ACSLの次世代小型空撮機とKプログラムの自律・分散制御機(開発中) Next-generation small drones (SBIR / K Program)
ACSLが国の事業の資金で開発中の次の機体群。中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR、補助金は最大26億円)で軽量の次世代小型空撮機を作り、2026年半ばから後半の投入を予定する。経済安全保障重要技術育成プログラム(Kプログラム、最大29億円)では、AIによる自律・分散制御の初期型機体を開発する。期間は2025〜2027年度で、AIはプリファードネットワークスが担う。いずれも販売前で、価格は決まっていない。
詳細解説
- SBIRの次世代機
- ACSLは経済産業省のSBIR事業「行政等ニーズに応える小型空撮ドローンの性能向上と社会実装」(事業総額約26億円)で、新しい小型空撮機を開発する。実施期間は2023年12月〜2026年12月で、補助金は最大26億円。 www2.jpx.co.jp
- 次世代機の目標
- ACSLはSOTENと比べた小型・軽量化、飛行時間の延長、高い耐環境性能を掲げ、2026年半ばから後半の投入を予定する(中期経営方針、2025年12月23日)。 www2.jpx.co.jp
- 開発試作機の展示
- ACSLは2026年7月15〜17日の第12回国際ドローン展(東京ビッグサイト)で、SBIRで開発中の次世代小型空撮機の開発試作機を展示した。耐風性能、飛行時間、障害物回避、カメラ性能などの向上を掲げる。 acsl.co.jp
- 行政との確認会
- ACSLは2025年8月に省庁向けの開発進捗の確認会を開き、50人以上の行政関係者から意見を聞いた。 disclosure2dl.edinet-fsa.go…
- 次々世代機の目標
- 次々世代機は2028年前半の投入を予定し、AIによる自律制御、機体同士の網の目状の通信(メッシュネットワーク)、第三者の上空の飛行を掲げる(中期経営方針)。 www2.jpx.co.jp
- Kプログラムの第2段階
- ACSLは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発構想「小型無人機の自律制御・分散制御技術の研究開発」の研究開発項目(2)の委託先に選ばれた。事業規模は最大29億円、期間は2025〜2027年度。 disclosure2dl.edinet-fsa.go…
- Kプログラムの第1段階
- 2024年5月〜2025年3月に事業規模1億円以内で、ハードウエア開発に向けて国内外の先端技術を調べた。 www2.jpx.co.jp
- 群飛行の研究
- 別のKプログラムの事業で、2024年4月〜2028年3月に過酷な環境で複数の機体が自律的に編隊を組んで飛ぶ制御を研究する。研究開発費は総額最大10億円で、金額は科学技術振興機構(JST)との協議で決まる。 www2.jpx.co.jp
- 航路の自動生成
- ACSLとプリファードネットワークスは2026年9月10日、生成AIなどで任務や周辺環境に合わせた航路を作る機能が実演できる段階に達したと発表した。 acsl.co.jp
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| 開発拠点 | 東京都江戸川区(本社) | ACSLの有価証券報告書の主要な設備は本社の開発設備などだけで、研究開発は最高技術責任者(CTO)以下30人が担う(2025年12月末)。 | disclosure2dl.edinet-fsa.go… | |
| 量産の体制 | 公表されていない | 次世代機をどこで量産するかは公表されていない。ACSLは2026年11月2日の発表で、会社全体で年間3万台の生産体制を構築したと説明した。機種別の内訳は公表されていない。 | acsl.co.jp |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- AIによる自律制御
- Kプログラムでは、AIによる飛行計画の生成、環境の変化に応じた計画の作り直し、物体の認識と障害物の回避などの要素技術を開発する。 acsl.co.jp
- 想定する任務
- 平時と大規模災害などの有事に、状況調査・点検・警備・捜索・測量・通信の6つの任務すべてを想定した初期型の機体を開発する。成果は公的な用途に限らず民間にも広げる。 acsl.co.jp
- 群飛行
- 複数の機体が自機の位置を推定して機体間で共有する技術を開発する。 www2.jpx.co.jp
- 2030年12月期までに取り組む技術
- ACSLは自然言語による飛行計画の作成、100機超の同時運航、有人機・無人機・障害物の自律回避、充電と機体点検の完全自動化などを挙げる(中期経営方針)。 www2.jpx.co.jp
- 役割の分担
- ACSLが機体のハードウエアなどを開発し、プリファードネットワークスが再委託先としてAIを使う自律制御・分散制御のソフトを担う。 disclosure2dl.edinet-fsa.go…
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| 次世代小型空撮機の諸元 | 公表されていない(目標は小型・軽量化と飛行時間の延長) | www2.jpx.co.jp |
| Kプログラムの初期型機体の諸元 | 公表されていない | acsl.co.jp |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 自律・分散制御のソフト | AIを使う自律制御・分散制御のソフト プリファードネットワークスは非上場 |
プリファードネットワークス 再委託先として開発 |
— | 日本 | ACSLの半期報告書によると、プリファードネットワークスが再委託先 A |
| 電池 | 電池 | 公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
ACSLは中期経営方針で、電池など一部部品の特定国への依存をなくし、国内と同盟国での調達を進めるとした。供給元の社名は公表していない A |
| 通信・センサーの部品 | 通信やセンサーの部品 | 公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
ACSLは次世代機の通信やセンサーの部品の供給元を公表していない A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1資金SBIRは経済産業省、KプログラムはNEDOとJSTの事業。ACSLは費用を先に払い、国の検査を経て助成金や補助金を受ける。新技術の研究に対する助成金は営業外収益に計上する。企業: 経済産業省、NEDO、JST
- 2共同開発プリファードネットワークスが再委託先としてAIのソフトを担う。企業: プリファードネットワークス
- 3外部の技術ACSLは2026年10月、新興企業スペースデータの仮想環境で開発した制御と画像認識の機能を実機につなぐ検証を行った。企業: スペースデータ
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1量産化の投資ACSLは次世代機体の開発・量産化に27億円を投じる資本配分の方針を示した(2026年8月14日)。設備・企業: ACSL
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 次世代小型空撮機 | 公表されていない(販売前) | 2026-11-06 | www2.jpx.co.jp |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 政府調達 | ACSLはSBIRの次世代機に行政などの要望を反映し、開発の段階から政府調達に向けた需要づくりを進める。 | disclosure2dl.edinet-fsa.go… |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 保守の方針 | 販売前で、保守の内容は公表されていない。ACSLは防衛分野で運用支援・保守まで提供範囲を広げる方針を掲げる。 | www2.jpx.co.jp |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 国内外 | ACSLは、SBIRの次世代機で国内と海外の小型空撮機の需要に応えるとしている。Kプログラムの成果は、技術の流出を防ぐ国の制度のもとで扱われる。 | www2.jpx.co.jp |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年1〜6月 | SBIRの費用(販管費に計上) | 2億1,916万円 | 円 | 販売前のため売上はない | disclosure2dl.edinet-fsa.go… |
| 2025年12月期 | SBIRの費用 | 8億7,000万円 | 円 | 決算説明資料の値 | www2.jpx.co.jp |
💰 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| SBIRの補助金 | 最大26億円(2023年12月〜2026年12月) | www2.jpx.co.jp | |
| Kプログラム第2段階 | 最大29億円(2025〜2027年度) | www2.jpx.co.jp | |
| Kプログラムの群飛行の研究 | 総額最大10億円(2024年4月〜2028年3月) | www2.jpx.co.jp | |
| 次世代機体への資本配分 | 27億円(2026年8月14日の方針) | www2.jpx.co.jp |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
ACSLの次の製品は、国の事業の資金を軸に開発が進む。SBIRの補助金は最大26億円、Kプログラムの2事業は最大29億円と最大10億円だ。費用は先に販管費に載り、助成金は検査の後に営業外収益に入るため、会計上の営業損失は国の事業の分だけ大きく見える。ACSLは国の事業を除く営業損益を、事業自体の収益性を示す指標として重視する。次世代機の投入予定は2026年半ばから後半で、SBIRの実施期間は2026年12月まで。7月には開発試作機を展示会に出した。AIのソフトはプリファードネットワークスが担い、ACSLは機体と飛行制御を受け持つ分担になる。次世代機体の開発・量産化には27億円を充てる方針も示した。
公表されていないこと
- 次世代小型空撮機の諸元・価格・量産の場所は公表されていない
- 次世代小型空撮機の発売日は公表されていない
- Kプログラムの初期型機体の完成時期と諸元は公表されていない
- 群飛行の研究の実際の金額はJSTとの協議で決まり、公表されていない
出所
- 2026年12月期 第2四半期決算説明資料 (中期経営方針の再掲を含む) (2026-08-14)
- ACSL 半期報告書 (2026年12月期中間期) (2026-08-14)
- ACSL 有価証券報告書 第14期 (2025年12月期) (2026-03-31)
- 【展示会レポート】第12回 国際ドローン展 (2026-07-23)
- 第12回 国際ドローン展に出展 (開発試作機を展示) (2026-07-03)
- NEDO K Programで航路の自動生成デモが可能な段階に到達 (ACSL・プリファードネットワークス) (2026-09-10)
- NEDO K Program 航路の自動生成デモ (ニュースページ) (2026-09-10)
- スペースデータとの実機連携の検証 (2026-10-20)
- 大型案件の受注に関するお知らせ (2026-11-02)
出所との照合日: 2026年11月6日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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