日産の次世代プロパイロット(ウェイブのAIとLiDARを使う運転支援) Next-generation ProPILOT
日産が開発中の運転支援システム。英ウェイブの人工知能 (AI) ソフト「Wayve AI Driver」と、光で距離を測るLiDARを使う日産の認識技術を組み合わせる。高速道路に加え一般道を含め、出発地から目的地まで (ドア・ツー・ドア) の支援を目指す。米自動車技術者協会 (SAE)の区分でレベル2で、運転の責任はドライバーが負う。最初の搭載車を2027年度に国内で発売する計画で、価格は公表されていない。
詳細解説
- 発表
- 日産は2025年4月10日、ウェイブのAI Driverと日産のグラウンド・トゥルース・パーセプション技術で構成する次世代の運転支援を、2027年度から市販車に載せると発表した。 global.nissannews.com
- 試作車の公開
- 2025年9月22日、日産アリアを基にした開発試作車で東京・銀座の市街地を走らせ、運転の様子を公開した。 global.nissannews.com
- 協業契約
- 日産とウェイブは2025年12月10日、次世代プロパイロットを載せる車種にAI Driverを採用する協業契約を結んだ。日本や北米など世界の市場に投入する方針を示した。 global.nissannews.com
- 発売の予定
- 最初の搭載モデルを2027年度に国内で販売する予定 (2025年12月10日の発表)。 global.nissannews.com
- 国内の量産モデル
- 日産は2025年9月22日、次世代プロパイロットを2027年度中に国内向けの一部の量産モデルに載せる予定だと発表した。 global.nissannews.com
- エルグランドへの導入
- 2026年夏に発売したエルグランドには、商品の改良の一環として2027年度末までに次世代プロパイロットを導入する (2026年4月14日の長期ビジョン)。 global.nissannews.com
- 位置づけ
- 日産はAIで車の機能を決める「AIディファインドビークル (AIDV)」を技術の柱とし、AIドライブ技術を載せるモデルを、長期的にラインアップの9割ほどまで広げる方針を掲げる。 global.nissannews.com
- 自動運転の区分
- 米自動車技術者協会 (SAE)の区分でレベル2。ドライバーは運転席で常に車両を制御し、交通状況を監視する責任を負う。 global.nissannews.com
- ホンダとの共同開発
- 日産は2026年8月31日、ホンダと、ソフトウエアで機能を決める次世代の車 (SDV) の中核の電子制御装置 (ECU) と、車載OS・ミドルウエア・車両制御ソフトの主要部分を共通にする共同開発契約を結んだ。2029年度以降の両社の次世代SDVへの採用を目指す。次世代プロパイロットとの関係は公表されていない。 global.nissannews.com
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| 搭載車の車両工場 | 公表されていない | 最初の搭載モデルの車名と生産工場は公表されていない。試作車の基になった日産アリアは栃木工場 (栃木県上三川町) で組み立てる。 | nissan-global.com | |
| ソフトウエアの開発拠点 | 英国ロンドン・神奈川県横浜市 | ウェイブはロンドンに本社を置き、2025年4月に横浜に試験と開発の拠点を開いた。東京とその周辺で試験する。 | wayve.ai |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- Wayve AI Driver
- カメラの画像を処理して運転を決めるウェイブのソフト。現実の世界で体を動かすAI (エンボディドAI) の基盤モデルに基づき、周囲の状況の変化を学び、次に起きることと、自車の動きが周りに与える影響を予測する。 global.nissannews.com
- 地図への依存
- AI Driverは高精度地図 (HDマップ) を使わずに実際の走行データから学び、新しい道路や都市に適応すると、日産・ウェイブ・ウーバーの3社は説明する (2026年3月12日)。 global.nissannews.com
- グラウンド・トゥルース・パーセプション
- 次世代の高性能なLiDAR (光で距離を測るセンサー)とカメラ、レーダーの情報を組み合わせ、周囲の空間と物体の形をとらえて変化を即時に把握する日産の技術。2022年4月25日に発表した。 global.nissannews.com
- LiDARの役割
- 次世代プロパイロットの搭載車はLiDARを屋根に載せる。カメラの認識距離より遠くを正確にとらえ、高速走行時と夜間の安全性を高める。 global.nissannews.com
- 量産車からの学習
- 日産とウェイブは、量産車で集めた走行データから学び、改良を続けるとしている。 global.nissannews.com
- 日本の道路への適応
- ウェイブは、日本で集めたデータを1%使って1か月学習させると、日本に合わせる前の2倍の性能になったと発表した。3か月で日本のデータを2%加え、日本でも安定して走る世界共通の基準のモデルを作った (2025年10月22日、会社発表)。 wayve.ai
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| 試作車のセンサー | カメラ11個・レーダー5個・次世代のLiDAR (光で距離を測るセンサー)1個 (日産アリアの開発試作車、2025年9月) | global.nissannews.com |
| 支援の範囲 | 高速道路に加え、一般道や敷地内を含む出発地から目的地まで (ドア・ツー・ドア) の運転支援を目指す | disclosure2dl.edinet-fsa.go… |
| 自動運転の区分 | 米自動車技術者協会 (SAE)の区分でレベル2 | global.nissannews.com |
| 量産車のセンサー構成 | 公表されていない。日産は、AI Driverがカメラ・レーダー・LiDARを組み合わせた複数のセンサー構成に対応できると説明する | global.nissannews.com |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 運転のAIソフト | Wayve AI Driver 未上場。日産は2026年2月の資金調達に出資したが、額は公表されていない |
ウェイブ | — | 英国 英国ロンドン (本社) |
日産とウェイブの協業契約の発表 A |
| 認識技術 | グラウンド・トゥルース・パーセプション | 日産自動車 | 7201 | 日本 公表されていない |
日産の発表 A |
| LiDAR | 次世代LiDAR (屋根に1個) 2022年の技術発表の時点では、次世代LiDARを米ルミナーと共同で研究開発していた |
公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
日産は量産車のLiDARの供給元を公表していない A |
| カメラ | 車載カメラ (試作車に11個) | 公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
日産の試作車の発表 A |
| レーダー | レーダーセンサー (試作車に5個) | 公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
日産の試作車の発表 A |
| 演算装置 | 量産車の演算装置 ロボタクシーの試作車はエヌビディアのDRIVE AGX Thorを2個載せる (別の車両) |
公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
日産は次世代プロパイロットの量産車の演算装置を公表していない A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1AIソフトウェイブがAI Driverを開発し、日産の運転支援に組み込む。企業: ウェイブ
- 2車両の開発日産は、自社の高度な車両制御と安全技術に基づいてAI技術を開発するとしている (2026年4月14日の長期ビジョン)。企業: 日産自動車
- 3検証の技術2022年の技術発表では、仮想環境での検証に米アプライド・インチュイションと組むとしていた。企業: アプライド・インチュイション
- 4センサーの供給量産車のLiDAR・カメラ・レーダーの供給元は公表されていない。企業: 公表されていない
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1車両への組み付け搭載車の工場と組み付けの工程は公表されていない。設備・企業: 公表されていない
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 次世代プロパイロット | 公表していない (搭載車は2027年度に発売の予定) | 2026-11-08 | global.nissannews.com |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 搭載車の購入 | 単体では売らず、日産の車に載せて販売する計画。販売の方法は公表されていない。 | global.nissannews.com |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| ソフトウエアの更新 | 日産とウェイブは、量産車で集めた走行データから学び、改良を続けるとしている。無線での更新の有無と保証の内容は公表されていない。 | global.nissannews.com |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 日本・北米など | 日本で先に投入し、北米などの市場に広げる方針 (2025年12月10日)。国ごとの時期は公表されていない。 | global.nissannews.com |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 研究開発費 (日産グループ全体) | 5,625 | 億円 | 次世代プロパイロット単独の開発費は公表されていない | disclosure2dl.edinet-fsa.go… |
💰 金額
解析 — 部品・製造・販売の特徴
日産は運転を決めるAIを自社で作らず、ウェイブから取り入れる。2025年4月の発表で、次世代版はウェイブのAI Driverと日産のグラウンド・トゥルース・パーセプションで構成すると示した。日産は2026年4月、自社の車両制御と安全技術に基づいてAI技術を開発するとも説明している。ウェイブは2026年2月の資金調達の発表で、2027年から消費者向けの車にAI Driverを載せると説明した。日産の2027年度の計画と時期が合う。メルセデス・ベンツも2026年9月22日に、AI Driverを将来の車種に載せる量産契約をウェイブと結んだ。日産は2026年8月31日、ホンダと次世代のソフトウエア定義車 (SDV) の中核の装置と車載ソフトを共通にする契約も結んだ。この共同開発と次世代プロパイロットの関係は公表されていない。日産は2026年3月期の有価証券報告書でも、次世代版を2027年度に市販車へ載せる予定とした。
公表されていないこと
- 最初の搭載モデルの車名と発売の月
- 量産車のLiDAR・カメラ・演算装置の供給元
- 搭載車の価格とオプションの価格
- 日産がウェイブに出資した額と持ち分
- ホンダと共同開発する電子制御装置・車載ソフトと、次世代プロパイロットの関係
出所
- 日産 ニュースリリース (次世代運転支援技術を2027年度に導入予定) (2025-04-10)
- 日産 ニュースリリース (次世代ProPILOTを公開) (2025-09-22)
- 日産 ニュースリリース (ウェイブとの協業契約) (2025-12-10)
- 日産 ニュースリリース (長期ビジョン) (2026-04-14)
- 日産 ニュースリリース (グラウンド・トゥルース・パーセプション技術) (2022-04-25)
- 日産 ニュースリリース (ロボタクシーの協業) (2026-03-12)
- 日産自動車 有価証券報告書 (2026年3月期) (2026-06)
- ウェイブ 発表 (シリーズDの資金調達) (2026-02-25)
- ウェイブ 発表 (日本の試験・開発拠点) (2025-04-22)
- ウェイブ 発表 (日本での学習の結果) (2025-10-22)
- ウェイブ 発表 (メルセデス・ベンツとの量産契約) (2026-09-22)
- 日産 栃木工場の紹介 (2026-11-08)
- 日産・ホンダ ニュースリリース (次世代SDVのECUとソフトウエアの共通化の共同開発契約) (2026-08-31)
出所との照合日: 2026年11月8日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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