EV・自動運転 💻 技術プロバイダー
M

三菱電機モビリティ

Mitsubishi Electric Mobility

🗓 事実の最終確認: 関連記事の更新: 出典: 当サイト企業データベース (一次資料・自社記事の解剖に基づく)

主力製品・モデル
ドライバーモニタリングシステム (DMS)、電動パワーステアリング、インバーター
評価額・時価総額
対象事業の企業価値3,200億円、株式価値2,300億円 (2026年10月の株式譲渡…
上場
非上場
同業 4 社との比較 (企業データベースの同じ列)
企業 主力製品・モデル 評価額・時価総額 最新発表 / 確認日
Baidu Apollo Apollo RT6 時価総額4兆円 2026-07-16
Huawei (Tech) 華望自動車 非上場 2026-07-10
Horizon Robotics Journey 6 - 2026-07-16
Momenta - 3億ドル(通用汽車の出資) 2026-07-16
執筆・監修: (編集長・アナリスト) 最終確認: — 公式発表・SEC/EDINET 等の一次資料と自社記事を突合 出典 26 件 更新: 記事→企業行は日次、一次情報の再確認は週次の自動運用 編集方針
三菱電機の自動車機器事業を担う完全子会社で、2024年4月に分社して発足した。モーターを制御するインバーター、運転者の居眠りやわき見を検知するドライバーモニタリングシステム (DMS)、電動パワーステアリングなどを自動車メーカーに納める。2026年3月期の連結売上高は6,576億円、営業利益は131億8,300万円だった。台湾の鴻海 (ホンハイ) 精密工業の投資会社が2027年10月に株式の50%を取得し、三菱電機と鴻海の折半出資会社になる予定である。譲渡価額は1,150億円の見込み。三菱電機はこの譲渡に関連して、2027年3月期に約1,000億円の減損損失を計上する見込みとしている。
🔗 公式サイト

Postation の入口

📦 製品・商品 (5)

📦 ドライバーモニタリングシステム (DMS) 製品

Driver Monitoring System (運転者の居眠りやわき見を検出する装置)

車内のカメラで運転者の顔の特徴と視線をとらえ、居眠りやわき見を検出して車に知らせる製品。マスクやサングラスを着けた人や、夜間の運転者も検出できる。会社は、提携先のシーイング・マシーンズと合わせて世界1位のシェアだと説明している。
特許
三菱電機グループとして、ティア1の中で世界トップクラスの件数 (2026年8月、会社の調べ)
主な技術
高精度の視線追跡、AIによる顔認識と状態の推定、近赤外線LEDと光学センサー
シェア (会社の説明)
シーイング・マシーンズと合わせて世界1位。ティア1 (自動車メーカーに直接納める部品会社) の中では2位 (2026年10月の説明会資料)

対象: 自動車メーカー

出典: mitsubishielectric-mobility.com/jp/products_solution/adas/driver-monitoring-system/

📦 インバーター 製品

電池の電力を変換してモーターを制御する装置

電池の電力を変換し、駆動用のモーターを制御する製品。エネルギーの損失を抑え、航続距離を延ばす。中核の部品であるパワーモジュールは自社で作る。会社は、約30年の量産の実績があるとしている。
原点
1997年にハイブリッド車向けのパワーモジュールを量産 (会社は世界初としている)
主な技術
高効率・高応答のモーター制御、昇圧と可変電圧の回路、自社製のパワーモジュール
量産の実績
約30年 (会社の説明)

対象: 電動車を作る自動車メーカー

出典: mitsubishielectric-mobility.com/jp/products_solution/electrification/inverter/

📦 電動パワーステアリング用モーターコントロールユニット 製品

EPS (ハンドル操作をモーターで補助する装置) の中核部品

運転者のハンドル操作に合わせて、モーターで補助する力を生む製品。モーター、制御装置、制御ソフトを一体にし、設計から製造までを自社で手がける。会社は、自動運転の車では人に代わってタイヤの向きを変える装置として欠かせないと説明する。
主な技術
小型で高性能のブラシレスモーター、小さな構造で高出力のインバーター、機能安全とサイバーセキュリティに対応した車載ソフト

対象: 自動車メーカー

出典: mitsubishielectric-mobility.com/jp/products_solution/vehicle-control-products/electric-powersteering-motor-control-unit/

📦 高精度ロケーター 製品

High Definition Locator (自車の位置を数センチの単位でつかむ装置)

複数の衛星の信号と3次元の高精度地図を組み合わせ、自車の位置を数センチの単位でつかむ製品。走っている車線を特定でき、車線単位の自動運転や車線維持の支援に使える。衛星の電波が届きにくいトンネルの中では、車の動きから現在地を推定する。
主な技術
高精度の衛星測位、地図と照らして走行車線を特定する技術、取り付け角度の自動補正

対象: 自動車メーカー

出典: mitsubishielectric-mobility.com/jp/products_solution/adas/high-definition-locator/

📦 病院向け搬送ロボット「MELDY」 製品

メルディ (病院の中で物を運ぶ自律走行ロボット)

医療従事者の搬送の仕事を手伝う自律走行のロボット。人に道を譲る、存在と進む向きを知らせる、確実に止まるといった動作を備える。2026年10月1日に、生活支援ロボットの安全規格でJISマーク認証を取った。
認証
JIS B 8445 のJISマーク認証 (2026年10月1日、会社は国内初としている)
事業の区分
新しいモビリティの事業 (搬送モビリティ)

対象: 病院の医療従事者

出典: mitsubishielectric-mobility.com/jp/news/2026/pdf/1002.pdf

🧪 技術・サービス (3)

🧪 パワーモジュールの内製 技術

インバーターの中核部品を自社で作る技術

インバーターの中で電流を切り替えるパワーモジュールを、自社で設計して作る。会社は、小型にする設計と冷却の技術を強みに挙げる。三菱電機グループはパワー半導体も手がける。
量産の開始
1997年 (ハイブリッド車向け、会社は世界初としている)
関連する技術
モーター制御 (損失の少ない駆動制御)、小型のパワーモジュールの設計 (冷却技術)

出典: mitsubishielectric-mobility.com/jp/company/effort/

🧪 模範運転度の可視化 技術

手本となる運転からのずれを数値で示す技術

ドライバーモニタリングシステム (DMS) が検出した情報、運転の場面ごとの行動の解析、車の制御情報を組み合わせる。手本となる運転からどれだけ外れているかを数値にする。手本には、自動車教習所の教官などの運転データを使った。データは大学と共同で集めた。2026年2月に発表した。
発表
2026年2月26日
使い道
運転者ごとの改善の提案。将来は、高齢運転者の認知機能の変化を早く見つける仕組みを目指す
搭載先の想定
車内カメラを持つドライブレコーダー

出典: mitsubishielectric-mobility.com/jp/news/2026/pdf/0226.pdf

🧰 Mixtoria 基盤

ミクストリア (車のデータを集めて分析するIoT基盤)

自動車の機器や部品から得たデータを集めて分析し、新しいサービスを生み出すためのIoT (モノのインターネット) の基盤。提携先が持つデータと、自社の製品から得たデータを組み合わせる。部品の供給にとどまらず、データを使って継続的にサービスを提供する事業へ広げるため、2026年10月に構築した。
発表
2026年10月6日

出典: mitsubishielectric-mobility.com/jp/news/2026/pdf/1006.pdf

🔭 構想 (2)

会社が将来の事業として掲げているが、まだ事業として存在しないもの。売上・契約の実績はない。

🔭 アイシンと共同開発する電動駆動モジュール 構想

電動車の駆動用ユニット (2020年代後半の発売が目標)

アイシンが先に開発を進めてきた電動車向けの駆動モジュールを、両社で共同開発する計画。2024年10月の業務提携で決めた。開発中で、製品としてはまだ存在しない。販売は、アイシンとデンソーが2019年に設立した BluE Nexus (ブルーイー・ネクサス) を通じる想定である。
提携
2024年10月31日、業務提携の契約。2024年5月の合弁会社設立の基本合意は解消し、合弁の範囲と時期は継続協議
発売の目標
2020年代後半
鴻海との関係
日本経済新聞によると、田中和徳社長は2026年10月19日、開発品を鴻海の規格で採用してもらう方向だと述べた

対象: 電動車を作る自動車メーカー

出典: mitsubishielectric-mobility.com/jp/news/2024/pdf/1031.pdf

🔭 鴻海と開発する日本発のEVプラットフォーム 構想

EVの基本構造 (合弁会社で取り組む構想)

合弁会社で取り組む構想で、まだ存在しない。三菱電機モビリティの電動パワートレインやソフトの技術と、鴻海の速さと規模を合わせ、高品質なEVの基本構造を提供するとしている。鴻海は説明会資料で、次世代の小型で高速の電動駆動ユニット、運転者の監視装置 (DMS)、自動運転のレベル4に向けた基礎の強化を挙げた。
協力の領域
電動パワートレイン、自動運転、会社が「車載インテリジェンス」と呼ぶ分野
合弁の開始
2027年10月 (予定)

対象: 鴻海のEV事業

出典: release.tdnet.info/inbs/140120261016552539.pdf

📊 開示データ (4)

親会社の三菱電機の適時開示と説明会資料から、業績と鴻海 (ホンハイ) 精密工業との合弁の条件を表にまとめた。数字は出所の書類のままで、単位は表ごとに示す。△はマイナス (損失) を表す。

最終確認:

三菱電機モビリティの業績 (連結) 単位: 百万円

項目 2025年3月期 2026年3月期
売上高 690,388 657,565
営業損益 △1,080 13,183
経常損益 16,247 29,174
最終損益 17,991 35,777
純資産 61,405 90,039
総資産 410,840 384,026
  • 三菱電機の適時開示に載った三菱電機モビリティの数字。
  • 会社は2024年4月1日に事業を始めたため、2024年3月期の数字は無い。
  • 適時開示の表題は「連結財政状態及び経営成績」で、最終損益の行は親会社株主に帰属する当期純利益である。
  • 説明会資料は同じ6,576億円を「三菱電機モビリティ単独」と書くが、これは自動車機器事業全体 (8,756億円) と区別する書き方で、会計の単体ではない。
  • 経常損益が営業損益を上回る理由は開示されていない。
  • 三菱電機と国内外のグループ会社が持つ事業の権利義務は、2027年10月までに三菱電機モビリティかその子会社へ移す予定である。

出典: 三菱電機 適時開示「自動車機器事業に伴う会社分割等及び三菱電機モビリティの株式の50%譲渡に係る株式譲渡契約締結のお知らせ」(2026年10月16日) 、鴻海精密工業・三菱電機・三菱電機モビリティ 説明会資料 (2026年10月19日) 、三菱電機モビリティ 公式サイト 会社概要

三菱電機モビリティの目標 (自動車機器事業全体の数字)

項目 2025年度 実績 2026年度 見込み 2030年度 目標
売上高 (億円) 8,756 8,200 10,000超
調整後営業利益率 5.7% 9.3% ―
  • 説明会資料の題は「三菱電機モビリティ 売上高・調整後営業利益率目標」で、基準の2025年度 (2026年3月期) の8,756億円は三菱電機グループの自動車機器事業全体の連結の数字である。
  • 上の表の三菱電機モビリティの数字とは範囲が違う。
  • 調整後営業利益の定義は説明会資料に書かれていない。
  • 会社は目標の柱に、主要4事業と内燃機関関連事業の運営、不採算事業の終息、鴻海との共同運営の効果、ソリューション事業の拡大を挙げる。
  • 2026年度の見込みと2030年度の目標は会社の計画で、実績ではない。

出典: 鴻海精密工業・三菱電機・三菱電機モビリティ 説明会資料 (2026年10月19日) 、三菱電機 適時開示「自動車機器事業に伴う会社分割等及び三菱電機モビリティの株式の50%譲渡に係る株式譲渡契約締結のお知らせ」(2026年10月16日)

鴻海との合弁の条件

項目 内容
株式を譲る先 Lin Yin International Investment (鴻海精密工業が100%出資する投資会社、台湾新北市)
譲る株式 50% (503株)。三菱電機は残りの50%を持ち続ける
譲渡価額 1,150億円 (見込み)
企業価値 3,200億円 (対象事業)
株式価値 2,300億円 (契約締結後の資産の変動を考慮)
契約の締結 2026年10月16日
会社分割の契約 2027年度上期中 (予定)
実行 2027年10月 (予定)。会社分割の効力発生と株式譲渡の実行
条件 国内外の競争法に基づく当局の承認など
三菱電機の損益 2027年3月期に減損損失 約1,000億円 (見込み)
三菱電機での位置づけ 2028年3月期から持分法適用会社 (見込み)
  • 譲渡価額は、株式価値2,300億円の50%に当たる額。
  • 鴻海の台湾での開示は、取得額を1,150億円以下とし、実行日の財務諸表で調整するとしている (鴻海、2026年10月16日)。
  • 三菱電機に残る自動車機器事業の権利義務は、吸収分割で三菱電機モビリティに移す。
  • 三菱電機は2026年10月30日に、減損損失を含む2027年3月期の連結業績予想を公表する予定。

出典: 三菱電機 適時開示「自動車機器事業に伴う会社分割等及び三菱電機モビリティの株式の50%譲渡に係る株式譲渡契約締結のお知らせ」(2026年10月16日) 、鴻海精密工業・三菱電機・三菱電機モビリティ 説明会資料 (2026年10月19日) 、鴻海精密工業 台湾証券取引所 (公開資訊観測站) への重大訊息 (2026年10月16日)

主な提携と出資

相手 時期 内容
鴻海精密工業 (台湾) 2026年10月 契約 株式の50%を譲り、合弁会社にする。電動パワートレイン、自動運転、車載インテリジェンスの3つの領域で協力
アイシン 2024年10月 電動駆動モジュールの共同開発で業務提携。2020年代後半の発売が目標。2024年5月の合弁会社設立の基本合意は解消し、合弁の範囲と時期は継続協議
シーイング・マシーンズ (豪州) 2024年12月 新株の引き受けと既存株主からの買い取りで19.9%を取得 (計4,000万ポンド)。ドライバーモニタリングシステムで資本業務提携
スタンレー電気 2026年4月 車のランプの電子・制御部品の合弁会社が事業開始。出資はスタンレー電気66%、三菱電機モビリティ34%
  • 時期は契約や事業開始の時点。
  • シーイング・マシーンズの19.9%は発表時の予定の比率で、同社は2025年3月の半期報告で取得後の比率を19.9%と開示した。
  • 同社への払込額は2,620万ポンドだった。

出典: 鴻海精密工業・三菱電機・三菱電機モビリティ 説明会資料 (2026年10月19日) 、三菱電機・三菱電機モビリティ・アイシン「次世代電動化事業関連製品の開発に関する業務提携契約を締結」(2024年10月31日) 、三菱電機モビリティ「Seeing Machines と資本業務提携に関する契約を締結」(2024年12月23日) 、シーイング・マシーンズ 半期報告 (2025年3月27日、ロンドン証券取引所の開示の写し) 、スタンレーモビリティエレクトリック株式会社の事業活動を開始 (2026年4月1日)

📋 詳細情報

技術・事業

技術概要
製品は6つの分野に分かれる。電動化では、インバーター、モーター、車載充電器、発電機とエンジン始動用のモーターを兼ねる「48V ISGシステム」などを手がける。先進運転支援システム (ADAS) では、ドライバーモニタリングシステム (DMS)、高精度ロケーター、超音波式のコーナーセンサーがある。車両制御では、電動パワーステアリング用のモーターコントロールユニットとスマートエントリーシステムを手がける。このほか、エンジン関連の製品と、カーナビやETC車載器などの情報系の製品を扱う。自動搬送の分野では、病院向けの搬送ロボット「MELDY」を開発した。
コア技術
会社は、損失の少ないモーター制御と、小型のパワーモジュールの設計を技術の強みに挙げる。会社は、1997年にハイブリッド車向けのパワーモジュールを世界で初めて量産したと説明する。インバーターの量産は約30年続き、パワーモジュールは自社で作る。制御ソフトの開発にも50年以上の実績があるとしている。運転者を監視するドライバーモニタリングシステム (DMS) は、視線のわずかな動きを追う技術と、AIで顔を認識して状態を推定する技術を組み合わせる。会社は、マスクやサングラスを着けた人や、夜間の運転者も検出できるとしている。
事業セグメント
会社は、事業を主要4事業と、エンジンなど内燃機関 (ICE) の関連事業に分ける。主要4事業は、電動化関連の製品、ドライバーモニタリングシステム (DMS)、電動パワーステアリング (EPS)、新しいモビリティの事業である。新しいモビリティには、乗員の状態の監視、搬送ロボット、空飛ぶクルマなどが入る。これらに、データを使うソリューション事業を加える。2026年4月の組織では、eDrive (電動駆動)、回転機、電動パワーステアリングなど5つのビジネスユニット (事業部門) を置いた。事業別の売上高は公表していない。
主力製品・モデル
ドライバーモニタリングシステム (DMS)、電動パワーステアリング、インバーター
ガバナンス

経営陣・組織

CEO
田中和徳
役員
代表取締役 東野匡伸 (経営企画ユニット長) 代表取締役 清水武 (技術統括ユニット長) 取締役 中野雅弘 (マーケティング・セールスユニット長) 取締役 齋藤博志 (製造管理統括ユニット長) 取締役 田村修一 (電動パワーステアリングビジネスユニット長) 常勤監査役 河内修、森田敏之 非常勤監査役 徳山晶規、金丸直充 役職は2026年4月1日付の発表と公式サイトによる。日本経済新聞は、鴻海 (ホンハイ) 精密工業のEV事業の最高戦略責任者 (CSO) の関潤氏が、合弁会社の取締役に就く見通しと報じた。
親会社
三菱電機 (6503)。2027年10月に鴻海 (ホンハイ) 精密工業の投資会社が50%を取得する予定
子会社
国内の関係会社: メルコモビリティーソリューションズ (東京都港区・大阪市、搬送ロボットのサービス)、光菱電機、三和電気、デービー精工、姫菱テクニカ (いずれも兵庫県)。出資する合弁会社: スタンレーモビリティエレクトリック (34%、2026年4月に事業開始)。出資先: 豪シーイング・マシーンズ (19.9%)。海外の拠点は下の表のとおり。海外の会社は三菱電機の子会社で、三菱電機が議決権の100%を持つ (一部は間接保有、2026年3月末、三菱電機の有価証券報告書)。三菱電機モビリティが出資しているかは開示されていない。三菱電機は、グループ会社が持つ自動車機器事業の権利義務を、2027年10月の株式譲渡までに三菱電機モビリティかその子会社へ移すとしている。
専門指標

業界別スペック

主要製品
ドライバーモニタリングシステム (DMS)・インバーター・電動パワーステアリング用モーターコントロールユニット・高精度ロケーター・病院向け搬送ロボット「MELDY」
主力モデル
ドライバーモニタリングシステム (DMS)、電動パワーステアリング、インバーター
事業の内容
自動車部品 (電動化・運転者の監視・電動パワーステアリング)
開発と運行の段階
量産中。鴻海との合弁会社への移行は2027年10月の予定 (当局の承認が条件)
直近の資金調達
鴻海の投資会社が株式の50%を取得予定 (譲渡価額1,150億円の見込み、2027年10月)
上場の状況
未上場 (三菱電機の完全子会社)
主な出資者
株主は三菱電機の1社で、持ち株比率は100% (2026年10月時点)。2027年10月に予定どおり株式譲渡を終えると、持ち株比率は50%ずつになる。持つのは三菱電機と、鴻海 (ホンハイ) 精密工業が100%出資する投資会社 Lin Yin International Investment (中国語名は利億国際投資) である。

⭐ 強み・特徴

  1. ①運転者監視装置の世界シェア ドライバーモニタリングシステム (DMS) で、会社は提携先の豪シーイング・マシーンズと合わせて世界1位のシェアだと説明している。このうちシーイング・マシーンズ (Seeing Machines) は部品の2次供給会社で1位だという。三菱電機モビリティは、自動車メーカーに直接納める部品会社 (ティア1) で2位である (2026年10月の説明会資料)
  2. ②インバーターの量産の実績 約30年の量産実績があり、パワーモジュールも自社で作る。鴻海 (ホンハイ) 精密工業は説明会で、三菱電機モビリティを選んだ理由に電子制御の技術を挙げた
  3. ③量産の規模 電子制御ユニット (ECU) など車両の制御製品とETC車載器の量産は、合計1億2,000万台以上 (会社の説明)
  4. ④国内外の工場 京都、三田、姫路、広畑の国内4工場に加え、米国、メキシコ、中国、インド、タイ、チェコなどに生産の拠点を持つ

📝 現状分析

2026年3月期の売上高は6,576億円 (連結) で、前期の6,903億円から4.8%減った (編集部の計算)。営業損益は、前期の10億8,000万円の損失から131億8,300万円の利益に転じた。営業利益率は2.0%にとどまる (編集部の計算)。同じ2026年3月期の自動車機器事業全体 (三菱電機グループの連結) は、売上高が8,756億円、調整後営業利益率が5.7%だった。三菱電機は2023年4月、この事業の収益改善が課題だとして分社を決めた。三菱電機は2023年4月の決算説明会で、カーナビなどのカーマルチメディア事業は相当の赤字が数年続いたと説明した。漆間啓社長は同じ説明会で、電動化の需要が計画ほど伸びず、素材の値上がりも響いたと述べた。日本経済新聞は、自動車機器事業の営業赤字が2023年3月期まで続いたと報じた。

🧭 ビジョン・戦略

会社は、収益を上げにくい事業を終わらせ、強みのある事業に力を集める方針を掲げる。カーマルチメディアは早期に事業を終える。電動化と運転支援は、提携先との協力で伸ばす。鴻海 (ホンハイ) 精密工業とは、電動パワートレイン、自動運転、会社が「車載インテリジェンス」と呼ぶ分野の3つで協力する。狙いは、日本発の高品質な電気自動車 (EV) の基本構造 (プラットフォーム) を提供することだと会社は説明する。2026年10月には、車から集めたデータを分析するIoT (モノのインターネット) の基盤「Mixtoria」を構築し、ソリューション事業を広げるとした。

🔮 今後の展望

会社は、三菱電機モビリティの売上高を2030年度 (2031年3月期) に1兆円超へ増やす目標を掲げる。基準の2025年度の8,756億円は、三菱電機グループの自動車機器事業全体の連結の数字である。2026年度の見込みは、売上高が8,200億円、調整後営業利益率が9.3%である。2026年度の売上高は前年度より減る見込みである。説明会資料のロードマップは、2025年度から不採算事業を終わらせる取り組みを示している。今後の主な日程は3つある。1つ目は2026年10月30日で、三菱電機が減損損失を織り込んだ2027年3月期の業績予想を出す。2つ目は、2027年度上期中に結ぶ会社分割の契約である。3つ目は2027年10月の株式譲渡の実行で、国内外の競争当局の承認が条件になる。

📊 詳細ビジネスデータ

⚙️ アルゴリズム・メカニズム

ドライバーモニタリングシステム (DMS) は、車内のカメラと近赤外線のLEDで運転者の顔を撮り、AIで顔の向きや視線から状態を推定する。居眠りやわき見を検出すると、車に知らせて警報や車両の制御につなげる。2026年2月には、DMSの情報と車の制御情報を組み合わせる技術を開発した。運転の場面ごとに、手本となる運転からどれだけ外れているかを数値で示す。高精度ロケーターは、衛星の信号と3次元の高精度地図を照らし、自車の位置を数センチの単位でつかむ。トンネルの中では、車の動きから現在地を推定する。

🏗️ システム基盤構成

国内の生産と開発の拠点は、京都工場 (京都府長岡京市)、三田工場 (兵庫県三田市)、姫路工場、広畑工場 (いずれも兵庫県姫路市) の4つである。2026年4月に三田と姫路の事業所を解消し、事業ごとの組織に統合したが、4工場の運営は続ける。海外では、米国、メキシコ、中国、インド、インドネシア、タイ、フィリピン、チェコに生産の拠点を置く。オランダ、フランス、スウェーデン、ドイツには開発の拠点がある。インバーター用のパワーモジュールは自社で作る。

💰 売上の見込み

三菱電機モビリティは単独の業績予想を公表していない。説明会資料は、三菱電機モビリティの目標として、2026年度の売上高を8,200億円、調整後営業利益率を9.3%と見込み、2030年度に売上高1兆円超を目指すとした。基準となる2025年度の8,756億円は、自動車機器事業全体の連結の数字である。調整後営業利益の定義は資料に書かれていない。親会社の三菱電機は2026年10月30日に、2027年3月期の連結業績予想を公表する予定である。

💸 売上の出どころ

自動車メーカーなどに部品とシステムを納めて対価を得る。電動化の製品、ドライバーモニタリングシステム (DMS)、電動パワーステアリング、エンジン関連の製品、情報系の製品が柱である。DMSは、部品とソフトを一体で売る形に加え、ソフトだけを売る形が増えると会社はみている。2026年10月に構築したIoT (モノのインターネット) の基盤「Mixtoria」では、データを使ったソリューションで継続して対価を得る形を目指す。主な納入先の社名と、製品別の売上高は公表していない。

👤 経営者履歴

CEO — 田中和徳

田中和徳氏は、2025年4月1日に代表取締役社長に就いた。前職は代表取締役副社長で、技術統括ユニット長、姫路事業所長、事業企画室長を兼ねていた。三菱電機が2026年4月24日に出した発表では、肩書は三菱電機の上席執行役員・自動車機器事業本部長だった。三菱電機は2026年10月の適時開示で、上席執行役員1人が三菱電機モビリティの代表取締役を兼ねると説明している。日本経済新聞は、合弁会社になった後も田中氏が社長を続けると報じた。

🇯🇵 日本企業との取引・関係

親会社は三菱電機 (6503) で、2026年10月時点で株式の100%を持つ。2027年10月に鴻海 (ホンハイ) 精密工業の投資会社へ50%を譲った後も、三菱電機は50%を持ち続ける。2028年3月期から三菱電機の持分法適用会社になる見込みである。アイシン (7259) とは2024年10月、電動駆動モジュールを共同開発する業務提携を結んだ。2024年5月の合弁会社設立の基本合意は、このとき解消した。合弁の範囲と時期は引き続き協議するとしている。スタンレー電気 (6923) とは、車のランプに使う電子・制御部品の合弁会社が2026年4月に事業を始めた。出資はスタンレー電気が66%、三菱電機モビリティが34%である。日本経済新聞によると、田中和徳社長は10月19日の会見で「アイシンとの開発品を鴻海の規格で採用してもらう方向だ」と述べた。合弁会社になった後もアイシンとの協業は続くという。

🚗 モデルラインナップ

車両は作らず、自動車の部品とシステムを作る。
電動化: インバーター、モーター、モータージェネレーター、EVコントロールユニット、バッテリーマネジメントユニット、車載充電器、48V ISGシステム (発電機と始動用モーターを兼ねる装置)
運転支援 (ADAS、先進運転支援システム): ドライバーモニタリングシステム (DMS)、高精度ロケーター、超音波式コーナーセンサー、ADAS制御用コントロールユニット
車両制御: 電動パワーステアリング用モーターコントロールユニット、スマートエントリーシステム、ボディーコントロールユニット
情報系: カーナビ、ETC車載器、車載用スピーカー

🛡️ 安全機能

ドライバーモニタリングシステム (DMS) は、居眠りやわき見を検出して運転者に注意を促し、事故を防ぐための製品である。会社は2024年12月の発表で、欧州では2026年から新車への搭載が義務になると説明した。電動パワーステアリングは、自動運転の車で人に代わってタイヤの向きを変える装置になると会社は説明する。会社は、機能安全とサイバーセキュリティに対応した車載ソフトを強みに挙げる。病院向けの搬送ロボット「MELDY」は2026年10月、生活支援ロボットの安全規格「JIS B 8445」のJISマーク認証を取った。会社は国内初の取得としている。

🤝 主要パートナーシップ

鴻海 (ホンハイ) 精密工業: 2026年10月、三菱電機が株式の50%を鴻海の投資会社へ譲る契約を結んだ。2027年10月に合弁会社になる予定。
アイシン: 2024年10月、電動駆動モジュールの共同開発で業務提携。2020年代後半の発売を目指す。合弁の範囲と時期は継続協議。
シーイング・マシーンズ (豪州、Seeing Machines): 2024年12月、運転者を監視する装置 (DMS) で資本業務提携。
スタンレー電気: 2026年4月、車のランプに使う電子・制御部品の合弁会社が事業を始めた。

🌏 輸出先・市場

国内外の自動車メーカーなどに製品を納める。販売の拠点は、国内に埼玉、栃木、神奈川、愛知、静岡、大阪、広島がある。海外では、中国、インド、韓国、タイ、インドネシア、オーストラリア、欧州、米国、メキシコで販売する。地域別の売上高は公表していない。会社は今後、既存の顧客に加え、サービス事業者や、海外で国が主導する自動車ブランドにも売り込む方針を示している。

基本情報

上場・財務

本社
東京都千代田区丸の内
創業
2024
従業員
約6,400人 (2026年3月末)
上場ステータス
未上場
売上高 (最新期)
6,576億円 (2026年3月期、連結。自動車機器事業全体では8,756億円)
コンプライアンス

信用・米制裁

銀行信用
健全
🇺🇸 米制裁
なし
グローバル

海外進出

資金流出
なし
出典・検証

📚 信頼性メタデータ

信頼度
🅰 一次情報
最終確認
2026-10-20 12:22:27
検証者
claude+primary-sources

海外子会社・拠点

会社役割所在地出資 (三菱電機の子会社、2026年3月末)
三菱電機汽車部件 (中国) 有限公司生産、販売、開発中国 江蘇省常熟市 (上海、広州、北京などに分公司)三菱電機 100% (うち間接10%)
三菱電機オートモーティブ・インディア (Mitsubishi Electric Automotive India)生産、販売、開発インド ハリヤナ州マネサール、グジャラート州サナンド三菱電機 100%
三菱電機オートモーティブ・インドネシア (PT. Mitsubishi Electric Automotive Indonesia)生産、販売インドネシア 西ジャワ州ブカシ―
三菱電機タイ・オートパーツ (Mitsubishi Electric Thai Auto-Parts)生産、販売タイ ラヨーン県三菱電機 100% (間接保有)
ラグナ・オートパーツ・マニュファクチャリング (Laguna Auto-Parts Manufacturing)生産フィリピン ラグナ州―
メルコ・オートモーティブ・コリア (MELCO Automotive Korea)販売韓国 ソウル―
三菱電機オートモーティブ・チェコ (Mitsubishi Electric Automotive Czech)生産、販売チェコ スラニー三菱電機 100% (うち間接10%)
三菱電機オートモーティブ・ヨーロッパ (Mitsubishi Electric Automotive Europe)開発オランダ (本社)、フランス、スウェーデン、ドイツ―
三菱電機オートモーティブ・アメリカ (Mitsubishi Electric Automotive America)生産 (メイソン、メイズビル)、販売と開発 (ノースビル)米国 オハイオ州メイソン、ケンタッキー州メイズビル、ミシガン州ノースビル三菱電機 100% (間接保有)
三菱電機オートモーティブ・メキシコ (Mitsubishi Electric Automotive de Mexico)生産、販売メキシコ ケレタロ州三菱電機 100% (間接保有)

資金調達と資本提携の履歴

内容区分時期相手
三菱電機の自動車機器事業を吸収分割で引き継ぎ、事業を開始。資本金100億円、三菱電機が100%を持つ (法人は2023年11月1日に分割準備会社として設立、三菱電機の経過開示)分社2024年4月三菱電機
新株の引き受けと既存株主からの買い取りに計4,000万ポンドを投じ、発行済株式の19.9%を持つ (三菱電機モビリティの発表)。シーイング・マシーンズへの払込額は2,620万ポンド (同社の2025年3月の半期報告)。DMSで資本業務提携他社への出資2024年12月シーイング・マシーンズ (豪州)
灯火制御機器の設計・開発・販売の事業を分割し、合弁会社スタンレーモビリティエレクトリックの34%を持つ合弁会社への出資2026年4月スタンレー電気
三菱電機が持つ株式の50%を鴻海の投資会社へ譲る契約。譲渡価額は1,150億円の見込み。対象事業の企業価値は3,200億円、株式価値は2,300億円。鴻海の台湾での開示は、取得額を1,150億円以下とし、実行日の財務諸表で調整するとしている出資の受け入れ (株式譲渡)2026年10月 (契約)鴻海 (ホンハイ) 精密工業の投資会社
三菱電機に残る自動車機器事業を引き継いだうえで、株式譲渡を実行する。出資は両社が50%ずつになる。競争法の当局の承認などが条件会社分割と株式譲渡の実行2027年10月 (予定)三菱電機、鴻海の投資会社

出典 URL

  • https://www.release.tdnet.info/inbs/140120261016552155.pdf
  • https://www.release.tdnet.info/inbs/140120261016552539.pdf
  • https://www.mitsubishielectric.co.jp/ja/pr/2026/1016_am/
  • https://www.mitsubishielectric.co.jp/ja/pr/2026/0424_am/
  • https://www.mitsubishielectric-mobility.com/jp/company/profile/
  • https://www.mitsubishielectric-mobility.com/jp/company/management/
  • https://www.mitsubishielectric-mobility.com/jp/company/network/
  • https://www.mitsubishielectric-mobility.com/jp/company/effort/
  • https://www.mitsubishielectric-mobility.com/jp/products_solution/
  • https://dl.mitsubishielectric.co.jp/news/2023/0424.pdf
  • https://dl.mitsubishielectric.co.jp/news/2023/pdf/0428-a3.pdf
  • https://dl.mitsubishielectric.co.jp/news/2024/pdf/0401-b.pdf
  • https://www.mitsubishielectric-mobility.com/jp/news/2024/pdf/1031.pdf
  • https://www.mitsubishielectric-mobility.com/jp/news/2024/pdf/1223.pdf
  • https://www.mitsubishielectric-mobility.com/jp/news/2026/pdf/0401-b.pdf
  • https://www.mitsubishielectric-mobility.com/jp/news/2025/pdf/0401.pdf
  • https://www.mitsubishielectric-mobility.com/jp/news/2026/pdf/0401.pdf
  • https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC16AJG0W6A011C2000000/
  • https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100YD3V.pdf
  • https://www.ticker.app/lse/SEE/rns/2025-03-27/Half-year-results-and-financial-report/4692C
  • https://dl.mitsubishielectric.co.jp/news/2023/1115.pdf
  • https://www.MitsubishiElectric.co.jp/news/2024/0524-b.pdf
  • https://www.mitsubishielectric-mobility.com/jp/news/2026/pdf/0226.pdf
  • https://www.mitsubishielectric-mobility.com/jp/news/2026/pdf/1002.pdf
  • https://www.mitsubishielectric-mobility.com/jp/news/2026/pdf/1006.pdf
  • https://mopsov.twse.com.tw/mops/web/t05st01

最新動向

業績 2026年10月16日、三菱電機の適時開示で2026年3月期の業績が示された。売上高は6,576億円 (連結) で、前期の6,903億円から減った。営業損益は131億8,300万円の利益で、前期の10億8,000万円の損失から転じた。最終利益は357億7,700万円だった。自動車機器事業全体の売上高は8,756億円で、2026年度は8,200億円を見込む。

事業 2025年11月6日、三菱電機と鴻海 (ホンハイ) 精密工業がAIデータセンターの分野で協業の覚書を結んだ。2026年4月1日、スタンレー電気との合弁会社が事業を始めた。4月24日、三菱電機と鴻海が、三菱電機モビリティの共同運営を検討する覚書を結んだ。10月16日、三菱電機が鴻海の投資会社へ株式の50%を譲る契約を結んだ。譲渡価額は1,150億円の見込みで、2027年10月に実行する予定である。三菱電機は約1,000億円の減損損失を見込む。10月19日の説明会で、三菱電機モビリティの売上高を2030年度に1兆円超にする目標を示した。

技術 2026年2月26日、ドライバーモニタリングシステム (DMS) の情報を使い、運転の手本からのずれを数値で示す技術を発表した。10月2日、病院向けの搬送ロボット「MELDY」が、生活支援ロボットの安全規格でJISマーク認証を取ったと発表した。10月6日、車のデータを集めて分析するIoT (モノのインターネット) の基盤「Mixtoria」を構築したと発表した。

経営陣 2026年4月1日、組織を改めた。DMSとソリューション事業を担う「センシング&サービスソリューション」のビジネスユニットを新設した。東野匡伸氏と清水武氏が代表取締役に加わった。社長は2025年4月から田中和徳氏が務める。日本経済新聞は、鴻海の関潤氏が合弁会社の取締役に就く見通しと報じた。

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