コマツの遠隔操作システムSmart Construction Teleoperation Smart Construction Teleoperation
コマツと子会社EARTHBRAINが共同開発した建設機械の遠隔操作システム。事務所などのコックピットから油圧ショベルを動かし、1つの席から複数の機械を切り替えて操作する。2024年5月に販売を始め、2026年6月にはICT施工の機能を遠隔で使えるPC200i-12遠隔システム仕様を加えた。価格は公表されていない。
詳細解説
- 開発と提供
- 2022年に開発に着手し (コマツレポート2026)、2023年3月に量産前の段階で顧客への提供を始めた。 komatsu.jp
- 販売の開始
- 2024年5月21日からコマツカスタマーサポートで販売している。 komatsu.jp
- 車載型
- 大型バンにコックピットを載せた「モビリティーオフィス」を2024年12月に発売した。ベース車両はトヨタ自動車のハイエースかフィアットのデュカト。 komatsu.jp
- SDV機の遠隔仕様
- 2026年6月17日、PC200i-12遠隔システム仕様と、それに対応させたシステムを発売した。ICT機能を使わない顧客向けにPC210-12遠隔システム仕様も同日に出した。 komatsu.jp
- 導入先
- 廣瀨 (新潟県) が導入し、河川の掘削工事で使う。鴻治組 (広島県) はモビリティーオフィスで法面工事の遠隔施工をした。 komatsu.jp
- 鉱山のブルドーザー
- 英アングロ・アメリカンのブラジルの鉄鉱山で、大型ICTブルドーザーD375Ai-8の遠隔操作仕様を2023年5月に商用で動かし始めた。同鉱山は遠隔操作の後付けキットを付けられるD475A-8Rを2023年末までに6台入れ、段階的に遠隔化する計画を示していた。 komatsu.jp
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| コックピット・車載機器 | 公表されていない | コックピットと建機の車載キットの製造工場は公表されていない。 | komatsu.jp | |
| コマツIoTセンター東京 | 千葉県千葉市美浜区 | 見学会では、愛媛県の会場からこのセンターの油圧ショベルを遠隔で動かした。 | komatsu.jp |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- 映像と通信
- 高精細な映像の伝送と低遅延の通信、機体の高い応答性で、視界と操作感を運転席で操作するときに近づける。第5世代移動通信システム (5G) のネットワークと高速の圧縮技術を使う。 jp.smartconstruction.com
- 複数機の切り替え
- 1台の遠隔操作席から複数の建設機械を切り替えて操作できる。 komatsu.jp
- 遠隔でのICT施工
- PC200i-12遠隔システム仕様は、3Dマシンコントロール、積み込みを助ける自動旋回、3次元のジオフェンス、KomVisionの周囲カメラと衝突検知ブレーキを遠隔操作でも使える。 komatsu.jp
- 施工管理との連携
- Smart Construction Fleetと連携し、ダンプの位置や到着の予定を見ながら掘削できる。 komatsu.jp
- 通信の確保
- 通信が不安定な山間部では、光回線や衛星通信につなぐ「通信不感地対策Wi-Fiパック」で通信の場を作る。 komatsu.jp
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| 遠隔の距離 | 最大6,500キロ離れた現場で施工できることを実証した (会社発表) | komatsu.jp |
| コックピット | インテリジェントサークル (幅200×奥行き360×高さ250センチ)、スペースシップ (幅270×奥行き420×高さ230センチ)、インテリジェントキューブ、モビリティーオフィス | jp.smartconstruction.com |
| 対応機種 | PC200i-12遠隔システム仕様・PC210-12遠隔システム仕様 (どちらも長い下部走行体のLC仕様あり)、PC200系・PC300系・PC400系のラジコン仕様 | jp.smartconstruction.com |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| モビリティーオフィスの車両 | ハイエース・デュカト 証券コードはトヨタ自動車。フィアットは欧州ステランティスのブランド |
トヨタ自動車・フィアット | 7203 | 日本・イタリア 公表されていない |
コマツの発表がベース車両を明記する A |
| 映像・通信技術 | 公表されていない | 公表されていない パートナー企業 |
— | 公表されていない 公表されていない |
コマツは遠隔操作技術にパートナー企業の映像・通信技術を組み合わせたと説明し、社名は示していない A |
| 建機 | PC200i-12遠隔システム仕様ほか | コマツ | 6301 | 日本 公表されていない |
コマツの発表 A |
| 中継室キット・建機車載キット | 公表されていない | 公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
コマツの発表は別途必要なキットとして挙げるだけで供給元を示していない A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1開発コマツとEARTHBRAINが共同で開発した。企業: コマツ・EARTHBRAIN
- 2販売国内はコマツカスタマーサポートが販売する。企業: コマツカスタマーサポート
- 3通信光回線や衛星通信の契約は顧客が各通信事業者と結ぶ。企業: 顧客・通信事業者
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1仕様の決定使用条件や環境が顧客ごとに違うため、問い合わせごとに仕様を検討して提供する。設備・企業: コマツ・EARTHBRAIN
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 遠隔操作システム・モビリティーオフィス | 公表していない。販売代理店に問い合わせ | 2026-11-08 | komatsu.jp |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 販売代理店 | 全国のコマツカスタマーサポートで扱う。 | komatsu.jp |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| ソフトウエア | PC200i-12はSDVのため、今後の機能の追加と高度化に対応する。更新の料金は公表されていない。 | komatsu.jp |
| 保守 | 保守の体制と年限は公表されていない。 | komatsu.jp |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 日本 | コマツカスタマーサポートが国内で売る。建設現場向けの海外での販売は公表されていない。鉱山の遠隔ブルドーザーはブラジルで動く。 | komatsu.jp |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 販売台数 | 公表されていない | disclosure2dl.edinet-fsa.go… |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
遠隔操作の価値は、移動時間を減らし、1人で複数の現場を受け持てる点にある。廣瀨は片道1時間ほどの移動が大きく減ったと統合報告書で語った。課題として、利用者は奥行きのつかみにくさやカメラの位置を挙げる。PC200i-12遠隔システム仕様は、3Dマシンコントロールなどで操作の遅れや微調整の難しさを機械側で補う。遠隔操作は自動運転の前段にもあたり、同じSDVの機体の上で自動化の機能を足していける。コマツは、車載型のモビリティーオフィスで災害時に被災地へ駆け付け、ドローンの測量データで状況をつかむ使い方も示す。鉱山ではブラジルで大型ICTブルドーザーの遠隔操作仕様が2023年5月から商用で動く。販売台数と価格はどちらも公表されていない。
公表されていないこと
- 販売台数と価格
- 映像と通信の技術を出すパートナー企業
- ブラジルの鉱山で計画したD475A-8R 6台の遠隔化の進み具合
- 建設現場向けの海外での販売
出所
- Smart Construction Teleoperationを販売開始 (2024-05-21)
- モビリティーオフィス販売開始 (2025-04-18)
- PC200i-12遠隔システム仕様と遠隔操作システムの販売を開始 (2026-06-16)
- Smart Construction Teleoperation 製品ページ (2026-11-08)
- コマツレポート2026 特集1 (2026-09-11)
- Minas-Rio鉄鉱山での大型ICTブルドーザー遠隔操作の商用稼働を開始 (2023-06-13)
- 有価証券報告書 第157期 (2026-06-18)
- 建設機械向け遠隔操作システムを開発、お客さまへの提供を開始 (2023-04-14)
出所との照合日: 2026年11月8日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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