たいげい型・そうりゅう型とイスラエルの潜水艦ドラコンの比較

イスラエル海軍の潜水艦ドラコンと海上自衛隊のたいげい型のどちらが優れているかは、公開情報だけでは判断できない。ドラコンは全長も排水量も兵装も公表されていない。建造したドイツの造船会社TKMSが明らかにしているのは、非大気依存推進 (AIP) を搭載するドルフィン級の3番艦で、最終艦だという点にとどまる。

公開情報で比べられるのは、船体のおおよその大きさと推進方式、建造会社と部品メーカーの違いだ。たいげい型は基準排水量約3,000トンで、AIPを搭載せず、リチウムイオン電池にためた電力だけで潜航する。前の世代のそうりゅう型は、10番艦までがスターリングエンジンによるAIPを搭載し、最後の2隻でリチウムイオン電池に切り替えた。

最終確認日: 2026年9月28日。数値には「公式」(政府、軍、会社の発表)、「報道」、「推定」、「非公表」の区別を付けた。株価と時価総額は扱わない。

大きさ・推進方式・費用の比較

項目ドラコン
イスラエル海軍
そうりゅう型
海上自衛隊
たいげい型
海上自衛隊
運用 イスラエル海軍公式 海上自衛隊公式 海上自衛隊公式
建造会社 TKMS (ドイツ・キール)公式 三菱重工業・川崎重工業 (神戸)公式 三菱重工業・川崎重工業 (神戸)公式
隻数 AIP型は3隻。ドラコンは3番艦で最終艦公式 12隻 (2009〜2021年に引き渡し)公式 引き渡し5隻、進水済み1隻。9番艦まで契約公式
全長 公式値なし。報道では73〜74m報道 84m公式 84.0m公式
幅 公表なし非公表 9.1m公式 9.1m公式
排水量 公式値なし。報道では2,600トン、2,400トンとする報道もある (水上か水中かは不明)報道 基準排水量2,950トン。水中排水量は公表なし (約4,200トンは報道値)公式 基準排水量約3,000トン。水中排水量は公表なし (約4,300トンは出所を確認できず)公式
推進方式 AIPを搭載 (TKMSの発表)。ディーゼル電気推進で、AIPは燃料電池式と報じられている報道 ディーゼルエンジン2基 + スターリングエンジン4基 (1〜10番艦)。11・12番艦はリチウムイオン電池公式 ディーゼル電気推進 (1軸) + リチウムイオン電池公式
軸出力 公表なし非公表 8,000馬力公式 6,000馬力公式
速力 公表なし非公表 約20ノット公式 約20ノット (水中)公式
乗員 公表なし非公表 約65人公式 約70人公式
兵装 公式値なし。報道では艦首に533mm発射管6門と650mm発射管4門。艦橋に垂直発射装置を備えるとの見方は推測で、イスラエル側もTKMSも認めていない報道 水中発射管一式公式 水中発射管一式公式
引き渡し 2026年9月1日にキールを出港 (TKMSの発表)。所有権の移転は7月22日、ハイファ到着は9月24日と報じられている報道 2009年3月〜2021年3月公式 1番艦は2022年3月。6番艦は2027年3月の予定公式
1隻あたりの費用 公式値なし。報道では約5億ユーロ。ドイツ政府の負担は最大1億3,500万ユーロ報道 — 2026年度予算で1,208億円 (10番艦)。造船所との契約は9番艦で618億円公式

海上自衛隊の艦の数値は、同隊の装備品紹介ページと、三菱重工業、川崎重工業の引き渡し時の発表による。防衛省は水中排水量を公表していない。ドラコンの寸法と兵装は、TKMSもイスラエル国防軍も公表していない。

潜航中の電力、確保の方式に違い

通常動力型の潜水艦はディーゼルエンジンで発電し、電池にためた電力で潜航する。ディーゼルエンジンを動かすには空気が必要で、電池の残量が減れば海面近くまで上がって空気を取り込まなければならない。相手に探知されやすいのはこの時だ。AIPは、外気を取り込まずに発電できる装置を指す。

ドラコンを含むドルフィン級のAIP型は、燃料電池式と報じられている。そうりゅう型の1〜10番艦は、川崎重工業製のスターリングエンジンを4基搭載する。同社は引き渡し時の発表で、スターリングエンジンの採用により潜航性能が向上したと説明している。

たいげい型はAIPを搭載せず、鉛蓄電池に代えてリチウムイオン電池を採用した。切り替えは、そうりゅう型の11番艦「おうりゅう」から始まった。三菱重工業は1番艦の引き渡し時の発表で、リチウムイオン電池にためた電力で潜航し、そうりゅう型に比べてソナーの探知能力と船体の静粛性を高めたと説明した。潜航できる日数や距離は、いずれの艦についても公表されていない。

ドラコンは遠い海域での長期行動、たいげい型は探知能力を重視

イスラエル海軍の司令官は2024年11月の命名式で、ドラコンは遠く離れた海域に長期間とどまると述べた。艦はキールからハイファまでの3,792海里を、23日間で航行したと報じられた。報道によると、イスラエル海軍の潜水艦は6隻で、ハイファを母港とする。到着後、イスラエル製の装置の搭載に2〜3か月かかり、作戦運用が可能になったと宣言するのはさらに数か月後になる見通しだ。装置の内容とメーカーは公表されていない。

防衛省の予算資料は、たいげい型を建造する目的に、情報収集と警戒監視を有効に行うための探知能力の向上を挙げている。海上自衛隊は潜水艦22隻体制をとる。政府が2022年12月に決定した防衛力整備計画は22隻の維持を掲げ、垂直発射装置 (VLS) を搭載する潜水艦の開発も盛り込んだ。たいげい型が搭載するソナー「ZQQ-8」は沖電気工業が受注しており、防衛装備庁は次世代のソナーも同社に発注している。

潜水艦同士の戦闘では、先に相手を探知した側が有利とされる。ただ、探知能力を左右するソナーの性能や船体の静粛性は、どの国も公表していない。艦の大きさや推進方式だけで優劣を判断することはできない。

たいげい型の建造費、5年で684億円から1,208億円に

防衛省の予算資料によると、潜水艦1隻の建造費は2021年度の684億円から、2022年度736億円、2023年度808億円、2024年度950億円、2025年度1,140億円、2026年度1,208億円と増え続けている。2025年度からは、省人化システムを新たに搭載する。2027年度の概算要求では、金額を示さない事項要求とした。

造船所との契約額は予算額を下回る。防衛装備庁の公表では、7番艦にあたる「潜水艦(8134)」は三菱重工業と480億円、8番艦の「潜水艦(8135)」は川崎重工業と565億円、9番艦の「潜水艦(8136)」は三菱重工業と618億円の契約だった。同じ年度の予算は808億円、950億円、1,140億円で、契約額は予算の5〜6割にあたる。電池や発電装置、ソナーなどは防衛装備庁が各メーカーと別に契約しており、差額の一部はこの分にあたる。品目名から9番艦向けと分かる主蓄電池、発電装置、高圧気蓄器の3件だけで、契約額は計129億円になる。

ドラコンの契約額は公表されていない。当時の報道によると、価格は約5億ユーロ。ドイツ政府の負担は、2012年度予算案の報道で最大1億3,500万ユーロ、2012年3月の契約時の報道で約3分の1とされた。

川崎重工業、潜水艦で不正2件 検査不正では指名停止

川崎重工業は2025年12月26日、潜水艦用ディーゼルエンジンの検査不正に関する報告書を公表した。1988年から2021年に製造した12V25/25S型と25/25SB型で、燃料消費率の検査結果に虚偽の数値を記載していた。そうりゅう型の全12隻と、たいげい型の1〜3番艦のエンジンが対象に含まれる。4番艦から搭載する新型の12V25/31型は仕様を満たしている。

防衛省は同日、潜水艦の安全性や性能に影響はないものの、エンジンの多くが仕様書の燃料消費率を満たしていなかったとして、同社を2026年3月11日まで指名停止にした。

潜水艦の修理をめぐっては、同社が架空取引で捻出した裏金などで、乗員に物品を提供していた。防衛省は架空取引に絡む原価実績の提出について、2024年12月に同社を厳重注意とした。2025年7月30日に公表した特別防衛監察の最終報告では、作業の実績工数を正確に計上していなかった件で、改めて厳重注意とした。同社は2025年度決算で、潜水艦修繕の不正に伴う一時的な損失を計上した。

次世代艦、日本は垂直発射装置 イスラエルはダカール級

日本では、垂直発射装置を搭載する潜水艦に向けた研究が契約段階に入った。防衛装備庁は2025年9月26日、川崎重工業と「水中発射型垂直発射装置の研究試作(その1)」で108.9億円、耐圧殻の研究試作で187.7億円の契約を結んだ。2026年7月6日には三菱重工業と、垂直発射装置を搭載する次期潜水艦の設計研究で39億円の契約を結んでいる。

イスラエルは2022年1月、ドルフィン級の初期の3隻に代わるダカール級3隻をTKMSから購入することで合意した。イスラエル国防省の発表を伝えた報道によると、総額は約30億ユーロで、ドイツ政府が一部を負担する。ドイツとイスラエルの両政府は2017年10月、この3隻にドイツが資金を出す協定に署名している。TKMSは2024年11月に1番艦の建造を始めた。

建造会社と主要な部品メーカー

艦ごとに、船体を建造する会社と、電池やエンジン、ソナーなどを納入する会社を、根拠とともに示す。日本の上場企業は、銘柄コードから銘柄ページに移動できる。

ドラコン (イスラエル海軍)

建造したのはドイツの造船会社TKMS。同社は2025年10月にティッセンクルップから分離し、フランクフルト証券取引所に上場した。TKMSが公表しているのはAIPの搭載までで、燃料電池、ディーゼルエンジン、ソナー、兵装のメーカーは明らかにしていない。

担当会社上場先・銘柄内容根拠
設計・建造 TKMS
TKMS AG & Co. KGaA (ドイツ・キール)
TKMS
フランクフルト証券取引所
2026年9月1日に出港を見送る式典を開き、艦はキールを出港した。同社は、AIPを搭載するドルフィン級の3番艦で最終艦と説明している。次期型のダカール級 (計3隻) も同社が受注し、建造を始めている。 公式
親会社 ティッセンクルップ
thyssenkrupp AG
TKA
フランクフルト証券取引所
2026年3月31日時点でTKMSの株式の51%を保有する。残る49%は、上場前に同社の株主に割り当てられた。 公式
ソナー・戦闘システム アトラス・エレクトロニク
TKMSの子会社
非上場 (TKMSの子会社) ドルフィン級の初期の3隻は、同社のソナーと戦闘システムを搭載したと報じられている。ドラコンに搭載した機器は公表されていない。 報道
燃料電池 シーメンス・エナジー
発表当時はシーメンスのガス・電力部門
ENR
フランクフルト証券取引所
同社の担当者が2020年の学会で、自社の燃料電池がドルフィン級のAIP型にも採用されたと発表した。ドラコンの燃料電池が同社製かどうかは確認できていない。 公式
協力の覚書 エルビット・システムズ
イスラエルの防衛大手
ESLT
米ナスダック、テルアビブ証券取引所
2026年5月18日、艦艇向けの防衛装備の開発で協力する覚書をTKMSと結んだ。ドラコンが同社の装置を搭載するかどうかは公表されていない。 公式

到着後に搭載するイスラエル製の装置は、メーカー名が公表されていない。ドイツのヘンゾルトとイスラエルのラファエルは、この艦への関与を確認できなかったため掲載していない。 確認日: 2026年9月28日

そうりゅう型 (海上自衛隊)

12隻を三菱重工業と川崎重工業が6隻ずつ建造し、2009年から2021年にかけて引き渡した。1〜10番艦はスターリングエンジンを搭載し、11番艦「おうりゅう」と12番艦「とうりゅう」はスターリングエンジンを廃止してリチウムイオン電池を搭載した。

担当会社上場先・銘柄内容根拠
船体の建造 三菱重工業 (神戸造船所) 7011
東証プライム
1番艦「そうりゅう」(2009年3月30日引き渡し) から11番艦「おうりゅう」(2020年3月5日) まで、奇数番の6隻を建造。引き渡し日と建造所は、全12隻を一覧にした川崎重工業の調査報告書による。 公式
船体の建造 川崎重工業 (神戸工場)
2番艦の建造時は川崎造船
7012
東証プライム
2番艦「うんりゅう」(2010年3月25日引き渡し) から12番艦「とうりゅう」(2021年3月24日) まで、偶数番の6隻を建造。 公式
スターリングエンジン 川崎重工業 7012
東証プライム
1〜10番艦に「川崎コッカムス V4-275R スターリング機関」を4基搭載。外気を取り込まずに発電できる非大気依存推進 (AIP) の装置。 公式
ディーゼルエンジン 川崎重工業 7012
東証プライム
全12隻に川崎12V25/25SB型を2基搭載。この型は燃料消費率の検査不正の対象で、防衛省は2025年12月26日から2026年3月11日まで同社を指名停止にした。潜水艦の安全性や性能に影響はないとしている。 公式
主蓄電池 ジーエス・ユアサ テクノロジー
GSユアサ (ジーエス・ユアサ コーポレーション) の子会社
6674
東証プライム (親会社)
2015年度以降に建造を始める潜水艦から、鉛蓄電池に代えてリチウムイオン電池を搭載すると発表した。11番艦と12番艦がこれにあたる。 公式
訓練装置 NEC 6701
東証プライム
「そうりゅう型潜水艦潜航操縦訓練装置換装用器材」を2026年2月16日に9億円で契約。 契約

建造は完了しており、新規の契約は訓練装置の更新や維持整備が中心になる。ソナーなど装置ごとの担当会社は、艦型を特定できる一次資料が見つかったものだけを掲載した。 確認日: 2026年9月28日

たいげい型 (海上自衛隊)

船体は三菱重工業と川崎重工業が1隻ずつ交互に建造する。電池、発電装置、ソナーなどは防衛装備庁が各メーカーと別に契約している。艦番号や年度 (「07SS用」「06SS型」など) が付いた品目は、たいげい型向けと特定できる。付いていない品目は、海上自衛隊の潜水艦に共通する装置として掲載した。

担当会社上場先・銘柄内容根拠
船体の建造
たいげい型向け
三菱重工業 (神戸造船所) 7011
東証プライム
1・3・5番艦を引き渡し、7番艦と9番艦を受注。9番艦にあたる「潜水艦(8136)」は2026年3月3日に618億円で契約。 公式・契約
船体の建造
たいげい型向け
川崎重工業 (神戸工場) 7012
東証プライム
2・4番艦を引き渡し、6番艦「そうげい」は2025年10月に進水。8番艦にあたる「潜水艦(8135)」は2024年12月3日に565億円で契約。 公式・契約
主蓄電池
たいげい型向け
ジーエス・ユアサ テクノロジー
GSユアサ (ジーエス・ユアサ コーポレーション) の子会社
6674
東証プライム (親会社)
潜水艦用のリチウムイオン電池。滋賀県草津市の専用工場で2017年3月に量産を始めると発表した。「潜水艦用主蓄電池(SLH)(07SS用)」は2025年12月23日に76.4億円で契約。 公式・契約
主機・発電装置
たいげい型向け
川崎重工業 7012
東証プライム
ディーゼルエンジンは1〜3番艦が川崎12V25/25SB型、4番艦「らいげい」以降は新型の川崎12V25/31型。「潜水艦用発電装置(07SS用)」は2026年3月16日に45.7億円で契約。 公式・契約
ソナー
たいげい型向け
沖電気工業 6703
東証プライム
「ソーナー装置(ZQQ-8D)」を2026年2月19日に29.8億円で契約。ZQQ-8は、2017年度契約の潜水艦 (たいげい型1番艦) から搭載しているソナー。次世代の「将来潜水艦用ソーナー装置」も同社が受注している。 契約
発射制御装置
たいげい型向けを含む
日立製作所 6501
東証プライム
「潜水艦発射制御装置ZYQ-52B-1」を2026年3月31日に9.2億円、その初度費を11.2億円で契約。品目名に「06SS型」が付く「発射管制模擬装置(潜水艦システムラボラトリ(06SS型))」も同社が受注している。ZYQ-52B-1がどの艦に搭載されるかは、品目名に示されていない。 契約
情報処理装置
たいげい型向けを含む
富士通 6702
東証プライム
「情報処理サブシステムOYX-1(潜水艦用)」を2026年7月17日に11.3億円で契約。2025年3月31日には、品目名に「06SS型」が付く「情報処理サブシステムOYX-1-06(潜水艦システムラボラトリ(06SS型))」を8.2億円で契約した。 契約
潜望鏡
潜水艦に共通
三菱電機 6503
東証プライム
「非貫通式潜望鏡1型改1」を2024年3月29日に25.1億円で契約。船体を貫通させずに外部を見る方式の潜望鏡。搭載する艦型は品目名に示されていない。 契約
魚雷発射管
潜水艦に共通
神戸製鋼所 5406
東証プライム
「53cm水中発射管HU-606C」を2026年2月17日に29.7億円で契約。「潜水艦魚雷防御システム発射装置」も受注。搭載する艦型は品目名に示されていない。 契約
高圧気蓄器
たいげい型向け
日本製鉄 5401
東証プライム
圧縮空気をためる容器。「潜水艦用高圧気蓄器(07SS用)」を2026年1月13日に7.2億円で契約。 契約
表示装置
潜水艦に共通
東京計器 7721
東証プライム
「潜水艦戦術状況表示装置ZQX-12C」の初度費 (生産の準備にかかる初期費用) を2025年3月31日に2.1億円で契約。搭載する艦型は品目名に示されていない。 契約
魚雷・ミサイル
潜水艦に共通
三菱重工業 7011
東証プライム
「18式魚雷(B)」を受注。魚雷発射管から発射するミサイル (潜水艦発射型誘導弾) は、2023年4月7日に開発、2025年9月1日に量産の契約を結んだ。ミサイルを搭載する艦型は、防衛省の発表に示されていない。 公式・契約
次世代艦の研究
次世代艦
川崎重工業・三菱重工業 東証プライム 垂直発射装置 (VLS) を搭載する潜水艦に向け、川崎重工業が「水中発射型垂直発射装置の研究試作(その1)」108.9億円と耐圧殻の研究試作187.7億円 (2025年9月26日)、三菱重工業が設計研究39億円 (2026年7月6日) を契約。 契約

契約の品目名と金額は防衛装備庁の公表による。戦闘指揮システム全体の担当会社と、船体用の鋼材のメーカーは一次資料で確認できていない。 確認日: 2026年9月28日

海上自衛隊の潜水艦関連契約、契約相手方ごとの合計

防衛装備庁が毎月公表する中央調達の契約から、潜水艦の船体と、電池・発電装置・ソナー・発射管などの品目を抜き出し、契約相手方ごとに合計した。対象は2023年度から2026年度の公表分で、新たな公表分は自動で反映する。

契約相手方銘柄件数契約金額の合計主な品目 (公表名)
三菱重工業株式会社 7011 4 1,114.4億円 潜水艦、シミュレーション部(潜水艦システムラボラトリ)、基幹ネットワーク装置(潜水艦システムラボラト…
川崎重工業株式会社 7012 10 713.5億円 潜水艦、潜水艦用発電装置、潜水艦用えい航型アレイ揚収装置ZSW-3 ほか2品目
株式会社ジーエス・ユアサテクノロジー 6674 7 367.2億円 潜水艦用主蓄電池(SLH)、潜水艦用主蓄電池(SCG)
沖電気工業株式会社 6703 7 143.1億円 ソーナー装置(ZQQ-8C)、ソーナー装置(ZQQ-8D)、ソーナー装置(ZQQ-8B) ほか1品目
株式会社神戸製鋼所 5406 9 105.2億円 53cm水中発射管HU-606C、潜水艦魚雷防御システム発射装置、53cm水中発射管低騒音型射出装置本体 ほか1品目
三菱電機株式会社 6503 2 94.2億円 非貫通式潜望鏡1型改1センサマスト、非貫通式潜望鏡1型改1
株式会社日立製作所 6501 9 51.2億円 潜水艦発射制御装置ZYQ-52B-1、潜水艦発射制御装置ZYQ-52B、潜水艦発射制御装置ZYQ-52-3 ほか2品目
富士通株式会社 6702 6 48.7億円 情報処理サブシステムOYX-1(潜水艦用)、情報処理サブシステムOYX-1-06(潜水艦システム…
日本製鉄株式会社 5401 6 24.3億円 潜水艦用高圧気蓄器
東京計器株式会社 7721 7 3.4億円 潜水艦戦術状況表示装置ZQX-12C、潜水艦戦術状況表示装置ZQX-12D、潜水艦戦術状況表示装置ZQX-12B ほか1品目
藤倉コンポジット株式会社 — 3 0.1億円 ゴム浮舟(空気加圧式)

出典: 防衛装備庁「契約に係る情報の公表 (中央調達分)」。地方調達と、造船所が部品メーカーに直接発注した分は含まない。子会社が契約した場合は、親会社の銘柄コードを示した。調達全体は「防衛調達の一次データ」に掲載している。

潜水艦事業は各社のどの事業区分に入るか

表に挙げた日本の4社は、潜水艦だけの受注高や売上高を開示していない。潜水艦が含まれる事業区分と、その区分の直近の数値を示す。決算期の表記は各社の開示による。

会社上場先・銘柄潜水艦を含む事業区分直近の数値補足
三菱重工業 7011
東証プライム
航空・防衛・宇宙 2025年度は受注高1兆9,294億円、売上収益1兆3,938億円、事業利益1,515億円 潜水艦だけの数値は開示していない
川崎重工業 7012
東証プライム
エネルギーソリューション&マリンのうち船舶海洋 2025年度の船舶海洋は受注高966億円、売上収益1,096億円。防衛関連事業のうち「潜水艦、艦艇用主機 他」は受注高1,132億円、売上収益988億円 潜水艦は航空宇宙システムではなく船舶海洋に含まれる。潜水艦だけの数値は開示していない
GSユアサ 6674
東証プライム
特殊電池およびその他 2026年3月期は売上高224億5,400万円、セグメント利益15億200万円 宇宙用と潜水艦用のリチウムイオン電池を含む区分。全社の売上高6,089億9,500万円の3.7%にあたる
沖電気工業 6703
東証プライム
— 品目名に「潜水艦」が付く防衛装備庁との契約は、2024年度に4件、73.9億円 金額は防衛装備庁が公表した契約の合計で、会社の開示ではない。ほかに「ソーナー装置(ZQQ-8C)」を29.6億円、その初度費を35.6億円で契約した
TKMS TKMS
フランクフルト証券取引所
潜水艦部門 2025年10月〜2026年6月の9か月間で、潜水艦部門の売上高は10億100万ユーロ、調整後EBIT (利払い・税引き前利益) は4,600万ユーロ。全社の受注残高は2026年6月末で約201億ユーロ 2025年10月20日に上場し、12月22日にドイツの中型株指数MDAXの構成銘柄に採用された。イスラエル向けの売上高は2025年10月〜2026年3月で1億1,500万ユーロ

出典

ほかの潜水艦は「潜水艦の一覧」に、予算と契約の全体は「防衛調達の一次データ」に、海上自衛隊の保有数は「自衛隊の主要装備の保有数」にまとめている。

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