ソフトバンクのAI計算基盤(DGX SuperPODとGB200 NVL72) SoftBank AI Computing Platform
ソフトバンクが国内のデータセンターに置く、エヌビディア製の画像処理半導体 (GPU) を使った計算基盤。2023年9月に稼働を始め、2025年7月にGPUは1万基を超えた。2025年12月には液冷のGB200 NVL72の基盤が加わった。子会社SB Intuitionsの大規模言語モデル (LLM) の開発に使うほか、法人向けに最短7日間から月額で貸す。
詳細解説
- 稼働の経緯
- 2023年9月にエヌビディアのAmpere世代のGPU約2,000基で稼働 (0.7エクサフロップス)。2024年10月にHopper世代の約4,000基を加え、合計約6,000基・4.7エクサフロップスになった softbank.jp
- DGX SuperPOD (Blackwell世代)
- DGX B200で組んだDGX SuperPODの構築を2025年7月22日に完了。Blackwell GPUは4,000基超で、基盤全体のGPUは1万基超、計算能力の合計は13.7エクサフロップスになった softbank.jp
- GB200 NVL72の基盤
- 2025年12月22日に稼働を開始。Blackwell GPU 1,224基で構成し、将来は4,000基超・10.6エクサフロップスに広げる予定 (会社発表) softbank.jp
- 性能の順位
- DGX B200で組んだ基盤「CHIE-4」は、スーパーコンピューターの国際会議SC2025で発表された順位で、AI向け計算性能の指標HPL-MxPで国内1位・世界5位、性能の世界順位TOP500で国内3位・世界17位だった (2025年11月) softbank.jp
- 国の認定
- 経済安全保障推進法に基づく経済産業省の「特定重要物資クラウドプログラムの供給確保計画」の認定を受けて整備する softbank.jp
- 法人向けの貸し出し
- クラウドサービス「AIデータセンター GPUサーバー」で、2026年3月17日にGB200のベータ版を追加した。計算用のトレイ (GPUとCPUを載せた板) 1枚単位、最短7日間から専有して使える softbank.jp
- 事業の区分
- 2027年3月期から、商用化したAI計算基盤をエンタープライズ事業の「クラウド・AI」に入れて開示する softbank.jp
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| 国内のデータセンター | 日本国内 (拠点ごとの所在地は公表されていない) | GPUの基盤を設置し運用する。拠点ごとに置くGPUの世代は公表されていない | softbank.jp | |
| 北海道苫小牧AIデータセンター・大阪堺AIデータセンター (建設中) | 北海道苫小牧市・大阪府堺市 | 今後のAI計算基盤を収める拠点。苫小牧は2026年度、堺は2027年度の稼働を予定する | disclosure2dl.edinet-fsa.go… |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- GB200 NVL72の構成
- 1つのラックにGrace CPU (中央演算処理装置) 36基とBlackwell GPU 72基を載せる、ラック単位のAI計算機。エヌビディアの製品 softbank.jp
- 液冷
- GPUとCPUを直接冷やす液冷 (Direct-to-Chip) 構造を採用した。発熱の大きい半導体を効率よく冷やす softbank.jp
- ネットワーク
- DGX B200の基盤は、エヌビディアの高速通信技術Quantum-2 InfiniBandで計算機同士をつなぐ softbank.jp
- 開発用ソフト
- エヌビディアの企業向けAI開発ソフト群NVIDIA AI Enterpriseに対応する softbank.jp
- 運用ソフト
- Infrinia AI Cloud OSを載せたGPUクラウドとしても、2026年10月に提供を始めると2026年5月に発表した softbank.jp
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| GPUの総数 | 1万基超 (2025年7月23日時点) | softbank.jp |
| 計算能力の合計 | 13.7エクサフロップス (2025年7月23日時点) | softbank.jp |
| GB200 NVL72の基盤 | Blackwell GPU 1,224基 (2025年12月稼働時)。4,000基超・10.6エクサフロップスへ拡張する予定 | softbank.jp |
| GPUサーバーのGB200ベータ版 | 計算用のトレイ1枚当たりGrace CPU 2基・Blackwell GPU 4基。ログイン用の仮想マシンの基本ソフト (OS) はUbuntu、ジョブ管理はSlurm | softbank.jp |
| GPUサーバーの既存プラン | DGX H100 (H100 80GB×8基) とDGX A100 (A100 80GB×8基) | softbank.jp |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| GPU | Ampere・Hopper・Blackwell世代のGPU 米ナスダック上場 (NVDA) |
エヌビディア | — | 米国 公表されていない |
ソフトバンクの発表 A |
| AI計算機 | DGX B200・GB200 NVL72 | エヌビディア | — | 米国 公表されていない |
ソフトバンクの発表 A |
| CPU | Grace CPU (GB200 NVL72) | エヌビディア | — | 米国 公表されていない |
ソフトバンクの発表 A |
| 計算機間の通信 | Quantum-2 InfiniBand | エヌビディア | — | 米国 公表されていない |
ソフトバンクの発表 A |
| 液冷設備・電源・ストレージ | 公表されていない | 公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
ソフトバンクは供給元を公表していない A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1半導体と計算機GPU・CPU・計算機・通信機器をエヌビディアから調達する企業: エヌビディア
- 2設置と運用ソフトバンクが国内のデータセンターに設置し運用する企業: ソフトバンク
- 3主な利用者まず子会社SB Intuitionsが日本語のLLM「Sarashina」の開発に使い、法人や研究機関にも貸し出す企業: SB Intuitions
- 4国の支援経済産業省のクラウドプログラムの供給確保計画の認定を受けた。投資額は補助金を差し引いた値で開示する企業: 経済産業省
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1整備世代ごとに段階的に増設する。2023年9月にAmpere、2024年10月にHopper、2025年7月にDGX B200、2025年12月にGB200 NVL72が稼働した設備・企業: ソフトバンク・エヌビディア
- 2サービス化サーバーの構成を事前に設定し、OSやジョブ管理を備えた状態で利用者に渡す設備・企業: ソフトバンク
💴 販売価格と補助金
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| AIデータセンター GPUサーバー GB200ベータ版 | 公表されていない。税抜で月額456万9,000円から (会社発表) | 2026-03-17 | softbank.jp |
| AIデータセンター GPUサーバー DGX H100 | 公表されていない。税抜で月額250万円から (会社発表) | 2026-03-17 | softbank.jp |
| AIデータセンター GPUサーバー DGX A100 | 公表されていない。税抜で月額150万円から (会社発表) | 2026-03-17 | softbank.jp |
| 項目 | 額 (円) | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 経済産業省のクラウドプログラム | 基盤ごとの補助金の額は公表されていない。ソフトバンクは投資額を補助金を差し引いた額で開示する | softbank.jp |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 法人向けクラウド | 「AIデータセンター GPUサーバー」を1台単位で、最短7日間借りられる。料金にはログイン用サーバー・ストレージ・インターネット回線を含む | softbank.jp |
| 問い合わせ | ソフトバンクが法人向けサイトで申し込みと見積もりの相談を受け付ける | softbank.jp |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 運用 | ソフトバンクが基盤を運用し、利用者にはOSやジョブ管理の環境を設定済みで渡す。保守の条件や稼働率の保証は公表されていない | softbank.jp |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 日本国内 | 国内の企業と研究機関に向けたサービスとして提供する。海外向けには子会社SB Neoが米国でGPUの貸し出し事業を2027年度に始める計画だ | softbank.jp |
| 輸出管理 | GPUの調達や貸し出しが米国の輸出管理の対象になるかどうかは公表されていない | softbank.jp |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | クラウド・AIの売上高 (AI計算基盤・データセンター・ソブリンクラウド・セキュリティなどの合計) | 2,558 | 億円 | 遡って組み替えた値。AI計算基盤だけの売上高は公表されていない | softbank.jp |
| 2026年4〜6月 | クラウド・AIの売上高 | 771 | 億円 | 前年同期比31.0%増。AI計算基盤などの収益が伸びを引っ張ったと説明 | softbank.jp |
💰 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| AI計算基盤の公表済み投資額 (補助金を差し引いた額) | 1,220億円 (2026年3月まで) | softbank.jp | |
| AI計算基盤の設備投資 (検収ベース) | 2024年3月期139億円、2025年3月期638億円、2026年3月期127億円、合計903億円 | softbank.jp | |
| クラウド・AIの売上高の見通し | 2026年3月期から2028年3月期まで年平均30%の成長を見込む。契約済みのAI計算基盤とAIデータセンターの収益が中心 (会社発表) | softbank.jp |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
ソフトバンクはGPUを2023年9月の約2,000基から、2025年7月に1万基超へ増やした。調達先はすべてエヌビディアで、世代ごとに機種を替えてきた。2025年12月には液冷のGB200 NVL72が加わり、今後は苫小牧と堺の拠点が受け皿になる。2027年3月期から、AI計算基盤の収益は「クラウド・AI」に含めて開示されるようになった。クラウド・AIの売上高は2026年4〜6月に前年同期比31.0%増えた。ソフトバンクは決算説明会で、2年間の見通しは契約済みのAI計算基盤とAIデータセンターの収益が中心だと説明した。GPUの貸し出し料金は、機種ごとに税抜で月額150万円から、456万9,000円からと公開している。稼働率と利用企業数は開示されていない。
公表されていないこと
- GPUを置くデータセンターの所在地と、世代ごとの台数の内訳は公表されていない
- AI計算基盤だけの売上高・稼働率・利用企業数は公表されていない
- 液冷設備・電源・ストレージの供給元は公表されていない
出所
- ソフトバンク 「NVIDIA GB200 NVL72」を搭載したAI計算基盤が稼働開始 (2025-12-25)
- ソフトバンク DGX SuperPODとして4,000基超のBlackwell GPUの整備が完了 (2025-07-23)
- ソフトバンク 約4,000基のHopper GPUの整備が完了 (2024-10-31)
- ソフトバンク AI計算基盤がHPL-MxPで国内1位 (2025-11-19)
- ソフトバンク AIデータセンター GPUサーバーにGB200ベータ版を追加 (2026-03-17)
- ソフトバンク 2026年3月期 投資家向け説明会資料 (2026-05-11)
- ソフトバンク 2027年3月期第1四半期 投資家向け説明会資料 (2026-08-04)
- ソフトバンク 2027年3月期第1四半期 決算説明会 主な質疑応答 (2026-08-04)
出所との照合日: 2026年11月6日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
ソフトバンク のほかの製品
🧰 ツール・特集の入口
一次データで動く 14 本 — 銘柄の絞り込み・供給網・比較・一次データの台帳・解説・規制レンズ (すべて無料)