📦 製品の詳細 部品・ユニット

キオクシアXL-FLASHとGPシリーズ(低遅延フラッシュと超高IOPS SSD) KIOXIA XL-FLASH Storage Class Memory / GP Series Super High IOPS SSD / XL1 CXL Module

XL-FLASH は、DRAM と通常の NAND の間を埋めるためにキオクシアが BiCS FLASH の工程で造る低遅延のフラッシュメモリ。16の区画 (プレーン) を並列に動かす構成と4KB ページで読み出しを速くする。第2世代は1セル2ビットの MLC 256Gb と1ビットの SLC 128Gb のダイ (チップ本体) で、64〜256GB の BGA 品を量産中。これを載せた SSD が GP シリーズだ。最初の製品 GP1 は PCIe 6.0 で、512バイト単位の読み出しが1秒当たり1,000万回 (IOPS)。画像処理半導体 (GPU) がメモリの拡張として直接読む用途に向く。評価サンプルは2026年末までに限定顧客へ出す予定。CXL (メモリとプロセッサーをつなぐ接続規格) 対応のモジュール XL1 も2026年8月に参考出展した。価格は公表していない。

🏢 キオクシア の企業ページ

詳細解説

XL-FLASH の位置づけ
ストレージクラスメモリ (SCM)。DRAM に代表される作業用メモリと現在のフラッシュメモリの性能差を埋める。BiCS FLASH の3次元技術を土台に開発し、第2世代は MLC 対応品を量産中 (製品ページ) kioxia.com
GP シリーズ (Super High IOPS SSD)
2026年3月17日に構想を発表。エヌビディアの Storage-Next に対応し、GPU がフラッシュに直接アクセスして HBM (広帯域メモリ) の容量を補う。XL-FLASH を使い、従来の TLC SSD より高い IOPS、512バイト単位の細かいアクセス、読み書き1回当たりの低い消費電力を狙う kioxia.com
GP1 (最初の製品)
2026年8月4日に開発を発表。PCIe 6.0・NVMe 2.2、第2世代 XL-FLASH、ランダムリード (不規則な読み出し) は512バイト単位で最大1,000万IOPS (1秒当たりの回数、2026年7月28日時点、会社調べ)。規格サイズ E3.S と E1.S (厚さ9.5mm/15mm)、1日当たりの全容量書き換え回数 (DWPD) 最大50。評価サンプルは2026年末までに限定顧客へ出す予定で、まだ出荷していない kioxia.com
XL1 (CXL メモリ拡張モジュール)
XL-FLASH を載せた CXL 対応モジュール。アクセス頻度の低いデータを置いて DRAM の使用効率を上げる。2026年8月4〜6日の米国の記憶装置の展示会 FMS で参考出展し、同月中に提携先へ評価サンプルを出す予定とした。実際の出荷は公表されていない kioxia.com
会社の説明 (独自性)
XL-FLASH は SLC ベースの特殊チップで現段階では会社独自の技術と説明。BiCS FLASH の生産ラインで造れるため市場を見ながら生産量を調整でき、見合った付加価値を期待する (2026年6月の質疑応答) kioxia-holdings.com
受賞
GP シリーズは FMS 2026 の Best of Show Award (2026年8月5日)、CFMS 2026 (2026年3月27日・深圳) のフラッシュメモリ&SSD AI リーダーシップ賞 (4月2日発表) を受けた (会社発表) kioxia.com · kioxia.com

🏭 製造工場

この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。

工場所在地役割備考出所
四日市工場・北上工場 (前工程)三重県四日市市・岩手県北上市XL-FLASH は BiCS FLASH のプロセス技術をほぼそのまま使い、BiCS FLASH の生産ラインで造るとキオクシアは説明。どちらの工場で造るかは公表されていないkioxia-holdings.com
SSD の組み立て公表されていないGP1・XL1 の組み立て場所は公表されていない。SSD 製品は台湾の子会社ソリッド・ステート・ストレージ・テクノロジーが製造・販売・研究開発を行うと有価証券報告書に記載ssl4.eir-parts.net

⚙️ 技術・仕組み

どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。

16プレーン構成
一般のフラッシュメモリよりワード線・ビット線を短くし、回路を合わせて調整して読み出しを速くする。4KB のページサイズで効率よく読み書きする kioxia.com
ダイ容量
128Gb (SLC)・256Gb (MLC)。1パッケージに2枚・4枚・8枚を積む。SLC 動作モードも持つ kioxia.com
互換性と信頼性
接続方式は一般のフラッシュメモリと互換性が高く、パッケージも業界標準。会社の従来品より高い書き込み耐性で、書き込みが多い用途にも向く (会社説明) kioxia.com
GP1 の仕組み
専用の制御半導体 (SoC) と XL-FLASH を組み合わせ、512バイト単位で GPU が直接読む。HBM を高速なフラッシュの階層で拡張する構成に対応し、将来は毎秒1億 IOPS を視野に設計 (会社発表) kioxia.com
用途
推論 GPU サーバーのメモリ拡張、RAG (検索拡張生成) サーバーの外部知識の保存 (2026年6月2日の発表)。XL-FLASH 自体の用途は企業向けストレージ、データセンター、産業機器 (製品ページ) kioxia.com · kioxia-holdings.com

主要諸元

項目値出所
XL-FLASH 第2世代の製品64GB TH58LKG9DA5BA4R、128GB TH58LKT0DA5BA8R、256GB TH58LKT1DA5BA8S。MLC (SLC 動作モードあり)、0〜70度、154ボール BGA (格子状の端子のパッケージ) 11.5×13.5mm、量産中kioxia.com
GP1PCIe 6.0・NVMe 2.2、ランダムリード最大1,000万IOPS (512バイト)、最大50 DWPD、E3.S / E1.S 9.5mm・15mm、E3.S と E1.S 9.5mm は空冷・液冷に対応kioxia.com
XL1CXL 対応メモリ拡張モジュール。容量・性能は公表されていないkioxia.com

🔩 各部品と部品メーカー

部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。

部品品名・型式メーカー銘柄国・製造拠点根拠
XL-FLASH メモリチップ 第2世代 XL-FLASH (SLC 128Gb / MLC 256Gb) キオクシア
自社製
— 日本
四日市・北上の BiCS FLASH 生産ライン (工場の内訳は非公表)
製品ページと Investor Day 質疑応答 A
GP1 用コントローラー (SoC) 専用 SoC
SoC の製造 (ファウンドリー) は公表されていない
キオクシア
自社開発
—
公表されていない (製造委託先は非公表)
投資家向け説明会 (Investor Day 2026、2026年6月2日) で「専用 SoC と XL-FLASH を組み合わせる」と説明 A
GP1 の DRAM・電源保護部品・基板 公表されていない 公表されていない — GP1 の発表資料は NAND とインターフェースの仕様のみで部品構成を開示していない A
XL1 の CXL コントローラー 公表されていない 公表されていない — 参考出展の発表に部品の記載なし A

🔗 部品製造サプライチェーン

材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。

  1. 1開発
    XL-FLASH の設計とコントローラー・ファームウエアを自社で開発。SSD 事業部と台湾・英国・イスラエルの子会社が SSD とソフトウエアを開発
    企業: キオクシア
  2. 2前工程
    BiCS FLASH と同じ生産ラインで製造
    企業: キオクシア
  3. 3規格・協業
    エヌビディアの Storage-Next に対応した SSD を開発中で、年内にできるだけ早くサンプルを出して評価を受ける (2026年6月)。XL1 は CXL 規格
    企業: エヌビディア (規格の提唱者)
  4. 4販売
    XL-FLASH チップは法人向けに特約店・販売子会社経由。GP1 は限定顧客向けの評価サンプルの段階
    企業: キオクシア・特約店

🏗️ 製造ライン

工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。

  1. 1前工程
    BiCS FLASH のプロセス技術をほぼそのまま使い、同じ生産ラインで造る。市場を見ながら生産配分を変えられる
    設備・企業: 四日市工場・北上工場
  2. 2パッケージ
    2・4・8枚のダイを積んだ154ボール BGA。後工程は外部委託 (委託先は非公表)
    設備・企業: 委託先 (非公表)
  3. 3SSD 組み立て
    公表されていない
    設備・企業: 公表されていない

💴 販売価格

型番・グレード税込価格 (円)時点出所
XL-FLASH (64GB・128GB・256GB)公表していない。法人向けの相対取引で見積もり2026-11-01kioxia.com
GP1・XL1公表していない (評価サンプルの段階)2026-11-01kioxia.com

🛒 購入方法

経路内容出所
法人向け (国内)国内特約店か会社の問い合わせフォーム。サンプル・購入の相談を受けるkioxia.com
評価プログラムSSD とメモリ製品のサンプルや遠隔アクセスで実証実験・動作検証を行う 評価支援プログラム ESSP を用意kioxia.com

🛠️ アフターサービス・保守サービス

項目内容出所
保証XL-FLASH チップ・GP1・XL1 の保証年限は公表されていない。法人向けの個別契約によるkioxia.com
技術資料XL-FLASH の技術資料 (PDF) を製品ページで公開kioxia.com

🌏 海外輸出

仕向け地内容出所
海外全般海外は販売子会社 (米国・中国・台湾・韓国・シンガポール・ドイツ) が窓口。XL-FLASH・GP1 の仕向け地別の販売量は公表されていないssl4.eir-parts.net
輸出管理暗号化 (SED) などセキュリティオプション付きの SSD は輸出規制や法規制で一部の国では使えないとキオクシアは注記。GP1 の該非は公表されていないkioxia.com

📈 販売の実績

期間指標値単位備考出所
2026年3月期XL-FLASH・GP シリーズの売上高公表されていない用途別売上は SSD & ストレージ・スマートデバイス・その他の3区分のみssl4.eir-parts.net

💰 金額

項目値備考出所
GP1 の性能目標ランダムリード1,000万IOPS (現在)、将来は最大1億IOPS を視野kioxia.com

解析 — 部品・製造・販売の特徴

XL-FLASH は量産中のチップだが、売上の規模は開示されておらず、現時点では GP シリーズの土台としての意味が大きい。GP1 は2026年8月時点で開発発表の段階にあり、評価サンプルの出荷は2026年末まで、量産時期は示されていない。キオクシアは XL-FLASH を独自技術と位置づけ、BiCS FLASH と同じラインで造れることを生産面の利点に挙げる。GPU がフラッシュを直接読む構成はエヌビディアが提唱するもので、採用はエヌビディアの仕様と顧客の評価に左右される。2026年11月時点の実績は、XL-FLASH チップの量産と展示会での受賞までだ。評価サンプルが2026年末までに限定顧客へ届くかどうかが、最初の確認点になる。

公表されていないこと

  • XL-FLASH・GP シリーズの売上高と顧客名は公表されていない
  • GP1 の容量・消費電力・価格・量産時期は公表されていない
  • XL1 の評価サンプル出荷の実績 (2026年8月予定) は公表されていない
  • GP1 の SoC の製造委託先と SSD の組み立て場所は公表されていない

出所

  1. XL-FLASH ストレージクラスメモリ 製品ページ (2026-11-01)
  2. AIアプリケーション向けSuper High IOPS SSD KIOXIA GP1シリーズの開発について (2026-08-04)
  3. AI・GPU 主導のワークロードに最適化した新しいSSDモデルを発表 (GP シリーズ) (2026-03-17)
  4. CXL対応のメモリ拡張モジュールKIOXIA XL1シリーズの出展について (2026-08-03)
  5. KIOXIA GPシリーズが FMS 2026 の Best of Show Award を受賞 (2026-08-05)
  6. Investor Day 2026 質疑応答集 (2026-06-02)
  7. Investor Day 2026 プレゼンテーション資料 (スクリプト付き) (2026-06-02)
  8. 「AI推論時代」における成長戦略をInvestor Dayにて発表 (2026-06-02)
  9. キオクシアホールディングス 有価証券報告書 2026年3月期 (2026-06-24)
  10. KIOXIA CM9-Rシリーズ (E3.S) 製品ページ (輸出規制の注記) (2026-11-01)
  11. 法人のお客様向け製品のお問い合わせ (2026-10-01)
  12. SSD 製品一覧 (ESSP) (2026-11-01)
  13. KIOXIA GPシリーズが CFMS 2026 のフラッシュメモリ&SSD AIリーダーシップ賞を受賞 (2026-04-02)

出所との照合日: 2026年11月1日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。

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