TrendForceが9月に公表した4〜6月期の半導体設計会社ランキングは、10社の合計を1,414.55億ドル (前年同期比+73%) と締めた。伸びの大半は首位の1社が作り、順位の入れ替わりの一部は通貨の向きが作っている。
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記事型: F 市場統計・調査 (主型) + A 決算・財務 (副型)。判定理由: TrendForceの公表文は調査会社の四半期ランキングで、主役は数字の読み方にある
主問い: 10社合計+73%という数字を、各社の四半期報告書と為替と業界の常識に照らすと、どこがずれるか
主要キーワード: ファブレス / 関連: TrendForce、エヌビディア、ブロードコム、半導体ランキング、四半期報告書
検索者が知りたいこと: ①上位10社の順位と売上高 ②なぜAMDが3位でクアルコムが4位か ③日本企業はどこにいるか
H2 (順) と主な読者・要点:
1 合計+73%のうち1社が半分以上 / 投資家 / 比率と1社を除いた伸び、順位の入れ替え (部品5 前倒し: 最も意外な数字がここにある)
2 TrendForceの解説と上位3社 / 初心者 / 公表文の事実を落とさず写す、前半 (部品2)
3 4位から10位と表の注記 / 初心者 / 同、後半。注記は突合の鍵 (部品2)
4 四半期報告書との差0〜36%、クアルコムの内訳、インテル+59% / 投資家 / 6社の差と理由、報告書のほうが細かい2点 (部品5・部品10 反対意見)
5 上位4社の四半期報告書が示す構造 / エンジニア / DC比率・XPV・GW契約・出資 (部品4)
6 台湾3社と為替 / 投資家 / 台湾ドル安2.3%で目減り、換算相場の突き合わせ (部品5)
7 日本の関連上場企業 (最大手でも最下位の年商の4割弱) / 投資家 / ソシオネクストほか、アドバンテスト・イビデンの主要顧客欄 (部品7)
8 外部環境と観測点 / エンジニア・投資家 / PPI▲7.0%、設備投資+19.2%、次の日付 (部品6・11)
FAQ (部品12)、CTA (部品13)
削った部品: 3 仕組みの解説 (統計記事のため独立H2を支える材料が無い。NVLink Fusion等は部品4で扱う)
前倒し: 部品5 (数字の読み解き) を部品2より前へ。1社で64%という最も意外な数字が主問いの入口になるため
内部リンク候補: エヌビディアの13Fが映さないもの / 業績好調でも売られる日本株5銘柄 / High NAとAI需要
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本誌は表の全項目を、米証券取引委員会 (SEC) への提出書類・台湾各社の月次売上高・為替の日次データ・EDINETで1つずつ確かめた。
合計+73%のうち、エヌビディアを除くと+39.9%
上位10社の4〜6月期合計1,414.55億ドルに占める比率は、エヌビディア64.4%、ブロードコム13.4%、AMD 8.2%で、3社を足すと86.0%になる。クアルコム以下の7社を足しても14.0%で、AMD 1社の1.7倍にしかならない。
+73%という伸びの中身を分けると構図が変わる。前年同期の合計は、表の+73%から逆算して817.66億ドルになる。エヌビディアの前年同期は+99%から逆算して458.09億ドル。両方から同社を除くと、9社の合計は前年同期の359.57億ドルから502.96億ドルへ39.9%増えた計算になる。10社合計の+73%とは33ポイントの開きがある。
TrendForceが2026年4月1日に公表した2025年通年の集計では、10社合計3,594億ドルのうちエヌビディアは2,057億ドルで57%だった。4〜6月期の64%は、そこから7ポイント上がっている。1四半期の合計1,414.55億ドルは、2025年通年の39.4%にあたる。この水準が4四半期続けば年5,658億ドルで、2025年の1.57倍になる。
順位も動いた。2025年通年で3位だったクアルコムが4位へ下がり、4位だったAMDが3位へ上がった。10位だったMPSは8位へ上がり、8位だったオムニビジョンは10位へ下がった。上がった2社はデータセンター向けの構成比が高く、下がった2社はスマートフォン向けの構成比が高い。表の順位の変化は、そのまま最終需要の入れ替わりを映している。
TrendForceの解説 上位3社はGPU・XPU・CPUで伸びた
TrendForceの解説は、AI関連の用途拡大でGPU・CPU・ASIC (特定用途向け集積回路)・相互接続製品の需要が増え、上位10社の合計が前年同期比73%増の1,414.5億ドル超になったと書く。エヌビディアは首位を維持し、AMDはCPUがエージェント型AI (人の指示を待たずに一連の作業をこなすAI) で伸びて3位へ上がり、クアルコムはスマートフォン事業の不振で4位へ下がった。
エヌビディアの4〜6月期は前年同期比+99%で911.6億ドル近くに達し、上位10社に占めるシェアは64%に高まった。主要顧客であるハイパースケーラー (大規模なクラウド事業者) に加え、ネオクラウド (AI向けに新しく立ち上がったクラウド事業者)、ソブリンAI (政府が主体となるAI基盤)、企業顧客が売上高に大きく寄与した。同社はNVLink Fusionのエコシステムを広げてASIC市場に参入しており、メディアテックへの出資でカスタムXPU (顧客向けに設計する演算チップ) の顧客と既存のエヌビディア基盤との相互接続を支え、将来の車載AIに布石を打った。それ以前のマーベルへの出資でも、NVLink Fusionを協業の対象に含めている。
2位のブロードコムは、設計を支援したオープンAI初のASICとグーグルのTPU 8iが当四半期に出荷を始め、ネットワーク事業もXPUと並んで高い伸びを示し、売上高は前年同期比+112%の188.9億ドル超になった。アンソロピックやオープンAIといったフロンティアモデル (最先端の大規模AIモデル) の開発者を含む6社のカスタム半導体の顧客が、今後もXPUの需要をけん引する。
3位のAMDはエージェント型AIの時代にCPUの重要性が再び高まり、4〜6月期の売上高は115.3億ドルを超えた。データセンター向けCPUの売上高は5四半期連続で過去最高を更新し、インテルのx86サーバー市場のシェアを奪い続けている。
4位以下の7社は端末の低迷と相互接続の伸びに分かれる
4位のクアルコムはスマートフォン向け半導体が低迷し、新型iPhoneのモデム (通信用チップ) の採用比率も下がった。車載事業は23四半期連続で前年同期比2桁の伸びを保ち、スマートフォンの落ち込みを一部相殺して売上高は85億ドル超。最近はデータセンター事業へ再参入し、QCT部門 (半導体部門) の多角化を急いでいる。5位のメディアテックもスマートフォン事業の不振で約48.1億ドルにとどまるが、AI ASIC事業の見通しを上方修正し、2026年のデータセンター売上高を20億ドル超、2028年のASICの市場規模の想定を800億ドルへ引き上げた。
6位のマーベルは相互接続の需要が急拡大し26.3億ドル。PAM4 (4値パルス振幅変調) のDSP (デジタル信号処理チップ) は業界首位で、800GのDSPの需要が強く、1.6TのDSPが量産段階に入りつつある。カスタム事業ではグーグルと協業契約を結び、2029会計年度に大きく寄与する見込みだとTrendForceは書く。
7位のリアルテックは11.9億ドル近く。2026年下半期のPCがさらに低迷すると見て、10Gイーサネットやサーバーの制御プレーン (機器を管理する側の通信経路) のスイッチなど既存の得意分野の設計資産 (IP) を生かしてサーバー市場へ入る。8位のMPSはAI関連の電源管理が成長エンジンで9.81億ドル、半導体ソリューション企業への転換に向けて生産能力の拡大を続ける。9位のノバテックは9.07億ドルで、顧客の前倒し発注が続いたことが成長の主因。SoC (機能を1つに集めたチップ) の売上高比率は5割を超え、エッジAIなどマシンビジョン向けSoCへ投資を続ける。10位のオムニビジョンは半導体設計の売上高が8.38億ドル。メモリー価格の変動がスマートフォン向けと車載向けのCIS (イメージセンサー) 事業に影響する一方、アクションカメラなど新興用途が強く伸び、アナログICでは光通信のEIC (TIAやドライバーなど電気側のチップ) に布石を打っている。
表の注記も見落とせない。各社の売上高は会計年度を暦年ベースに換算して算出し、1〜3月期は1ドル31.63台湾ドル・6.92人民元、4〜6月期は31.60台湾ドル・6.80人民元で換算している。クアルコムはQCT部門のみ、エヌビディアはOEM/IPの売上高を除き (4〜6月期のOEM/IPは推定値)、ブロードコムは半導体部門のみ、オムニビジョンは半導体の設計と販売の売上高のみを数える。10社の行を足すと141,456で、表の合計141,455と1の差が出るが、各社の丸めによる。
四半期報告書との差は0〜36%、クアルコムの端末は▲19.6%、インテルは+59%
米国6社について、米証券取引委員会に提出された四半期報告書の全社売上高 (四半期単独) とTrendForceの数値を並べた (取得日2026年9月12日)。AMDは2026年3月29日〜6月27日の四半期で115.36億ドル、MPSは4月1日〜6月30日で9.81億ドルで、いずれもTrendForceの数値と一致する。クアルコムは全社売上高99.47億ドルに対しTrendForceが85.04億ドルで、差はQTL部門 (特許ライセンス) を除いたためである。四半期報告書のQCT部門は85.04億ドルで一致する。
エヌビディアは2026年4月27日〜7月26日の四半期で全社売上高962.21億ドル、TrendForceは911.59億ドル。差の50.62億ドルは全社売上高の5.3%で、注記どおりOEM/IPを除いた分にあたる。マーベルは5月3日〜8月1日で27.39億ドルに対し26.32億ドル、差3.9%は暦年ベースへの換算による。ブロードコムは5月4日〜8月2日で全社売上高295.91億ドルに対し188.96億ドルで、差は36.1%。半導体部門だけを集計し、かつ暦年ベースに換算しているためで、6社の中で最も差が大きい。
差の理由が注記と整合していることは、表の残りの数字を信用してよいかどうかの判断材料になる。会計年度が暦年とずれる3社 (エヌビディア・マーベルは1月期、ブロードコムは10月期) で差が出て、暦年決算の2社と、部門の値が四半期報告書に載るクアルコムで一致する。
TrendForceの解説と四半期報告書が食い違うのではなく、四半期報告書のほうが細かい、という箇所が2つある。
クアルコムのQCT部門85.04億ドルの内訳は、端末向け50.86億ドル (前年同期63.28億ドル、▲19.6%)、車載15.88億ドル (9.84億ドル、+61.4%)、IoT 18.30億ドル (16.81億ドル、+8.9%) である。前年同期比▲5%の中身は、端末の▲12.42億ドルを車載の+6.04億ドルとIoTの+1.49億ドルで埋め切れなかった差にあたる。TrendForceが書く「車載は23四半期連続で2桁増」は+61.4%と整合する。
もう1つはインテルとの関係である。TrendForceは、AMDがインテルのx86サーバー市場のシェアを奪い続けると書く。同じ2026年4〜6月期のインテルの四半期報告書は、DCAI (データセンター・AI部門) の売上高が前年同期比+59% (増加額23億ドル) で、うちサーバー売上高が+20億ドル、サーバーの平均販売価格が+48%、数量が+9% (ハイパースケーラーの需要) と記す。全社売上高は128.59億ドルから161.28億ドルへ+25.4%になった。
シェアを奪われる側が+59%で伸びている。両方が正しいということになる。市場全体が伸びる局面では、シェアの移動と両社の増収が同時に起きる。インテルのサーバー売上高の増加は数量+9%より価格+48%の寄与が大きく、報告書は「上位製品の構成比の上昇が主因で、需要に応じた値上げの寄与は小さい」と記す。「その他DCAI」の売上高9.51億ドル (+3.04億ドル) の理由に「特定用途向けの半導体 (ASIC) の需要増」が書かれており、ASICの需要はファブレス上位10社の外側にも広がっている。
上位4社の四半期報告書が示す構造
エヌビディアの四半期報告書は、データセンター売上高が890.0億ドルで前年同期比+117%、前期比+18%と記す。全社売上高962.21億ドルに占める比率は92.5%になる。伸びの理由はBlackwell Ultraの立ち上がりで、Blackwellは出荷するシステムの大半を占め、今後はBlackwellとRubinの両方を出荷する。供給面で一部制約があるとも書かれている。直接の顧客上位5社が売掛金の22%・14%・13%・11%・10%を占める。
ブロードコムの四半期報告書 (8月2日終了の四半期) は、半導体部門の売上高が91.66億ドルから208.39億ドルへ+127%、営業利益が52.17億ドルから127.70億ドルへ増え、利益率は61.3%に達したと記す。ソフトウエア部門は87.52億ドル (+29%) で、売上高構成は半導体70%・ソフトウエア30% (前年57%・43%) に変わった。TrendForceの188.96億ドルは、この半導体部門を暦年ベースの4〜6月期に換算した値にあたる。
同じ報告書に、販売方法の変化が書かれている。金融パートナーと「AI XPV」という枠組みを作り、2028年までに20ギガワット超の計算能力をカスタムAIアクセラレーター (XPU) で展開するとしている。2026年6月に最初の枠350億ドルを金融パートナー主導で組み、1ギガワット超の設備を1社の顧客向けに展開する。金融パートナーが資金を出し、ブロードコムが技術を提供し、最先端AIの開発企業が使う。ラック単位で貸し出す形も書かれており、XPUを直接販売する従来の形とは異なる。
AMDの四半期報告書は、データセンター部門が32億ドルから67億ドルへ+107%、クライアント・ゲーム部門が36億ドルから38億ドルへ+6%と記す。データセンターは全社売上高の58.1%を占める。伸びの理由は「EPYCプロセッサーとInstinct MI350シリーズGPUの強い需要」とまとめて書かれ、CPUとGPUの内訳は出ていない。TrendForceの「データセンターCPUが5四半期連続で過去最高」は同社の推計にあたる。オープンAIとメタとの契約は、それぞれ最大6ギガワットのAMDデータセンターGPUを展開し、最初の1ギガワットをInstinct MI450で賄う内容で、営業損益は前年同期の1.34億ドルの赤字から19.90億ドルの黒字に転じた。
マーベルの四半期報告書 (8月1日終了の四半期) は、データセンター向けが14.91億ドルから21.72億ドルへ+45.7%、売上高に占める比率が74%から79%へ上がったと記す。2026年3月31日にエヌビディアへシリーズA転換優先株200万株を発行し、現金20.0億ドルを受け取ったこと、同じ四半期にカスタムXPUとスケールアップ向けネットワークをエヌビディアのAI基盤に接続する戦略提携を発表したことも載っている。TrendForceの「NVLink Fusionを協業の対象に含めた」はこの提携を指す。一方、「グーグルとの協業が2029会計年度に寄与」はTrendForceの記述で、四半期報告書にグーグルの名は出てこない。報告書に載る2029年1月期までの条件付きの追加対価は、買収したXConn TechnologiesとCelestial AIに対するものである。
台湾3社は台湾ドル建てなら2.3ポイント良く見える
台湾3社は米国への提出書類が無いため、各社が台湾証券取引所を通じて公表した月次売上高で確かめた。メディアテックの4〜6月期は1,521.83億台湾ドル (前期比+2.03%、前年同期比+1.21%)、ノバテックは286.60億台湾ドル (前年同期比+9.59%)、リアルテックは4月127.19億・5月125.24億・6月123.11億で375.54億台湾ドル (月次の前年同期比は+11.28%・+21.87%・+20.60%)。それぞれを4〜6月期の平均相場31.6030で割ると48.15億ドル・9.07億ドル・11.88億ドルになり、TrendForceの4,815・907・1,188と一致する。
台湾ドルの対ドル相場の四半期平均は、2025年4〜6月の30.8775から2026年4〜6月の31.6030へ2.3%の台湾ドル安になった。ドル建ての前年同期比は、その分だけ台湾ドル建てより低く出る。メディアテックは台湾ドル建てでは+1.21%の増収だが、ドル建てでは▲1%の減収に変わる。人民元は逆に7.2331から6.8048へ6.3%の元高で、オムニビジョンのドル建ての数字は元建てより良く見える。TrendForceの表で台湾勢の伸びが低く、中国勢の伸びが高く見える一因は、為替の向きにある。
換算相場そのものも確かめた。セントルイス連邦準備銀行が配信する日次相場の四半期平均は、台湾ドルが1〜3月期31.6302 (61営業日)・4〜6月期31.6030 (63営業日)、人民元が6.9218・6.8048で、TrendForceの注記 (31.63・31.60、6.92・6.80) と小数第2位まで一致する。TrendForceは期末相場ではなく期中平均で換算している。同じ物差しで円に直すと、4〜6月期の平均159.36円で10社合計は約22.5兆円、エヌビディアは約14.5兆円になる。
| 会社 | 4〜6月期 (自国通貨) | ドル換算 (本誌) | TrendForce | 自国通貨建て前年同期比 | ドル建て前年同期比 |
|---|---|---|---|---|---|
| メディアテック | 1,521.83億台湾ドル | 48.15億ドル | 48.15億ドル | +1.21% | ▲1% |
| リアルテック | 375.54億台湾ドル | 11.88億ドル | 11.88億ドル | 約+17.8% | +15% |
| ノバテック | 286.60億台湾ドル | 9.07億ドル | 9.07億ドル | +9.59% | +7% |
日本のファブレスは、最下位の年商の4割弱
日本の上場企業で、有価証券報告書に自社を「ファブレス」と書く半導体設計会社は、ソシオネクスト (6526)、メガチップス (6875)、ザインエレクトロニクス (6769) の3社である。ソシオネクストの2026年3月期の売上高は2,008.34億円 (前期比+6.5%) で、4〜6月期の平均相場159.36円でドルに直すと約12.6億ドル。上位10社の最下位であるオムニビジョンの四半期売上高8.38億ドルの1.5倍にとどまり、年率に直せば0.38倍にあたる。純利益は196.00億円から87.33億円へ55.4%減った。同社の報告書は「データセンター」を55回、「ASIC」を11回、「カスタム」を20回書いており、上位10社と同じ市場を向いている。
メガチップスは売上高が423.26億円から361.69億円へ14.5%減り、経常利益は26.08億円から1,476千円 (0.01億円) までほぼゼロになった。純利益92.84億円は特別損益による。ザインエレクトロニクスは売上高46.39億円で、経常損益は2.64億円の利益から4.03億円の損失へ転じた。
| 会社 (証券コード) | 年間売上高 | 純利益 | 有価証券報告書の語数 |
|---|---|---|---|
| ソシオネクスト (6526) | 2,008.34億円 (+6.5%) | 87.33億円 (前期196.00億円) | ファブレス6・データセンター55・ASIC 11 |
| メガチップス (6875) | 361.69億円 (▲14.5%) | 92.84億円 (前期53.72億円) | ファブレス10・ASIC 28・カスタム9 |
| ザインエレクトロニクス (6769) | 46.39億円 (+0.5%) | ▲3.34億円 (前期3.40億円) | ファブレス3・AI 68 |
上位10社の伸びが日本企業の開示に現れるのは、設計会社ではなく、検査装置と基板を納める側の主要顧客欄になる。
アドバンテスト (6857) の2026年3月期の有価証券報告書は、主要な相手先としてNVIDIA INTERNATIONAL, INC.を2,282.73億円 (売上収益1兆1,286.10億円の20.2%) と初めて開示した。前期は10%未満で非開示だった。TSMCは961.58億円 (12.3%) から1,249.22億円 (11.1%) へ増え、前期10.6%だったサムスン電子は当期非開示になった。イビデン (4062) は、NVIDIA Corp.向けが750.77億円 (20.3%) から1,224.70億円 (29.4%) へ63.1%増える一方、Intel Corp.向けは767.09億円から753.19億円へ1.8%減り、前期11.0%だったAMD向けは10%未満に下がって非開示になった。イビデンの純利益は337.04億円から637.13億円へ増えている。
ファブレス上位10社の順位表が示す需要の入れ替わりは、日本の装置と基板の主要顧客欄に社名と金額つきで残る。エヌビディアの比率が上がり、インテルとAMDの比率が下がる向きは、TrendForceの表と同じ向きを指している。
半導体の生産者物価は4か月で7.0%下落、次の数字は10月10日に出る
売上高+73%が単価上昇によるものかどうかは、米国の生産者物価で確かめられる。半導体・関連デバイスの生産者物価は2026年4月の30.602をピークに、5月30.215、6月29.855、7月29.058、8月28.472と4か月で7.0%下がった。上位10社の売上高が伸びる間、チップ全体の単価は下がっている。伸びは数量と製品構成 (単価の高いAI向けの比率の上昇) によるものだ。コンピュータ・電子製品の生産指数は2025年12月の168.80から2026年7月の183.61へ8.8%上がった。
買い手側の投資額も増えている。米民間の情報処理設備投資は年率換算で2025年4〜6月の1兆3,524.52億ドルから2026年4〜6月の1兆6,115.20億ドルへ19.2%増えた。四半期分に直した4,029億ドルに対し、上位10社の4〜6月期の売上高1,414.55億ドルは35.1%にあたる。米10年国債の利回りは6月30日の4.44%から9月9日の4.83%へ上がり、設備投資を借入で賄う側の負担は増える向きにある。
次に確かめる数字の日付を並べておく。台湾3社の9月の月次売上高は2026年10月10日までに台湾証券取引所へ公告され、四半期の順位より2か月早く傾向が読める。AMDとMPSの7〜9月期の四半期報告書は11月上旬、クアルコムの9月期の年次報告書は11月、エヌビディアの8〜10月期の四半期報告書は11月下旬、マーベルの同じ期の報告書は12月上旬、ブロードコムの10月期の年次報告書は12月に出る。TrendForceの7〜9月期の上位10社は、前回の間隔からすると12月ごろになる。アドバンテストとイビデンの主要顧客欄は年1回の有価証券報告書にしか載らず、11月の半期報告書には出てこない。
よくある質問
「ファブレス」とは何か。 自社で製造工場 (ファブ) を持たず、設計に特化して製造をTSMCなどの受託製造会社へ委ねる半導体会社を指す。上位10社はすべてこの形態で、日本ではソシオネクスト・メガチップス・ザインエレクトロニクスが有価証券報告書で自社をファブレスと書いている。
TSMC・インテル・サムスン電子はなぜ表に入らないのか。 3社とも自社の工場で製造するため、ファブレスの定義から外れる。TSMCなど受託製造会社の順位はTrendForceが別の表で四半期ごとに公表し、インテルとサムスン電子のように設計と製造の両方を持つ会社はどちらの表にも入らない。インテルの4〜6月期の全社売上高161.28億ドルは、この表に置けばブロードコムに次ぐ規模にあたる。
10社のうち中国企業はあるか。 10位のオムニビジョンが該当し、上海証券取引所に上場するオムニビジョン・グループ (旧ウィル・セミコンダクター) の傘下にある。TrendForceの注記にある人民元の換算相場 (4〜6月期は1ドル6.80元) は、この1社のためのものである。
エヌビディアの「OEM/IP」とは何か。 同社の四半期報告書は売上高をデータセンター・ゲーム・プロ向けビジュアライゼーション・車載・「OEMその他」の5つに分けており、TrendForceが除いたOEM/IPは最後の区分と知的財産の使用許諾の収入にあたる。4〜6月期の差は50.62億ドルで全社売上高の5.3%、TrendForceは推定値と注記している。
上位10社の表は、誰が伸びたかを1枚で示す。誰が買ったのか、何が売られたのか、どの通貨で数えたのかは、各社の四半期報告書と主要顧客欄と為替の側にある。投資家向けの個別銘柄レポートと技術デューデリジェンスのご相談は、本誌の法人窓口で受け付けている。
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