アドバンテストHA1200(ダイレベルプローバー) HA1200 Die Level Prober
個片に切り出したダイ (チップ) に直接探針を当てて試験する装置。チップレット構造の高性能 SoC では、良品と不良品を混ぜて積層すると良品のダイやインターポーザー (ダイをつなぐ中間基板) まで廃棄になる。そのため組み立て前にファイナルテスト相当の全機能試験を行う。テスターと連動して試験中の温度を制御する自社の機能 (ATC、アクティブ・サーマル・コントロール) で高発熱の試験項目に対応する。2025年12月16日に東京精密とダイレベルプローバーの共同開発を発表した。価格は公表していない。
詳細解説
- 製品の区分
- テストシステム周辺機器のプローバー。製品サイトは Die Level Prober として HA1200 を載せる advantest.com
- 狙い
- チップレット技術では積層後に良品と不良品が混在する危険が高まり、良品のダイ・サブストレート・インターポーザーの廃棄を招く。HA1200 は組み立て前に個片ダイへ高精度に自動プロービングし、ファイナルテストでしかできなかった全機能試験を行う advantest.com
- 東京精密との共同開発
- 2025年12月16日、アドバンテストと東京精密はダイレベルプローバーを共同開発すると発表。2.5D/3D パッケージの AI・高性能コンピューティング (HPC) 向けデバイスの試験に要るプロービング技術とハンドリング技術を強化する advantest.com
- 研究開発
- 有価証券報告書は「最新のチップレットデバイスに必要なシリコンダイをハンドリングするテスト装置の開発」を挙げる advantest.com
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| 群馬工場 | 群馬県邑楽郡邑楽町 | 有価証券報告書の「主要な設備の状況」で唯一「製造設備」と区分される国内拠点。テストシステム事業とサービス他の両方に属し、従業員349人 (2026年3月31日現在)。どの機種をここで造るかは公表されていない | advantest.com | |
| 外部委託先 (EMS) | 公表されていない | 統合報告書2026によると、品種が少なく数量が多い製品や、組み込む基板に応じて仕様を変えられる製品は EMS (電子機器受託製造サービス) の提携企業に生産を全面委託し、少量で構造が複雑な製品は自社で造る併用方式 (アドバンテストは「ハイブリッド生産」と呼ぶ)。委託先の社名と所在地は公表されていない | advantest.com | |
| 群馬R&Dセンタ | 群馬県邑楽郡明和町 | 開発設備。従業員1,212人 (2026年3月31日現在)、土地19万5,617平方メートル。統合報告書はドイツのボブリンゲンと並ぶ主要開発拠点と位置づける | advantest.com |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- ATC (アクティブ・サーマル・コントロール)
- パッケージテストで実績のある、テスターと連動した自社の温度制御を個片ダイの試験に使う。高発熱の試験項目に対応し、ファイナルテストでの歩留まり低下を抑える advantest.com
- 高精度プロービング
- 個片ダイへの高精度な自動プロービング。精密位置決めは東京精密との共同開発の対象 advantest.com
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| 対象 | ハイエンド SoC の個片ダイ (チップレット) | advantest.com |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 温度制御 (ATC) | テスター連動のアクティブ・サーマル・コントロール | アドバンテスト | 6857 | 日本 公表されていない |
製品ページ A |
| 精密位置決め・プロービング機構 | 自動プロービング機構 | 公表されていない | — | HA1200 現行機の機構の供給元は非開示。次世代機は東京精密 (東証 7729) と共同開発 (2025年12月16日発表)。東京精密を供給元とする公表はない A | |
| プローブカード | ウエハー・ダイ用プローブカード | 公表されていない | — | アドバンテストはプローブカードメーカー3社と戦略提携する。HA1200 向けの供給は公表されていない A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1開発アドバンテストと東京精密が共同開発 (2025年12月発表)。統合報告書はプローバーメーカーとの協業に言及企業: 東京精密
- 2製造HA1200 の製造拠点は公表されていない企業: アドバンテスト
- 3販売親会社と海外販売子会社企業: アドバンテスト各社
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1製造製造拠点と生産台数は公表されていない
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| HA1200 | 公表していない。見積もり (相対取引) | 2026-11-01 | advantest.com |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 直販 (国内と韓国・中国の一部) | 有価証券報告書によると、販売は主に親会社が国内と一部の海外顧客 (韓国・中国など) を担当する | advantest.com |
| 海外販売子会社 | その他の海外顧客は アドバンテスト・アメリカ (米カリフォルニア州)、アドバンテスト・ヨーロッパ (ドイツ)、アドバンテスト台湾 (台湾新竹)、アドバンテスト・シンガポール などが担当する | advantest.com |
| リース | 顧客に半導体テストシステムを1〜3年のオペレーティング・リースで貸し出す契約がある。契約はすべて解約不能 | advantest.com |
| 認定中古 | 子会社のアドバンテスト プリオウンド ソリューションズが、使わなくなった装置を買い取り、メーカーの技術者が仕様変更・動作確認・ライセンス切り替えをして再販する | advantest.com |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 保守契約 (カスタマ・サービス契約) | 専任エンジニアの技術支援、モジュール交換、ソフトウエア更新、校正、予防保守を含む支援パッケージ。必要なときに届くスペア部品や現地での支援を追加でき、対応可能時間の拡大や応答の迅速化のオプションもある。保証の年限は公表されていない | advantest.com |
| 校正・スペア・ソフトウエア更新 | 校正サービス、交換修理、顧客先にスペアボードを常備する仕組み、ソフトウエア更新を提供する | advantest.com |
| 遠隔保守 (ADVANTEST CONNECT+) | 半導体業界で使われる安全な遠隔接続の規格 secureWISE を使ったオンライン支援。xR (仮想現実・拡張現実の総称) を使うデジタル支援と遠隔操作に対応する | advantest.com |
| コールセンター | 日本 (0120-588-872) のほか米国・中国・欧州・シンガポール・韓国・台湾などに窓口を置く | advantest.com |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 海外全般 | 2026年3月期の海外売上比率は97.8%。地域別の売上高は日本251億円、日本以外のアジア1兆359億円、米州445億円、欧州231億円。アジアの伸びは台湾でのSoC半導体用試験装置の販売が主因と有価証券報告書は説明する | advantest.com |
| 輸出管理 | 輸出管理の最高責任者は代表取締役兼経営執行役員社長。米国の輸出管理規則 (EAR) の域外適用に備え、特定顧客との取引では米国原産品目の含有率と直接製品規制の該当を確認し、用途に懸念があれば確約書を取る運用。製品分野ごとの一覧ページに該当・非該当判定書の発行窓口がある | advantest.com |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | HA1200 の売上高 | 非開示 | その他システム (805億円) に含まれる | advantest.com |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
HA1200 は、チップレットと 2.5D/3D パッケージの普及で生まれた新しいテスト工程に向けた装置だ。GPU や CPU を複数のダイで組む先端パッケージでは、不良ダイを1枚混ぜると良品のダイとインターポーザーまで捨てることになる。この装置は、組み立て前にダイ単位で全機能を試験する需要に応える。
技術面では、パッケージテストで培った ATC を個片ダイに使い、高発熱の試験項目に対応する点が核になる。2025年12月には精密位置決めに強い東京精密と共同開発を発表し、次世代機の機構を補う。
売上と台数は開示がなく、製造拠点も公表されていない。この装置の伸びは、先端パッケージの増産に合わせて、ウエハーテストとファイナルテストの間に新しい工程を加える顧客がどれだけ増えるかで決まる。
公表されていないこと
- HA1200 の売上高・出荷台数と主要顧客
- 製造拠点
- 東京精密との共同開発機の投入時期
- 販売価格
出所
- HA1200 製品ページ (2026-11-01)
- 東京精密との共同開発発表 (2025-12-16)
- 日本マイクロニクスとの戦略提携 (2025-02-27)
- 有価証券報告書 第84期 (2026年3月期) (2026-06-26)
- 統合報告書2026 (2026-10-16)
- 保守契約のページ (2026-11-01)
- 輸出管理のページ (2026-11-01)
出所との照合日: 2026年11月1日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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