KDDIの国内推論環境(グーグルのGeminiとオープンウエートモデル) KDDI Sakai inference environment (Gemini on GDC)
KDDIが大阪堺データセンターで提供するAIの推論環境。グーグルの生成AIモデルGeminiのオンプレミス版を、2026年3月27日に試験提供として始めた。正式名は「Gemini on Google Distributed Cloud」(略称GDC)。商用の提供は2027年を目指す。2026年12月からはGemmaなどのオープンウエートモデルのAPI(外部から呼び出す窓口)と、顧客独自のモデルの運用環境を順に加える。
詳細解説
- グーグルとの提携
- 2025年4月9日にグーグル・クラウド・ジャパンとAI分野の覚書を結び、Geminiを大阪堺データセンターなど国内の基盤に組み込む検討を始めた。2025年10月27日に戦略的協業契約を結んだ newsroom.kddi.com
- Gemini on Google Distributed Cloud(GDC)の試験提供
- 2026年3月27日に大阪堺データセンターで試験提供を始めた(2026年4月30日発表)。2027年の商用提供開始を目指す newsroom.kddi.com
- 推論環境の拡充
- 2026年12月から順に、Gemmaなどのオープンウエートモデル(重みを公開したモデル)と顧客独自のモデルを使えるようにする(2026年10月27日発表) newsroom.kddi.com
- 想定する顧客
- 金融機関・医療機関・自治体など、データの扱いに厳しい法規制や業界のルールがある顧客を挙げる newsroom.kddi.com
- 先行の利用例
- 大和総研はシステム移行を支援するサービス「Smartrans」でGemini on GDCの利用を予定する。リコーと医用工学研究所が拡充後の推論環境の先行パートナーになる予定 newsroom.kddi.com
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| 大阪堺データセンター | 大阪府堺市堺区 | 推論の計算をここで行い、データを国外に出さない。Geminiは国内の基盤で動くオンプレミス版を使う | newsroom.kddi.com |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- Gemini on GDC
- グーグルが自社のクラウドの外の設備でも使えるようにしたGoogle Distributed Cloudの上でGeminiを動かす。KDDIはAPI形式で提供し、利用者はモデルを自分で組んだり運用したりしなくてよい newsroom.kddi.com
- マルチモーダル(文章・画像・音声)
- 文章・画像・音声を組み合わせた推論ができる。KDDIはAIグラスの映像から店舗の作業内容を読み取る実証で有効性を確かめた newsroom.kddi.com
- オープンウエートモデル
- KDDIが選んだGemmaなどのモデルを大阪堺データセンターのGPU(画像処理半導体)で動かし、API形式で提供する newsroom.kddi.com
- 顧客独自のモデル
- 他の利用者から分けた環境で、顧客が自分で作ったモデルを動かし、機密データで推論できる newsroom.kddi.com
- 社内での利用
- KDDIは設計から設定・試験まで複数のAIエージェントが協調するネットワーク構築の仕組みにGemini on GDCを使う予定とした newsroom.kddi.com
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| 提供の形 | API形式 | newsroom.kddi.com |
| 使えるモデル(2026年12月以降の予定を含む) | Gemini、Gemmaなどのオープンウエートモデル、顧客独自のモデル | newsroom.kddi.com |
| 次世代の計算基盤(予定) | 2027年度にエヌビディアHGX Rubin NVL8を導入。エヌビディアの公表値で推論のトークン(AIが扱う文字の単位)の処理量はHGX B200比で最大10倍 | newsroom.kddi.com |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 生成AIモデル | Gemini(オンプレミス版) 親会社のアルファベットはナスダック上場 |
グーグル | — | 米国 大阪堺データセンター上のGoogle Distributed Cloud |
KDDIの発表 A |
| オープンウエートモデル | Gemmaなど 2026年12月から順次の予定 |
グーグル(Gemma)。ほかのモデルの開発元は公表されていない | — | 米国 大阪堺データセンター |
KDDIの発表 A |
| 推論を動かすGPU | 大阪堺データセンターのGPU(画像処理半導体、機種は公表されていない) Gemini on GDCを動かすサーバーの機種は公表されていない |
エヌビディア | — | 米国 公表されていない |
KDDIの発表(2026年10月27日) A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1モデルと実行基盤GeminiとGoogle Distributed Cloudをグーグルが供給する企業: グーグル・クラウド・ジャパン
- 2設備と通信大阪堺データセンターの設備と閉域網をKDDIが用意し、APIを提供する企業: KDDI
- 3応用大和総研・リコー・医用工学研究所が自社のサービスに組み込む検討や予定を示した企業: 大和総研・リコー・医用工学研究所
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1公表されていないソフトウエアのサービスで、製造の工程はない。提供の手順(モデルの検証・導入)の詳細は公表されていない設備・企業: KDDI・グーグル
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| Gemini on GDC(試験提供) | 公表していない | 2026-11-06 | newsroom.kddi.com |
| オープンウエートモデルのAPI・顧客独自モデルの環境 | 公表していない | 2026-11-06 | newsroom.kddi.com |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 専用の問い合わせ窓口 | Gemini on GDCはKDDIの専用のメール窓口で受け付ける | newsroom.kddi.com |
| 法人営業・サービスページ | 拡充後の推論環境はKDDIの法人営業担当者かKDDI GPU Cloudのサービスページで受け付ける | newsroom.kddi.com |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 機能の改善 | 試験提供の間に機能を改善し、利用例を作ってから商用に移ると説明する。保守の条件は公表されていない | newsroom.kddi.com |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 日本 | 推論のデータを国内で処理することを売りにする国内向けの提供。海外向けの提供は公表されていない | newsroom.kddi.com |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年11月時点 | 提供の段階 | Gemini on GDCは試験提供の段階。売上高は公表されていない | 商用提供は2027年の予定 | newsroom.kddi.com |
💰 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 医療特化モデルの事前検証 | 医用工学研究所が電子カルテの文章の解析で、データ整備の一部の工程の工数を最大99%減らしたと発表した | newsroom.kddi.com |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
KDDIの推論環境は、グーグルの高性能な生成AIモデルGeminiを国内の設備で動かす点が中心になる。KDDIは、データの扱いに厳しい規制がある金融機関・医療機関・自治体を主な顧客に挙げる。2025年4月の覚書から試験提供まで約1年かかり、商用は2027年とさらに先になる。2026年12月からは、Geminiに加えてGemmaなどのオープンウエートモデルをAPIで使えるようにし、用途に応じてモデルを選べるようにする。リコーはGPUサーバーを自社で調達する手間を省く使い方を想定する。価格を公表していないため、海外のクラウドで同じモデルを使う場合との差はまだ比べられない。KDDI GPU Cloudが学習向けにサーバーを月額で貸すのに対し、推論環境は2026年12月から段階的に使えるモデルを増やす。
公表されていないこと
- Gemini on GDCと推論APIの料金は公表されていない
- Gemini on GDCを動かすサーバーの機種と台数は公表されていない
- 試験提供の利用社数は公表されていない
出所
- KDDI トピックス「大阪堺データセンターを活用した「Gemini on Google Distributed Cloud」のトライアル提供開始」 (2026-04-30)
- KDDI トピックス「大阪堺データセンターの推論環境を拡充」 (2026-10-27)
- KDDI ニュースリリース「KDDI、Google Cloud とAIにおける戦略的提携を発表」 (2025-04-11)
- KDDI ニュースリリース「Google Cloud と戦略的提携、信頼性の高いAIサービスを本格展開」 (2025-10-28)
- KDDI ニュースリリース「大阪堺データセンターを1月22日から稼働開始」 (2026-01-22)
出所との照合日: 2026年11月6日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
KDDI のほかの製品
🧰 ツール・特集の入口
一次データで動く 14 本 — 銘柄の絞り込み・供給網・比較・一次データの台帳・解説・規制レンズ (すべて無料)