ソフトバンクのInfrinia AI Cloud OS(GPUクラウドの基盤ソフト) Infrinia AI Cloud OS
ソフトバンクがAIデータセンター向けに自社開発したソフトウエア群。画像処理半導体 (GPU) の設定から、コンテナ管理ソフトKubernetesの運用、大規模言語モデル (LLM) の推論の提供までを自動化する。2026年1月21日に発表した。これを載せた「AIデータセンター GPUクラウド」を2026年10月に始めると5月に発表した。米国子会社の開発チームが開発した。
詳細解説
- 発表
- 2026年1月21日。AIデータセンターを運用する事業者向けのソフトウエア群として発表した softbank.jp
- 開発体制
- 米国の完全子会社 (カリフォルニア州サニーベール) の開発チーム「Infrinia」が開発した softbank.jp
- 自社サービスへの搭載
- これを載せた「AIデータセンター GPUクラウド」を2026年10月に提供を始めると、5月25日に発表した。同日からベータ版をソフトバンクとグループ会社で使い始めた softbank.jp
- 位置づけ
- GPUクラウド、AI-RAN (AIと無線アクセス網の統合)、この基盤ソフトを組み合わせる、通信会社のAIクラウド「Telco AI Cloud」構想の中核に置く (2026年3月2日発表) softbank.jp
- 外販
- Infriniaチームは海外のデータセンターやクラウドへの展開を進めると発表した softbank.jp
- 米国事業
- 米国でGPUの貸し出し事業を行うSB Neoを2026年7月に設立し、このソフトで1つの計算基盤を複数の顧客に貸す形を目指す softbank.jp
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| 自社の製造工場はない | 該当しない (開発拠点は米カリフォルニア州サニーベール) | 米国の開発チームが開発する。GPUクラウドは国内のデータセンターで動かす | softbank.jp |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- Kubernetesを貸すサービス (KaaS)
- GB200 NVL72などの上で、基本設定 (BIOS)・ディスクの冗長化 (RAID)・基本ソフト (OS)・GPUドライバー・ネットワーク・Kubernetes・ストレージの設定までを自動化する。Kubernetesは、アプリを収めたコンテナを管理するオープンソースのソフト softbank.jp
- 接続の組み替え
- クラスターの作成・更新・削除のたびに、GPU同士をつなぐNVLinkと、計算機 (ノード) の間でメモリーの中身をやり取りする接続をソフトウエアで組み替える softbank.jp
- ノードの割り当て
- GPU同士の距離と、NVLinkでつながったGPUの組に基づいて計算機を自動で割り当て、分散処理の遅れを減らす softbank.jp
- 推論の提供 (Inf-aaS)
- LLMを選ぶだけで推論のサービスを動かせる。オープンAIのAPI (外部から機能を呼び出す仕組み) と互換性があり、既存のアプリをほぼそのままつなげる softbank.jp
- 複数の利用者の分離
- 通信を暗号化し、利用者ごとの環境を切り分ける。監視や障害時の切り替えを自動化し、事業者の請求システムとつなぐAPIもある softbank.jp
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| 対象のGPU基盤 | エヌビディアのGB200 NVL72などの最新の基盤 (会社発表) | softbank.jp |
| 主な機能 | Kubernetesを貸すサービス (KaaS)、推論の提供 (Inf-aaS)、利用者の分離、運用の自動化 | softbank.jp |
| AIデータセンター GPUクラウド | 学習・推論・データ処理に対応。国内のデータセンターのGB200 NVL72などで動く | softbank.jp |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| GPU基盤 | GB200 NVL72など 米ナスダック上場 (NVDA) |
エヌビディア | — | 米国 公表されていない |
ソフトバンクの発表 A |
| コンテナ管理 | Kubernetes (オープンソース) | オープンソースのため特定の供給元はない | — | 該当しない 該当しない |
ソフトバンクの発表 A |
| ソフトウエア本体 | Infrinia AI Cloud OS | ソフトバンク 米国の完全子会社の開発チーム |
9434 | 日本 米カリフォルニア州サニーベール |
ソフトバンクの発表 A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1開発米国の開発チームが開発する企業: ソフトバンクの米国子会社
- 2計算資源ソフトバンクが国内に構築したエヌビディア製のGPU基盤の上で動かす企業: ソフトバンク・エヌビディア
- 3提供国内は「AIデータセンター GPUクラウド」として法人に貸す (2026年10月に始めると5月に発表)。米国はSB Neoが2027年度に事業を始める計画企業: ソフトバンク・SB Neo
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1開発・配布ソフトウエアのため製造ラインはない。他社への提供の形と更新の方法は公表されていない設備・企業: ソフトバンク
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| Infrinia AI Cloud OS (他社向け) | 公表されていない | 2026-11-06 | softbank.jp |
| AIデータセンター GPUクラウド | 公表されていない | 2026-11-06 | softbank.jp |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 法人向けクラウド | 国内では「AIデータセンター GPUクラウド」として2026年10月に提供を始めると、5月に発表した。申し込みの方法と条件は公表されていない | softbank.jp |
| データセンター事業者への提供 | 事業者が自社のGPUクラウドに組み込む形を想定する。販売の形と価格は公表されていない | softbank.jp |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 運用の自動化 | システムの監視や障害時の切り替えなど、保守の作業を自動化する機能を持つ。保守契約の条件は公表されていない | softbank.jp |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 米国 | 米国でGPUの貸し出し事業を行うSB Neo (ソフトバンク51%・ソフトバンクグループ49%) が、このソフトのノウハウを生かして2027年度に事業を始める | softbank.jp |
| 海外のデータセンター | 海外のデータセンターやクラウドへの展開を進めると発表した。具体的な国と相手は公表されていない | softbank.jp |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | クラウド・AIの売上高 (この製品を含む区分の合計) | 2,558 | 億円 | この製品の売上高は公表されていない | softbank.jp |
💰 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 業績予想への織り込み | クラウド・AIの2年間の見通しは契約済みのAI基盤の収益が中心で、Patching as a Serviceやソブリンクラウドなどのサービス収益はあまり含めていないと説明した。Infriniaは中期経営計画を上回る余地として挙げた (2026年8月4日) | softbank.jp |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
Infriniaの論点は、自社のGPUクラウドの中で使うだけか、他社にも売れるかにある。Infriniaは、GPUを1台ずつ貸す形から、1つの基盤を複数の利用者で分け合う形へ移るためのソフトだ。Kubernetesを貸すサービス (KaaS) と推論のAPIで、利用者はGPUの設定を意識せずに済む。オープンAIのAPIと互換性があるため、既存のアプリを移しやすい。開発は米国の子会社が担い、ソフトバンクは海外のデータセンターへの展開を進めると発表した。米国のSB Neoは、このソフトで1つの基盤を複数の顧客に貸す構造を目指し、2027年度に事業を始める。国内のGPUクラウドは2026年5月にグループ内でベータ版を始め、10月の提供開始を予定すると発表した。外販の価格と契約先は公表されていない。
公表されていないこと
- 他社に提供するときの価格・契約形態・導入先は公表されていない
- AIデータセンター GPUクラウドの料金と、正式提供後の利用企業数は公表されていない
- AIデータセンター GPUクラウドが予定どおり2026年10月に提供を始めたかどうかは公表されていない
出所
- ソフトバンク AIデータセンター向けのソフトウエアスタック「Infrinia AI Cloud OS」を発表 (2026-01-21)
- ソフトバンク 「AIデータセンター GPUクラウド」を2026年10月に提供開始 (2026-05-25)
- ソフトバンク Telco AI Cloud構想を発表 (2026-03-02)
- ソフトバンク 米国でネオクラウド事業を展開する事業会社「SB Neo」を設立 (2026-07-02)
- ソフトバンク 有価証券報告書 第40期 (2026年3月期) (2026-06-19)
- ソフトバンク 2027年3月期第1四半期 決算説明会 主な質疑応答 (2026-08-04)
出所との照合日: 2026年11月6日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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