sが国内で独占販売し、価格は公表されていない。
詳細解説
- 開発の表明
- アセンテックは2025年12月10日、リモートPCアレイの構造を土台にした「AIエッジ・サーバ」の開発を表明し、製品発表と販売開始を2026年4〜5月の目標とした。 ascentech.co.jp
- 名称と試作機
- アセンテックは2026年2月17日に名称をEdge AI Arrayと発表し、3月12日のSB C&S主催の展示会「AI Frontline」で試作機を展示し、バーチャルヒューマンを実演すると発表した。 ascentech.co.jp
- 発表
- アセンテックは2026年3月11日に製品を発表し、7月に出荷を始めるとした。商標は出願中とした。 ascentech.co.jp
- 販売契約
- アセンテックは2026年6月17日、ソフトバンクのグループ会社SB C&Sと国内独占販売契約を結んだと発表した。 ascentech.co.jp
- 用途
- アセンテックは用途に、自治体の窓口や外国人住民への対応、ホテルの案内、介護施設の話し相手、自動車販売店の一次対応などを挙げる。 ascentech.co.jp
- 実演
- アセンテックは2026年7月16日に宮崎市で開かれた自治体向けの展示会で、Awwの対話型AIエージェント「HITO」と組み合わせ、庁舎の窓口を案内するバーチャルヒューマンを実演した。 ascentech.co.jp
- 位置づけ
- アセンテックは有価証券報告書で、Edge AI Arrayの発表をAI事業への参入と位置づけた。 disclosure2dl.edinet-fsa.go…
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| 製造 | 公表されていない | Edge AI Arrayの製造元と製造地は公表されていない。台湾のアトラストは自社サイトに、同じ2U・5ノードの構成の機種をEAA100 (PC171) として載せている。 | atrustcorp.com | |
| アセンテックの拠点 | 東京都千代田区 | アセンテックの主要な設備は本社の検証用・実演用の機材と保守用の部材で、生産設備は有価証券報告書の主要な設備に載っていない。 | disclosure2dl.edinet-fsa.go… |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- 頭脳と身体の分担
- アセンテックが「頭脳」と呼ぶLLMと検索拡張生成 (RAG) の処理と、「身体」と呼ぶ映像・音声・対話の処理を、1つの筐体の中で別々のノードに分ける。 ascentech.co.jp
- 集約の度合い
- アセンテックは、1台でLLMとバーチャルヒューマン3人分の処理をまとめられると説明する。 ascentech.co.jp
- リモートPCアレイの技術の転用
- 物理PCを1つの筐体に集めるリモートPCアレイの技術を使って開発した。2U・奥行き864ミリの筐体寸法はGPU付きのリモートPCアレイ120と同じ。 ascentech.co.jp
- データを外に出さない推論
- アセンテックは、処理を社内の閉じたネットワークで完結させ、クラウドの生成AIで課題になる情報漏えい・応答の遅れ・従量課金を避けると説明する。 ascentech.co.jp
- 管理
- 筐体に、1組のキーボード・画面・マウスで複数の機器を操作する切り替え器 (KVMスイッチ)、イーサネットスイッチ、管理用の操作盤、ネットワーク越しに操作できるKVMを内蔵する。 ascentech.co.jp
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| 筐体 | 2U、高さ86×幅430×奥行き864ミリ、最大5ノード | ascentech.co.jp |
| GPU | エヌビディアのRTX PRO 4000 Blackwellなら最大5ノード、RTX PRO 6000 Blackwell Server Editionなら最大3ノード。ノード数は構成で変わる | ascentech.co.jp |
| ノードのCPU | インテルのCore i7-14700 | ascentech.co.jp |
| ノードのメモリー | DDR5規格のパソコン用メモリー (UDIMM) を4枚、最大192ギガバイト | ascentech.co.jp |
| ノードの記憶装置 | M.2規格で高速な接続方式 (NVMe) の半導体の記憶装置 (SSD)、512ギガバイトまたは2テラバイト | ascentech.co.jp |
| 拡張スロット | 各ノードに拡張カード用の差し込み口 (PCIe x16) を1本。全高・全長のカードが入り、2スロット幅のGPUに対応する | ascentech.co.jp |
| ネットワーク | 筐体の背面に10ギガビットイーサネット2口・25ギガビット (SFP28) 4口・管理用1口、各ノードに10ギガビット2口 | ascentech.co.jp |
| 電源 | 3,200ワットの電源を2台 (交流200〜240ボルト、稼働中に交換できる)。製品ページは電源の変換効率の等級を「Titanium」と表記する | ascentech.co.jp |
| 対応OS | Windows 11 Pro、Ubuntu 24.04 LTS、Ubuntu Server | ascentech.co.jp |
| 動作環境 | 温度5〜35度、湿度10〜90% (結露しないこと) | ascentech.co.jp |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| GPU | RTX PRO 4000 Blackwell・RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition 米ナスダック上場 |
エヌビディア | — | 米国 公表されていない |
製品ページの仕様表 (対応GPU) A |
| CPU | Core i7-14700 米ナスダック上場 |
インテル | — | 米国 公表されていない |
製品ページの仕様表 A |
| メモリー | DDR5 UDIMM | 公表されていない | — | 公表されていない |
製品ページの仕様表 (規格だけの記載) A |
| SSD | M.2 NVMe SSD | 公表されていない | — | 公表されていない |
製品ページの仕様表 (規格だけの記載) A |
| 電源装置 | 3,200ワットのホットスワップ電源 | 公表されていない | — | 公表されていない |
製品ページの仕様表 A |
| 筐体・内蔵スイッチ | 2U・5ノードの筐体、KVMスイッチ、イーサネットスイッチ | 公表されていない | — | 公表されていない |
アトラストのサイトに同じ構成のEAA100 (PC171) の掲載。アセンテックの資料に製造元の記載なし B |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1企画・開発リモートPCアレイを土台に開発し、2026年3月に発表した企業: アセンテック
- 2GPUエヌビディアのプロ向けGPUを載せる企業: エヌビディア
- 3製造製造元は公表されていない
- 4国内販売SB C&Sが国内独占販売権を持ち、全国約1万5,000社の販売網で売るとした企業: SB C&S
- 5電源の組み合わせアセンテックは、シュナイダーエレクトリックの無停電電源装置 (UPS) と組み合わせて売るとした企業: シュナイダーエレクトリック
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1組み立て・検査組み立てと出荷前の検査の工程は公表されていない設備・企業: 公表されていない
- 2導入支援生成AIの導入サービスSapiaBoxでは、出資先のclosipがLLMの選定とアプリの開発を、アセンテックがEdge AI Arrayの調達と保守を受け持つ設備・企業: closip・アセンテック
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 全構成 | 公表していない | 2026-11-08 | ascentech.co.jp |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 販売代理店 | SB C&Sが国内で独占販売する | ascentech.co.jp |
| 問い合わせ | アセンテックの製品ページの問い合わせ窓口でも相談を受け付ける | ascentech.co.jp |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 保守 | SapiaBoxの機器として売る場合はアセンテックが保守とサポート窓口を担う。Edge AI Array単体の保守の年限と条件は公表されていない | ascentech.co.jp |
| 付属品 | ラックに取り付けるレールとケーブルアームが付く。電源ケーブルは別に用意する | ascentech.co.jp |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 国内 | SB C&Sとの契約は国内の独占販売。海外での販売と輸出規制の対象かどうかは公表されていない | ascentech.co.jp |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2027年1月期中間期 (2026年2〜7月) | 出荷台数・売上高 | 公表されていない | アセンテックは出荷台数と売上高を公表していない | disclosure2dl.edinet-fsa.go… |
💰 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 研究開発費 (会社全体) | 2026年2〜7月期に2,503万円 | disclosure2dl.edinet-fsa.go… |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
Edge AI Arrayは、アセンテックが物理PCの集約で使ってきた筐体の設計を生成AIに転用した製品だ。GPU付きのリモートPCアレイ120と筐体の寸法が同じで、ノードごとに1基のGPUを載せる。1基のGPUに大きなモデルを載せるのではなく、LLMとバーチャルヒューマンの処理をノードごとに分ける。想定する用途は、データを外に出せない自治体の窓口や接客で、2026年7月には宮崎市で窓口の案内を実演した。国内の販売はSB C&Sが独占して受け持ち、アセンテックはSapiaBoxの大規模向けの機器としても使う。7月に出荷を始めると3月に発表したが、出荷台数と売上高は開示されていない。製造元も公表されておらず、台湾のアトラストのサイトに同じ構成の機種が載る。
公表されていないこと
- 出荷を始めた日と出荷台数
- 価格と構成ごとの販売条件
- 製造元と製造地
- 保守の年限と条件
- 海外での販売の予定
出所
- Edge AI Array 製品ページ (2026-11-08)
- Edge AI Arrayの発表 (2026-03-11)
- AIエッジサーバーの開発方針の発表 (2025-12-10)
- AI Frontlineへの出展 (2026-02-17)
- SB C&Sとの国内独占販売契約 (2026-06-17)
- 自治体DX推進フェア2026への出展 (2026-07-24)
- シュナイダーエレクトリック製品の取り扱い開始 (2026-06-16)
- リモートPCアレイのよくある質問 (2026-11-08)
- アトラスト EAA100 (PC171) (2026-11-08)
- 有価証券報告書 (2026年1月期) (2026-04-27)
- 半期報告書 (2026年2〜7月) (2026-09-14)
出所との照合日: 2026年11月8日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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