📦 製品の詳細 製造装置

パワーエックスHypercharger Pro(施設にも給電できる蓄電池型EV充電器) PowerX Hypercharger Pro

パワーエックスが2024年2月28日に発表した Hypercharger の上位機種。358キロワット時 (kWh) の蓄電池から電気自動車 (EV) を充電するだけでなく、設置した施設に最大50キロワット (kW) で放電できる。停電時の自立運転にも対応すると2024年に発表したが、2025年5月の納入先では提供予定の機能とされた。国際興業の EV バスの営業所や、福井県若狭町のスーパーに設置した。価格は公表されていない。

🏢 パワーエックス の企業ページ

詳細解説

発表・受注
パワーエックスは2024年2月28日に発表し、同日から先行受注を始めた。2024年後半から出荷を始めると発表し、2025年5月に国際興業の営業所への設置を発表した。 power-x.jp
製品の位置づけ
Hypercharger のうち、事業継続計画 (BCP) と電力管理にも使う多用途のモデル。パワーエックスは最上位のモデルと呼ぶ。 power-x.jp
施設への給電
パワーエックスは、内蔵の蓄電池から設置した施設に最大50kW で放電できる機能を加えたと発表した。太陽光の余った電力を貯めて使う、需要のピークを抑えて電気代を下げる、といった運転を、自社開発のクラウド型の制御システム「PowerOS」が自動で行う。 power-x.jp
停電時の電源
パワーエックスは2024年2月、自立運転の機能に対応し、停電時に予備の電源として使えると発表した。供給の回路を分けて必要な場所にだけ電力を送れる。 power-x.jp
系統との双方向の接続
パワーエックスは、系統への双方向の接続ができる Hypercharger Pro の販売を始め、自治体・商業施設の電力管理の需要に応える方針を半期報告書で示した。2025年2月の発表では「双方向充電機能を備えた」とした。 contents.xj-storage.jp
認定販売事業パートナー制度
パワーエックスは2025年2月19日、販売・施工を担うパートナーの募集を始めた。対象は顧客の敷地内に設備を置く電力購入契約 (オンサイト PPA) の事業者と、設計・調達・建設 (EPC) の事業者。説明会を2025年3〜4月、選考を4〜5月に開き、6月以降に協業を始める日程を示した。 power-x.jp
国際興業の EV バス営業所
パワーエックスは2025年5月20日、国際興業バスさいたま東営業所 (さいたま市緑区) に EV バス専用として初めて設置したと発表した。いすゞ自動車の「エルガEV」1台を充電し、車庫の屋上の太陽光 (定格99kW) の余った電力も使う。停電時の自立運転は、パワーエックスが今後提供する機能と説明していた。 power-x.jp
関西電力との共同研究
パワーエックスは2025年7月25日、関西電力と共同研究の契約を結んだ。公共の充電と設置した施設の電力管理を両立させ、蓄電池の調整力で容量市場などに参入できるかを確かめる。研究期間は2025年7月〜2027年3月。 power-x.jp
若狭町での充電サービスの開始
関西電力・パワーエックス・PLANT は2026年10月15日付で、福井県若狭町の大型総合スーパー「PLANT-2 上中店」の駐車場で最大150kW の充電サービスを始めたと共同で発表した。施設への放電によるピークカットと、容量市場への参入の検証も行う。 assets.ctfassets.net

🏭 製造工場

この製品を作る工場と、それぞれの役割。会社の発表・有価証券報告書・官公庁の資料で確かめた拠点だけを載せた。

工場所在地役割備考出所
Power Base (本社工場)岡山県玉野市田井6-9-1Hypercharger 系の製品と PowerX Cube を造る自社工場。2025年12月31日時点の年間生産能力は2製品合わせて480台 (171メガワット時、MWh)。2025年5月の国際興業への納入では、生産地を岡山県玉野市と発表した。contents.xj-storage.jp

⚙️ 技術・仕組み

どう動くか。方式・構造・制御・材料を、会社の技術資料と特許・論文で確かめた範囲で書いた。

蓄電池の多用途の運用
充電に加えて、太陽光の余剰の活用・ピークカットに使う。容量市場・需給調整市場などの電力市場にも参加できるとパワーエックスは案内する。 power-x.jp
制御
蓄電池としての運転は、パワーエックスが開発したクラウド型の制御システム「PowerOS」が自動で最適に行う。 power-x.jp
冷却
大型の冷却器を積み、屋内でも屋外でも超急速充電を長く続けられるようにした。 power-x.jp
電池
リン酸鉄リチウムイオン電池 (LFP) を使う。 power-x.jp
低圧での導入
蓄電池から充電するため、50kW 未満の低圧の契約のまま導入できる。高圧の受電設備は要らない。 power-x.jp
海外の充電規格
欧州の規格 CCS2 と、米自動車技術者協会 (SAE) の北米の規格 J3400 (通称 NACS) をオプションで選べる。航空機の地上支援機材など商用車両の電動化にも対応するとパワーエックスは説明する。 power-x.jp

主要諸元

項目値出所
公称容量358kWhpower-x.jp
ブーストモード時の最大出力最大240kW (最長10分、系統につながり1口だけで充電するとき)。2024〜2026年に納入した機器は最大150kW (ブースト10分)・連続120kW と発表されているpower-x.jp
ブーストモード後の連続出力1口あたり最大120kW×2口 (車の電池の状態による)power-x.jp
充電口ディスペンサーユニット2基 (2台を同時に充電できる)power-x.jp
施設への放電最大50kW (2024年2月の発表)power-x.jp
入力電圧三相交流200ボルト (50キロボルトアンペア、kVA)。オプションで400ボルト (50kVA)power-x.jp
充電の規格チャデモ (CHAdeMO 2.0.2)。オプションで CCS2 と SAE J3400power-x.jp
施設・系統との双方向の電力のやり取り可 (Compact・Standard は不可)power-x.jp
決済アプリ決済、カード読み取りの決済 (Model Year 26 の充電口)power-x.jp
充電の時間の目安 (若狭町の発表)電池容量100kWh の EV 2台を同時に充電する場合、各車を20%から80%まで約30分power-x.jp
寸法・重量公表されていないpower-x.jp

🔩 各部品と部品メーカー

部品は諸元表と発表で存在を確かめたものを並べ、メーカーは会社か部品メーカーの発表、有価証券報告書、分解調査の報道で供給元を確かめられたときだけ社名を書いた。確かめられない部品は「公表されていない」。載っていない会社は「関与していない」ではなく「公表資料で確かめられていない」。確度 A は会社の一次資料、B は報道。

部品品名・型式メーカー銘柄国・製造拠点根拠
電池セル リン酸鉄リチウムイオン電池 (LFP) のセル 公表されていない — 公表されていない
公表されていない
すべての蓄電池製品で共通のセルを使い、現在は売上高の大きい中国のセルメーカーから買っているとパワーエックスは説明する。 A
電池管理装置 バッテリー安全保護システム (BMS)
パワーエックスは東証グロース上場 (銘柄コード485A)。
パワーエックス
自社開発
— 日本
公表されていない
自社開発の BMS を使う (有価証券報告書)。 A
クラウド型の制御システム PowerOS パワーエックス
自社開発
— 日本 2024年2月の発表。 A
電力変換装置 (施設への放電・自立運転) パワーコンディショナ 公表されていない — 公表されていない
公表されていない
施設への放電と自立運転の機能は発表されているが、変換装置の供給元は公表されていない。 A
冷却器 大型の冷却器 公表されていない — 公表されていない
公表されていない
2024年2月の発表。 A

🔗 部品製造サプライチェーン

材料から部品・組み立て・販売までを、上流から下流の順に並べた。

  1. 1セル・モジュール
    外部から買い、他の蓄電池製品と共通のものを使う。
    企業: 公表されていない (中国のセルメーカーと説明)
  2. 2組み立て
    国内で設計・組み立て・品質管理を行う。
    企業: パワーエックス (Power Base)
  3. 3販売・施工
    認定販売事業パートナー (PPA 事業者・EPC 事業者) と国際興業が販売する。
    企業: 国際興業、認定販売事業パートナー
  4. 4電力市場での運用の検証
    関西電力と、容量市場など電力市場に参入できるかを確かめる。
    企業: 関西電力

🏗️ 製造ライン

工場の中でこの製品がどう作られるか。工程の順に、ラインの構成・設備・自動化・検査・生産能力を、会社の発表と工場見学の記録で確かめた範囲で書いた。

  1. 1組み立て
    Power Base で Hypercharger 系と PowerX Cube を造る。工程・設備の構成は公表されていない。
    設備・企業: Power Base (岡山県玉野市)

💴 販売価格と補助金

型番・グレード税込価格 (円)時点出所
Hypercharger Pro公表されていない (現地調査ののち見積もる)2026-11-07power-x.jp
項目額 (円)備考出所
補助金の活用 (Hypercharger 全体)金額は公表されていない経済産業省の充電インフラ補助金、東京都の充電設備の普及促進事業、物流の脱炭素の補助金などに申請できるとパワーエックスは案内する。power-x.jp

🛒 購入方法

経路内容出所
直販製品ページの見積もりの窓口から相談する。power-x.jp
認定販売事業パートナー研修を終え、パワーエックスの基準を満たした事業者が販売・施工・保守で協業する。contents.xj-storage.jp

🛠️ アフターサービス・保守サービス

項目内容出所
保証Hypercharger 全体で、標準2年間の製造保証と、オプションで最大8年間の延長保証があり、最長10年になる。パワーエックスは「10年以上の長期保証」と案内している。power-x.jp
保守保守・点検はパワーエックスが有償で行い、24時間365日の対応と案内する。認定販売事業パートナーも保守で協業する。power-x.jp

🌏 海外輸出

仕向け地内容出所
海外Hypercharger Pro の海外への納入は発表されていない。power-x.jp
輸出管理輸出規制の対象になるかどうかは公表されていない。power-x.jp

📈 販売の実績

期間指標値単位備考出所
2026年1〜6月EV充電事業 (EVCS 事業) の売上高 (Hypercharger 全体と充電サービス)3億円Pro だけの売上・台数は開示されていない。contents.xj-storage.jp

💰 金額

項目値備考出所
国際興業の営業所の太陽光の出力99kW (定格)power-x.jp

解析 — 部品・製造・販売の特徴

Hypercharger Pro は、充電器に内蔵した358kWh の蓄電池を施設の蓄電池としても使える型である。充電に使わない時間も施設の電力管理に使え、パワーエックスはピークカットや太陽光の余剰の活用で電気代を下げられると案内する。

設置が発表されたのは、国際興業の EV バスの営業所と、関西電力と組んだ若狭町のスーパーの2件である。若狭町では、容量市場に参入できるかを2027年3月までの研究で確かめる。停電時の自立運転は2024年に対応と発表したが、2025年5月の納入では今後提供する機能とされていた。認定販売事業パートナーの制度は2025年に始めたが、認定した事業者の数は示されていない。

公表されていないこと

  • Pro だけの販売台数・売上・価格は公表されていない。
  • 双方向は、パワーエックスが有価証券報告書と半期報告書で「系統への双方向の接続」と説明する。車の電池から施設や系統へ放電する (V2X) 機能を含むかは示されていない。
  • 国際興業の営業所で予定とされた自立運転の機能の提供が始まったかは発表されていない。
  • 認定販売事業パートナーとして認定された事業者の数と名前は公表されていない。

出所

  1. 蓄電池から設置施設に給電できるEV充電器「Hypercharger Pro」を発表 (2024-02-28)
  2. 同 (PDF) (2024-02-28)
  3. 「Hypercharger Pro」認定販売事業パートナーの募集を開始 (2025-02-19)
  4. 国際興業と蓄電池を活用したEVバス充電システムの展開で提携 (2025-05-20)
  5. 蓄電池型超急速EV充電システムを活用した共同研究の開始 (関西電力) (2025-07-25)
  6. 関西電力と共同でHypercharger ProによるEV充電サービスを福井県若狭町にて開始 (2026-10-15)
  7. 同 (共同発表の PDF) (2026-10-15)
  8. 超急速EV充電器 PowerX Hypercharger 製品ページ (2026-11-07)
  9. Hypercharger ソリューション (導入の案内) (2026-11-07)
  10. Hypercharger 見積もり・相談 (2026-11-07)
  11. Made in Japan Promise (2026-11-07)
  12. 有価証券報告書 第5期 (2025年12月期) (2026-03-25)
  13. 半期報告書 第6期中 (2026年1〜6月) (2026-08-13)

出所との照合日: 2026年11月7日。数字は出所の書類のまま。株価・時価総額は扱わない。

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