📦 製品の詳細 システム

コマツの無人ダンプトラック運行システムAHS(FrontRunner) FrontRunner Autonomous Haulage System

コマツが鉱山向けに売る無人ダンプトラック運行システム。中央管制が車両の位置と稼働を把握し、超大型ダンプが運転手なしで走って運搬・排土する。2008年に商用導入し、累計導入台数は1,016台 (2026年3月末)。世界6か国の鉄鉱石・銅・金などの鉱山で動く。価格は公表されていない。

🏢 小松製作所 の企業ページ

詳細解説

商用導入
コマツは2008年にAHSを商用導入し、「世界で初めて」と主張する。最初の導入先の鉱山名は公表されていない。 komatsu.jp
開発の経緯
1970年代半ばに自動運転の基礎研究を始め、1990年代に運行管理 (FMS) のモジュラーマイニングシステムズ (米国) をグループに入れた。車両制御とFMSの技術を合わせて実用化した。 komatsu.jp
累計導入台数
2026年3月末時点で1,016台 (有価証券報告書)。 disclosure2dl.edinet-fsa.go…
1,000台目
2026年4月22日、超大型の自動運転ダンプの累計導入台数が1,000台に達したと発表した。1,000台目は290トン積みの930E-5ATで、バリック・マイニングのネバダ・ゴールド・マインズ (米国) に納めた。 komatsu.jp
累計稼働台数 (2023年5月)
650台超 (2023年5月時点・5か国22鉱山)。 komatsu.jp
超大型の累計導入台数の推移
700台超 (2024年2月・5か国23鉱山)、1,000台 (2026年4月・6か国)。 komatsu.jp
導入国と鉱種
チリ・オーストラリア・カナダ・ブラジル・スウェーデン・米国の6か国で、鉄鉱石・銅・オイルサンド・石炭・金を24時間運ぶ。累計運搬量は115億トンを超えた (2026年4月)。 komatsu.jp
中期経営計画の目標
2028年3月期に累計導入台数1,200台を目標にする。 komatsu.jp
周辺の開発
トヨタ自動車と、AHSの管制下で自動走行するライトビークル (作業員などを運ぶ小型車) を開発する協業を2023年5月に始めた。コマツは2026年6月の有価証券報告書でも協業を続けるとしている。 disclosure2dl.edinet-fsa.go…

🏭 製造工場

この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。

工場所在地役割備考出所
コマツアメリカのピオリア工場米国イリノイ州ピオリアダンプトラックの生産設備を持つ (有価証券報告書)。AHS対応の930E-5AT・980E-5ATをどこで造るかは公表されていない。disclosure2dl.edinet-fsa.go…
茨城工場茨城県ひたちなか市ダンプトラックとホイールローダーなどの生産設備を持つ。AHSの車両をここで造るかは公表されていない。disclosure2dl.edinet-fsa.go…
管制システムの開発公表されていない管制とFMSのソフトウエアの開発拠点は公表されていない。komatsu.com

⚙️ 技術・仕組み

どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。

中央管制
中央管制システムが各車両の位置と稼働をリアルタイムで把握し、運行全体を監視・管理する。 komatsu.jp
測位と自律走行
全球測位衛星システム (GNSS) などの位置情報をもとに、ダンプが自律的に走行し、運搬と排土を行う。 komatsu.jp
DISPATCHとの連携
運行管理システムDISPATCHが混雑に応じて最適な行き先を決め、その指示で車両制御システムFrontRunnerがトラックを走らせる。 komatsu.jp
最適運転制御
急加速と急ハンドルを抑え、タイヤの寿命が40%延びる効果を実証したとコマツは発表した。 komatsu.jp
3次元LiDAR
コマツは2025年5月、自律走行の鉱山機械の今後の製品にオウスターのREV7シリーズの3次元LiDAR (レーザー光で距離を測るセンサー) を載せる契約を結んだと発表した。従来の2次元LiDARから切り替え、検知や走行、衝突回避の性能を高める計画を示した。搭載の機種と時期は公表されていない。 komatsu.com
有人車との混在
管制下の走路では無人ダンプと有人のライトビークルが混在し、すれ違うときに無人ダンプが減速・停止する。トヨタと開発する自動運転のライトビークルは、この待ち時間を減らす狙いがある。トヨタが車両を、コマツが管制システム上の管理プログラムを開発する。 komatsu.jp
次世代
アプライド・インチュイションと共同開発するソフトウエア定義車両 (SDV、ソフトウエアの更新で機能を加えられる車両)の基盤で、AHSダンプの自動化をさらに進める方針だ。 komatsu.jp

主要諸元

項目値出所
対象車両 (1,000台目)930E-5AT (積載290トン)komatsu.jp
対象車両 (700台超の時点)400トン積載の980E-5ATを含む (コマツの日本語の発表の表記)komatsu.jp
コスト削減積み込み・運搬作業で15%以上 (会社発表)komatsu.jp
保守タイヤとブレーキの寿命が平均40%延び、保守全体が13%減る (設計の範囲で運用した場合・コマツアメリカ発表)komatsu.com
稼働実績17年超の稼働、運搬量100億トン超、システムに起因する人身事故0件 (2025年10月時点・コマツアメリカ発表)komatsu.com
社会的価値インパクト会計で2025年3月期に生んだ社会的価値を約3,600億円と算定した (会社算定)komatsu.jp

🔩 各部品と部品メーカー

部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。

部品品名・型式メーカー銘柄国・製造拠点根拠
3次元LiDAR REV7シリーズの長距離用・短距離用センサー (今後の製品向け)
2025年5月の契約。今後の製品に載せる計画で、搭載の機種と時期は公表されていない。米ナスダック上場 (発表の表記)。数百万ドル規模の契約 (会社発表)
オウスター — 米国
公表されていない
コマツが2025年5月の発表で、自律走行の鉱山機械の今後の製品にオウスターのLiDARを載せる契約を結んだと明記した A
運行管理ソフト DISPATCH モジュラーマイニングシステムズ
コマツの子会社
6301 米国
公表されていない
コマツが統合報告書で、DISPATCHの指示に基づいてFrontRunnerがトラックを走らせると説明する A
測位受信機 (GNSS) 公表されていない 公表されていない — 公表されていない
公表されていない
コマツはGNSSの位置情報を使うと説明するが、受信機の供給元は示していない A
車両 (超大型ダンプ) 930E-5AT・980E-5AT コマツ 6301 日本
公表されていない
コマツの発表が対象車両の型番を示す A

🔗 部品製造サプライチェーン

材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。

  1. 1車両
    コマツが超大型ダンプを造る。
    企業: コマツ
  2. 2運行管理
    子会社モジュラーマイニングシステムズのDISPATCHが行き先を決める。
    企業: モジュラーマイニングシステムズ
  3. 3センサー
    今後の自律走行の製品に載せる3次元LiDARを、オウスターから調達する契約を結んだ (2025年5月)。搭載の機種と時期は公表されていない。
    企業: オウスター
  4. 4現地の支援
    コマツと販売代理店が鉱山ごとに保守と運用の支援をする。
    企業: コマツ・販売代理店
  5. 5周辺の車両
    トヨタ自動車が、AHSの管制下で走る自動運転のライトビークルを開発中 (2026年9月時点)。
    企業: トヨタ自動車

🏗️ 製造ライン

工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。

  1. 1車両の組み立て
    AHS対応車の生産ラインと工場の割り当ては公表されていない。
    設備・企業: コマツ
  2. 2導入
    評価、試行、拡大、最適化の4段階で鉱山に導入する (コマツアメリカの案内)。
    設備・企業: コマツ

💴 販売価格

型番・グレード税込価格 (円)時点出所
AHS (システム・車両)公表していない。鉱山ごとの見積もり2026-11-08komatsu.com

🛒 購入方法

経路内容出所
直販・販売代理店コマツと販売代理店が鉱山会社に提案する。コマツアメリカはサイトで実演の申し込みを受け付ける。komatsu.com

🛠️ アフターサービス・保守サービス

項目内容出所
現地の支援鉱山機械は10〜15年使われるため、コマツと販売代理店が鉱山ごとに支援し、安定した稼働を保つ。komatsu.jp
機能の改善導入後も現場ごとの課題に応じて機能の強化と改善を重ねてきた。SDV化でソフトウエアの更新を機械の停止を抑えて行う方針。komatsu.jp
保証の年限保証の年限は公表されていない。komatsu.com

🌏 海外輸出

仕向け地内容出所
チリ・オーストラリア・カナダ・ブラジル・スウェーデン・米国AHSが稼働する6か国 (2026年4月時点)。komatsu.jp
輸出管理外為法や米国の輸出管理規則の対象かどうかは公表されていない。disclosure2dl.edinet-fsa.go…

📈 販売の実績

期間指標値単位備考出所
2026年3月末累計導入台数1,016台有価証券報告書disclosure2dl.edinet-fsa.go…
2024年2月累計導入台数700超台5か国23鉱山komatsu.jp
2026年3月期AHSの売上高公表されていないdisclosure2dl.edinet-fsa.go…

💰 金額

項目値備考出所
オウスターとの契約数百万ドル規模 (会社発表)komatsu.com

解析 — 部品・製造・販売の特徴

AHSの累計導入台数は2026年3月末で1,016台とされる一方、コマツは4月に超大型ダンプで1,000台に達したと発表した。数え方の違いはコマツが説明していない。台数は2023年5月の累計稼働650台超、2024年2月の累計導入700台超から伸びた。導入国はチリ・オーストラリア・米国など6か国で、顧客は資源大手が中心だ。安全面では、システムに起因する人身事故0件をコマツアメリカが掲げる。有人車とすれ違うときの減速や停止を減らすため、トヨタと開発する自動運転のライトビークルは、顧客の現場での実証の結果がまだ公表されていない。オウスターとの3次元LiDARの契約は今後の製品向けで、どの車両にいつ載るかは示されていない。収益の大きさは区分して開示されず、中期経営計画は2028年3月期に1,200台を目標に置く。

公表されていないこと

  • AHS対応のダンプを造る工場
  • 有価証券報告書の1,016台と、4月の発表の1,000台目の数え方の違い (研究開発の項は「総稼働台数」と呼ぶ)
  • トヨタとの自動運転のライトビークルの顧客の現場での実証の結果
  • オウスターのLiDARを載せる機種と時期
  • AHSの売上高と導入の価格

出所

  1. 有価証券報告書 第157期 (2026-06-18)
  2. 超大型自動運転ダンプトラック累計導入台数1,000台を達成 (2026-04-22)
  3. AHS導入台数700台達成 (2024-03-14)
  4. コマツレポート2026 特集1 (2026-09-11)
  5. コマツレポート2026 社会課題解決KPI (2026-09-11)
  6. FrontRunner AHS (コマツアメリカ) (2026-11-08)
  7. Ouster to supply lidar sensors (2025-05-13)
  8. コマツ、トヨタ ライトビークルを開発へ (2023-05-17)

出所との照合日: 2026年11月8日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。

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