いすゞの幹線輸送向け自動運転トラック(アプライド・インチュイションと共同開発) Isuzu Level 4 Autonomous Truck
いすゞが米アプライド・インチュイションと共同開発する、高速道路を使って物流拠点の間を結ぶ自動運転レベル4の大型トラック。大型トラック「ギガ」をもとにし、2026年1月から栃木と愛知を結ぶグループの部品物流で公道の実証を始めた。2027年度中にレベル4のトラック事業を始める計画を掲げる。価格は公表されていない。
詳細解説
- 提携
- いすゞは2024年8月27日、アプライド・インチュイションと最長5年の戦略的提携契約を結び、日本の幹線輸送向けのレベル4トラックを共同開発すると発表した。 isuzu-global.com
- 事業の実証
- いすゞは2026年1月、いすゞロジスティクスの岩舟パーツセンター (栃木県栃木市) と中部部品センター (愛知県一宮市) を結ぶルートで、補給部品を運ぶ公道の実証を始めた。 isuzu-global.com
- 実証の3段階
- 第1段階は2026年1月から春までの計画。2026年度に第2段階として物流拠点・遠隔監視・異常時の駆けつけ対応を含む運行効率を確かめ、2027年度の第3段階を経て事業を始める計画。 isuzu-global.com
- 第2世代の車両
- アプライド・インチュイションは2026年3月31日、第2世代の自動運転トラックを2026年春から栃木と愛知を結ぶ約450キロメートルの拠点間の区間に投入すると発表した。 appliedintuition.com
- 国の事業での実証
- いすゞを含む国内の商用車メーカー4社は、受託者4社とともに、国の事業「RoAD to the L4」のテーマ3で新東名高速道路の総合走行実証を2025年10〜12月に行った。 isuzu-global.com
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| 藤沢工場 (ベース車両) | 神奈川県藤沢市 | いすゞは大型トラックを藤沢工場で生産している。2028年に一部の車型を除きUDトラックス上尾工場 (埼玉県上尾市) へ生産を移す計画を2026年2月12日に発表した。 | isuzu-global.com | |
| 自動運転の装置の組み付け | 公表されていない | 自動運転の装置をどこで組み付けるかは公表されていない。 | isuzu-global.com |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- センサーの構成
- 前方と側方の物体を検知するミリ波レーダー、周囲360度を測るLiDAR (光で距離を測るセンサー)、カメラを組み合わせる。自車の位置は全球測位衛星システム (GNSS)、車の動きは慣性計測装置 (IMU) で測る。 isuzu-global.com
- エンド・ツー・エンド (E2E) 方式
- いすゞは、より複雑な交通に対応するため、開発中のE2E方式を第2段階から導入すると発表した。センサーの入力から車の操作までを1つの人工知能 (AI) で処理する方式だ。 isuzu-global.com
- 第2世代の中身
- アプライド・インチュイションは、2026年春に投入する第2世代のトラックが新しいE2Eのモデルで動くと発表した。投入したかどうかは発表されていない。 appliedintuition.com
- 役割の分担
- アプライド・インチュイションは自動運転のソフト、E2Eのモデル、実走行とシミュレーションのデータを組み合わせる学習の仕組みを受け持つ。いすゞは商用車の知見を提供する。 appliedintuition.com
- 運行設計領域 (ODD)
- 自動運転システムが動く道路や環境の条件を、いすゞが定める。 isuzu-global.com
- 事業化の構想
- いすゞが示す構想では、部品センターから高速道路のサービスエリア (SA) までは人が運転し、SAの間をレベル4で無人で走る。高速道路を降りた後は人が乗り、レベル2で部品センターまで運ぶ。 isuzu-global.com
- 自動運転向けの車台
- いすゞは自動運転車の車台 (ADシャシ) 一般について、操舵と制動を電気信号で動かし、制御系と電源系を二重にして異常時も安全に止める設計だと説明する。 isuzu-global.com
- 重い車の制御
- いすゞは、車両総重量25トンのトラックはブレーキの効き始めまでの遅れが大きく、荷崩れを防ぐため急ブレーキを避けた制御が要ると説明する。 isuzu-global.com
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| 実証車 (第1段階) | 大型トラック「ギガ」、車両総重量25トンの8×4 (車軸4本のうち2本で駆動) の車種、1台 | isuzu-global.com |
| 自動で走る区間 | 新東名高速道路の駿河湾沼津SA〜浜松SA (自動運転車の優先レーンを含む)。保安要員として運転手が常に乗る | isuzu-global.com |
| 乗り降りのインター | 東北自動車道 佐野藤岡インターチェンジ〜東海北陸自動車道 一宮西インターチェンジ | isuzu-global.com |
| 走る頻度 | 週5日程度 (将来の目標。1日で往復する想定) | isuzu-global.com |
| 走行距離 | 本格的な開発に入った2025年初めから日米で累計15万キロメートル (2025年11月18日時点) | isuzu-global.com |
| 導入台数の計画 | データの計測と走行の評価のため、2026年度末までに計30台を入れる予定 | isuzu-global.com |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 自動運転のソフトウエア | E2Eの自動運転モデルを含むソフト 未上場 |
アプライド・インチュイション | — | 米国 公表されていない |
いすゞとアプライド・インチュイションの発表 A |
| ベースの車両 | 大型トラック「ギガ」 | いすゞ自動車 | 7202 | 日本 藤沢工場 |
いすゞの発表 (2025年11月18日・2026年2月12日) A |
| ミリ波レーダー・LiDAR・カメラ | 公表されていない | 公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
いすゞはセンサーの種類だけを公表している A |
| GNSS・IMU | 公表されていない | 公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
いすゞは装置の種類だけを公表している A |
| 車載の演算装置 | 公表されていない | 公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
アプライド・インチュイションは第2世代で演算装置を改めたとだけ説明している A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1ソフトウエアアプライド・インチュイションが自動運転のソフトと学習の仕組みを提供する。企業: アプライド・インチュイション
- 2車両と制御いすゞがギガをもとに車両を開発する。企業: いすゞ自動車
- 3運行いすゞロジスティクスの完全子会社ワン・トランスが車両を運行する。企業: ワン・トランス
- 4荷主と荷役いすゞロジスティクスが拠点を運営し、荷積みと荷下ろしを行う。企業: いすゞロジスティクス
- 5国の事業テーマ3は豊田通商、先進モビリティ、日本工営、みずほリサーチ&テクノロジーズが国から受託し、いすゞ・日野自動車・三菱ふそうトラック・バス・UDトラックスが参加企業として加わった。企業: 豊田通商・先進モビリティ・日本工営・みずほリサーチ&テクノロジーズ
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1データの循環公道の走行データでAIを学習させ、シミュレーションとテストコースの走行を経て再び公道を走る、という循環で改良を重ねる。設備・企業: いすゞ・アプライド・インチュイション
- 2評価北海道むかわ町に約19万平方メートルの自動運転専用テストコースを設け、2027年9月の本格稼働を目指す。高速道路の合流や自動料金収受システム (ETC) のゲートも設ける。設備・企業: いすゞ北海道試験場
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 自動運転トラック | 公表していない | 2026-11-08 | isuzu-global.com |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 公表されていない | いすゞは自社の物流で事業を始め、将来は幅広い分野に自動運転車両を提供する方針を示す。販売の形と窓口は公表されていない。 | isuzu-global.com |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 遠隔監視と駆けつけ | いすゞは第1段階で、監視システムが異常を捉えられるかを確かめ、駆けつけ対応は模擬で試す計画だった。第2段階では遠隔監視と駆けつけを含めて運行効率を検証する。 | isuzu-global.com |
| 整備網 | いすゞは全国の販売・整備網を実用化の強みに挙げる。自動運転車の保証の条件は公表されていない。 | isuzu-global.com |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 日本 | 日本の幹線輸送向けに開発する。日米で走行データを集めるが、海外での販売と輸出規制の対象かどうかは公表されていない。 | isuzu-global.com |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年11月8日時点 | 商用の販売台数 | 公表されていない | 台 | 実証の段階 | isuzu-global.com |
💰 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 提携の期間 | 最長5年 (2024年8月27日発表) | isuzu-global.com | |
| 提携の金額 | 公表されていない | isuzu-global.com |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
実証はいすゞグループの補給部品を運ぶ路線で、荷主も運行会社もいすゞのグループ会社だ。いすゞは外部の荷主との交渉を挟まずに、無人運行の手順を詰められる。車体と制動の制御はいすゞが受け持ち、運転のソフトはアプライド・インチュイションが開発する。バスで組むティアフォーには60億円を出資したが、アプライド・インチュイションへの出資の発表はなく、最長5年の契約でつながる。いすゞが示す事業化の構想は、SAの間だけを無人で走り、前後は人が運ぶ分担だ。国の事業のテーマ3では、いすゞはUDトラックスなど他の3社と新東名高速道路の走行を確かめ、路車協調の知見も持つ。2026年度末までに30台へ増やす計画の進み具合は、まだ発表されていない。
公表されていないこと
- 第2段階を始めた日と、第2世代車両を投入したかどうかは発表されていない。
- センサーと演算装置の供給元は公表されていない。
- 自動運転トラックを外部の運送会社へ売る時期と価格は公表されていない。
出所
- いすゞ、Applied Intuitionと戦略的提携契約を締結 (2024-08-27)
- いすゞ、自社部品物流ルート (栃木〜愛知) で自動運転事業実証を開始 (2025-11-18)
- 幹線輸送トラックの自動運転 (いすゞ) (2026-11-08)
- Isuzu and Applied Intuition Deploy Second-Generation Autonomous Trucks (2026-03-31)
- レベル4自動運転トラックの社会実装に向けた実証開始 (テーマ3) (2025-10-21)
- いすゞとUDトラックス、新東名高速道路で自動運転大型トラックの公道実証を開始 (2024-11-05)
- 大型トラックの生産機能を藤沢工場からUDトラックス上尾工場へ移管 (2026-02-12)
- 自動運転のデータドリブン開発 (いすゞ) (2026-11-08)
- 自動運転に活かすいすゞの強み (2026-11-08)
- いすゞ自動車 有価証券報告書 2026年3月期 (2026-06-23)
出所との照合日: 2026年11月8日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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