SUBARU ソルテラ Subaru Solterra
SUBARUが初めて世界展開するバッテリーEVのSUVで、トヨタ自動車と共同開発した。2022年5月12日に日本で受注を始め、2025年10月29日に電池容量を74.7kWhに増やした改良モデルを発表、同年11月27日に受注を開始した。生産はトヨタ自動車の元町工場 (愛知県豊田市) が担うと日本経済新聞が報じている。電動アクスルはブルーイーネクサス製、インバーター・熱管理・電源ユニットはデンソー製と両社が発表しているが、駆動用電池の供給元は公表されていない。
概要
- 初公開
- 2021年11月11日 (SUBARUが初めて世界展開するBEVとして発表) subaru.co.jp
- 日本仕様の価格発表
- 2022年4月14日。受注開始は2022年5月12日。初年度の計画台数は月150台 subaru.co.jp
- 部分改良 (第1回)
- 2023年10月。低温時の急速充電を改善し、価格を33万円引き上げたと日経クロステックが報じた xtech.nikkei.com
- 改良モデルの世界初公開
- 2025年4月18日、ニューヨーク国際オートショー (米国仕様車)。トレイルシーカーと同時公開 subaru.co.jp
- 改良モデル (日本仕様) の発表
- 2025年10月29日。受注開始は2025年11月27日 subaru.co.jp
- 車両区分
- ミッドサイズSUV (バッテリーEV)。グレードはET-SS (FWD / AWD) とET-HS (AWD)。型式はZAA-XEAM11X (FWD)・ZAA-XEAM15X (AWD) subaru.jp
- プラットフォーム
- BEV専用プラットフォーム e-SUBARU Global Platform をトヨタ自動車と共同開発 (SUBARU発表)。兄弟車bZ4Xについて日経クロステックは、e-TNGAの考え方に基づき電池を床下に平置きし、電動アクスルとESUを低い位置に置いたと報じた subaru.co.jp
- 生産工場
- トヨタ自動車 元町工場 (愛知県豊田市)。兄弟車bZ4Xと同じ工場で生産していると日本経済新聞が報じた (2025年5月15日) nikkei.com
- 開発の経緯
- 2005年の資本業務提携から続くトヨタ自動車との提携の下で共同開発。トヨタはSUBARUに20%出資していると日本経済新聞が報じた nikkei.com
- 運転支援
- SUBARU独自のアイサイトは搭載せず、トヨタの単眼カメラ式の運転支援システムを採用したと日経クロステックが報じた xtech.nikkei.com
価格と補助金
| グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| ET-SS (FWD) | 5,170,000 | 2026-10 | subaru.jp |
| ET-SS (AWD) | 5,610,000 | 2026-10 | subaru.jp |
| ET-HS (AWD) | 6,050,000 | 2026-10 | subaru.jp |
| 改良前 ET-SS (FWD) | 6,270,000 | 2023-10 (部分改良後) | cev-pc.or.jp |
| 改良前 ET-SS (AWD) | 6,710,000 | 2023-10 (部分改良後) | cev-pc.or.jp |
| 改良前 ET-HS (AWD) | 7,150,000 | 2023-10 (部分改良後) | cev-pc.or.jp |
| 発売時 ET-SS (FWD) | 5,940,000 | 2022-04-14 | subaru.co.jp |
| 発売時 ET-SS (AWD) | 6,380,000 | 2022-04-14 | subaru.co.jp |
| 発売時 ET-HS (AWD) | 6,820,000 | 2022-04-14 | subaru.co.jp |
| 項目 | 額 (円) | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| CEV補助金 (令和7年度補正、2026年4月1日〜12月31日の登録) | 1,290,000 | ET-SS・ET-HSの全型式で129万円。保有義務は自家用・貸自動車業用とも4年。列は見出し行「登録日:R8.4.1〜R8.12.31/登録日:R9.1.1以降/自家用車両/貸自動車業用車両」で確認 | cev-pc.or.jp |
| CEV補助金 (令和7年度補正、2027年1月1日以降の登録) | 774,000 | 経済産業省が2026年10月21日に補助額の見直しを発表し、別表1の2027年1月1日以降の列が129万円から77万4,000円に変わった。全型式同額 | cev-pc.or.jp |
| 補助金後の実質価格 (ET-SS FWD、2026年12月31日までの登録) | 3,880,000 | 517万円−129万円。日本経済新聞は「補助金含めて389万円から」と報じた (https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC035AT0T00C26A3000000/)。2027年1月1日以降の登録は439万6,000円 (517万円−77万4,000円、編集部の計算) | subaru.jp |
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| 駆動用電池 | リチウムイオン電池、総電力量74.7kWh、総電圧391V | subaru.jp |
| 電池容量 (発売時) | 71.4kWh (2022年モデル) | subaru.co.jp |
| 一充電走行距離 (WLTCモード) | ET-SS FWD 746km / ET-SS AWD 687km / ET-HS AWD 687km (20インチ装着時622km) | subaru.co.jp |
| 一充電走行距離 (発売時) | 487〜567km (FWD 567km、AWD 542km、ET-HS 20インチ 487km) | subaru.co.jp |
| 交流電力量消費率 (WLTCモード) | ET-SS FWD 113Wh/km / AWD 121Wh/km (ET-HS 20インチ装着時135Wh/km) | subaru.jp |
| モーター最高出力 | フロント (型式2XM) 167kW・268N·m、リヤ (型式3XM、AWDのみ) 88kW・169N·m。システム最高出力はFWD 165kW、AWD 252kW | subaru.co.jp |
| モーター最高出力 (発売時) | FWD フロント150kW (システム150kW)、AWD 前後80kW (システム160kW) | subaru.co.jp |
| 急速充電 | 150kW器で10%から80%まで約28分 (電池温度約25℃)。零下10℃でもプレコンディショニングにより約28分 (改良前は約55分) | subaru.jp |
| 普通充電 | 6kW充電器で10%→100%が約13時間 | subaru.jp |
| 寸法・重量 | 全長4690×全幅1860×全高1650mm、ホイールベース2850mm、最低地上高210mm。車両重量 ET-SS FWD 1880kg / ET-SS AWD 1980kg / ET-HS 2000kg | subaru.jp |
| タイヤ | 標準235/60R18、ET-HSにメーカー装着オプションで235/50R20 | subaru.co.jp |
| 外部給電 | 別売のV2H機器と組み合わせて停電時に家庭へ給電可能 | subaru.jp |
🏭 部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは自動車メーカーか部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 電動アクスル eAxle (2022年型で採用発表、現行型での継続は未公表) | ブルーイーネクサス 新型eAxle。モーター・インバーター・トランスアクスルを一体化。FWD用150kW (フロント) と4WD用80kW (フロント/リヤ) の3機種 デンソーの2022年4月13日発表に「BluE Nexusの新型eAxleに当社製インバーターが搭載」とあり、採用先としてbZ4Xとソルテラを明記。出力の内訳と組立拠点はアイシンのbZ4X向け発表から補った (https://www.aisin.com/jp/news/2022/005563.html)。2025年改良モデルの出力はブルーイーネクサスの第2世代eAxleと一致するが、発表の採用先はbZ4Xのみ |
株式会社ブルーイーネクサス BluE Nexus。アイシンとデンソーの合弁、トヨタ自動車も出資 |
— | 日本 アイシン安城第一工場にユニット組立ライン (アイシン発表、bZ4X向けの記述) |
部品メーカーの採用発表 A |
| eAxle内の駆動用モーター (2022年型の報道、現行型での継続は未公表) | eAxle用モーター 2024年3月14日付の日経クロステックが、ソルテラの電動アクスルはアイシンがモーター、デンソーがインバーターを開発し、ブルーイーネクサスが統合したと報じた |
株式会社アイシン | 7259 | 日本 公表されていない |
日経クロステックの報道 B |
| eAxle内のインバーター (2022年型で採用発表、現行型での継続は未公表) | eAxle用インバーター 2022年4月13日発表。ソルテラを採用先として明記 |
株式会社デンソー | 6902 | 日本 公表されていない |
部品メーカーの採用発表 A |
| 電源ユニット ESU (2022年型で採用発表、現行型での継続は未公表) | 充電統合ECU、AC充電器、DC-DCコンバーターを1ユニット化。急速充電に対応 ESUを保持するアルミダイカスト部材「ESUクロス」はアイシン軽金属製とアイシンが発表 (bZ4X向けの記述)。改良モデルでの継続は公表されていない |
株式会社デンソー | 6902 | 日本 公表されていない |
部品メーカーの採用発表 A |
| ESU内の車載充電器・DC-DCコンバーター (2022年型で採用発表、現行型での継続は未公表) | 車載充電器とDC-DCコンバーターの一体ユニット。充電器出力6.6kW、電池355Vを12Vに変換 (日経クロステック、bZ4X向けの数値) デンソーの発表に「豊田自動織機のAC充電器・DCDCコンバーター」をESUに統合と明記。仕様と工場は https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/12623/ (2022年4月13日)。改良モデルの充電器は公表されていない |
株式会社豊田自動織機 | 6201 | 日本 安城工場 (愛知県安城市)、月6,000台を計画と日経クロステックが報じた (bZ4X向けの記述) |
部品メーカーの採用発表 (デンソー発表に明記) A |
| ヒートポンプ・電池冷却の熱管理 (2022年型で採用発表、現行型での継続は未公表) | 高効率エコヒートポンプシステム。走行中除霜機能、多機能弁MCV-e、電池冷却用の小型チラーを含む 輻射ヒーターはbZ4Xのみで、ソルテラには採用されていないと同じ発表に注記 |
株式会社デンソー | 6902 | 日本 公表されていない |
部品メーカーの採用発表 A |
| 電池の充放電電流センサー (2022年型で採用発表、現行型での継続は未公表) | コアレス式・磁気平衡式電流センサー、±1200A対応 | 株式会社デンソー | 6902 | 日本 公表されていない |
部品メーカーの採用発表 A |
| 電池管理のセンサー・監視ECU (2022年型で採用発表、現行型での継続は未公表) | 電池の温度・電圧を検知するセンサー、電池監視ECU | 株式会社デンソー | 6902 | 日本 公表されていない |
部品メーカーの採用発表 A |
| 車両統合制御 BEV ECU (2022年型で採用発表、現行型での継続は未公表) | 情報を集約しエネルギーを制御するBEV ECU | 株式会社デンソー | 6902 | 日本 公表されていない |
部品メーカーの採用発表 A |
| タイヤ 18インチ標準 (2022年型で採用発表、現行型での継続は未公表) | ADVAN V61 235/60R18 103H 2022年6月2日発表。2024年12月25日の発表でもbZ4X・ソルテラ向けの新車装着品として納入中と記載 (https://www.y-yokohama.com/release/?id=4448)。改良モデルでの装着継続はSUBARU・横浜ゴムの発表に無い |
横浜ゴム株式会社 | 5101 | 日本 公表されていない |
部品メーカーの採用発表 A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から車両の組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
-
1
正極材・負極材・電解液・セパレーター
公表されていない企業: 公表されていない
-
2
電池セル・電池パック
供給元はSUBARU・トヨタとも公表していない。改良型bZ4Xの電池はPPES製とトヨタ英国法人の資料が記すが、ソルテラを名指しした資料は無い企業: 公表されていない
-
3
SiCウエハー・パワー半導体
2022年モデルのインバーターはデンソー製。半導体の種類と供給元は公表されていない企業: 株式会社デンソー (インバーター)
-
4
モーター・インバーター (部品)
モーターはアイシン、インバーターはデンソーが開発 (日経クロステック)企業: 株式会社アイシン / 株式会社デンソー
-
5
電動アクスル (ユニット)
ブルーイーネクサス (愛知県安城市) がモーターとインバーターを統合。組立ラインはアイシン安城第一工場 (アイシン発表、bZ4X向け記述)企業: 株式会社ブルーイーネクサス / 株式会社アイシン
-
6
電源ユニット (ESU) ・車載充電器
デンソーがESUに統合。AC充電器とDC-DCコンバーターは豊田自動織機製 (安城工場で生産と日経クロステック)企業: 株式会社デンソー / 株式会社豊田自動織機
-
7
熱管理ユニット
ヒートポンプシステム (チラー含む) をデンソーが供給企業: 株式会社デンソー
-
8
車両組み立て
トヨタ自動車 元町工場 (愛知県豊田市)。bZ4Xと同じ工場で生産と日本経済新聞が報じた。SUBARU自社工場での生産は2026年2月のトレイルシーカーが初企業: トヨタ自動車株式会社 (7203)
-
9
販売
全国のSUBARU販売店。店舗数は公表資料に無い。2026年3月時点でSUBARU販売店の150kW急速充電器は16基、2027年度に全国50店舗へ設置を目指すと日本経済新聞が報じた企業: SUBARU販売店
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年度 (発売時計画) | 初年度計画台数 | 150 | 台/月 | 2022年4月14日発表 | subaru.co.jp |
| 2025年4月〜2026年3月 | SUBARU 国内販売 (全車種) | 104,408 | 台 | 登録車87,979台 (前年同期比−7.1%)、軽自動車16,429台 (+16.3%)。合計は−4.1%。車種別は非公表 | subaru.co.jp |
| 2025年4月〜2026年3月 | SUBARU 国内生産 (全車種) | 524,821 | 台 | 前年同期比−12.8%。ソルテラはトヨタ元町工場の生産のためこの数字に含まれない | subaru.co.jp |
| 2026年8月 | SUBARU 国内販売 (全車種) | 7,098 | 台 | 前年同月比−8.9%。輸出合計26,348台 (−14.4%) | subaru.co.jp |
💴 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 車両本体価格 (2026年10月時点) | 517万円〜605万円 (税込) | subaru.jp | |
| CEV補助金 (令和7年度補正) | 2026年4月1日〜12月31日の登録は129万円、2027年1月1日以降は77万4,000円 (2026年10月21日の見直し後の別表1) | cev-pc.or.jp | |
| 補助金後の実質価格 | 2026年12月31日までの登録は388万円〜476万円、2027年1月1日以降は439万6,000円〜527万6,000円 | 各グレードの税込価格からCEV補助金 (129万円または77万4,000円) を引いた編集部の計算 | subaru.jp |
| 電池の保証 | 初度登録から8年または16万kmまで、電池容量が初期の70%以上を無償保証 | subaru.jp | |
| 残価設定型クレジット | 月々22,800円〜 (ET-SS FWD)、24,900円〜 (ET-SS AWD)、26,700円〜 (ET-HS) | ET-SS FWDの例: 頭金155万1,000円、3年 (ボーナス併用6回) で支払総額560万5,777円 | subaru.jp |
| 発売時価格との差 | ET-SS FWDは2022年の594万円から2025年改良で517万円へ77万円下がった。2023年10月の部分改良では33万円上がっていた | 値上げ幅は日経クロステック (https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02665/010500015/) | subaru.co.jp |
| SUBARU 国内生産体制再編の投資 (会社全体) | 2022年度からの5年間で2,500億円 | 2022年5月12日発表。BEVの自社生産 (矢島工場の混流生産、大泉工場のBEV専用ライン化) と次世代e-BOXERユニットの生産体制が対象で、2024年3月期から本格化。ソルテラ向けではない | subaru.co.jp |
| SUBARU 電動化対応投資 (会社全体) | 2030年前後までに約1.5兆円 (生産・開発)。2025年10月頃までに約3,000億円に着手済み、残額1.2兆円は内訳を見直し | 1.5兆円は2023年8月2日の新経営体制の方針 (https://www.subaru.co.jp/ir/management/pdf/plan/vision_subaru_202308.pdf)。2026年3月期有価証券報告書に着手額と見直しの記載 | subaru.co.jp |
| BEV関連費用 (2026年3月期) | 578億円 (BEV開発資産の減損損失と関連費用) | 有価証券報告書では電動車に係る開発資産の減損が143億600万円、環境クレジットの減損が319億8,600万円 (「その他の費用」1,205億7,400万円の内数) | subaru.co.jp |
| 電池工場の投資 (パナソニック エナジーとの計画、会社全体) | 総額約4,630億円、助成は最大約1,564億円、生産能力16GWh/年 (2030年末時点)。群馬県大泉町に新設し2028年度から生産の計画 | 2024年9月6日発表。SUBARUが2020年代後半から生産予定の自社開発BEV向けで、ソルテラの電池ではない。2026年5月に自社開発BEVの導入延期が発表され、電池工場も先送りの可能性があると日本経済新聞が報じた | subaru.co.jp |
解析 — 部品と供給網の特徴
ソルテラの部品で供給元が裏付けられたのは10件である。電動アクスルはブルーイーネクサス、インバーター・電源ユニット・ヒートポンプ・電流センサー・電池監視はデンソーが採用を発表した。車載充電器とDC-DCコンバーターは豊田自動織機、モーターはアイシン (日経クロステック報道)、タイヤは横浜ゴムで、いずれも日本企業である。ソルテラを採用先として名指しした発表はデンソーと横浜ゴムの2社にとどまる。アイシンとブルーイーネクサスの出力の内訳はbZ4X向けの発表から補った。公表されている電動部品はいずれもトヨタ系部品メーカーの製品で、SUBARU独自の調達先の名前は出てこない。日本経済新聞は2024年7月、SUBARUがソルテラでトヨタ系部品メーカーが開発した電動アクスルを採用していると報じた。同じ記事は、SUBARUがアイシンとの共同開発で電動アクスルの内製化を視野に入れているとも伝えている。
裏付けが取れなかった最大の項目は駆動用電池である。SUBARU・トヨタとも供給元を公表していない。兄弟車bZ4Xについては、改良型の電池をPPES製と記すトヨタ英国法人の資料がある。ソルテラを名指しした資料は無い。SUBARUは2023年5月の資料で「トヨタ自動車とのアライアンスを通じてグローバルで電池を手当」すると記している。電池の調達をトヨタとの提携に頼っていることが分かる。2024年9月に発表したパナソニック エナジーとの大泉町の電池工場 (総額約4,630億円、16GWh) は自社開発BEV向けで、ソルテラには関係しない。
2025年10月の改良で電池容量は71.4kWhから74.7kWh、総電圧は355Vから391Vに上がった。フロントモーターは150kWから167kW、リヤは80kWから88kWに変わった。この167kW・88kWという値は、ブルーイーネクサス・アイシン・デンソーが2025年10月10日に発表した第2世代eAxleの出力と一致する。ただし3社の発表は採用先に改良型bZ4Xしか挙げていない。SUBARUの発表にもeAxleの記述が無いため、このページでは改良モデルの電動アクスルの供給元を「公表されていない」とした。
価格は改良で下がった。ET-SS FWDは2022年の594万円が2023年10月の部分改良で627万円に上がり、2025年の改良で517万円に下がった。CEV補助金129万円 (2026年4月1日〜12月31日の登録) を引くと388万円になる。2026年10月21日の見直しで2027年1月1日以降の登録は77万4,000円に減り、実質価格は439万6,000円になる (編集部の計算)。電池を大きくしながら77万円下げた理由をSUBARUは説明していない。
販売台数は車種別に公表されておらず、自販連の上位50にも2026年1〜9月は一度も入っていない (2026年9月の50位は777台)。生産はトヨタの元町工場で、台数はSUBARUの生産統計には載らない。この車の供給網は「開発はSUBARUとトヨタ、部品はトヨタ系、組立はトヨタ」という構造である。SUBARUが自社工場で組み立てる2車種目のトレイルシーカーとは対照的である。
公表されていないこと
- 駆動用電池のセル・パックの供給元と製造拠点 (SUBARU・トヨタとも非公表。bZ4X向けの報道・資料はあるがソルテラを名指しした資料は無い)
- 正極材・負極材・電解液・セパレーターの供給元
- 2025年改良モデルの電動アクスル (eAxle) の供給元と世代 (出力はブルーイーネクサスの第2世代品と一致するが、発表はbZ4Xのみ)
- インバーターのパワー半導体の種類 (Si/SiC) と供給元 (改良型bZ4X向けはデンソーがSiCと発表、ソルテラの記述は無い)
- 改良モデルの車載充電器・DC-DCコンバーターの供給元
- 電動パワーステアリング、ブレーキ (回生協調)、ワイヤーハーネスの供給元
- 運転支援システムのカメラ・レーダーの供給元 (トヨタの単眼カメラ式と報じられているが部品メーカー名は無い)
- 車体材料 (高張力鋼・アルミ) の供給元。bZ4X向けの電池保護部材 (アイシンのロッカーEA材) はソルテラへの採用が明記されていない
- 改良モデルの新車装着タイヤ (横浜ゴムの2024年12月発表は旧モデルへの納入を指す)
- 月次・年次の国内登録台数、輸出台数、受注台数 (SUBARU・自販連とも車種別は非公表。自販連の通称名別順位の上位50に2026年1〜9月は各月・累計とも入っていない。50位の台数は2026年9月で777台、2025年度累計で7,339台)
- 元町工場でのソルテラの生産台数と、トヨタへの委託生産の対価
- 部品の価格・原価 (会社・官公庁の一次資料、分解調査の報道のいずれも無い)
出所
- SUBARU ニュースリリース「SUBARUが初めてグローバルに展開するBEV、SOLTERRAを発表」 (2021-11-11)
- SUBARU ニュースリリース「新型BEV SOLTERRA (日本仕様車) の価格を発表」(PDF) (2022-04-14)
- SUBARU ニュースリリース「バッテリーEV 2台を世界初公開」 (2025-04-18)
- SUBARU ニュースリリース「ソルテラ改良モデルを発表」 (2025-10-29)
- SUBARU ソルテラ 諸元表 (2026.05版 PDF) (2026年10月20日閲覧) (2026-10-20)
- SUBARU ソルテラ グレード一覧 (価格) (2026-10-20)
- SUBARU ソルテラ 航続距離・バッテリー (保証・充電) (2026-10-20)
- 次世代自動車振興センター 令和7年度補正CEV補助金 銘柄ごとの補助金交付額 (別表1、2026年4月1日以降登録) (2026年10月21日見直し後、10月23日取得) (2026-10-21)
- デンソー ニュースリリース「デンソーの電動化製品が TOYOTA bZ4X・SUBARU ソルテラに採用」 (2022-04-13)
- アイシン ニュースリリース「bZ4Xにアイシングループの製品が採用」 (2022-04-13)
- ブルーイーネクサス・アイシン・デンソー「新開発のeAxleが TOYOTA新型bZ4Xに採用」(アイシン掲載) (2025-10-10)
- デンソー ニュースリリース「デンソーの電動化製品が TOYOTA新型bZ4Xに採用」 (2025-10-10)
- 横浜ゴム ニュースリリース「ADVANがSUBARU新型BEV SOLTERRAに新車装着」 (2022-06-02)
- 横浜ゴム ニュースリリース「プレミアムSUV向けタイヤ ADVAN V61を発売」 (2024-12-25)
- SUBARU 国内生産体制再編計画について (PDF) (2022-05-12)
- SUBARU 電動化計画の現状 (PDF) (2023-05-11)
- SUBARU 新体制による方針説明 (PDF) (2023-08-02)
- SUBARU・パナソニック エナジー「車載用円筒形リチウムイオン電池の供給ならびに国内電池工場新設の計画について」(PDF) (2024-09-06)
- SUBARU 2026年3月期 決算説明会資料 (PDF) (2026-05-15)
- SUBARU 第95期 有価証券報告書 (2026年3月期、EDINET提出書類) (2026年10月20日閲覧) (2026-10-20)
- SUBARU 2026年3月度および2025年度累計 生産・国内販売・輸出実績 (2026-04-27)
- SUBARU 2026年8月度 生産・国内販売・輸出実績 (2026-09-29)
- 自販連 乗用車ブランド通称名別順位 (2026年1〜9月、Excel) (2026-10-06)
- 日経クロステック「トヨタ、新EV bZ4Xに電池平置き専用PF 71.4kWhに抑制」 (2021-10-29)
- 日経クロステック「スバルとアイシンが電動アクスル共同開発、20年代後半投入のEV向け」 (2024-03-14)
- 日経クロステック「アイサイト付かないスバルEV、不満募った低温での急速充電は改善」 (2024-01-17)
- 日経クロステック「トヨタ bZ4Xに小型軽量の充電ユニット、豊田織機が開発」 (2022-04-13)
- 日経クロステック「トヨタがEVでSiCの採用を拡大、bZ4X国内最長の航続746kmに」 (2025-11-28)
- 日本経済新聞「スバル、EV ソルテラ改良型を発売へ 外観変更・充電時間が半減」 (2025-10-29)
- 日本経済新聞「トヨタ、26年に新型EV bZウッドランド スバル工場で初の共同生産」 (2025-05-15)
- 日本経済新聞「EVの「心臓」開発、異業種も競う スバルは内製化視野」 (2024-07-09)
- 日本経済新聞「スバルの新EV トレイルシーカー、初年度販売目標は国内3000台」 (2026-03-10)
- 日本経済新聞「スバル、自社開発EVの発売延期 HV・ガソリン車に投資振り向け」 (2026-05-15)
- トヨタ英国法人 bZ4X プレスパック (PDF、改良型bZ4Xの電池供給元PPESの記述) (2025-12-08)
- 日本経済新聞「スバル、新EV「トレイルシーカー」4月9日から受注 初の自社生産」 (2026-03-05)
出所との照合日: 2026年10月20日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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