キオクシア車載用UFS(UFS 4.0・4.1) KIOXIA Automotive UFS 4.0 / 4.1 Embedded Flash Memory
車載インフォテインメントや ADAS (先進運転支援システム)、統合制御装置向けに、キオクシアが造る車載グレードの組み込みフラッシュメモリ。車載半導体の信頼性規格 AEC-Q100 のグレード2 (零下40〜105度) に対応する。自動車業界の品質管理規格 IATF 16949 に準拠した体制で造る。2024年1月に車載用 UFS 4.0 を発表した (業界初、会社調べ)。2025年6〜7月には UFS 4.1 (128GB〜1TB) のサンプル出荷を始めた。第8世代 BiCS FLASH と自社設計のコントローラーを使う。UFS 3.1 比で連続読み出し約2.1倍、不規則な書き込み約3.7倍 (会社試験)。車載向けの売上は「スマートデバイス」に含まれ、単独では公表されていない。価格は公表していない。
詳細解説
- 製品の区分
- 車載機器向けの UFS (ユニバーサルフラッシュストレージ)。インフォテインメント (IVI)、ADAS、テレマティクス、ドメインコントローラー、車載コンピューターの地図・映像・イベント記録のストレージに使う。容量は64GB〜1TB (2026年4月時点、製品ページ) kioxia.com
- 車載用 UFS 4.0
- 2024年1月30日に発表 (業界初、2024年1月30日時点の会社調べ)。1デバイス当たり最大毎秒46.4Gbit のインターフェース。128GB・256GB・512GB、AEC-Q100 Grade2 kioxia.com
- 車載用 UFS 4.1
- 2025年6月に1TB、7月に128GB・256GB のサンプル出荷を開始 (機能評価用)。第8世代 BiCS FLASH と自社設計のコントローラー。128GB・256GB・512GB・1TB。AEC-Q100/104 Grade2、ケース温度115度まで。UFS 3.1 比で連続読み出し約2.1倍、連続書き込み約2.5倍、不規則な読み出し約2.1倍、不規則な書き込み約3.7倍 (512GB 同士の比較、会社試験) kioxia.com
- 車載用 UFS 3.1
- 従来品。高速な読み書きを特長とする (製品ページ) kioxia.com
- 沿革
- 2013年2月に業界で初めて UFS 規格対応品のサンプルを出荷 (会社調べ)。車載向けは2024年の UFS 4.0、2025年の UFS 4.1 と続く kioxia.com
- 量産の状況
- UFS 4.1 は2025年7月31日時点でサンプル出荷の段階。量産開始の時期と採用車種は公表されていない kioxia.com
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| NAND の前工程 | 三重県四日市市・岩手県北上市 | 搭載する第8世代 BiCS FLASH を生産 | ssl4.eir-parts.net | |
| パッケージ (後工程) | 公表されていない | 後工程は外部委託。有価証券報告書は2022年時点でメモリ製品の組立工程を上海の後工程工場に委託していたと記し (都市封鎖で一時閉鎖)、台湾子会社 (キオクシア半導体台湾) が委託品の生産管理を行う。委託先の社名と現在の全委託先は公表されていない。車載品の組み立て場所は公表されていない | ssl4.eir-parts.net |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- 車載グレードの設計
- IATF 16949 準拠、AEC-Q100 の環境ストレス試験基準に適合、PPAP (製造部品承認プロセス) 対応、零下40〜105度の広い温度範囲、低不良率、仕様変更通知 (PCN) の予告期間を長く取る。はんだ接合部の信頼性向上や温度超過時の対策も持つ (製品ページ) kioxia.com
- HS-LSS (高速リンク起動)
- 接続の初期化を HS-G1 Rate A (毎秒1,248Mbit) で行い、起動時間を従来比およそ70%短縮できるとキオクシアは説明する。車載機器の素早い起動に向ける kioxia.com
- WriteBooster
- ユーザー領域の一部を SLC バッファーにして書き込みを速くする。UFS 4.1 ではバッファーの大きさの変更と、一部のデータを常駐させたまま書き戻すモード (Pinned Partial Flush Mode) に対応 kioxia.com
- 診断機能
- UFS 4.1 は機器の状態情報 (device health descriptor) で内部情報を取得しやすくし、診断機能を強化 (会社発表) kioxia.com
- 第8世代 BiCS FLASH と CBA
- 車載向けで初めて CBA (CMOS 回路とメモリセルを別のウエハーに造って貼り合わせる技術) を使う第8世代を採用し、電力効率・性能・ビット密度を上げる kioxia.com
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| 車載用 UFS 4.0 | THGJFJT0T25BAB8 (128GB)、THGJFJT1T45BAB8 (256GB)、THGJFJT2T85BAB5 (512GB)。最大転送速度毎秒4,640MB、VCC 2.4〜2.7V、VCCQ 1.14〜1.26V、零下40〜105度、11.5×13.0×1.2〜1.3mm | kioxia.com |
| 車載用 UFS 4.1 | THGJFJT0E18BAB8 (128GB)、THGJFJT1E28BAB8 (256GB)、THGJFJT2E48BAB8 (512GB)、THGJFJT3E88BAB5 (1TB)。最大転送速度毎秒4,640MB、零下40〜105度 (Tc 115度まで)、11.5×13.0×1.2〜1.3mm、153ボール BGA | kioxia.com |
| 規格 | JEDEC UFS 4.1 (UFS 4.0・3.1 と下位互換)、AEC-Q100/104 Grade2 | kioxia.com |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| NAND フラッシュメモリ | 第8世代 BiCS FLASH (UFS 4.1) 持株会社キオクシアホールディングスの東証コードは285A。UFS 4.0 の NAND 世代は公表されていない |
キオクシア 自社製 |
— | 日本 四日市工場・北上工場 |
会社発表 A |
| UFS コントローラー | 自社設計コントローラー 製造委託先は非公表 |
キオクシア 自社設計 |
— | 日本 公表されていない |
会社発表「第8世代 BiCS FLASH と自社設計のコントローラー技術」 A |
| BGA パッケージ基板・封止材 | 公表されていない | 公表されていない | — | 製品ページに記載なし A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1開発メモリ事業部が開発。コントローラーは自社設計企業: キオクシア
- 2NAND四日市・北上で生産企業: キオクシア
- 3後工程外部委託、台湾子会社が生産管理企業: 委託先 (非公表)
- 4品質体制IATF 16949 準拠、PPAP 対応で自動車部品メーカー・自動車メーカーの承認手続きに対応企業: キオクシア
- 5販売国内はメモリ営業推進統括部と特約店、海外は販売子会社。採用した自動車メーカー・部品メーカーは公表されていない企業: 特約店・販売子会社
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1NAND 生産四日市・北上の前工程設備・企業: キオクシア
- 2パッケージ組み立てNAND とコントローラーを153ボール BGA に封止。外部委託設備・企業: 委託先 (非公表)
- 3車載認定試験AEC-Q100/104 の環境ストレス試験に適合させ、PPAP で顧客の承認を得る設備・企業: キオクシア・顧客
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 車載用 UFS 4.0・4.1・3.1 (全品番) | 公表していない。法人向けの相対取引で見積もり | 2026-11-01 | kioxia.com |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 法人向け (国内) | メモリ営業推進統括部 (発表資料の問い合わせ先) か国内特約店 | kioxia.com |
| 法人向け (海外) | 米国・中国・台湾・韓国・シンガポール・ドイツの販売子会社 | ssl4.eir-parts.net |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 保証 | 保証年限は公表されていない。車載向けは仕様変更通知 (PCN) の予告期間を民生品より長く取ると製品ページに記載 | kioxia.com |
| 技術資料 | UFS の技術解説 (WriteBooster・ECC・不良ブロック管理など) を公開 | kioxia.com |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 海外全般 | 車載 UFS の仕向け地別の販売量は公表されていない。全製品の地域別売上は米国1兆988億円、中国3,819億円、台湾3,009億円 (2026年3月期) | ssl4.eir-parts.net |
| 輸出管理 | 車載 UFS の外為法・米国の輸出管理規則 (EAR) の該非は公表されていない | ssl4.eir-parts.net |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | スマートデバイス売上高 (車載を含む) | 7,600億円 | 円 | 車載向け単独の売上は非公表 | ssl4.eir-parts.net |
💰 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 車載用 UFS 4.0 のインターフェース速度 | 1デバイス当たり最大毎秒46.4Gbit | kioxia.com |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
車載用 UFS は売上がスマートデバイス区分に含まれ、製品単独の規模の開示が無い。確かめられる事実は、2024年1月の UFS 4.0 発表と2025年6〜7月の UFS 4.1 サンプル出荷だ。AEC-Q100 グレード2と IATF 16949 への対応も製品ページで確かめられる。採用した自動車メーカーや量産の開始は会社資料にない。車載品は認定に時間がかかり、キオクシアは仕様変更の予告期間を民生品より長く取ると製品ページに記す。ADAS や車載コンピューターの大容量化をキオクシアは需要の原動力に挙げるが、裏付けとなる数字は公表されていない。サンプル出荷から1年以上がたつ2026年11月時点で、量産開始の発表があるかどうかが次の確認点だ。
公表されていないこと
- 車載向け売上高・出荷数量・採用メーカーは公表されていない
- 車載用 UFS 4.1 の量産開始時期は公表されていない
- UFS 4.0 に使う BiCS FLASH の世代は公表されていない
- パッケージの委託先の社名、価格、保証年限は公表されていない
出所
- 車載用UFS 製品ページ (2026-11-01)
- 車載機器向け製品の案内ページ (キオクシア) (2026-11-01)
- 車載機器向けUFS 4.1準拠の組み込み式フラッシュメモリのサンプル出荷について (2025-07-31)
- 民生・産業機器用UFS 4.1/3.1 (技術資料) (2026-11-01)
- キオクシアホールディングス 有価証券報告書 2026年3月期 (2026-06-24)
- 法人のお客様向け製品のお問い合わせ (2026-10-01)
出所との照合日: 2026年11月1日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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