コマツのSDV型ICT油圧ショベルPC200i-12とマシンコントロール建機(iMC) PC200i-12 / Intelligent Machine Control
コマツが設計データで作業機を制御するICT (情報通信技術) 建機の系列。2024年12月に20トン級のPC200i-12を出した。3Dマシンガイダンスを標準で載せた、ソフトウエア定義車両 (SDV) 型の油圧ショベルだ。13トン級と30トン級にも広げた。マシンコントロール建機iMCは全世界で2万2,000台以上を提供した (2026年7月発表)。PC200i-12の公表価格は3,150万円 (税抜き)。
詳細解説
- ICT建機の始まり
- 2013年にICT建機を市場に投入し、作業機操作のセミオート化を実現した (コマツは「世界で初めて」と主張)。2014年にマシンコントロールの油圧ショベルをレンタル機として出した。 komatsu.jp
- PC200i-12の発売
- 2024年12月1日に発売した、コマツ初のSDVの油圧ショベル。日本の後、欧米と豪州に導入した。 komatsu.jp
- 系列の拡大
- 2026年6月に13トン級のPC128USi-12・PC138USi-12を発売した。11月には30トン級のPC300i-12を発売した。 komatsu.jp
- チルトローテータ対応
- 2026年10月23日、チルトローテータ (バケットを傾けたり回したりするアタッチメント) を付けられるPC200i-12を発売した。 komatsu.jp
- 提供実績
- マシンコントロール建機iMCを2万2,000台以上、後付けのキット3D Machine Guidanceを9,000台以上、全世界で提供した (2026年7月発表)。 komatsu.jp
- ICTブルドーザー
- コマツは作業機の全自動制御を載せたICTブルドーザーを開発し、販売している (有価証券報告書)。 disclosure2dl.edinet-fsa.go…
- ICTブルドーザーの制御
- 粗掘削から仕上げの整地まで、ブレードを自動で制御する (コマツカスタマーサポートの案内)。 kcsj.komatsu
- 国の制度
- 国の公共工事では土工と河川浚渫で2025年度からICT施工が原則になった (国土交通省の方針。コマツの発表による)。 komatsu.jp
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| 粟津工場 | 石川県小松市 | ブルドーザー・油圧ショベル・ホイールローダーなどの生産設備を持つ。 | disclosure2dl.edinet-fsa.go… | |
| 大阪工場 | 大阪府枚方市など | ブルドーザー・油圧ショベル・自走式破砕機などの生産設備を持つ。 | disclosure2dl.edinet-fsa.go… | |
| 湘南工場 | 神奈川県平塚市 | コントローラー・モニター・ハイブリッドの部品の生産設備を持つ。 | disclosure2dl.edinet-fsa.go… | |
| 機種ごとの工場 | 公表されていない | PC200i-12などをどの工場で組み立てるかは公表されていない。 | komatsu.jp |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- 3Dマシンガイダンス
- 設計データと自機の位置・姿勢を運転席の画面に出し、オペレーターが掘削の位置を判断する。センサーと全球測位衛星システム (GNSS) のアンテナでバケットの刃先の位置を求める。 komatsu.jp
- 3Dマシンコントロール
- 設計データに沿って作業機を自動で止めたり、操作を補ったりする。PC200i-12ではソフトウエアで切り替え、料金は一括払いか、使った分だけ払う方式かを選べる。 komatsu.jp
- 電子制御油圧
- 電気レバーを使う電子制御油圧システム (EHS) で、レバー操作を電気信号として制御する。ソフトウエアで機能を足す土台になる。 komatsu.jp
- 自動旋回とセミオート
- PC200i-12はダンプへの積み込みを助ける自動旋回を持つ。PC300i-12は溝掘削で旋回と走行の位置合わせを半自動にする。 komatsu.jp
- 3次元のジオフェンス
- 設定した作業制限の空間に近づくと自動で止まり、電線や配管との接触を防ぐ。コマツはPC200i-12で「業界で初めて」装備したと主張する。 komatsu.jp
- チルトローテータとの連携
- ロトティルト・スチールリスト・エンコンの3社と組み、チルトローテータを付けたときにも3Dマシンコントロールを使えるようにした。姿勢の保持や複合軸のバケット操作を機械が補う。 komatsu.jp
- 遠隔での更新
- 拡張できるシステムで、新機能の提供や修正をソフトウエアの更新で遠隔から行う。 komatsu.jp
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| PC200i-12の性能 | 従来機比で燃費効率20%改善、作業量18%向上、掘削力7%向上 (会社発表) | komatsu.jp |
| PC300-12の性能 | 従来機PC300-11比で燃料消費量を20%減らし、燃費効率は25%向上 (社内試験) | komatsu.jp |
| 周囲カメラ | KomVisionで機械の周囲を360度映す (従来機は270度) | komatsu.jp |
| 排出ガス | PC200i-12は特定特殊自動車排出ガスの2014年規制に対応する | komatsu.jp |
| 販売目標 | PC200i-12は日本で年1,000台 | komatsu.jp |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| チルトローテータ | 各社のチルトローテータ 装着は顧客の選択。標準の部品ではない |
ロトティルト・スチールリスト・エンコン | — | 公表されていない 公表されていない |
コマツが3社と装着の仕様と3Dマシンコントロールとの連携を共同で開発したと発表した A |
| コントローラー・モニター | 公表されていない | コマツ 湘南工場で生産設備 |
6301 | 日本 神奈川県平塚市 |
有価証券報告書が湘南工場をコントローラーとモニターの生産設備と記す。PC200i-12への搭載の明示はない A |
| GNSSアンテナ・受信機 | 公表されていない | 公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
コマツはアンテナを車体に埋め込んだと説明し、供給元は示していない A |
| エンジン | 新型エンジン コマツは小山工場にエンジンの生産設備を持つ |
公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
発表は出力を上げた新型エンジンとだけ記す A |
| カメラ・レーダー | KomVision | 公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
コマツは13トン級と30トン級の発表でカメラとレーダーで検知すると説明し、部品の供給元は示していない A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1機械コマツが開発・生産する。企業: コマツ
- 2アプリスマートコンストラクションの一部のアプリを標準で載せ、EARTHBRAINが提供する。企業: EARTHBRAIN
- 3アタッチメントチルトローテータはスウェーデンの3社の製品に対応する。企業: ロトティルト・スチールリスト・エンコン
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1組み立て機種ごとの生産ラインは公表されていない。設備・企業: コマツ
- 2生産の管理工場の稼働を見える化する仕組みKOM-MICSで、設備・工程・人・モノのデータを集めて改善に使う。設備・企業: コマツ
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| PC200i-12 (3Dマシンガイダンス標準・本体) | 3,150万円 (税抜き・工場渡し) | 2024-11-27 | komatsu.jp |
| PC128US-12・PC138US-12・PC128USi-12・PC138USi-12 | 2,230万〜2,485万円 (税抜き・工場渡し) | 2026-06-17 | komatsu.jp |
| PC300i-12 | 5,137万5,000円 (税抜き・工場渡し) | 2026-10-30 | komatsu.jp |
| PC300-12 (ICT機能なし) | 4,523万円 (税抜き・工場渡し) | 2026-10-30 | komatsu.jp |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 販売代理店・レンタル | 国内ではコマツカスタマーサポートが販売とレンタルを扱う。ICT建機のレンタルもある。 | kcsj.komatsu |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| ソフトウエアの更新 | 新機能の提供や修正を遠隔で行う。PC128USi-12などはセミオートの機能を順次足す。 | komatsu.jp |
| 保守 | PC200i-12は作動油やフィルターの交換の間隔を延ばした。点検部品は地上から整備できる配置にした。 | komatsu.jp |
| 稼働管理 | Komtraxで稼働を遠隔で管理する。 | kcsj.komatsu |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 欧米・豪州 | PC200i-12は2024年12月の日本に続き、欧米と豪州に導入した。 | komatsu.jp |
| 欧州 | PC220LCi-12は2025年4月にドイツの建設機械見本市バウマで初めて展示した。 | komatsu.jp |
| 輸出管理 | 外為法や米国の輸出管理規則の対象かどうかは公表されていない。 | komatsu.jp |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | ICT建機化率 (日米欧豪) | 28.7 | % | 3Dマシンコントロールか3Dマシンガイダンスを載せた油圧ショベルとブルドーザーの販売割合 | disclosure2dl.edinet-fsa.go… |
| 2026年7月まで | iMCの提供台数 (累計) | 2万2,000以上 | 台 | 全世界 | komatsu.jp |
| 2026年3月期 | PC200i-12の販売台数 | 公表されていない | 目標は日本で年1,000台 | disclosure2dl.edinet-fsa.go… |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
コマツはPC200i-12で3Dマシンガイダンスを標準にし、一括払いに加えて、マシンコントロールを使った分だけ払うプランを選べるようにした。初期の費用を抑えてICT施工の入り口を広げる狙いで、ICT建機化率を2026年3月期の28.7%から2028年3月期に47%へ上げる目標の柱になる。機械はソフトウエアの更新で機能を足すSDV型で、遠隔操作仕様やチルトローテータ対応も同じ機体の上に重ねた。30トン級ではICT機能のないPC300-12を4,523万円、PC300i-12を5,137万5,000円で並べ、顧客が機能の要否で選べるようにした。13トン級と30トン級では、ICT機能の有無を問わず衝突検知ブレーキを載せた。PC200i-12の販売実績は公表されていない。
公表されていないこと
- PC200i-12の販売台数
- 機種ごとの組み立て工場
- 3Dマシンコントロールの利用料金
- GNSS受信機とカメラ・レーダーの供給元
出所
- 新世代油圧ショベルPC200i-12を新発売 (2024-11-27)
- 13トンクラスの後方超小旋回油圧ショベルを新発売 (2026-06-17)
- PC300-12/PC300i-12を新発売 (2026-10-30)
- PC200i-12 チルトローテータ装着可能車を発売 (2026-10-23)
- PC220LCi-12をbauma2025にて初出展 (2025-04-07)
- シンガポールでスマートコンストラクションを本格導入 (2026-07-08)
- ICT建機ラインナップ (コマツカスタマーサポート) (2026-11-08)
- 有価証券報告書 第157期 (2026-06-18)
- コマツレポート2026 特集1 (2026-09-11)
- コマツレポート2026 研究開発戦略 (2026-09-11)
出所との照合日: 2026年11月8日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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