東京エレクトロンSynapse・Ulucus(ウエハー接合・剥離装置) Synapse V / Z Plus / Si / ZF, Ulucus L / LX / G (Wafer Bonder, Debonder, Laser Processing)
ウエハーを貼り合わせ・剥がし・薄くする3次元実装向けの装置群。Synapse V/Z Plus はシリコン貫通電極 (TSV) 工程の仮接合と剥離を行う。Synapse Si は直接接合 (フュージョン) と銅のハイブリッド接合に使う永久接合装置で、位置合わせ精度は3σで100ナノメートル未満。Ulucus L/LX/G はレーザーによる縁の切除 (エッジトリミング)・基板分離とウエハー薄化を行う。東京エレクトロン九州 (熊本県) が開発・製造する。東京エレクトロンは広帯域メモリー (HBM) 向けの接合・剥離装置 (ボンダー・デボンダー) で高いシェアを持つと説明する (会社推定)。接合 (ボンディング) 関連装置の2030年までの累積売上5,000億円を目標に掲げる。価格は公表していない。
詳細解説
- 製品の区分
- ウエハーボンダー/デボンダー (Synapse V・Synapse Z Plus)、永久接合ボンダー (Synapse Si)、リワーカー (Synapse ZF)、レーザーによる縁の切除 (エッジトリミング、Ulucus L)、レーザー剥離 (Ulucus LX)、ウエハー薄化 (Ulucus G)。いずれも300mm対応 tel.co.jp
- Synapse V / Z Plus
- TSV工程でデバイスウエハーとキャリアウエハーを接着材で仮接合 (V) し、工程後に剥離・洗浄 (Z Plus) する。厚さ50µm以下の薄いウエハーも搬送できる。第18回半導体・オブ・ザ・イヤー (電子デバイス産業新聞主催)を受賞 tel.co.jp
- Synapse Si
- フュージョン接合とCuハイブリッド接合の両方に対応する永久接合装置。前工程で実績のあるプラットフォーム・洗浄モジュール・プラズマ処理モジュールを踏襲。製品ページは「多くのデバイスで量産採用が本格化し始めている」とする tel.co.jp
- Ulucus L / LX / G
- Ulucus LX・G は塗布現像装置LITHIUS Pro Z、L は塗布現像装置のプラットフォーム技術を基に、レーザー・研削・洗浄を融合。Ulucus LX はレーザーでシリコン基板を分離し、裏面研削・研磨・薬液エッチングを置き換えて純水使用量を90%以上減らし、基板を再利用する。Ulucus G は研削・洗浄・検査を1台で行う薄化装置 tel.co.jp
- 事業上の位置
- 東京エレクトロンは「先端ロジック向けプローバ専有、高シェア広帯域メモリー (HBM)向けボンディング装置」を成長要因に挙げ、HBM向けボンダー・デボンダー、ロジック3次元実装向け永久接合ボンダー、3D NAND型フラッシュメモリー向け貼り合わせ装置が増加と説明 (2026年4月30日)。先端パッケージング向け売上 (塗布現像・エッチング・成膜を含む) は2026年3月期約2,000億円、2027年3月期60%以上増の見込み tel.co.jp
- 市場見通し (会社推定)
- 統合報告書2026は、会社が参入するボンディング工程装置市場が2026〜2030年に年率30%超で成長し2030年に3,000億円超に達すると推定。2030年までのボンディング関連装置の累積売上目標は5,000億円 (2026年7月30日) tel.com
- 次の開発
- 先端パッケージング向けのチップ単位 (ダイレベル) の接合装置を開発中で、前処理から接合まで一体処理するクラスター装置を計画 (統合報告書2026)。ハイブリッド接合は量産採用認定 (POR) から量産ラインへの展開に進む (2026年7月30日) tel.com
🏭 製造工場
この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。
| 工場 | 所在地 | 役割 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| 東京エレクトロン九州 本社 | 熊本県合志市福原1-1 | コータ/デベロッパ・洗浄装置・3次元実装装置の開発・製造 (グループ会社一覧)。従業員2,219人 (2026年3月末)。機種ごとの分担は公表されていない | tel.co.jp |
⚙️ 技術・仕組み
どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。
- 仮接合・剥離
- 接着材の塗布・乾燥・接合を1台で行い、独自のアライメント機構と接合モジュールで接着層の厚さばらつき (TTV) を抑える。製品ページはTTVを業界で最も高い水準と説明する (会社主張)。剥離は機械式で、キャリアウエハーの洗浄機能を持つ tel.co.jp
- 永久接合
- 前工程で実績のあるプラットフォームと洗浄・プラズマ処理モジュールの設計を踏襲し、高精度に位置合わせして貼り合わせる。製品ページは直接接合 (フュージョン) と銅 (Cu) のハイブリッド接合の両方に対応すると記す。接合後の熱処理 (アニール) 前にやり直せるリワーク (やり直し) 装置 Synapse ZF を用意する tel.co.jp
- レーザー加工
- Ulucus L はレーザーで接合後のウエハーの縁を割断し、水を使わないドライ工程で発塵と廃水を減らす。Ulucus LX はレーザー照射・分離・洗浄を1台で行い、分離したシリコン基板を再利用する tel.co.jp
- 前工程技術の転用
- 統合報告書2026は、接合装置がプラズマ制御・洗浄技術と機械的アライメント技術を融合した装置で、成膜・塗布現像・エッチング・洗浄で培ったパーティクル制御の知見を使うと説明 tel.com
主要諸元
🔩 各部品と部品メーカー
部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。
🔗 部品製造サプライチェーン
材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。
- 1部品調達供給元は公表されていない企業: 公表されていない
- 2組立・販売東京エレクトロン九州が製造し、東京エレクトロン本体が仕入れて販売企業: 東京エレクトロン九州
- 3開発協力統合報告書2026は地域の開発・評価センターで顧客向けの開発を行うと記す。ベルギーの研究機関imecとの提携を2025年6月に延長企業: imec ほか
- 4据え付け・保守国内は東京エレクトロンFE、海外は各国の販売・サービス子会社企業: 東京エレクトロンFE ほか
🏗️ 製造ライン
工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。
- 1開発・評価九州にプロセス評価用機械装置430億円 (2026年4月〜2028年3月) を投資する計画。3次元実装装置の分は公表されていない設備・企業: 東京エレクトロン九州
- 2組立合志市の工場で組み立てる。工程の詳細は公表されていない設備・企業: 東京エレクトロン九州
💴 販売価格
| 型番・グレード | 税込価格 (円) | 時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| Synapse・Ulucus 全機種 | 公表していない。見積もり | 2026-11-01 | tel.co.jp |
🛒 購入方法
| 経路 | 内容 | 出所 |
|---|---|---|
| 直販 | 製品ページの「お問い合わせ」から見積もり。全機種新品 (比較表の Availability は New) | tel.co.jp |
🛠️ アフターサービス・保守サービス
🌏 海外輸出
📈 販売の実績
💰 金額
| 項目 | 値 | 備考 | 出所 |
|---|---|---|---|
| ボンディング工程装置市場の規模 (2030年、会社推定) | 3,000億円超、2026〜2030年の年率30%超 | tel.com |
解析 — 部品・製造・販売の特徴
ウエハー接合・剥離装置はHBMとロジック半導体の3次元実装の拡大で伸びる領域で、東京エレクトロンはHBM向けの接合・剥離装置で高いシェアを持つと説明する。東京エレクトロンは前工程の洗浄・プラズマ技術を接合に持ち込む点を差別化の軸にする。統合報告書2026は、前工程と接合の両方の最先端技術を1社で持つ点を強みに挙げる。Ulucus LX のシリコン基板の再利用は純水とウエハー費用の両方を減らす提案である。会社推定で2030年に3,000億円超の市場に対し、累積5,000億円の売上目標を掲げた。目標は会社のもので、東京エレクトロンは接合装置単独の売上実績を公表していない。チップ単位 (ダイレベル) の接合装置は開発中で、東京エレクトロンは発売時期を公表していない。東京エレクトロンは採用顧客名も公表していない。先端パッケージング向けの売上は2026年3月期に約2,000億円で、東京エレクトロンは2027年3月期に60%以上増える見込みと説明する。
公表されていないこと
- 機種別の販売台数・価格・売上
- 広帯域メモリー (HBM)向けボンダー・デボンダーのシェアの数字
- レーザー源・光学系など主要部品の供給元
- チップ単位 (ダイレベル) の接合装置の製品名と発売時期
出所
- 3次元実装 Synapse/Ulucus シリーズ 製品ページ (2026-11-01)
- 第63期 有価証券報告書 (2026-06-22)
- 2026年3月期 決算説明会 書き起こし (2026-04-30)
- 2026年3月期 決算説明会資料 (2026-04-30)
- 2027年3月期 第1四半期 決算説明会 書き起こし (2026-07-30)
- Integrated Report 2026 (2026-09-15)
- グループ会社 (2026-11-01)
- エンジニアリングサービス (2026-11-01)
- スペアパーツ・リペア (2026-11-01)
出所との照合日: 2026年11月1日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。
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