DMPのグラフィックスIPコア(PICA200・M3000・antシリーズ・K3000) DMP graphics IP cores
ディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)が2002年の創業以来設計してきた、組み込み機器向けの画像処理回路の設計資産(IPコア)。半導体メーカーや機器メーカーに使用を許諾し、許諾の一時金と出荷数に応じたロイヤルティーを受け取る。2006年に販売を始めたPICA200が出発点で、いまは2D・3Dの製品群を持つ。
詳細解説
- PICA200
- 組み込み機器向けグラフィックスIPコアとして2006年7月に販売を始めた。国際標準に準拠し、独自の拡張機能「MAESTRO」を載せられる dmprof.com
- 受賞と採用
- PICAは2007年に第9回LSI IPデザインアワードのIP優秀賞を受けた。DMPは会社の年表で、2010年の項に任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」への採用を挙げる dmprof.com
- M3000シリーズ
- 2016年8月に発表した3DグラフィックスIP。DMPの3Dグラフィックスの回路構成(アーキテクチャー)「Musashi」を使い、OpenGL ES 3.0に対応する dmprof.com
- ant300
- OpenGL ES 2.0に対応する小型の3DグラフィックスIP。ウエアラブル機器やモノのインターネット(IoT)の機器向け dmprof.com
- K3000・ant200・ant100
- K3000はOpenVG 1.1準拠の2Dベクター描画IP、ant200はK3000からテクスチャーを貼り付ける機能を除いて小さくしたIP、ant100は2Dの画面合成IP dmprof.com
- 採用例
- OMデジタルソリューションズのミラーレス一眼「OM SYSTEM OM-1」(2022年3月発売)にDMPの画像処理半導体(GPU)のIPが採用された dmprof.com
- 搭載製品の累計
- DMPのGPU・AIのIPを載せた顧客製品は約750製品、累計出荷は約2億台(2025年11月の決算説明会、会社発表) dmprof.com
- いまの用途
- デジタルカメラ、4Kテレビ、OA機器などのロイヤルティー収入を2026年3月期に計上した dmprof.com
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| なし(回路の設計資産) | 東京都中野区(設計拠点) | 論理設計データ、制御ソフトウエア、制作支援ツールを作る。製造はライセンス先が行う | dmprof.com |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- 提供物
- ハードウエアIP(論理設計データ)と、ハードウエアを制御するドライバーやコンテンツ制作の支援ツールなどのソフトウエアIP dmprof.com
- M3000の構成
- 演算の単位(シェーダークラスター)の数を変えられ、顧客の性能と面積の要求に合わせる dmprof.com
- 対応する実装先
- 特定用途向け半導体(ASIC)、汎用の特定用途品(ASSP)、1チップのシステムLSI(SoC)、書き換え可能な半導体(FPGA) dmprof.com
- Di1での利用
- Di1は最大500メガヘルツのOpenVG 1.1の2Dグラフィックス回路を持つ dmprof.com
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| M3000 | OpenGL ES 3.0/2.0、最大4K×2K、テクスチャーの形式ETC2・ASTC・YUV | dmprof.com |
| ant300 | OpenGL ES 2.0、最大4K×2K、ETC | dmprof.com |
| K3000 | OpenVG 1.1、最大8K×8K、RGBA・YUV | dmprof.com |
| ant200 | OpenVG 1.1互換、最大4K×4K | dmprof.com |
| ant100 | RGBA・YUV、拡大縮小と90・180・270度の回転 | dmprof.com |
| 接続 | メモリーの接続は回路の内部接続の規格AXI3/4、設定の接続はAXI3/4とAPB(各製品共通) | dmprof.com |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 回路設計 | PICA200、M3000、ant100・ant200・ant300、K3000 | ディジタルメディアプロフェッショナル 自社設計 |
3652 | 日本 製造はライセンス先 |
有価証券報告書の事業の内容と製品ページ A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1ライセンス半導体メーカーや最終製品メーカーにライセンスする。顧客がソフトウエア会社に再許諾する権利を与える場合もある企業: ディジタルメディアプロフェッショナル
- 2採用例台湾アイキャッチ・テクノロジーがモバイル機器向けの画像処理エンジンにant100などを採用した(2015年4月20日発表)企業: アイキャッチ・テクノロジー
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1製造回路の設計資産のため製造ラインは持たない。チップの製造はライセンス先が行う設備・企業: ライセンス先
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 各IPコアのライセンス | 公表されていない(個別の見積もり) | 2026-11-07 | dmprof.com |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 直接の契約 | 評価用のライセンスを出した後に正式なライセンス契約を結び、量産でロイヤルティーが生じる | dmprof.com |
| 設計の支援 | IPを採用する顧客の環境に合わせた回路の提供からアプリケーション開発までのシステムデザインサービスを付けられる | dmprof.com |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 保守 | 保守契約に基づくIPコアの保守を行い、メンテナンス・サポート収入を得る | dmprof.com |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 海外 | 海外の採用例に台湾のアイキャッチがある。仕向け地別の収入は公表されていない | dmprof.com |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | IPコアライセンス事業の売上高(AI・GPUの合計) | 1億3,900万円 | 円 | GPU IP単独の額は開示されていない | dmprof.com |
| 2026年3月期 | その他分野(デジタル機器向けIPなど)の売上高 | 1億9,900万円 | 円 | 一部の製品の売上を含む | dmprof.com |
| 2026年4〜6月 | その他分野の売上高 | 1,900万円(前年同期2,200万円) | 円 | dmprof.com |
💰 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| IPコアライセンス事業の売上高の推移 | 2022年3月期1億7,300万円、2023年3月期2億6,100万円、2024年3月期1億7,000万円、2025年3月期1億2,400万円、2026年3月期1億3,900万円(単体) | dmprof.com |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
グラフィックスIPはDMPの祖業で、会社の年表は2010年の項に任天堂の「ニンテンドー3DS」への採用を挙げる。2026年3月期のIPの収入は、AIのIPの初期ライセンスと、デジタルカメラ・4Kテレビ・OA機器からのロイヤルティーが中心になった。IPコアライセンス事業の売上高はAIのIPと合わせても2026年3月期で1億3,900万円にとどまる。山本達夫会長兼社長は株主総会で、IPの売上構成比が10%以下になったと述べ、従来の水準に戻したいとした。DMPは、GPUの回路設計で積み上げた技術を、Di1の4ビット浮動小数点(FP4)の演算回路にも生かしたと説明する。ロイヤルティーは顧客製品の生産が終わるまで数年続く仕組みで、DMPは搭載製品を約750、累計出荷を約2億台とする。
公表されていないこと
- GPU IP単独の売上高とライセンス先の数
- PICA200の現在の提供状況
出所
- 有価証券報告書(第24期) (2026-06-22)
- 事業計画及び成長可能性に関する事項 (2026-06-22)
- M3000シリーズ 製品ページ (2026-11-07)
- ant300 製品ページ (2026-11-07)
- K3000 製品ページ (2026-11-07)
- ant200 製品ページ (2026-11-07)
- ant100 製品ページ (2026-11-07)
- OM SYSTEM OM-1へのGPU IP採用 (2022-03)
- 2026年3月期第2四半期決算説明会の書き起こし (2025-11-13)
- 第24回定時株主総会 質疑応答 (2026-07-02)
出所との照合日: 2026年11月7日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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