安川電機の柔軟物体ハンドリングシステム(ソフトバンクとの実証) Yaskawa Flexible Object Handling System
ひも・布・袋・ワイヤーハーネス(配線の束)のように形の変わる物を、ロボットにつかませて扱う安川電機のシステム。カメラの映像と作業の指示から動作を生成するVLA(視覚・言語・行動モデル)を使う。2026年7月13日、ソフトバンクのGPU(画像処理半導体)クラウド上の開発支援ツールと組み合わせ、配線の束を箱に収める作業で実証した。実証の段階で、製品としての提供時期と価格は公表されていない。
詳細解説
- 実証の発表
- 2026年7月13日、安川電機とソフトバンクが、ソフトバンクの「AIデータセンター GPUクラウド」をフィジカルAI(人工知能で現実の機械を動かす技術)の開発基盤に使い、安川電機の柔軟物体ハンドリングシステムを実証したと発表した。エヌビディアが協力した。 softbank.jp
- 対象の作業
- 形や置き方が作業ごとに変わるワイヤーハーネス(配線の束)を箱に収める作業で試し、安定して扱えることを確かめたと両社は発表した。 yaskawa.co.jp
- 使った機体
- 安川電機は、AIロボット「MOTOMAN NEXT」でこのシステムを開発していると記す。 yaskawa.co.jp
- 協業の経緯
- 両社は2025年12月1日にフィジカルAIの社会実装に向けた協業を始め、2025国際ロボット展でオフィス向けロボットの使い方を共同で実演した。今回の実証はその協業の一環。 disclosure2dl.edinet-fsa.go…
- 開発の狙い
- 教示した動作を繰り返す従来の方式(ティーチングプレイバック)では難しい作業へ、ロボットの用途を広げることを狙う。 yaskawa.co.jp
- 提供の状況
- 2026年11月6日時点で製品としての提供は発表されていない。両社はより高度な作業への適用を検証していくとしている。 softbank.jp
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| 製造拠点 | 公表されていない | 実証段階のシステムで、生産拠点は公表されていない。機体のMOTOMAN NEXTの生産工場も製品別には公表されていない。 | yaskawa.co.jp | |
| 学習に使った計算基盤 | 公表されていない | ソフトバンクの「AIデータセンター GPUクラウド」。ソフトバンクは2026年10月にこのクラウドの提供を始めると発表していた。データセンターの所在地は実証の発表に記載がない。 | softbank.jp |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- VLAで状態を見て動作を決める
- カメラなどの視覚情報と作業指示を入力に、対象物の状態を認識し、つかむ位置と操作をロボットに指示する。 yaskawa.co.jp
- AIを部品として組み込む
- 従来の制御で安定してこなせる動作と、柔らかい物の状態認識やつかむ位置の判断のようにAIが得意な動作を切り分ける。AIは1つの機能部品として既存のロボットシステムに組み込む。 yaskawa.co.jp
- データの収集と拡張
- ソフトバンクの開発支援ツールでは、ロボットをGPUクラウドにつなぎ、動作データとセンサー情報を集める。エヌビディアの世界モデル Cosmos で合成データを作り、実機だけでは集めにくいデータを補う。 softbank.jp
- 学習と評価
- GPUクラウドの計算資源でモデルを学習し、エヌビディアの Omniverse のライブラリーと統合したシミュレーターで評価してから実機に載せる。 softbank.jp
- 開発支援ツールの構成
- ソフトバンクのツールは、エヌビディアの「Omniverse」「Cosmos」「Physical AI Factory Blueprint」を使い、データ収集から実機への適用までを一貫して手がける。 softbank.jp
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| 対象物 | ひも・布・袋・ワイヤーハーネスなどの柔軟物体 | yaskawa.co.jp |
| 実証の作業 | ワイヤーハーネスを箱に収める作業 | yaskawa.co.jp |
| 成功率・処理時間・モデルの規模 | 公表されていない | softbank.jp |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| ロボット本体 | MOTOMAN NEXT | 安川電機 | 6506 | 日本 公表されていない |
安川電機の発表 A |
| 学習用の計算基盤 | AIデータセンター GPUクラウド | ソフトバンク | 9434 | 日本 公表されていない |
両社の発表 A |
| シミュレーション・合成データのソフトウエア | Omniverse・Cosmos・Physical AI Factory Blueprint ナスダック上場 |
エヌビディア | — | 米国 該当しない(ソフトウエア) |
ソフトバンクの発表 A |
| カメラ・ハンド | 公表されていない | 公表されていない | — | 公表されていない |
両社の発表に記載がない A |
| VLAのモデル | 公表されていない | 公表されていない | — | 該当しない |
安川電機はシステムを開発したと記すが、モデルの出どころは示していない A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1システムの開発VLAを使う柔軟物体ハンドリングシステムを安川電機が開発する。企業: 安川電機
- 2開発基盤GPUクラウドと開発支援ツールをソフトバンクが開発し提供する。企業: ソフトバンク
- 3ソフトウエアの協力シミュレーションと合成データの技術でエヌビディアが協力した。企業: エヌビディア
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1製造工程実証段階のため、製造工程は公表されていない。設備・企業: 安川電機
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 柔軟物体ハンドリングシステム | 公表されていない(実証段階) | 2026-11-06 | yaskawa.co.jp |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 未定 | 販売経路は公表されていない。 | yaskawa.co.jp |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 保守 | 保証・保守の条件は公表されていない。 | yaskawa.co.jp |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 公表されていない | 海外で提供するかどうか、輸出管理の対象になるかどうかは公表されていない。 | yaskawa.co.jp |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2027年2月期上期 | システムの売上高 | 公表されていない | 実証段階 | yaskawa.co.jp |
💰 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 将来技術の研究開発費(2026年2月期) | 50億5,700万円(このシステム単独の額は公表されていない) | disclosure2dl.edinet-fsa.go… |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
安川電機はAIで全部を動かすのではなく、AIが得意な判断だけを切り出して既存の制御に足した。柔らかい物の状態の見きわめとつかむ位置の判断はAIが受け持ち、それ以外の動作は従来の制御が担う。この切り分けなら、工場がすでに使うロボットの制御の仕組みを残したまま、苦手だった作業を足せる。開発の工程は、ソフトバンクの開発支援ツールを使って効率化したと両社は発表した。安川電機にとってはデータを集める道具と計算資源を外から借り、機体と制御に開発の力を集める形になる。エージェンティック・ロボットシステムと同じく、AIを部品として扱う考え方で一貫している。ただし成功率や処理時間は公表されておらず、量産の現場に耐えるかはまだ示されていない。
公表されていないこと
- 作業の成功率・処理時間などの数値
- VLAのモデルを自社で作ったのか、外部のモデルを使ったのか
- 製品として提供する時期と価格
- ソフトバンクのGPUクラウドの利用料金の条件
出所
- 安川電機とソフトバンク フィジカルAIを活用し柔軟な物体のハンドリングシステムを実証 (2026-07-13)
- ソフトバンク 柔軟物体ハンドリングシステムを実証 (2026-07-13)
- 安川電機とソフトバンク フィジカルAIの社会実装に向けて協業開始 (2025-12-01)
- 安川電機 有価証券報告書 第110期(2026年2月期) (2026-05)
- 安川電機 2026年度第2四半期 決算説明資料 (2026-10-09)
出所との照合日: 2026年11月6日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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