清水建設の自動搬送ロボットRobo-Carrier(Robo-Carrier Fork・Autonomous-ELV) Robo-Carrier
清水建設が自社の建築現場で使う資材の自動搬送ロボット。レーザーセンサーで測った周りの形を建物の3次元モデル(BIM)の情報と照らし合わせて自分の位置を推定し、パレットに積んだ資材を作業場所まで運ぶ。垂直搬送のエレベーター「Autonomous-ELV」や、2022年3月に開発したフォークリフト型の「Robo-Carrier Fork」と組み合わせて使う。
詳細解説
- 発表
- 清水建設は2017年7月12日、シミズ・スマート・サイトの構成要素として、Robo-Carrierを核にする4種類の水平・垂直搬送ロボットを発表した。自動搬送システムを2017年11月から都内の現場で動かす予定とした。 shimz.co.jp
- 新大阪の現場
- 2018年10月上旬から、新大阪の高層ホテルの現場で2台が夜間に動いた。天井ボードとエアコンのユニットを20フロア分、計1,000〜1,200パレット運ぶ計画だった。 shimz.co.jp
- 虎ノ門・麻布台の計画
- 2021年2月17日、虎ノ門・麻布台プロジェクトA街区で、同年夏から計5台が連携して約4万パレットを運ぶ予定だと発表した。運んだ実績の数は公表されていない。 shimz.co.jp
- フォークリフト型の追加
- 2022年3月4日、トラックからの荷降ろしもできるフォークリフト型の「Robo-Carrier Fork」を開発したと発表した。荷降ろしから、作業場所へ資材を小分けして配る作業 (間配り) までをロボットで一貫してこなせる。 shimz.co.jp
- 外販の方針
- 清水建設は2022年3月、Robo-Carrier Forkを物流事業者に貸し出したり外部に売ったりする考えを示した。 shimz.co.jp
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| ロボットの製造 | 公表されていない | 清水建設はロボットを開発したと発表したが、製造する工場や製造の委託先は明らかにしていない。 | shimz.co.jp |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- 自己位置の推定
- BIMから得た空間の形と、レーザーセンサーがリアルタイムに捉えた空間の形を照らし合わせ、自分の位置を推定する (SLAMと呼ぶ技術)。 shimz.co.jp
- 障害物の回避
- 障害物を認識すると回避するルートを自ら設定し直す。人が近づくと衝突を防ぐために止まる。 shimz.co.jp
- エレベーターとの連携
- 地上階のRobo-Carrierがパレットを垂直搬送のエレベーター「Autonomous-ELV」に積み、搬入階に着くと別のRobo-Carrierが仮置き場まで運ぶ。 shimz.co.jp
- フォークリフト型の荷取り
- Robo-Carrier Forkは資材の置き場を探し、パレットの穴を検出してフォークを差し込む。段積みなら上段のパレットを狙い、荷降ろしでは搬送済みの資材の上に段積みするか地面に平置きする。 shimz.co.jp
- 指示の出し方
- 作業員はタブレットのアプリで、運ぶ資材と運ぶ先を図面の上で選ぶ。Robo-Carrier、Autonomous-ELVとクラウドでつなぐ。 shimz.co.jp
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| Robo-Carrier Forkの積載 | 1,000キログラム | shimz.co.jp |
| Robo-Carrier Forkの走行速度 | 前進は最大時速3.6キロメートル、後進は最大時速7.2キロメートル、横行は最大時速1.8キロメートル (会社発表の諸元) | shimz.co.jp |
| Robo-Carrier Forkの持ち上げる高さ・リーチ | 持ち上げる高さ3メートル、リーチ585ミリ、最大登坂勾配10分の1 | shimz.co.jp |
| Robo-Carrier Forkの寸法・重量 | 全長2,450ミリ、全幅1,290ミリ、全高2,530ミリ、重量2,550キログラム | shimz.co.jp |
| Robo-Carrierの実験 | 技術研究所のロボット実験棟で、総重量約1トンの石こうボードを載せて運んだ (2018年4月の発表) | shimz.co.jp |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 位置を測るセンサー | レーザーセンサー | 公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
清水建設はレーザーセンサーを使うと発表したが、メーカーは明らかにしていない A |
| 垂直搬送 | Autonomous-ELV (仮設エレベーター) | 公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
清水建設はRobo-Carrierと連動するエレベーターと発表したが、メーカーは明らかにしていない A |
| フォークリフトの車体 | 無人フォークリフト (AGF) | 公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
清水建設は諸元を公表したが、車体のメーカーは明らかにしていない A |
| 指示のアプリ | タブレットのアプリとクラウドの連携 | 公表されていない | — | 公表されていない 公表されていない |
清水建設はアプリで指示すると発表したが、開発元は明らかにしていない A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1開発清水建設がシミズ・スマート・サイトの一部として開発した。大学や他業種の企業と組んだと説明するが、搬送ロボットの共同開発の相手は公表されていない。企業: 清水建設
- 2現場での運用現場の作業が終わった夜間に、資材を作業階まで運んで仮置きする。企業: 清水建設の現場
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1荷降ろしRobo-Carrier Forkがトラックから資材を降ろし、資材置き場に置く。設備・企業: Robo-Carrier Fork
- 2水平・垂直の搬送Robo-CarrierがパレットをAutonomous-ELVに積み、施工階で別のRobo-Carrierが運び出す。設備・企業: Robo-Carrier・Autonomous-ELV
- 3ロボットの製造ロボットを組み立てる工程と担い手は公表されていない。設備・企業: 公表されていない
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| Robo-Carrier・Robo-Carrier Fork | 公表していない。販売の開始は発表されていない | 2026-11-08 | shimz.co.jp |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 自社の現場で使用 | 清水建設が施工する現場で使う。清水建設は2022年3月、Robo-Carrier Forkを物流事業者に貸し出したり外部に売ったりする考えを示したが、窓口は案内していない。 | shimz.co.jp |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 保守 | ロボットの保守の体制は公表されていない。 | shimz.co.jp |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 日本 | 使用は日本の現場だけで、海外での使用・輸出は公表されていない。 | shimz.co.jp |
💰 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| シミズ・スマート・サイトの開発費 (ロボット全体) | 10億円超 (2018年4月時点の会社発表) | shimz.co.jp |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
Robo-Carrierは、職人が作業していない夜の時間に資材を運ばせる発想のロボットだ。建物の中を走るには、エレベーターとの連携が欠かせない。清水建設は仮設エレベーターと組にして、地上階と施工階でロボットを分けて受け渡す方式をとった。2018年の新大阪の現場では、2台が夜間に天井ボードなどを計1,000〜1,200パレット運ぶ計画だった。2021年には虎ノ門・麻布台で約4万パレットを運ぶ計画を示したが、運び終えた実数は公表されていない。2022年にフォークリフト型を足し、トラックからの荷降ろしまでを自動の範囲に入れた。清水建設は、Robo-Carrier Forkは物流施設の荷役にも使えると説明し、外部へ貸す考えを示した。いま使っている台数と現場の数は公表されていない。
公表されていないこと
- 現在使っている台数と現場の数
- 虎ノ門・麻布台で運んだパレットの実数
- Robo-Carrier Forkの外販・レンタルの開始
- 車体とセンサーのメーカー
出所
- 清水建設 ニュースリリース「フォークリフト型の自動搬送ロボでトラックからの荷降ろし作業を自動化」 (2022-03-04)
- 清水建設 ニュースリリース「虎ノ門・麻布台プロジェクトで自律型ロボットと人のコラボがスタート」 (2021-02-17)
- 清水建設 ニュースリリース「新大阪の高層ホテル現場に次世代建築生産システムを初適用」 (2018-12-10)
- 清水建設 ニュースリリース「ロボット実験棟で各種ロボットを自律制御」 (2018-04-23)
- 清水建設 ニュースリリース「建築工事現場で最先端技術を搭載したロボットと人がコラボ」 (2017-07-12)
出所との照合日: 2026年11月8日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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