ファナック FANUC Series 503i-A (工作機械用CNC) FANUC Series 503i-A
ファナックの新世代の数値制御装置 (CNC) 「Series 500i-A」のうち、中型の工作機械向けの機種。最大2系統・12軸を制御し、同時に4軸の輪郭制御ができる。2026年3月期に開発した。CNCは本社と壬生 (栃木県) の工場で造る。輸出には日本政府の許可が要る。価格は公表されていない。
詳細解説
- 開発
- 2026年3月期に500i-Aの新機種として、中型の工作機械向けに開発した fanuc.co.jp
- シリーズ
- 500i-Aは、ファナックが2024年1月に発表した新世代のCNC。501iS-A・501i-A・502iS-A・502i-A・503i-Aの5機種がある fanuc.co.jp
- 顧客
- 工作機械メーカーが機械に組み込む。CNCシステムの主要顧客は工作機械業界 fanuc.co.jp
- 受賞
- Series 500i-Aは第67回日刊工業新聞社十大新製品賞の本賞を受賞した (2025年1月) fanuc.co.jp
- 関連ツール
- 2026年3月期にサーボデータ測定ツール「サーボビューア2」とCNCシミュレーター「CNCガイド2」のライブラリ版を出した fanuc.co.jp
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| CNC工場 (本社) | 山梨県南都留郡忍野村 | CNCの組み立て。ロボットで複雑な組立作業を行う | fanuc.co.jp | |
| CNC工場 (壬生) | 栃木県下都賀郡壬生町 | CNCの組み立て。壬生工場はFA部門の工場で、帳簿価額625億円、従業員438人 (2026年3月末) | fanuc.co.jp | |
| 機種ごとの工場 | 公表されていない | 503i-Aを本社と壬生のどちらで造るかは公表されていない | fanuc.co.jp |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- 制御
- 工作機械の軸の構成をメーカーが自由に定義して制御できる仕組みを持ち、同時5軸加工機や複合加工機の設計を容易にする (500i-Aシリーズ共通) fanuc.co.jp
- 構成
- 表示機能にFANUC iPC (パソコン) を使い、制御部と画面を完全に分けた「デュアルエンジン」構成をとる fanuc.co.jp
- バッテリーレス
- 不揮発性メモリーを使い、メモリー保持用のバッテリーを不要にした fanuc.co.jp
- デジタルツイン
- FANUC Smart Digital Twinで加工時間の予測や干渉の確認を機上で行い、試し削りを減らす fanuc.co.jp
- サーボ
- αi-Dシリーズのサーボと組み合わせる。2026年3月期に高速追従フィードフォワード機能を500i-A向けに加えた fanuc.co.jp
- データ活用
- データ基盤「FIELD system Basic Package」でサーボのデータを集め、故障の予防・検知に使う fanuc.co.jp
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| 最大系統数 | 2系統 | fanuc.co.jp |
| 最大総制御軸数 | 12軸 | fanuc.co.jp |
| 最大同時制御軸数 | 4軸 | fanuc.co.jp |
| 対応ネットワーク | PROFINET、EtherNet/IP、FL-net、Modbus/TCP、PROFIBUS、DeviceNet (シリーズ共通) | fanuc.co.jp |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| CNC制御部 | バッテリーレスのコントロールユニット | ファナック | 6954 | 日本 CNC工場 (本社と壬生) |
工場紹介 A |
| 表示・操作 | FANUC iPC と静電容量式タッチパネルの液晶ユニット 液晶パネルの供給元は公表されていない |
ファナック | 6954 | 日本 公表されていない |
カタログ A |
| サーボモーター・アンプ | αi-Dシリーズ | ファナック | 6954 | 日本 サーボモーター工場・サーボアンプ工場 (本社と壬生) |
工場紹介 A |
| 樹脂部品 | CNC用のプラスチック部品 | ファナック | 6954 | 日本 モールド工場 (本社と壬生) |
工場紹介はロボショットで成形すると記す A |
| 半導体・電子部品 | 公表されていない | 公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
ファナックは半導体の調達先を開示していない A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1電装品CNC・サーボモーター・サーボアンプを本社と壬生で、モーター用センサーを隼人で造る企業: ファナック
- 2国内子会社ファナックは、ファナックパートロニクスとファナックサーボをFA部門の主要な会社に挙げる企業: ファナックパートロニクス、ファナックサーボ
- 3中国での合弁ファナックは、北京の合弁会社ベイジン・ファナック・メカトロニクス (BEIJING-FANUC Mechatronics) をFA部門の主要な会社に挙げる企業: ベイジン・ファナック・メカトロニクス
- 4工作機械メーカー工作機械メーカーがCNCを機械に組み込み、最終利用者に売る企業: 公表されていない
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1樹脂部品の成形自社の射出成形機ロボショットでCNC用の樹脂部品を成形する設備・企業: ファナック (本社と壬生)
- 2組み立てロボットを多数使い、従来は人手でしか行えなかった複雑な組立作業をロボットで行う設備・企業: ファナック (本社と壬生)
💴 販売価格と補助金
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| FANUC Series 503i-A | 公表されていない (工作機械メーカーとの取引) | 2026-11-06 | fanuc.co.jp |
| 項目 | 額 (円) | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 国・自治体の補助金 | 公表されていない | 製品の案内と発表に補助金の記載はない | fanuc.co.jp |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 工作機械メーカー経由 | 最終利用者は工作機械に組み込まれた形で買う | fanuc.co.jp |
| 直販 (工作機械メーカー向け) | ファナックのFA営業の窓口が工作機械メーカーからの相談に応じる | fanuc.co.jp |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 生涯保守 | ファナックは顧客が商品を使い続ける限り保守する「生涯保守」を掲げる。世界に280以上のサービス拠点を置き、100か国以上で保守する (2026年11月時点) | fanuc.co.jp |
| 国内の保守窓口 | 国内のFA商品の修理依頼・部品販売・保守契約を専用の窓口で受ける | fanuc.co.jp |
| 移行支援 | 前の世代のSeries 30i-B Plusのデータを500i-A用に一括変換できる | fanuc.co.jp |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 輸出管理 | カタログはSeries 500i-Aの輸出には日本政府の許可が必要と明記し、米国の再輸出規制を受ける場合もあるとする | fanuc.co.jp |
| FA部門の地域別の動き | 2026年4〜9月は中国とインドが好調で、国内は工作機械メーカーの輸出向けの生産が支えた | fanuc.co.jp |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | FA部門の連結売上高 | 2,085 | 億円 | 前期比7.0%増。連結売上高の24.3% | fanuc.co.jp |
| 2026年4〜9月 | FA部門の連結売上高 | 1,199 | 億円 | 前年同期比15.4%増 | fanuc.co.jp |
| 2026年3月期以降 | 503i-Aの販売台数 | 公表されていない | 台 | fanuc.co.jp |
💰 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 壬生工場の帳簿価額 (2026年3月末) | 625億200万円 | fanuc.co.jp |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
503i-Aは500i-Aの中で最も制御軸の少ない機種で、ミドルクラスの工作機械に新世代CNCを広げる役割を持つ。ファナックはCNCとサーボを一体で開発し、工作機械メーカーが自社の機械に組み込む形で売る。このため最終的な台数は工作機械の生産に左右される。ファナックは、2026年4〜9月のFA部門の売上高が15.4%増え、中国のデータセンターや半導体関連の加工需要が押し上げたと説明した。500i-Aは輸出に日本政府の許可が要るとカタログが明記しており、海外の工作機械メーカーへの供給は許可が前提になる。機種別の売上は公表されていない。表示などを制御部と独立したFANUC iPCで動かして操作性を高め、バッテリーをなくして保守費用を抑える (会社発表)。サーボの稼働データを集める機能も加え、故障の予防を売り物にした。
公表されていないこと
- 503i-Aの発売日と販売台数
- 503i-Aを造る工場 (本社か壬生か)
- 半導体・液晶の調達先
出所
- FANUC Series 500i-A 製品ページ (2026-11-06)
- Series 500i-A カタログ (2025年7月版) (2025-07-01)
- 新商品案内 Series 500i-A (2024-01-01)
- ファナック 有価証券報告書 第57期 (2026年3月期) (2026-06-22)
- ファナック 2027年3月期第2四半期決算短信 (2026-10-23)
- ファナック 工場紹介 (2026-11-06)
- ファナック 決算説明会 質疑要旨 (2026年7月31日) (2026-07-31)
出所との照合日: 2026年11月6日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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