estie 658A上場予定
商業用不動産のデータ基盤を不動産会社や金融機関に提供
オフィス・物流施設・賃貸住宅の空室、募集賃料、入居テナント、所有者などの情報を集めて整えたデータベースと分析ソフト「estie オフィスリサーチ」などを、デベロッパー、J-REIT、信託銀行などに提供する。大手向けの個別システム開発と、不動産専門紙「住宅新報」の発行も手がける。 主力サービスは「estie オフィスリサーチ」。
上場の条件 — 日程・株数・主幹事
- 上場日
- 2026年11月6日 (金)・東京証券取引所グロース市場
- 仮条件の決定
- 10月20日 (火)
- ブックビルディング
- 10月21日 (水) 〜 10月27日 (火)・公開価格の決定 10月28日 (水)
- 購入の申込期間
- 10月29日 (木) 〜 11月4日 (水)
- 想定発行価格
- 1,070円
- 仮条件
- 1,070〜1,100円
- 公開価格
- 1,100円
- 公募・売出
- 公募 50,000株・売出 5,638,800株・オーバーアロットメント 853,300株
公募+売出に占める売出の比率 99.1% (既存株主の売却が中心) - 吸収金額
- 72億円 (公開価格 × 公募+売出+オーバーアロットメント)
- 時価総額
- 170.4億円 (公開価格 × 上場時発行済株式数 15,493,800株)
- 会社の手取額
- 0.3億円 (差引手取概算額。公募分の払込金から発行の諸費用を引いた額で、売出の代金は会社に入らない)
- 主幹事
- SMBC日興証券
- 会社
- 2018年設立・代表 平井 瑛・従業員 188人 (連結・2026年8月31日現在の就業人員 (単体は138人)。派遣社員は従業員数の1割未満のため記載なし。)・12月決算・estie, inc.
引受証券会社と引受株数
有価証券届出書「株式の引受け」「株式の売出し」の表から。株数は公募と売出 (オーバーアロットメントを除く) の合計。引受株数の多い証券会社ほど、配分を受けて申し込める株が多い。
| 証券会社 | 役割 | 引受株数 | 比率 |
|---|---|---|---|
| SMBC日興証券 | 主幹事 | 4,124,800株 | 72.5% |
| みずほ証券 | 主幹事 | 1,137,700株 | 20.0% |
| 野村證券 | 引受 | 284,400株 | 5.0% |
| SBI証券 | 引受 | 56,800株 | 1.0% |
| 楽天証券 | 引受 | 28,400株 | 0.5% |
| 松井証券 | 引受 | 18,900株 | 0.3% |
| 岡三証券 | 引受 | 18,900株 | 0.3% |
| 丸三証券 | 引受 | 18,900株 | 0.3% |
事業の仕組みと売上の構成
売上の構成 (Ⅰの部・目論見書の「販売の実績」等。単位は百万円)
| 区分 | 期 | 売上高 | 構成比 | 補足 |
|---|---|---|---|---|
| Vertical Dataソリューション | 2025/12 | 1,856 | 89.1% | データ分析ソフトの利用料が中心 |
| 専門情報サービス | 2025/12 | 125 | 6.0% | 住宅新報 (2025年8月に子会社化) など |
| エンタープライズ実装 | 2025/12 | 62 | 3.0% | 大手顧客向けの個別のデータ基盤・システム開発 |
| その他 | 2025/12 | 38 | 1.8% |
事業の数字 — 目論見書に載っている指標
会社が目論見書で開示している事業指標。基準日は各行に記載。
| 指標 | 値 | 基準・補足 |
|---|---|---|
| リカーリング契約の顧客数 | 573社 | 2026年6月末。デベロッパー、資産運用会社、金融機関など |
| リカーリング売上の比率 | 77% | 2026年1〜6月の売上高に占めるソフト利用・保守契約の売上 |
| 導入先 | 総合デベロッパー上位10社の9割超、J-REIT全58銘柄の5割超 | 2026年8月時点の会社集計。信託業務を営む大手5行にも導入 |
| 調整後EBITDA | 12百万円 | 2026年1〜6月。2025年12月期は△511百万円 |
| Rule of 40 | 97.5% | 2026年1〜6月。売上高成長率96.8%+調整後EBITDAマージン0.7% |
業績の推移 — 売上高・営業利益・純利益
目論見書「主要な経営指標等の推移」から。単位は百万円、▲は損失。前期比は売上高。会社予想は上場時に公表した今期の見通し。
| 決算期 | 区分 | 売上高 | 前期比 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 単体 | 163 | — | — | ▲133 | ▲133 |
| 2022/12期 | 単体 | 343 | +110.4% | — | ▲407 | ▲409 |
| 2023/12期 | 単体 | 595 | +73.5% | — | ▲695 | ▲829 |
| 2024/12期 | 連結 | 1,094 | +83.9% | ▲651 | ▲633 | ▲629 |
| 2025/12期 | 連結 | 2,082 | +90.3% | ▲530 | ▲543 | ▲1,202 |
| 2026/12期 会社予想 | 連結 | — | — | — | — | — |
上場前の開示 (届出書・Ⅰの部・半期報告書) に今期の会社予想は載っていない。2026年1〜6月の中間期は売上高1,750百万円 (前年同期比96.8%増)・営業損失1.9百万円・経常損失2.6百万円・純損失279百万円 (特別損失の減損損失281百万円を含む)。
主要株主とロックアップ — 上場後に誰が売れるか
上場前の株主構成 (目論見書「株主の状況」、潜在株式を含む比率)。ロックアップは主幹事との約束で、期間中は原則売れません。「1.5倍解除」は公開価格の1.5倍以上なら期間中でも売れる条件です。
| 株主 | 区分 | 持株比率 | ロックアップ・売出 |
|---|---|---|---|
| UTEC4号投資事業有限責任組合 | ベンチャーキャピタル | 18.98% | 保有3,377,300株を全株売出。ロックアップの対象外 |
| 平井 瑛 (創業者・代表取締役) | 創業者・経営陣 | 17.17% | 売出548,800株。OA の貸株人。2028年3月31日まで (1.5倍以上の売却は除く) |
| HRI株式会社 | 資産管理会社 | 11.24% | 平井氏の資産管理会社。2028年3月31日まで (1.5倍以上の売却は除く) |
| 株式会社日本政策投資銀行 | corp | 4.82% | 2023年10月に業務提携。売出341,400株。2028年3月31日まで (1.5倍除外) |
| Vertex Growth Fund II Pte. Ltd. | ベンチャーキャピタル | 4.82% | 572,100株は2028年3月31日まで、286,100株は90日 (2027年2月3日) まで。いずれも1.5倍除外 |
| Globis Fund VI, L.P. | ベンチャーキャピタル | 3.82% | 売出171,000株。2028年3月31日まで (1.5倍除外) |
| グロービス6号ファンド投資事業有限責任組合 | ベンチャーキャピタル | 3.77% | 売出168,800株。2028年3月31日まで (1.5倍除外) |
ベンチャーキャピタルが主要株主に居ます。ファンドは償還期限があるため、ロックアップ明けや1.5倍解除の水準で売り手になりやすい点を織り込んで読んでください。
公募資金の使い道
目論見書「新規発行による手取金の使途」から。売出の代金は株主に入り、会社には入りません。
注目点 — 編集部はここを見る
- 公開株の大半は売出で、公募は5万株だけ。UTEC4号は保有する全株を売り出し、1,350,000株は欧州・アジアの海外投資家向けに販売する。三井不動産と三菱地所が各272,700株を親引けで取得する。
- 売上高は2023年12月期の595百万円 (単体) から2025年12月期は2,082百万円 (連結) へ伸びた。2025年12月期はのれん全額の減損656百万円で純損失1,202百万円だったが、2026年1〜6月の営業損失は1.9百万円まで縮んだ。
- 経営陣と資産管理会社の株は上場日から512日目 (2028年3月31日) までのロックアップで、期間が通常の180日より長い。上場後に資本金を1,000万円へ減らす手続きを進め、2026年12月31日に効力が生じる予定。
リスク — 目論見書「事業等のリスク」から
会社自身が開示しているリスクのうち、この会社に特徴的なものを抜き出しました。全文は目論見書をご確認ください。
- 売上の大半を商業用不動産データ分析ソフト (Vertical Dataソリューション) の利用料が占め、大手顧客への導入が進むと新規契約による増収のペースが鈍る可能性がある (届出書の事業等のリスク)。
- M&Aで事業を広げており、2025年12月期は買収で生じたのれん全額 (656百万円) を減損し、2026年1〜6月も減損損失281百万円を計上した。買収先の統合が計画どおり進まなければ業績に影響する。
- 不動産市況や金利の変動で顧客の取引量や IT 投資が減れば業績に響く。上場後もベンチャーキャピタルの持ち分が残り、ロックアップ明けに売却される可能性がある。
前後の上場と、同じテーマの銘柄
出典
- JPX 新規上場会社概要 (estie)
- 新規上場申請のための有価証券報告書 (Ⅰの部)
- EDINET 有価証券届出書 (新規公開時・2026年10月1日)
- EDINET 訂正有価証券届出書 (2026年10月20日・仮条件と売出人の変更)
- EDINET 訂正有価証券届出書 (2026年10月28日・公開価格の決定)
「どんな会社?」「主な事業」「注目点」は目論見書の記載を編集部が要約した意見で、会社の公式な説明ではありません。吸収金額・時価総額・PER は本ページに書いた式で当サイトが計算しており、株数の前提が異なる証券会社の資料と小数点以下がずれることがあります。
当サイトの数表は EDINET (金融庁) の開示原文からの機械抽出、買い推奨・売り推奨などの見解は Postation 編集部の分析に基づく意見です。いずれも不特定多数の読者に無償で公開する一般的な 情報提供であり、金融商品取引法上の投資助言・代理業 (報酬を伴う契約に基づく助言) として 提供するものではありません。将来の株価や成果を保証するものではなく、最終的な投資判断は ご自身の責任で行ってください。数値の正確な内容は必ず各社の開示原文をご確認ください。
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