東京エレクトロンTriase+・Episode(枚葉成膜装置) Triase+ / Episode 1 / Episode 2 DMR (Single Wafer Deposition Systems)
ウエハーを1枚ずつ処理して金属膜や絶縁膜を付ける成膜装置。Triase+ は四塩化チタン (TiCl4) によるチタン・窒化チタンの化学気相成長 (CVD) モジュールを持つ。六フッ化タングステン (WF6) によるタングステンのCVD、ASFD (先進逐次フロー成膜) による窒化チタンも成膜できる。スロット平面アンテナ (SPA) プラズマによる低温酸化・窒化のモジュールもある。後継のEpisode 1 は最大8プロセスモジュール、Episode 2 DMR は2枚同時成膜で生産性を上げた。2026年4〜9月に最先端ロジックのコンタクトメタル工程で枚葉CVDの新製品が量産採用認定 (POR) を得た。東京エレクトロン テクノロジーソリューションズが開発・製造する。価格は公表していない。
詳細解説
- 製品の区分
- 300mmウエハー対応の枚葉成膜装置。Triase+ EX-II TiN (ASFD)、Triase+ Ti/TiN (CVD)、Triase+ W (CVD)、Triase+ SPAi (プラズマ処理)、Episode 1、Episode 2 DMR tel.co.jp
- Triase+ シリーズ
- プラグ形成や電極工程のTi・TiN・W 成膜に長年使われる。製品ページは「高いシェアと実績」とする (会社主張)。比較表では4機種とも認定中古装置の扱い tel.co.jp
- Episode 1
- 最大8プロセスモジュールを載せ、複数プロセスを連続処理する。自然酸化膜を除くOPTCURE とチタンを成膜するORTAS を揃え、先端ロジックの金属配線の接触抵抗を下げる tel.co.jp
- Episode 2 DMR
- ウエハー2枚を同時に搬送・成膜する。モジュールDMR (同一設計の2反応室) はメモリーメーカーでの採用実績があるTriase+ EX-II を踏襲し、3次元化・高アスペクト比に対応 tel.co.jp
- 2027年3月期の進捗
- 最先端ロジックのコンタクトメタルで枚葉化学気相成長 (CVD)新製品の開発量産採用認定 (POR)を獲得し、メタルキャップ工程でも展開 (2026年10月30日)。新しい低抵抗メタル成膜装置のPORも獲得 (2026年7月30日)。埋め込み膜用の枚葉プラズマCVDでプラズマCVD (PECVD)市場の約10%に当たる領域へ新規参入 tel.co.jp
- 事業上の位置
- 成膜装置 (枚葉・バッチ・物理気相成長 (PVD)の合計) は2026年3月期の新規装置売上の20%。統合報告書2026は金属成膜 (枚葉) を上位シェアの製品に挙げる (会社推定)。東京エレクトロンはシェアの数字を公表していない tel.com
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| 東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ | 山梨県韮崎市 (本社・穂坂事業所)、岩手県奥州市 (東北事業所) | グループ会社一覧は「枚葉成膜装置の開発・製造」を受け持つとする。機種ごとの事業所は公表されていない。2025年11月に東北生産・物流センター (奥州市、成膜装置) が竣工 | tel.co.jp |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- 化学気相成長 (CVD)
- 四塩化チタン (TiCl4) ガスでチタン・窒化チタンを、六フッ化タングステン (WF6) ガスでタングステンを成膜する。Triase+ W は下地 (核付け) 層をSFD (逐次フロー成膜) で、主膜 (バルク膜) を化学気相成長 (CVD)で同じモジュール内に作り、微細な穴でも高い段差被覆性を得る tel.co.jp
- ASFD (先進逐次フロー成膜)
- ナノスケールで低温・緻密な膜を作る手法。EX-II TiN はチャンバーの反応空間とガス導入機構を刷新し、面内均一性と段差被覆性を上げた。高温向けのTiN Plus HT、金属-絶縁膜-金属 (MIM) 構造のキャパシター電極向けの酸窒化チタン (TiON) もある tel.co.jp
- SPA (スロット平面アンテナ) プラズマ
- 高密度・低電子温度のプラズマで低温・低ダメージの酸化・窒化を行う。ゲート窒化、ゲート修復酸化、素子分離 (STI) の内壁の酸化、高誘電率 (High-k) 膜の窒化に使う。SPAi は消費電力と設置面積を減らした tel.co.jp
- 装置データ
- Episode シリーズは装置データ収集と装置側で処理する (エッジ) 情報処理システムを強化し、稼働状況とエネルギー使用をデータベース化する tel.co.jp
- チャンバー洗浄
- Triase+ はチャンバーごとに最適化した三フッ化塩素 (ClF3) クリーニングを採用 tel.co.jp
主要諸元
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1部品調達供給元は公表されていない。東京エレクトロンは有価証券報告書で材料・部品パートナーとの共同研究開発を記す企業: 公表されていない
- 2組立・販売東京エレクトロン テクノロジーソリューションズが製造し、東京エレクトロン本体が仕入れて販売企業: 東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ
- 3物流東京エレクトロンBP。奥州市の東北生産・物流センター (2025年11月竣工) が成膜装置の生産・物流を受け持つ企業: 東京エレクトロンBP
- 4据え付け・保守国内は東京エレクトロンFE、海外は各国の販売・サービス子会社企業: 東京エレクトロンFE ほか
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1開発・評価山梨 (韮崎市) にプロセス評価用機械装置449億円 (2026年4月〜2028年8月) を投資する計画設備・企業: 東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ
- 2組立東北事業所 (奥州市) の生産・物流棟が2026年3月期に竣工 (有報)。機種別の分担は公表されていない設備・企業: 東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ 東北事業所
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| Triase+・Episode 1・Episode 2 DMR | 公表していない。見積もり | 2026-11-01 | tel.co.jp |
🛒 購入方法
🛠️ アフターサービス・保守サービス
🌏 海外輸出
📈 販売の実績
| 期間 | 指標 | 値 | 単位 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 新規装置売上に占める成膜装置 (枚葉・バッチ・物理気相成長 (PVD)合計) の比率 | 20 | % | 枚葉成膜単独の売上は公表されていない | tel.com |
💰 金額
解析 — 部品・製造・販売の特徴
枚葉成膜はチタン・窒化チタン・タングステンの金属膜で長い量産実績を持つ。統合報告書2026は枚葉の金属成膜を上位シェアの区分に挙げるが、東京エレクトロンは順位を数字では示していない。2026年4〜9月に最先端ロジックのコンタクトメタルで新製品が採用された。東京エレクトロンは低抵抗メタル成膜や埋め込み膜用プラズマCVD (PECVD) にも参入を進める。東京エレクトロンはプラズマCVD市場の約10%を新しい対象と説明する (会社説明)。岩手県奥州市の東北生産・物流センター (2025年11月竣工) は成膜装置向けである (2026年4月30日資料)。Episode シリーズは装置データの収集を強化し、会社のデジタル変革 (DX) の基盤 Epsira による保守の自動化と結び付く設計である。東京エレクトロンは部品の供給元と機種別の売上、新製品の採用顧客名を公表していない。東京エレクトロンは2027年3月期の研究開発費を3,350億円と計画し、成膜を含む前工程の開発を続ける。
公表されていないこと
- 枚葉成膜装置単独の売上・販売台数・価格
- 機種ごとの製造事業所
- 主要部品・前駆体ガスの供給元
- 新しい低抵抗メタル成膜装置の製品名と採用顧客
出所
- 成膜 Triase+ シリーズ 製品ページ (2026-11-01)
- 成膜 Episode シリーズ 製品ページ (2026-11-01)
- 製品一覧 (2026-11-01)
- 第63期 有価証券報告書 (2026-06-22)
- 2026年3月期 決算説明会資料 (2026-04-30)
- 2027年3月期 第1四半期 決算説明会 書き起こし (2026-07-30)
- 2027年3月期 第2四半期 決算説明会 書き起こし (2026-10-30)
- Integrated Report 2026 Data Section (2026-09-15)
- グループ会社 (2026-11-01)
- エンジニアリングサービス (2026-11-01)
- 改造 (2026-11-01)
出所との照合日: 2026年11月1日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
東京エレクトロン のほかの製品
🧰 ツール・特集の入口
一次データで動く 14 本 — 銘柄の絞り込み・供給網・比較・一次データの台帳・解説・規制レンズ (すべて無料)