アドバンテスト パワー半導体テストシステム(EXAVIS・MTe・MTファミリー) Power Semiconductor Test Systems (EXAVIS / MTe / MT Family)
IGBT・MOSFET・ダイオードや炭化ケイ素 (SiC)・窒化ガリウム (GaN) のパワー半導体を、ウエハーからモジュールまで試験する装置。イタリアの子会社 CREA が設計・製造・販売を担当する。MT ファミリーは DC 試験で最大10kV・10kA、AC 試験で最大6kV・18kA に対応する。2025年10月30日に発表した統合プラットフォーム MTe は最大10kA の動的試験と短絡試験ができる。製品サイトの EXAVIS も同じ仕様を掲げる。価格は公表していない。
詳細解説
- 製品の区分
- パワー半導体テストシステム。製品サイトは EXAVIS と MT ファミリーを載せる。EXAVIS は「ウエハーから複合モジュールまですべてのパワー半導体デバイスのテストに対応する初の統合テストプラットフォーム」(会社主張) advantest.com
- MTe の発表
- 2025年10月30日に新プラットフォーム MTe (Make Test easy) を発表。グループ会社 CREA のファビオ・マリノ業務執行取締役がコメント。発表時点で世界で販売を始めており、車載・産業用の顧客の初期評価で生産性の改善を確認したとアドバンテストは説明 advantest.com
- MT ファミリー
- MT100・MT200。IGBT・MOSFET・ダイオード・サイリスタと SiC・GaN の DC/AC 試験装置。ウエハーテスト、良品ダイ (KGD)、絶縁基板 (DBC・AMB)、ディスクリート基板・複合モジュールまで対応し、IEC・JEDEC 規格に準拠 advantest.com
- 対象顧客
- 垂直統合型メーカー (IDM) と後工程受託企業 (OSAT)。産業・車載・新エネルギー・鉄道・電力網向け advantest.com
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| CREA S.r.l. | イタリア | 会社の拠点一覧で「パワー半導体用試験装置の設計・製造・販売」。アドバンテスト・ヨーロッパ の関係会社。所在都市は公表されていない | advantest.com | |
| 外部委託先 (EMS) | 公表されていない | 統合報告書2026によると、品種が少なく数量が多い製品や、組み込む基板に応じて仕様を変えられる製品は EMS (電子機器受託製造サービス) の提携企業に生産を全面委託し、少量で構造が複雑な製品は自社で造る併用方式 (アドバンテストは「ハイブリッド生産」と呼ぶ)。委託先の社名と所在地は公表されていない | advantest.com |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- 分散コンピューティング
- 複数のプロセッサに処理と通信を分散し、多数個同時試験の効率を高める。アドバンテストは業界で最も高い水準と説明する advantest.com
- 高電流・高電圧
- ACSPS (AC Scalable Power Solution) で最大10kA の短絡試験。SiC・GaN 向けの高速デジタイザと浮動プローブ。IPM (パワーデバイスと駆動回路の一体型モジュール) 用のデジタル機能 advantest.com
- モジュール構造
- モジュラーラックで増設でき、並列・直列試験と切り替えをデジタル同期で行う。テスター構成を意識しないソフトウエア環境 advantest.com
- 研究開発
- 有価証券報告書は EV などに使うパワーデバイス向けの高電圧・大電流テストシステムの開発を研究開発項目に挙げる advantest.com
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| MT ファミリー 最大条件 | DC 試験 10kV・10kA、AC 試験 6kV・18kA | advantest.com |
| MT100S | 静特性 2,800V・800A、電源32点・ゲート32点・センス32点 | advantest.com |
| MT100S-HP | 10kV・6,000A | advantest.com |
| EXAVIS / MTe 動的試験 | 最大10kA の動的試験と短絡試験 | advantest.com |
| EXAVIS モジュール寸法 | MDC-8 400×500×250mm、MDC-32 650×850×610mm、MDAC-8 800×800×950mm、TCAB 730×780×650mm | advantest.com |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 電源・測定モジュール | MDC-8・MDC-32・MDAC-8・TCAB (EXAVIS)、ACSPS 部品レベルの供給元は非開示 |
CREA アドバンテスト子会社 |
6857 | イタリア イタリア (CREA) |
拠点一覧と MTe 発表文 A |
| 高速デジタイザ・浮動プローブ | SiC・GaN 向け | 公表されていない | — | 製品ページ A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1設計・製造CREA が設計・製造・販売を担当する企業: CREA S.r.l.
- 2販売アドバンテストの販売網。MTe は発表時点で世界で販売開始企業: アドバンテスト各社
- 3ハンドラー・プローバー量産工程を前提に各種ハンドラー・プローバーと接続できる (製品ページ)。相手先の社名は公表されていない企業: 公表されていない
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1製造CREA (イタリア) で設計・製造。工場の所在都市と生産能力は公表されていない設備・企業: CREA
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| EXAVIS / MTe / MT ファミリー | 公表していない。見積もり (相対取引) | 2026-11-01 | advantest.com |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 直販 (国内と韓国・中国の一部) | 有価証券報告書によると、販売は主に親会社が国内と一部の海外顧客 (韓国・中国など) を担当する | advantest.com |
| 海外販売子会社 | その他の海外顧客は アドバンテスト・アメリカ (米カリフォルニア州)、アドバンテスト・ヨーロッパ (ドイツ)、アドバンテスト台湾 (台湾新竹)、アドバンテスト・シンガポール などが担当する | advantest.com |
| リース | 顧客に半導体テストシステムを1〜3年のオペレーティング・リースで貸し出す契約がある。契約はすべて解約不能 | advantest.com |
| 認定中古 | 子会社のアドバンテスト プリオウンド ソリューションズが、使わなくなった装置を買い取り、メーカーの技術者が仕様変更・動作確認・ライセンス切り替えをして再販する | advantest.com |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 保守契約 (カスタマ・サービス契約) | 専任エンジニアの技術支援、モジュール交換、ソフトウエア更新、校正、予防保守を含む支援パッケージ。必要なときに届くスペア部品や現地での支援を追加でき、対応可能時間の拡大や応答の迅速化のオプションもある。保証の年限は公表されていない | advantest.com |
| 校正・スペア・ソフトウエア更新 | 校正サービス、交換修理、顧客先にスペアボードを常備する仕組み、ソフトウエア更新を提供する | advantest.com |
| 遠隔保守 (ADVANTEST CONNECT+) | 半導体業界で使われる安全な遠隔接続の規格 secureWISE を使ったオンライン支援。xR (仮想現実・拡張現実の総称) を使うデジタル支援と遠隔操作に対応する | advantest.com |
| コールセンター | 日本 (0120-588-872) のほか米国・中国・欧州・シンガポール・韓国・台湾などに窓口を置く | advantest.com |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 海外全般 | 2026年3月期の海外売上比率は97.8%。地域別の売上高は日本251億円、日本以外のアジア1兆359億円、米州445億円、欧州231億円。アジアの伸びは台湾でのSoC半導体用試験装置の販売が主因と有価証券報告書は説明する | advantest.com |
| 輸出管理 | 輸出管理の最高責任者は代表取締役兼経営執行役員社長。米国の輸出管理規則 (EAR) の域外適用に備え、特定顧客との取引では米国原産品目の含有率と直接製品規制の該当を確認し、用途に懸念があれば確約書を取る運用。製品分野ごとの一覧ページに該当・非該当判定書の発行窓口がある | advantest.com |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | パワー半導体テストシステムの売上高 | 非開示 | 区分は公表されていない | advantest.com |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
パワー半導体のテスターは、AI 向けの V93000 とは別の需要で動く。EV と産業機器の電動化が対象で、SiC・GaN の普及で高電圧・大電流の試験が要る。アドバンテストはイタリアの子会社 CREA にこの事業を置き、2025年10月に新プラットフォーム MTe を世界で売り始めた。
特徴はウエハー、ベアダイ、サブストレート、モジュールまで同じ装置で試験できる点にある。IDM と OSAT の両方を顧客とし、国際規格 IEC・JEDEC に準拠した DC・AC 試験を1台で行える。
一方、2026年3月期は車載・産業機器向けのテスター需要が軟調だったと有価証券報告書は書く。パワー半導体テスターの売上は区分開示がなく、製品サイトの EXAVIS と発表の MTe の関係もアドバンテストは説明していない。
公表されていないこと
- EXAVIS と MTe の関係 (同じ製品の呼び名か別製品か)
- CREA の所在都市・工場・生産能力
- パワー半導体テストシステムの売上高・出荷台数
- 販売価格
出所
- EXAVIS 製品ページ (2026-11-01)
- MT ファミリー製品ページ (2026-11-01)
- MTe 発表 (2025-10-30)
- 欧州の拠点・関係会社 (2026-11-01)
- 有価証券報告書 第84期 (2026年3月期) (2026-06-26)
- 統合報告書2026 (2026-10-16)
- 保守契約のページ (2026-11-01)
- 輸出管理のページ (2026-11-01)
出所との照合日: 2026年11月1日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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