HBMの帯域は1本あたりの速さではなく配線の本数で稼ぐ。その幅のために同じ容量でDDR5の約3倍のシリコンを使い、熱は最下段から16枚のDRAMを貫いて逃げる。講演6本はこの構造の限界に別々の道で答えた。
2026年8月23日から25日にスタンフォード大学で開かれた半導体設計の国際会議Hot Chipsは、初日をメモリーに充てた。マイクロンのチュートリアルで始まり、サムスン電子、SKハイニックスを含む6社が、同じ1つの問題に6通りの答えを示した。問題とは、AIアクセラレーターの計算性能が2年で約3倍のペースで伸びる一方、広帯域メモリー (HBM) の帯域は2年で2倍に届かず、GPUが計算できる速さとメモリーがデータを届ける速さの差が年々広がることである。6つの答えは1つの動きを共有していた。計算を、データのある場所へ近づけることである。
本稿はまず、HBMがなぜ速く、なぜ高く、なぜ熱いのかを、配線の本数、貫通電極、バンクという構造から解く。次にサムスンのベースダイ論理化と熱経路ブロック、SKハイニックスの2つの接合法を講演の数字で追い、原資料の解釈と各社の公式発表の食い違いを確かめる。最後に、米証券取引委員会に提出されたマイクロンとNVIDIAの決算、韓国2社の四半期決算、金融庁EDINETにある日本の後工程7社の有価証券報告書、経済産業省と財務省の統計、米連邦準備銀行の物価指数で、この技術の経済を置く。
帯域は幅で決まる — 1,024本の配線と3倍のシリコン
通常のDDR5モジュールはCPUと64ビット幅のバスでつながる。HBMは1スタックあたり1,024本 (HBM4では2,048本) の配線でGPUとつながり、1本あたりの速度はDDR5とほぼ同じである。帯域は配線の本数と1本あたりの速度の積で決まるため、HBMの優位はすべて「幅」にある。その幅は、DRAMのダイを縦に積み、貫通電極 (TSV) と呼ぶ数千本の垂直配線をスタックの上から下まで通し、最下段のベースダイでGPUと接続することで作る。マイクロンの講演は、この幅を同じ8Gbpsの速度で比べた。HBM3EのDRAMダイ1枚は256本の入出力で256GB/s、DDR5のダイ1枚は8本の入出力で8GB/sである。バンク (同時に開けられるDRAMの区画) はHBM3Eが128、DDR5が32で、HBM4では256へ倍増する(本稿の図1)。
図1 — 左はHBM3EとDDR5のダイ構造、右はワークロードの逐次性と電力あたり帯域の関係、下は同じ8Gbpsで比べた帯域
並列性には代償がある。多数の接続を収めるためにダイは大きくなり、それがHBMが同じビット数でDDR5の約3倍のダイ面積を使う理由の一部になる。マイクロンの発表者はこれを数字で示した。設計構造、先端パッケージ、製造の複雑さを合わせた負担で、HBM3Eの容量1ビットあたりに消費するシリコンはDDR5の約3倍である。ServeTheHomeの講演報告によれば、12段のHBM4を載せた標準的なGPUパッケージではメモリーのシリコンがGPUダイの8倍を超え、ベースダイと8個のHBM4を含めたパッケージ面積は12,000平方ミリメートルを超える。HBMのウエハー1枚は、作られなかった汎用DRAMのウエハー1枚でもあり、これが2026年のメモリー不足の大きな部分を占める。
第2の代償は熱である。冷却板はスタックの最上部に載るが、発熱の大部分を生むベースダイは最下段にあり、熱は8〜16枚のDRAMを貫いて上の冷却板へ登らなければならない。DRAMは熱に弱い。高温のセルは電荷が速く漏れ、リフレッシュの頻度を上げる必要があり、構造が熱を集中させる場所で信頼性が落ちる。講演で示された世代表を見れば、この10年の進化がほぼ全て幅の拡大で説明できることが分かる(本稿の図2)。
図2 — 講演で示された世代比較表。チャネル数、疑似チャネル、バースト長、プリフェッチ、入出力数、速度、帯域、密度、段数、容量
HBM1 (2014年) はチャネル8、入出力1,024本、1Gbpsで128GB/sだった。HBM2 (2018年) で疑似チャネル16と2.4Gbps、HBM2E (2020年) で3.6Gbps、HBM3 (2022年) でチャネル16・疑似チャネル32・バースト長8・6.4Gbps、HBM3E (2024年) で8Gbpsと1,024GB/s、HBM4 (2026年) でチャネル32・疑似チャネル64・入出力2,048本・11Gbpsで2,800GB/sに達する。プリフェッチは全世代256ビットで変わらず、疑似チャネルの幅は128ビットから32ビットへ狭くなった。チャネルを増やして1チャネルの幅を狭めるのは、GPUの多数のコアがそれぞれ独立に小さなデータの塊を読む動きに合わせるためである。DRAMの密度は2Gbから24Gbへ、積層は4段から8段、12段、16段へ進み、スタックあたりの容量は1GBから24GB超へ広がった。JEDECが2025年4月16日に公表したHBM4規格 (JESD270-4) は2,048ビット・8Gbpsで2TB/s、24Gbまたは32Gbのダイを最大16段積んで64GBまでと定めるが、各社は規格を超える10〜11Gbpsで量産している。
推論のどこで帯域が足りなくなるか — プリフィルとデコード
この構造がAIの経済に直接つながるのは、推論が2つの段階で動くからである。プロンプト全体を読み込む「プリフィル」と、応答を1語ずつ生成する「デコード」で、デコードは1語を生成するごとにモデルの重みと会話の途中経過 (KVキャッシュ) をHBMから読み直す。この段階は帯域に縛られ、計算とメモリーの差が広がるほど、収益が生まれる段階にそのまま負担がかかる。マイクロンの講演の図 (本稿の図1の右) は、ワークロードの逐次性 (順番に読む割合) が高いほど、HBMの電力あたり帯域の優位がDDR5に対して広がることを示す。逐次性の低い側にCPUの処理、高い側にAIの処理が並ぶ。
答えの共通項は「動かすビットを減らす」ことである。データを動かすことがエネルギーの大部分を消費する以上、GPUとメモリーの間で往復するデータを減らせば、電力と熱が同時に下がる。複雑な計算問題を丸ごとメモリーとプロセッサーの間で往復させるのではなく、メモリーの側で途中の答えまで出せれば、送るのは途中の答えだけで済む。この考え方をメモリー内処理 (プロセッシング・イン・メモリー) と呼ぶ。
サムスンの答え — ベースダイを4nmロジックにし、熱は横から抜く
サムスンの講演は、HBMのベースダイは受け身の中継器ではなく計算要素になるべきだと論じた。この主張は先端ロジックの工場を必要とし、サムスンはそれを自社で持つ。ベースダイは現在、計算ダイとの通信路 (PHY、物理層の入出力回路) とDRAMスタックの試験機能を担うだけである。サムスンのロードマップは3段階で進む(本稿の図3)。
図3 — 左は第1段階の熱の課題と解 (熱経路ブロック)。右は3段階のロードマップとzHBMの数字
第1段階はHBM4から始まり、ベースダイをDRAM工程から4nmロジック工程へ移す。PHYを小さなダイ間接続に縮め、メモリーコントローラーをGPUから移して、GPUの面積を計算に空ける。SRAMを使った多ダイの修復機能も加わる。第2段階は空いた面積に機能を足す。信頼性 (RAS) のセンサーと自己試験、外部メモリーをベースダイ経由で直結する経路、そしてベースダイの中で計算を行う演算要素である。第3段階は完全な3次元集積で、これはHBMを特注品にして汎用品から遠ざけるという、講演の中の経営上の要点でもある。SKハイニックスとマイクロンがTSMCの生産枠を求めなければならないのに対し、サムスンはロジック工場とHBMの両方を持つ。先端ロジックのベースダイは電力も下げる。
課題は再び熱で、ベースダイにロジックを載せれば電力密度が上がる。サムスンが示した数字は明快である。標準品のsHBM4Eは入出力速度14Gbpsで電力密度0.5W/mm²、次のsHBM5は28Gbps超 (2倍) で2.0W/mm²超になる。速度を2倍にすると電力密度はおよそ4倍になり、同じ面積で4倍の熱を出す。従来の上抜きの冷却では熱の状態が「赤」(許容超) になる。そこでサムスンは、発熱するPHYがダイの側面に位置することを逆手に取り、上ではなく横から熱を抜く。熱経路ブロック (HPB) と呼ぶ熱伝導体をスタックの側面に立てる構造で、cHBM4のBダイにシリコンのダミーを足した設計を原型とし、幅と間隔を設計変数として持つ。PHYの50%超を覆う目標で、シミュレーションでは最高温度が35%超下がり、sHBM5の熱の状態が赤から緑へ戻る。SKハイニックスの対抗策はi-HBMで、ダイ間のPHY領域に高熱伝導で絶縁性の冷却材を埋め込み、熱抵抗を30%超下げる。両社は「PHYが熱い」という同じ事実から出発している。
zHBMは2030年以降の段階で、ハイブリッドボンディング (はんだバンプを使わず銅同士を直接接合する方法) を前提にする。帯域を最大限に引き出すために、HBMをGPUの真上に積み、GPUとHBMを横に並べて載せる薄いシリコン (インターポーザー) を不要にする。講演の数字は大きい。HBM5比で電力70%減、システム全体でDRAM帯域230%増、GPUパッケージ1個あたり100Wの節約で、1,200WのGPUに4スタックを載せた場合の値である。8段ではなく4段で積んで熱を抑えるため、熱の問題は見かけより小さい。サムスンは講演で、HBM1の約1GB・1TB/sからHBM5の60GB超・6TB/sへの進化と、AIの文脈長が年30倍で伸びることを並べて示した。
SKハイニックスの答え — 2つの接合法と、原資料が見た「参入障壁の入れ替わり」
SKハイニックスの講演はHBM4の作り方の概観だった。1スタックあたり2,048本の入出力、20,000本超の貫通電極、ベースダイの16,148個のマイクロバンプ、12.8×11mmのダイ、775μmのパッケージ高さ、48GBの容量と2TB/s超の帯域、HBM3E比40%超の電力効率改善で、12段が量産中、16段が認定中である。工程はTSV形成からマイクロバンプ形成、ウエハーの薄化、チップ積層まで一通り示された。16段のHBM3Eを12段と同じ高さに収めるため、チップの厚さ、隙間、バンプ間隔をおよそ半分にしたという(本稿の図4)。
図4 — 上は講演スライドの2方式 (工程・長所・短所)。下はHBM4の公開数値と、原資料の解釈と公式発表の差
スライドは2つの接合法を並べた。TC+NCF (熱圧着と非導電性フィルム) は、ダイにフィルムを貼り、高温と荷重で1枚ずつ圧着してバンプを接合し、封止材で覆う。長所は薄いダイの反りに影響されにくいこと、短所は1枚ずつ接合するため生産性が低いことと熱抵抗が高いことである。MR+MUF (一括リフローとモールドアンダーフィル) は、フラックスを塗ったダイを積み重ねて一括でリフローし、バンプを一度に溶着してからモールド樹脂で隙間を一括充填する。長所は生産性が高く熱抵抗が低いこと、短所はチップの反りに敏感で狭い隙間を埋めにくいことである。
原資料はここで「SKハイニックスはHBM4で実はTC-NCFを使っている。MR-MUFがSKハイニックスの参入障壁 (競争優位) だという議論は、その対抗技術に対して組まれていた」と読んだ。この読みは講演報告と一致しない。SKハイニックス自身が2025年9月12日に公表したHBM4量産体制の完了は、「市場で信頼性が実証されたAdvanced MR-MUF工程と1bnm (10nm級第5世代) 工程を採用し、量産の危険を最小化した」と明記する。igor'sLABと電子新聞の講演報告は、MR-MUFがHBM4Eまで続き、ハイブリッドボンディングは早くてもHBM5、量産は2029年から2030年ごろと伝える。スライドが2方式を並べたのは、16段で1枚約50μmまで薄くしたダイの反りが焦点になるからで、反りに強いTC-NCFと量産性と熱に強いMR-MUFのどちらも万能ではないことを示している。JEDECがHBM4のパッケージ高さの上限を775μmに定めたため、16枚のダイを積めば1枚あたりの厚さと隙間の合計は48μm前後しか許されず、ここが接合法の選択を決める。
原資料の主張のうち検証に耐えるのは、後半の観察である。世代ごとにTSVとバンプが増え、その間隔が縮み、そのたびに次の世代の難しさが上がる。今週示されたロードマップは全てハイブリッドボンディングで終わる。ハイブリッドボンディングは20段以上への道で、200℃超のアニールが要り、TSVの間隔を18μm未満に縮めて熱抵抗を35%下げる (電子新聞)。ある接合法での工程の優位は、次の世代に持ち越されない。
HBMを作る側の決算 — 粗利率84.6%と76%
この技術の経済は、2026年夏の決算に出ている(本稿の図5)。
図5 — 上は米韓の直近四半期、中は日本のHBM関連7社の直近本決算、下は国内生産指数・装置輸出先・米国物価
米国で書類を出す唯一のHBM供給者マイクロンの2026年度第3四半期 (2026年2月27日〜5月28日) は、米証券取引委員会に提出されたXBRLデータで売上高414億5,600万ドル、粗利益350億5,600万ドル、営業利益333億1,800万ドル、純利益282億4,300万ドルである。売上は前年同期の93億100万ドルの4.5倍、粗利率は84.6%で前年同期の37.7%から47ポイント上がった。同社はHBM4が主要顧客のプラットフォーム向けに量産出荷中で、HBM4の売上が10億ドルを超え、12段の立ち上がりが前世代の2倍の速さだと述べた。第4四半期の予想は売上500億ドル、粗利率約86%である。決算説明では16件の戦略的顧客契約がDRAMの約20%、NANDの33%の数量を2030年まで覆い、うち14件で累計約1,000億ドルの最低売上約束、220億ドルの約束のうち180億ドルが現金の預託 (受け取らなければ支払う条件の担保) として入ったと説明された。数年分の供給を前払いで確保する契約は、リン化インジウム基板でAXTとルーメンタムが結んだものと同じ形で、HBMでも起きている。
SKハイニックスの2026年第2四半期は売上79兆3,187億ウォン (前年同期比257%増)、営業利益60兆5,426億ウォンで営業利益率76%、純利益93兆9,226億ウォンである。HBM4は顧客が求める動作速度を達成し、第2四半期に量産出荷を始め、下期に本格的に増産する。約10社と長期契約を結び、HBM4Eの試料出荷を上期に完了した。サムスン電子のDS部門は同じ四半期に売上127兆5,000億ウォン、営業利益89兆2,000億ウォンで、HBM4の売上を拡大し、業界初のHBM4E試料を主要顧客に出荷した。第3四半期のHBM4売上は前四半期の3倍超、下期のHBM売上の6割超がHBM4になる見込みで、TrendForceは2026年8月10日、サムスンのHBM4の歩留まりが量産開始時の60%未満から80%に達し、年末の市場占有率目標が約38%だと報じた。SKハイニックスのシェアは認定の遅れで削られ、マイクロンは横ばいという見立てである。買い手側のNVIDIAの2026年5〜7月期は売上962億2,100万ドル、粗利率75.0%、AMDの4〜6月期は115億3,600万ドルで、HBMの需要はこの2社と大手クラウドの自社半導体にほぼ集中する。
日本の後工程7社 — 試験・研削・接合・成形・材料
HBMの製造工程のうち日本企業が握る場所は、ウエハーの薄化、試験、封止、接合材料である。金融庁EDINETに提出された有価証券報告書で直近本決算を並べる。アドバンテストの2026年3月期は売上高1兆1,286億1,000万円 (前期比44.7%増)、営業利益4,991億2,000万円 (2.19倍) で営業利益率44.2%、研究開発費781億円である。HBMとGPUの試験装置で、積層が高くなるほど検査の工程数が増える。ディスコは売上高4,368億8,900万円、営業利益1,849億8,900万円 (42.3%) で、DRAMダイを50μmまで薄く削る研削と切断の装置を供給し、平均年間給与は1,879万円である。東京エレクトロンは売上高2兆4,435億3,300万円、営業利益6,249億3,600万円 (25.6%) で前期の6,973億円から減益、研究開発費2,778億6,600万円で、TSV形成のエッチングと成膜、接合装置を持つ。東京精密は売上高1,668億3,900万円、営業利益337億3,800万円 (20.2%) である。
接合材料では、レゾナック・ホールディングスがTC-NCF方式で使う非導電性フィルム (NCF) と放熱材の生産能力を3.5〜5倍に広げると2024年3月に発表し、投資額は約150億円、NCFには「接着力とデバイスの接続信頼性に加え、サブミクロン単位の厚み精度」が要求されると記した。同社の2025年12月期は売上高1兆3,471億2,500万円、営業利益466億7,600万円 (3.5%) である。MR-MUF方式の側では、圧縮成形装置で世界首位のTOWAが2026年3月期に受注595億6,000万円 (25.6%増、過去2番目)、売上543億6,000万円 (過去最高) を記録し、メモリーと先端パッケージ向けの投資増で圧縮成形装置と金型の受注が過去最高になったと決算説明資料に書いた。同社は2025年3月にHBM4向けの「極狭隙間モールドアンダーフィル」技術を確立しており、地域別の受注構成では韓国向けが23〜35%を占める。ただし営業利益は69億1,000万円で22.1%減り、製品構成の変動と初回納入に伴う追加コストが理由に挙がった。HBMの需要は装置の受注を最高にしたが、最初の1台を納める費用が利益を削る局面にある。
統計が示す装置の行き先と、物価指数の盲点
経済産業省の鉱工業指数 (2020年=100) で、国内のメモリーIC生産は2025年に163.8、2026年1〜3月期に143.3、半導体製造装置は2026年1〜3月期に185.2と統計開始以来の最高である。財務省の貿易統計では、日本からの半導体製造装置の輸出が2025年に韓国向け5,158億8,000万円 (前年比15.2%増)、台湾向け7,648億4,000万円 (60.3%増) と伸び、中国向けは1兆3,271億円 (19.7%減) に縮んだ。HBMの2社がいる韓国と、CoWoSを増設するTSMCの台湾へ合わせて3,558億円増え、装置の行き先が書き換わっている。
米国の物価には盲点がある。米労働省の生産者物価指数のうち半導体・関連装置製造 (FREDの系列PCU334413334413) は2019年1月の32.6から2026年7月に29.0へ下がり、集積回路パッケージも24.1から20.1へ下がった。マイクロンの粗利率が37.7%から84.6%へ跳ねた1年に物価指数が下がるのは、この指数が性能あたりの価格で作られるためである。HBMの1ビットあたりの価格が上がっても、帯域や容量の向上で割り引かれた指数には現れない。為替は2026年8月28日時点で1ドル1,379.41ウォン、159.97円で、2019年初の1,119ウォン、109.22円からいずれも2割以上の通貨安である。韓国2社の76%という営業利益率の一部は、ウォン建ての費用とドル建ての売上の差でもある。
投資家が見る数字
ここまでの数字から追える点は3つある。第1に、SKハイニックスの2026年第3四半期 (10月下旬公表) でHBM4の出荷が計画に戻るかである。第2四半期は市場の予想を下回り、TrendForceは認定の遅れによるシェア低下を見込んだ。第2に、マイクロンの第4四半期 (9月下旬公表) の粗利率が予想の86%に届くかで、届けば戦略的顧客契約の最低価格が利益を守っているという同社の説明が裏づけられる。第3に、TOWAとレゾナックの2026年度中間決算で、HBM向けの受注が利益につながるかである。接合法がTC-NCFとMR-MUFのどちらに寄るかは、NCFを作るレゾナックとMUFの成形装置を作るTOWAの受注の配分として日本の決算に現れる。
講演6本が共有した「計算をデータの近くへ寄せる」という動きは、HBMの幅を増やす競争から、ベースダイの中身と接合の方法の競争へ、争点を移した。幅の競争では韓国2社が量産で決着をつけたが、ベースダイの競争は先端ロジックの工場を持つ者に有利で、接合の競争はハイブリッドボンディングで一度白紙に戻る。その2つの競争の道具を作っているのが、日本の後工程7社である。
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