アドバンテスト マスク用測長SEM・欠陥レビューSEM(E3660・E3650・E5620) Mask CD-SEM / MVM-SEM E3600 series and DR-SEM E5620
半導体の回路を転写するフォトマスクの配線パターンの寸法を測る走査型電子顕微鏡 (SEM) と、マスク上の欠陥を観察する欠陥レビュー SEM。2025年9月9日に発売した E3660 は 2nm 世代以降のマスクと EUV マスク向けで、前機種 E3650 より測長再現性を20%以上高めた。曲線パターンの測定機能はベルギーの研究機関 imec と協力して開発した。ナノテクノロジー製品としてサービス他に計上され、売上の内訳は公表されていない。価格は公表していない。
詳細解説
- 製品の区分
- サービス他部門の「ナノテクノロジー関連の製品群」。投資家向け解説書は、電子ビーム制御技術を応用した走査型電子顕微鏡で、主な用途は前工程で使うフォトマスクの配線パターンの寸法測定と説明する advantest.com
- E3660 (最新機)
- 2025年9月9日発売。2nm 世代以降のマスク製造向けで、E3650 比で測長再現性を20%以上向上。曲線パターン用の測定アルゴリズムを持ち、マルチビームマスクライターで描く曲線パターンや High-NA EUV への対応をうたう。外販のフォトマスクメーカーと、半導体メーカーが社内に持つマスク製造部門に販売 advantest.com
- E3650
- 10nm 世代未満のフォトマスク向けの多目的測定 SEM (MVM-SEM)。測定スループットは前機種 E3640 の2倍。EUV マスクとナノインプリント用マスターテンプレートにも対応 advantest.com
- E3640
- 1X nm 世代のプロセス向け。EDA (半導体設計自動化) ツールと連携した、欠陥が出やすい箇所 (ホットスポット) の測定、3D 観察 advantest.com
- E5620 (欠陥レビュー SEM)
- マスク検査装置から欠陥位置データを取り込み自動で画像化する MASK DR-SEM。空間分解能 2nm、6025 サイズのマスクに対応、元素分析 (EDS) はオプション advantest.com
- 担当組織
- 執行役員 岩井俊道が ナノテクノロジー事業本部長 advantest.com
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| 製造拠点 | 公表されていない | 有価証券報告書の主要な設備の状況は、群馬工場 (製造設備) と群馬・埼玉の R&D センタをテストシステム事業とサービス他の両方に属するとするだけで、SEM をどこで造るかは記していない | advantest.com | |
| 群馬工場 | 群馬県邑楽郡邑楽町 | 有価証券報告書の「主要な設備の状況」で唯一「製造設備」と区分される国内拠点。テストシステム事業とサービス他の両方に属し、従業員349人 (2026年3月31日現在)。どの機種をここで造るかは公表されていない | advantest.com |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- 電子ビーム走査
- 独自の電子ビーム走査技術でフォトマスクの微細パターン寸法を高い精度と安定性で計測する (製品ページ)。有価証券報告書は「最先端フォトマスクのパターン寸法計測、及び欠陥観察・解析を目的とした電子ビーム計測装置の開発」を研究開発に挙げる advantest.com
- 曲線パターン測定
- 曲率を考慮した測定手法。imec と E3650 で相関を検証し、曲線パターン対応の機能を共同で開発・評価した advantest.com
- 設計データ連携
- 設計データに基づく計測 (DBM) 対応、EDA ツールとの連携によるホットスポット測定、広視野測定、3D 観察 advantest.com
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| E3660 | 2nm 世代以降対応、測長再現性 E3650 比20%以上向上 | advantest.com |
| E3650 | 10nm 世代未満対応、スループット E3640 比2倍 | advantest.com |
| E5620 | SEM 空間分解能 2nm、6025 サイズのフォトマスク、EDS エネルギー分解能 127eV (オプション) | advantest.com |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 電子光学系 (電子銃・レンズ・検出器) | 公表されていない | 公表されていない | — | 製品ページは部品構成を記載しない A | |
| 元素分析ユニット (EDS) | E5620 オプション、エネルギー分解能 127eV | 公表されていない | — | 製品ページ A | |
| 測定アルゴリズム | 曲線パターン測定、DBM | アドバンテスト imec と協力 |
6857 | 日本 | 発売発表 A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1開発imec と協力して E3650 で相関を検証し、曲線パターン測定を開発企業: imec (ベルギー)
- 2顧客半導体メーカー、フォトマスクメーカー、装置・材料メーカー (E3640 製品ページ)。E3660 は外販のフォトマスクメーカーと半導体メーカーの社内マスク部門に販売企業: 公表されていない
- 3製造製造拠点は公表されていない企業: アドバンテスト
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1製造製造拠点と生産台数は公表されていない
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| E3660 / E3650 / E3640 / E5620 | 公表していない。見積もり (相対取引) | 2026-11-01 | advantest.com |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 直販 (国内と韓国・中国の一部) | 有価証券報告書によると、販売は主に親会社が国内と一部の海外顧客 (韓国・中国など) を担当する | advantest.com |
| 海外販売子会社 | その他の海外顧客は アドバンテスト・アメリカ (米カリフォルニア州)、アドバンテスト・ヨーロッパ (ドイツ)、アドバンテスト台湾 (台湾新竹)、アドバンテスト・シンガポール などが担当する | advantest.com |
| リース | 顧客に半導体テストシステムを1〜3年のオペレーティング・リースで貸し出す契約がある。契約はすべて解約不能 | advantest.com |
| 認定中古 | 子会社のアドバンテスト プリオウンド ソリューションズが、使わなくなった装置を買い取り、メーカーの技術者が仕様変更・動作確認・ライセンス切り替えをして再販する | advantest.com |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 保守契約 (カスタマ・サービス契約) | 専任エンジニアの技術支援、モジュール交換、ソフトウエア更新、校正、予防保守を含む支援パッケージ。必要なときに届くスペア部品や現地での支援を追加でき、対応可能時間の拡大や応答の迅速化のオプションもある。保証の年限は公表されていない | advantest.com |
| 校正・スペア・ソフトウエア更新 | 校正サービス、交換修理、顧客先にスペアボードを常備する仕組み、ソフトウエア更新を提供する | advantest.com |
| 遠隔保守 (ADVANTEST CONNECT+) | 半導体業界で使われる安全な遠隔接続の規格 secureWISE を使ったオンライン支援。xR (仮想現実・拡張現実の総称) を使うデジタル支援と遠隔操作に対応する | advantest.com |
| コールセンター | 日本 (0120-588-872) のほか米国・中国・欧州・シンガポール・韓国・台湾などに窓口を置く | advantest.com |
| SEM 専用のサービス&サポート | 各製品ページから SEM メトロロジー・レビュー向けのサービス&サポートの案内に進める | advantest.com |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 海外全般 | 2026年3月期の海外売上比率は97.8%。地域別の売上高は日本251億円、日本以外のアジア1兆359億円、米州445億円、欧州231億円。アジアの伸びは台湾でのSoC半導体用試験装置の販売が主因と有価証券報告書は説明する | advantest.com |
| 輸出管理 | 輸出管理の最高責任者は代表取締役兼経営執行役員社長。米国の輸出管理規則 (EAR) の域外適用に備え、特定顧客との取引では米国原産品目の含有率と直接製品規制の該当を確認し、用途に懸念があれば確約書を取る運用。製品分野ごとの一覧ページに該当・非該当判定書の発行窓口がある | advantest.com |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | サービス他「その他」(消耗品・ナノテクノロジー製品) の売上高 | 442 | 億円 | SEM 単体は非開示 | advantest.com |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
マスク用 SEM は、テスター事業とは別の技術系統をもつナノテクノロジー製品だ。フォトマスクの寸法測定という前工程の計測に位置し、EUV と多重露光でマスク枚数と測定点数が増えるほど需要が増える。
2025年9月の E3660 は 2nm 世代以降を対象にし、曲線パターンの測定を imec と共同で開発した。マルチビームマスクライターで曲線の回路を描けるようになり、High-NA EUV の量産が2027年ごろから本格化するとアドバンテストは見る。
売上はサービス他のその他に含まれ、SEM だけの数字は公表されていない。製造拠点も有価証券報告書からは特定できず、会社全体の中では小さな事業だ。それでもマスク計測は前工程の装置メーカーと競う領域で、テスターで築いた顧客基盤とは別の販路を持つ。
公表されていないこと
- SEM 製品の売上高・出荷台数
- 製造拠点
- E3660 の採用顧客
- 販売価格
出所
- E3660 発売発表 (2025-09-09)
- E3660 製品ページ (2026-11-01)
- E3650 製品ページ (2026-11-01)
- E3640 製品ページ (2026-11-01)
- E5620 製品ページ (2026-11-01)
- 有価証券報告書 第84期 (2026年3月期) (2026-06-26)
- 2026年度第2四半期 決算説明会資料 (2026-10-28)
- Investors Guide (2026年10月) (2026-10)
- 取締役・執行役員 (2026-07-31)
出所との照合日: 2026年11月1日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
アドバンテスト のほかの製品
🧰 ツール・特集の入口
一次データで動く 14 本 — 銘柄の絞り込み・供給網・比較・一次データの台帳・解説・規制レンズ (すべて無料)