アドバンテスト AIS(テスト用インターフェースボード・ソケット・温度制御ユニット) Advantest Interconnect Solutions (Test Interface Boards / Substrates / Sockets / Thermal Control Units / Invisipin)
テスターと半導体をつなぐプリント基板、ソケット、温度制御ユニットを設計・製造する製品ユニット。2020年に買収した米エッサイ (Essai) と2021年に買収した米R&Dアルタノバ (R&D Altanova) を統合した。ソケットと温度制御ユニットは米カリフォルニア州フリーモントとアリゾナ州フェニックスの専用工場で造る。インターフェースボードは穴の深さと径の比 (アスペクト比) 35:1 以上の基板加工に対応する。売上はサービス他の消耗品に含まれ、2026年3月期のサービス他「その他」は442億円。価格は公表していない。
詳細解説
- 製品の区分
- エッサイと R&Dアルタノバの製品を統合した製品ユニット Advantest Interconnect Solutions (AIS)。テスト用インターフェースボード、サブストレート、テストソケット、サーマルコントロール・ユニット、Invisipin シリーズ advantest.com
- 買収
- 2020年にエッサイ、2021年に R&Dアルタノバを買収 (製品ページ)。エッサイはテストソケット等の設計・製造・販売 (米アリゾナ州、資本金50万ドル、従業員177人)、R&Dアルタノバはテスト用インターフェースボードの設計・製造・販売 advantest.com · advantest.com
- テスト用インターフェースボード
- ウエハーソートとファイナルテスト用のロードボードと多層有機 (MLO) 基板。顧客は垂直統合型メーカー (IDM)・ファブレス・ファウンドリー。信号品質 (SI) と電源品質 (PI) の解析ラボは最大50GHz advantest.com
- サブストレート
- ウエハー試験用の超微細ピッチのインターポーザー基板。25〜200マイクロメートルのピッチに対応 advantest.com
- テストソケット
- LGA・BGA 向けの量産実績のあるソケット、特注の Titan スプリングプローブ、同軸構造、高電流対応。CPU・サーバー・AI 向けを含む advantest.com
- サーマルコントロール・ユニット
- 第2世代の「コバルト」シリーズ。熱電冷却・液冷・ヒーター補助で、数百〜数千ワットのデバイスの温度を制御する advantest.com
- Invisipin Solderable
- リフローはんだ付けができる導電性エラストマーピン (アドバンテストは世界初と主張)。50GHz で損失1dB 未満、最大4A 連続、ピン径0.23〜0.64mm advantest.com
- 会社
- Advantest Interconnect Solutions, Inc. (米国)、同 Pakistan (Private) Limited、同 Taiwan Co., Ltd. advantest.com
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| フリーモント工場 | 米国カリフォルニア州フリーモント | ソケットと温度制御ユニットを製造する専用工場。5軸同時加工の CNC フライス盤、放電加工、無人運転の生産に対応 (製品ページ) | advantest.com | |
| フェニックス工場 | 米国アリゾナ州フェニックス | ソケットと温度制御ユニットを製造する専用工場 (製品ページ)。運営主体は公表されていない | advantest.com | |
| エッサイ | 米国アリゾナ州 (有価証券報告書の記載は州まで) | テストソケット等の設計・製造・販売。「製造設備等」で従業員177人、帳簿価額140億6,500万円 (2026年3月31日現在) | advantest.com | |
| R&Dアルタノバ | 米国 (拠点一覧のサマセット事業所。州名は公表されていない) | テスト用インターフェースボードの設計・製造・販売。米国の拠点一覧にサマセット事業所がある。基板製造の所在地は公表されていない | advantest.com | |
| AIS Pakistan・AIS Taiwan | パキスタン・台湾 | AIS の関係会社。役割 (設計か製造か) は公表されていない | advantest.com |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- 基板加工
- 高アスペクト比 (35:1 以上) の基板製造、高速ドリル・X線ドリル・レーザードリル。埋め込み同軸ビア、受動部品を基板内に組み込む EC Technology、材料を層ごとに使い分けるハイブリッド・ラミネート advantest.com
- SI/PI 設計
- 3D・2.5D・熱モデリングができる測定ラボで最大50GHz まで検証し、重要な信号経路のシミュレーションと信号応答の最適化を行う advantest.com
- 組み立てと検査
- スルーホール実装と表面実装 (SMT)、自動光学検査 (AOI) で JEDEC 指針への準拠を確認、電気試験で配線ごとの導通を確かめる advantest.com
- 温度制御 (コバルト)
- 熱電冷却器、液冷、ヒーター補助。ダイと基板の荷重を分散してシリコンの割れを防ぎ、結露防止で低温試験に対応。数十万回以上の耐久 (会社発表) advantest.com
- 研究開発
- 有価証券報告書のサービス他部門の研究開発に「多ピン、高速、高発熱及び高信頼性デバイスのテスト用ソケット及びサーマル・コントロール・ユニットの開発」 advantest.com
主要諸元
| 項目 | 値 | 出所 |
|---|---|---|
| 基板アスペクト比 | 35:1 以上 | advantest.com |
| サブストレートのピッチ | 25〜200マイクロメートル | advantest.com |
| Invisipin Solderable | 50GHz で1dB 未満、最大4A 連続、ピン径0.23〜0.64mm、ピッチ0.4mm 以上 | advantest.com |
| 測定ラボ | 最大50GHz | advantest.com |
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
| 部品 | 品名・型式 | メーカー | 銘柄 | 国・製造拠点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| プリント基板材料 | ハイブリッド・ラミネート用の各種材料 | 公表されていない | — | 製品ページは材料メーカーを記載しない A | |
| スプリングプローブ | Titan シリーズ (特注) | AIS アドバンテスト |
6857 | 米国 フリーモント・フェニックス |
製品ページ A |
| 導電性エラストマーピン | Invisipin Solderable (品番 5502-14-0017 など) | AIS アドバンテスト |
6857 | 米国 公表されていない |
製品ページの仕様表 A |
| 熱電冷却器・チラー | コバルトシリーズの冷却部 | 公表されていない | — | 製品ページは方式のみ記載 A | |
| 受動部品 (基板内蔵) | コンデンサー・抵抗器 (EC Technology) | 公表されていない | — | 製品ページ A |
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1設計SI/PI の設計チームが顧客と直接やり取りし、製造工程を踏まえた設計を提案する企業: AIS
- 2製造ソケットと温度制御ユニットはフリーモントとフェニックスの自社工場で造る。製造工程は ISO の枠組みに沿い、連続稼働に対応した自動化設備を備える。専門チームが24時間体制で対応する (製品ページ)企業: AIS
- 3顧客世界の主要な IDM、ファブレス、ファウンドリー (製品ページ)。社名は非公表企業: 公表されていない
- 4売上区分ソケットとインターフェースボードは消耗品としてサービス他に計上。2026年3月期は高性能 SoC 向けのインターフェースボードの販売が増加
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1基板製造高速・X線・レーザードリル、高アスペクト比加工設備・企業: AIS (R&Dアルタノバ)
- 2組み立て・検査スルーホール・SMT 実装、AOI、電気試験設備・企業: AIS
- 3機械加工 (ソケット)5軸 CNC フライス盤、旋盤、放電加工、溶融積層造形 (FDM)、無人運転設備・企業: フリーモント・フェニックス工場
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| インターフェースボード / ソケット / 温度制御ユニット / Invisipin | 公表していない。特注品の見積もり | 2026-11-01 | advantest.com |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 直販 (国内と韓国・中国の一部) | 有価証券報告書によると、販売は主に親会社が国内と一部の海外顧客 (韓国・中国など) を担当する | advantest.com |
| 海外販売子会社 | その他の海外顧客は アドバンテスト・アメリカ (米カリフォルニア州)、アドバンテスト・ヨーロッパ (ドイツ)、アドバンテスト台湾 (台湾新竹)、アドバンテスト・シンガポール などが担当する | advantest.com |
| リース | 顧客に半導体テストシステムを1〜3年のオペレーティング・リースで貸し出す契約がある。契約はすべて解約不能 | advantest.com |
| 認定中古 | 子会社のアドバンテスト プリオウンド ソリューションズが、使わなくなった装置を買い取り、メーカーの技術者が仕様変更・動作確認・ライセンス切り替えをして再販する | advantest.com |
| AIS 問い合わせ窓口 | AIS の製品は専用の問い合わせ先がある。Invisipin はテープ&リール (機械実装可) で供給 | advantest.com |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
| 項目 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 保守契約 (カスタマ・サービス契約) | 専任エンジニアの技術支援、モジュール交換、ソフトウエア更新、校正、予防保守を含む支援パッケージ。必要なときに届くスペア部品や現地での支援を追加でき、対応可能時間の拡大や応答の迅速化のオプションもある。保証の年限は公表されていない | advantest.com |
| 校正・スペア・ソフトウエア更新 | 校正サービス、交換修理、顧客先にスペアボードを常備する仕組み、ソフトウエア更新を提供する | advantest.com |
| 遠隔保守 (ADVANTEST CONNECT+) | 半導体業界で使われる安全な遠隔接続の規格 secureWISE を使ったオンライン支援。xR (仮想現実・拡張現実の総称) を使うデジタル支援と遠隔操作に対応する | advantest.com |
| コールセンター | 日本 (0120-588-872) のほか米国・中国・欧州・シンガポール・韓国・台湾などに窓口を置く | advantest.com |
| 信頼性試験 | 荷重・接触抵抗・たわみを対象にした繰り返し試験を行い、量産環境の要件を満たす製品だけに認証マークを与える (会社説明) | advantest.com |
🌏 海外輸出
| 仕向け地 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 海外全般 | 2026年3月期の海外売上比率は97.8%。地域別の売上高は日本251億円、日本以外のアジア1兆359億円、米州445億円、欧州231億円。アジアの伸びは台湾でのSoC半導体用試験装置の販売が主因と有価証券報告書は説明する | advantest.com |
| 輸出管理 | 輸出管理の最高責任者は代表取締役兼経営執行役員社長。米国の輸出管理規則 (EAR) の域外適用に備え、特定顧客との取引では米国原産品目の含有率と直接製品規制の該当を確認し、用途に懸念があれば確約書を取る運用。製品分野ごとの一覧ページに該当・非該当判定書の発行窓口がある | advantest.com |
| 米国からの供給 | ソケットと温度制御ユニットは米国の2工場で製造し、アジアの顧客に供給する。台湾とパキスタンに関係会社 | advantest.com |
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | サービス他「その他」(消耗品・ナノテクノロジー製品) の売上高 | 442 | 億円 | 前期412億円。AIS 単体は非開示 | advantest.com |
| 2027年3月期 (予想) | サービス他「その他」の売上高 | 625 | 億円 | テスト用インターフェースボードを中心に増収の見通し | advantest.com |
💰 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| エッサイ (アリゾナ州) の設備 | 帳簿価額140億6,500万円、土地6万195平方メートル、従業員177人 (2026年3月31日現在) | advantest.com | |
| サービス他部門の設備投資 | 65億円 (2026年3月期) | advantest.com |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
AIS はアドバンテストが買収で手に入れた、テスターと半導体の「接点」の事業だ。インターフェースボードとソケットは品種ごとに作り、繰り返し買い替える消耗品で、アドバンテストはこれをサービス他の売上に入れる。2026年3月期のその他は442億円、2027年3月期はインターフェースボードを中心に625億円を見込む。
高性能 SoC が数百〜数千ワットを消費するようになり、ソケットと温度制御ユニットの難度が上がった。コバルトシリーズの温度制御や 50GHz 対応の基板設計は、この要求に応える技術だ。
製造は米国の2工場が中心で、顧客の多いアジアとは距離がある。基板材料や冷却部品の供給元、AIS 単体の売上は開示がない。
公表されていないこと
- AIS 単体の売上高と生産能力
- R&Dアルタノバの基板工場の所在地
- AIS Pakistan・AIS Taiwan の役割
- 基板材料・冷却部品の供給元
- 販売価格
出所
- AIS のページ (2026-11-01)
- テスト用インターフェースボード (2026-11-01)
- サブストレート (2026-11-01)
- テストソケット (2026-11-01)
- サーマルコントロール・ユニット (2026-11-01)
- Invisipin Solderable (2026-11-01)
- AIS 関連会社情報 (2026-11-01)
- 米国の拠点・関係会社 (2026-11-01)
- 有価証券報告書 第84期 (2026年3月期) (2026-06-26)
- 2026年度第2四半期 決算説明会資料 (2026-10-28)
- 統合報告書2026 (2026-10-16)
出所との照合日: 2026年11月1日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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