「ロボットが動いた」映像は、AIが何を決めたのかを示さない。Anthropicが5社12モデルを平衡・歩行・移動・腕作業で測った記録から、制御の三階層と二桁の遅延差、代金が実際に落ちている層までを解剖する。
「AI制御」という説明文の付いた映像で、機械が部屋を横切る。その1本から読み取れることは、見る側が思っているより少ない。モデルが動きを1手ずつ選び続けたのか、走らせる前に制御用のプログラムを書いておいたのか、目的地と向きだけを告げて脚の運びは別の仕組みに任せたのか。映像はそのどれであっても、ほとんど同じに見える。
2026年7月9日、Anthropicがこの曖昧さを実験の設計そのものに変えた計測記録を公開した。5社の12モデルに、倒立振子のような古典的な制御課題から、四足歩行機、人型、机上の腕までを与え、制御の権限を段階的に取り替えながら成績を取っている。1つの試験区画あたり35回、机上の腕の標準課題では200回、歩行と移動では100回という試行数を積んだうえで、「うまくいった」という一言に潰れがちな成果を、誰のどの判断が効いたのかまで分解した。本稿は、その台の構造と数字を追いながら、あまり報じられていない三つの急所を掘る。試験中は模擬環境の時間が止められていたこと、成績の何割かがモデルではなく与えた道具の側にあったこと、そして標準課題の高得点が能力ではなく条件適合を測っていたことである。そのうえで、この計測が示す構造が、部品と現場を持つ日本の産業のどこに値段として落ちるのかまで追う。
部屋を横切るという同じ目的に、三つの別の仕事がある
計測の骨格は、モデルに与える制御の権限を三段階に切り分けたところにある。工学の用語でいえば、行動空間、すなわちモデルが出力してよい量の定義を差し替えている。
第一の権限では、モデルは各時刻の関節トルクや力そのものを出す。観測として関節の角度や速度、映像を受け取り、1手打っては結果を見て、また1手を選ぶ。ここで解いているのは、多関節の体が倒れないように力の配分を毎瞬決める問題であり、機体側に助けはない。第二の権限では、モデルは走らせる前にPythonで制御器を書く。観測を入力し動作を出力する関数を用意し、走行が始まればその関数が自力で判断を続ける。モデルの知能は走行前の一度きりしか介在しない。第三の権限では、モデルが出すのは前進や旋回といった、言葉に近い速度指令だけである。脚をどう振り、どこで接地し、傾いた胴をどう戻すかは、強化学習であらかじめ鍛えた歩行方策が丸ごと引き受ける。
三つとも、目的は「部屋を横切る」で同じだ。違うのは判断の所在だけである。そして成功した走行が証明するのは、装置全体が働いたという事実に限られる。
12のモデルと、四種類の体
台に載ったモデルは5社にまたがる。同一の課題群で世代差と社差を同時に見るための構成であり、この並べ方自体が計測の主張になっている。
| 提供元 | 対象モデル | 位置づけ |
|---|---|---|
| Anthropic | Opus 4 / 4.1 / 4.5 / 4.6 / 4.7 / Mythos Preview | 世代差を6点で追える唯一の系列 |
| OpenAI | GPT-5.1 / GPT-5.4 | 強化学習を任せた区画で最良 |
| Google DeepMind | Gemini 2.5 Pro / Gemini 3.1 Pro Preview | 視覚系の比較対象 |
| Moonshot AI | Kimi K2.6 | 開放系の代表として1点 |
| Alibaba | Qwen 3.6+ | 開放系の代表として1点 |
体の側は四種類が用意された。倒立振子や跳躍機のような古典的な制御対象、ユニツリーの四足機Go2(12関節)、同社の人型G1(29関節)、そして机上の7関節の腕である。腕は台に固定されているので平衡を保つ必要がない。歩行機は動きながら倒れない条件を満たし続けなければならない。同じ「ロボットを制御する」という言葉の下で、モデルが解いている物理は毎回別物になる。
全体を1つの数字に畳んだ具現化の総合点では、最上位のMythos Previewが0.389、最下位のOpus 4が0.115だった。3倍以上の開きが2年ほどの世代差の中にある一方で、上限の1からは遠い。
四本足と二本足を隔てるもの
脚の本数は、モデルが最初の判断を下す前に問題の難度を決めてしまう。四足機は体重を四点に分散でき、常にどこかの脚が地面に触れている。人型は二点で高い胴を支え、歩行中は片脚支持の時間が必ず生じる。
四足機の直接制御では、Opus 4.6は姿勢を保てるものの、崩れた状態から立ち上がらせることはできなかった。制御器を書かせる権限に切り替えると成績は明確に上がり、Opus 4.6、4.7、Mythos Previewは2秒近くGo2を立たせている。2秒という数字は短く見えるが、平衡が成立していることを示すには足り、試行を回すには十分な長さだ、というのが実験者の説明である。
人型では結果が一段厳しい。研究陣はG1を崩れた姿勢から始め、立ち上がるよう求めた。1つのモデルも、一度も成功していない。四足機でも、初期姿勢の乱数化に仰向けを含めた途端、Opus 4.6は一度も起き上がらせられなくなった。
起き上がりが難しいのは、関節数が多いからだけではない。倒れた体を起こす動作は、接地点が次々に入れ替わり、そのたびに力の伝わり方が不連続に変わる。しかも自重を持ち上げる瞬間に必要なトルクが最大になり、腕や胴が自分自身と干渉しないよう姿勢を選ぶ必要がある。連続的な最適化として素直に解けない問題であり、実機の分野でも、強化学習で専用に鍛えた方策が担当するのが普通だ。四足で立てたことは、二足で立てることを保証しない。体は結果の一部である。
秒83回の修正が要る体に、2.5秒に1度の返答
もう一つの断層は速さにある。歩く機械の制御は階層になっていて、下へ行くほど周波数が上がる。関節の位置と速度を合わせる制御は機体に内蔵され、毎秒200回から1,000回の刻みで回る。その上に載る学習済みの歩行方策は毎秒50回前後で関節の目標値を出し続ける。
言語モデルが自ら直接制御しようとすると、この階段のどこかに割り込むことになる。研究陣の見積もりでは、実時間の制御に必要な指令頻度はおよそ毎秒83回だった。これに対し、推論を使わない現行モデルの応答は毎秒0.2回から0.4回、すなわち2.5秒から5秒に1回である。隔たりは200倍から400倍、桁でいえば2桁分になる。2.5秒待つ間に、機体は200回を超える姿勢修正を必要としていた計算になる。
ここに、あまり報じられていない実験上の措置がある。直接制御の試験では、モデルが次の答えを作っている間、模擬環境の時間が止められていた。止めなければ、多くの試験は「遅すぎる」という単一の理由で全滅し、判断の良し悪しを比べることができない。比較の公平性のためには妥当な設計だが、裏返せば、公開された成績はいずれも「時間を止めてもらった上での成績」である。実機にその猶予はない。
応答時間の内訳も、この構造を補強する。文字だけで推論を使わない往復が2秒から8秒、画像を1、2枚含めると5秒から15秒、推論を厚く使うと15秒から60秒、裾では60秒から180秒に達した。思考を深くするほど、体を持つ仕事からは遠ざかる。実際、推論の量を増やしても直接の低レベル制御の弱点は埋まらなかった、というのが研究陣の観察である。
赤い十字が成功率を6%から32%へ動かした
同じモデルの成績を最も大きく動かしたのは、賢さを足すことではなく、場面を調べる手段を足すことだった。
机上の腕では、手先のカメラ映像の上を動かせる小さな赤い十字が用意された。モデルは画面の任意の点を指し、そこに何があり、どれだけ遠いかを問い返せる。10課題の部分集合で、Mythos Previewの成功率は6%から32%へ上がった。試したすべてのモデルで改善している。同一の重み、同一の課題、同一の腕で、変わったのは場面の調べ方だけである。
歩行と移動では、今どちらを向いているかを度数で返すだけの道具が、他のどの視覚補助よりも効いた。自分の向きを見失うことが、この種の失敗の中心にあったことになる。一方、距離を色に置き換えた重ね描きや、物体ごとに区切って名札を貼る重ね描きは、全体としてほぼ中立で、距離の色分けは強いモデルの歩行成績をむしろわずかに下げた。機体を後ろ上方から映す俯瞰カメラに至っては、世代で符号が反転している。Opus 4.6は3.6点の悪化、Opus 4.7は5.8点の改善、Mythos Previewは10.7点の改善だった。情報を増やせば良くなる、という素朴な期待は成り立たない。
研究陣はここから、視覚言語モデルの現実世界への影響力は、与えた情報と道具によって桁で変わりうると述べている。評価も配備も、モデルの能力ではなく到達範囲を先に定義しなければ意味を持たない、という指摘である。完成した実演の映像に、この赤い十字は映らない。
専用の方策を上書きしたとき、成功する動きが失われた
もう一段上の権限では、汎用モデルが専用の動作モデルを監督する構成が試された。使われたのはMolmoActという、視覚と言語から動作を出す方策である。深度を含む知覚の表現から中間の軌跡計画を作り、そのうえで低レベルの動作を予測する三段構成をとり、途中の計画が人の手で編集できる点に設計上の主眼がある。この方策が「次に腕をこう動かしてはどうか」と提案し、言語モデルは従っても、別の動きを選んでもよい。
40課題の標準試験では、すべてのモデルがこの助けで成績を上げた。ところが、組み合わせた系は依然として、方策が単独で走った場合に届かない。しかも研究陣は、いくつかのモデルが、そのまま従えば成功していたはずの提案を、わざわざ別の動きに差し替えていたことを記録している。監督者を足すと必ず良くなる、という前提が崩れる観察であり、上位の判断者を置く設計では、上書きの権限そのものを絞ることが性能条件になる。
強化学習を任せた区画でも、似た逆転が起きた。モデルは報酬関数と方策の構造、学習の日程を自分で決め、学習と配備の道具を呼べる。ほぼすべてのモデルが、この経路で作った方策より、自分でPythonの制御器を書いたときの方が良い成績を出した。跳ね返りの激しい課題で安定して方策を学習できたのはGPT-5.4だけだった。設計図を書く仕事と、試行錯誤の設計を管理する仕事は、同じ知能では代替できていない。
ゴミ箱と、ガラスに映った机
実機の試行は数が少なく、信頼性を測るには足りないと研究陣自身が断っている。それでも、二つの失敗は失敗の種類が違うという点で示唆に富む。
事務所の廊下でGo2を操っていたOpus 4.6の前に、小さなゴミ箱があった。モデルはそれをゴミ箱だと正しく認識している。映像には位置合わせ用の照準が重ねられており、モデルは缶が照準の左にあるから安全に進めると判断した。実際には缶は真正面にあった。機体はそのまま突っ込み、脚を引っかけたまま数メートル引きずったところで人が止めている。
もう一つはxAIのGrok 4.1 Fastが机へ向かうよう指示された試行である。機体はガラス扉に正対し、目標の机は反対側にあった。机はガラスに映り込んでいた。モデルは映り込みを目標そのものと見なし、扉へ向かって機体を進めた。到達する前に人が介入している。
一方は物体を正しく名指しながら、自分との相対位置を取り違えた。もう一方は物体を画面内に見つけながら、それが実体か像かを判定できなかった。認識と定位、そして実在性の判定は別々の能力であり、前者ができることは後者を保証しない。25フィート先の机へ歩く課題では、多くのモデルが目標を正しく見つけながら、成功条件である1メートル以内に入る手前で止まってしまった。廊下を1周する課題は、与えた道具と機体の組み合わせを変えても、試したすべてのモデルが失敗している。
97.2%と5.5%が同じ課題で同時に成り立つ
数字の読み方そのものにも罠がある。机上の腕の標準課題では、専用に鍛えた動作モデルが平均97.2%に達している。同じ課題群を汎用の言語モデルが1手ずつ直接動かすと、完遂率は0%から5.5%だった。同じ試験名の下に、20倍近い開きが同居している。
さらに厄介なのは、その97.2%が何を測っているかである。標準課題に視点や機体の初期姿勢、明るさ、背景、感覚器の雑音といった撹乱を系統的に加えた検証では、成功率が95%から30%未満へ落ちた(LIBERO-Plus)。撹乱が単独なら耐えるが、複数が同時に来ると崩れ方は加算ではなく雪崩になる。現実の現場では、たいてい同時に来る。
同じ検証は、もう一つ居心地の悪い事実を出している。言語の指示をどう言い換えても成績がほとんど動かない。頑健なのではなく、指示を読んでいない。見えている場面から次の動きを当てているだけで、「言われたとおりに動く」という機能は、その高得点の中で実は測られていない。言語で指示できる機械という売り文句の土台が、この一点で揺らぐ。
Anthropicの計測の中にも、これと響き合う観察がある。過去のやり取りを切り詰めても、成績が統計的に有意に落ちたのはOpus 4.6だけだった。最も強かったMythos Previewは劣化していない。モデルは方針を組み替えてはいるが、その根拠は直近の数手にあり、一連の試行を通じて長い戦略を積み上げてはいない。同じ課題を数回練習させると成績はどのモデルも上がり、Mythos Previewは1例で強い水準に届いた。短期の適応は速く、長期の記憶は薄い。
映像から分かることと、資料からしか分からないこと
見せられた側にできることは限られるが、皆無ではない。まず映像そのものを、切り替えの有無、予期しない出来事への無編集の反応、完走の反復という三点で見る。物を動かされた、足が滑った、掴み損ねた。その直後に立て直しが同じ画面の中で映るなら、その系は今起きたことに応答している。1回の綺麗な走行が示すのは「起こりうる」までで、信頼性は反復でしか測れない。
ただし、そこまで見ても指令を出した主体は分からない。滑らかで正確な動きは、遠隔の操作者でも、固定の手順でも、ありふれた産業用の制御でも作れる。ぎこちない動きも同じで、通信の遅れ、安全側に振った設定、機構の限界、応答の遅い判断のどれが原因かは映像から区別できない。操作者が画面に映っていても、その人が担っているのは方向だけで、平衡と脚の運びは別の仕組みかもしれない。誰も映っていないことは、遠隔操作の不在を意味しない。
Anthropicが2025年に行った別の実験でも、この見分けにくさが記録されている。ロボット未経験の研究者8名を2組に分け、片方だけがClaudeを使える条件で四足機に球を拾わせた。Claudeを使えた組は8課題中7課題を完了し、共通の課題では約半分の時間で到達し、書いたコード量は約9倍だった。ただし歩行そのものは機体内蔵の仕組みが担い、人が操作器を握る段階も含まれる。どの場面がどの構成だったのかは、映像には書かれていない。
判別を可能にするのは、映像の外にある一枚の職務記述である。モデルは何を決めたのか。ほかに何が機体を動かしたのか。試験はどう回したのか。この三つが書かれていないなら、功績はモデルではなく装置全体に帰すのが妥当な扱いになる。
資本は上の層に、請求書は下の層に立っている
この構造は、投資と調達の判断に直結する。物理AIの積み木を上から下へ並べると、注目と評価額は上に集まり、確実な請求書は下に立っている。
最上段の汎用の基盤モデルは、道具なしの直接操作でまだ0%から5.5%の水準にあり、収益は依然として文字と符号の側から来ている。その下の動作専用の方策は、開放実装が先行して標準課題では9割台に届く一方、条件を崩すと3割未満へ落ちるため、単体での値付けが立ちにくい。実際、開放系の最新版でも実機の評価では全課題平均20.6%にとどまる。
確実に代金が発生しているのは、その下の三段である。教示データを作る人の手は、熟練者の遠隔操作で総原価が1時間あたり118ドルから200ドル、1回分の軌跡に1分から10分を要する。今日の物理AIの最大の変動費はここにある。次に、現場への据え付けと安全評価と保守がある。柵を外して人の隣で動かすには危険源の評価と規格適合が要り、1台売るより1件を通すほうが単価が立つ。最下段が関節の部品で、波動歯車装置は世界のおよそ5割、精密減速機は6割前後を日本勢が握る。台数が出れば自動的に伸びる層だ。
検証できる稼働の数字は、まだ数えるほどしかない。自動車工場での11か月の実証で、稼働1,250時間超、板金9万枚超、1周期84秒、置き精度99%超。物流拠点での二足型は9拠点で累計6.5万時間超、容器の搬送が10万個を突破した水準にある。一方、2026年に人型分野へ流れ込んだ調達は86億ドル規模、最大手の評価額は390億ドルに達する。2025年の人型ロボットの世界売上高が初めて5億ドルを超えた、という段階との落差は大きい。この乖離が閉じる条件は、実演の見栄えではなく、遠隔操作に費やす時間をどれだけ削れたかという1本の指標に還元できる。
日本の現場で明日から効く三つの手当て
第一に、調達仕様書に職務記述の欄を作ることである。「AI搭載」という表記に対し、判断の所在(1手ずつか、事前のプログラムか、目的地の指定か)、併用する仕組み(専用の動作モデル、固定の手順、遠隔の操作者)、試験の条件(試行回数、人の介入回数、時間を止めたか)の三つを書かせる。書けない相手は、自社でも境界を把握していない。導入後の不具合の切り分け費用は、この三行の有無で桁が変わる。
第二に、遠隔操作を敗北ではなく設計として扱うことである。国内には先行例がある。Telexistenceが小売の後方作業に入れた腕は、自律制御を既定とし、陳列に失敗したときだけ遠隔操作へ切り替える構成を採った。1日あたり約1,000本の飲料陳列を担い、300店規模へ展開している。人型の家庭向けで起きた反発は、遠隔操作を使ったこと自体ではなく、映像でそれを開示しなかったことに向いた。介入率を計測して開示する運用は、性能の主張を検証可能にし、同時に習熟データの収集経路にもなる。
第三に、安全規格の更新に自社の運用を合わせることである。国内では労働安全衛生規則により、出力80ワットを超える駆動源を持つ産業用ロボットは柵で人と隔てることが原則だったが、2013年の緩和で、ISO 10218とISO/TS 15066の要求を満たせば柵なしの人協働運用が可能になった。2025年版のISO 10218は「協働ロボット」という語を「協働アプリケーション」に置き換え、機体の最大能力に基づくクラス分類を導入している。守るべき対象が機械単体から作業の組み立てへ移ったということであり、判断の所在が曖昧な系は、この枠組みではリスク評価そのものが書けない。
| 企業 | 証券コード | この計測との接点 |
|---|---|---|
| ハーモニック・ドライブ・システムズ | 6324 | 波動歯車装置で世界シェア約5割。3年間の設備投資275億円の約3分の1を人型向けに配分 |
| ナブテスコ | 6268 | 精密減速機で世界シェア6割前後。介護や建設向けの大型機で優位 |
| THK | 6481 | 直動案内の完成品供給。関節以外の可動部を押さえる |
| 安川電機 | 6506 | 双腕型MOTOMAN NEXTは片腕可搬10キログラム。2025年12月にソフトバンクと協業 |
| ファナック | 6954 | 2025年12月にNVIDIAと協業し、自社ロボットの開放的な基盤化へ動いた |
体を作る側の競争は、ユニツリーが四足機を1,600ドル、人型を1万3,500ドルから出し、2025年に人型を5,500台超出荷したうえで上海科創板への上場が承認された段階にある。頭脳と体と部品のどこに値段が付くかは、まだ確定していない。弊誌が別稿で追った遠隔操作と自律の境界や、現場で推論を回す半導体の条件と合わせて読むと、この計測が測ったものの位置が見えてくる。企業ごとの事業構成は弊誌の企業データベースとロボティクス分野に整理してある。
研究陣は評価用の環境一式をsafety-research/embodyとして公開する方針を示している。汎用の会話モデルが、うまくいった走行でなら、自分で道具を書いて取り込み、四足機を迷路の中でゆっくり歩かせ、皿を台から取って調理台に置くところまでは届く。その信頼性の差が世代ごとに詰まっている、というのが計測の結び目にある観察であり、同時に、物理的な到達範囲を限度付きで与える仕組みがまだ無い、という指摘でもある。次に流れてくる映像で機械が歩いても、戦っても、皿を持ち上げても、そこで問うべきは動きの巧拙ではなく、そのAIがどの職務で雇われていたのかである。
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