ソフトバンクグループがオハイオ州で進めるデータセンターのサーバー向け容量は8ギガワット。ガス火力はグループの別の関連会社が開発し、国際協力銀行は4月、投資する米国法人へ6億3,000万ドルの貸付契約を結んだ。
ソフトバンクグループ傘下の米SBエナジーがオハイオ州パイク郡で計画するデータセンターは、同社が上場申請書類で米国で最大級の単一用地の建設計画の1つと呼ぶ規模である。2026年3月20日の米エネルギー省と商務省の発表では、10ギガワットの発電所を新設して10ギガワットのデータセンターを動かし、42億ドルを投じて送電網を新設するとした。ただし、SBエナジーが9月に米証券取引委員会に出した上場申請書類 (21日付の2回目の修正版) によると、同社が所有するのはデータセンターの建屋と土地の権利で、ガス火力は所有も運転もしない見通しだ。発電所の開発や建設管理などの業務を請け負う可能性は認めているが、範囲は決まっていない。発電所について政府機関との合意もない。総事業費333億ドルは日米両政府が設けた対米投資の枠組みから拠出される計画で、日本側で最初に契約に至った資金は、国際協力銀行と民間金融機関の協調融資である。
10ギガワットの中身はサーバー向け8ギガワットと17棟、連邦政府の土地に建つのは1棟だけ
同社が「ポーツ・パイク・テクノロジー・キャンパス」と呼ぶこの拠点は、申請書類によるとIT容量 (サーバーなどIT機器向けの電力容量) が8ギガワットで、冷却などを含めた施設全体の消費電力は10ギガワットになる。施設全体の消費電力はIT容量の1.25倍にあたる (単純計算。以下の倍率と割合も同じ)。エネルギー省の発表やソフトバンクグループの開示で「10ギガワットのデータセンター」というのは、この施設全体の消費電力を指す。電力の供給の仕組みも、申請書類と発表では書き方が違う。申請書類では、施設全体の消費電力は米東部の送電網を運用するPJMの送電網から供給し、隣接する約9.2ギガワットのガス火力でさらに補う位置づけである。エネルギー省の発表は、10ギガワットの新しい電源でデータセンターを動かすと説明する。
建屋は17棟で、1棟あたりの容量は約472メガワット。472メガワットに17棟を掛けると約8,024メガワットになり、申請書類の契約済み容量と一致する。1〜9号棟の約4.2ギガワットは2031年、10〜17号棟の約3.8ギガワットは2032年までに順に引き渡す予定で、各棟について20年の賃貸借契約を結ぶ。建設中のテキサス州の3件 (約0.8ギガワット) を足すと、契約済みの容量は約8.8ギガワットになる。借り主は米オープンAIで、2026年8月17日に17件の賃貸借契約を結んだ。同じ日に米エヌビディアは、最初の4.25ギガワット分の債務保証と、残りの約3.8ギガワット分 (エヌビディアの発表では3.75ギガワット) を保証するオプション (選択権)、SBエナジーへの15億ドルの出資を発表した。上場延期と受注残高を扱った記事で報じたとおり、データセンター部門の受注残高の大半はこの拠点の契約が占める。
| 区分 | IT容量 (メガワット) | 最後の引き渡し |
|---|---|---|
| オハイオ 1〜9号棟 | 4,248 | 2031年 |
| オハイオ 10〜17号棟 | 3,776 | 2032年 |
| テキサス 3件 (建設中) | 803 | 2027〜2028年 |
| 契約済みの合計 | 8,827 |
用地は旧ポーツマス・ウラン濃縮工場 (ガス拡散法) の周辺にある。SBエナジーは申請書類で、この場所に高圧送電線7本が集まり、送電線に空きがあったのは工場の閉鎖が一因だと説明する。エネルギー省が連邦政府の土地を貸す相手はSBエナジーの子会社で、賃貸借契約は2026年2月26日に結んだ。エネルギー省の環境審査の記録によると、第1区画は約189エーカー (約76ヘクタール) である。ここに建てるのはデータセンター1棟で、17棟の大半はSBエナジーが取得した、または取得契約を結んだ私有地に建てる。SBエナジーに必要な大気汚染に関する許可は、非常用発電機の分だけである。
ガス火力9.2ギガワットは別会社が開発、認可を申請する予定の第1期は2ギガワット
SBエナジーは申請書類で、ガス火力はSBエナジーの子会社ではないソフトバンクグループの関連会社が開発し、自社は所有も運転もしない見込みだと繰り返し説明する。契約済み案件の一覧では、電力会社との9.2ギガワット分の供給契約 (系統接続の契約) は規制当局の最終承認が条件で、発電所は資金調達・建設・契約のいずれも済んでおらず、許認可を前提とすると注記する。申請書類の提出時点で、SBエナジーと子会社は、発電所の資金調達・建設・所有・運転について政府機関といかなる合意もしていない (法的拘束力の有無を問わない)。開発する関連会社が政府機関と法的拘束力のある合意を結んだことは、認識していると説明するにとどまる。一方で、エネルギー省の発表はSBエナジーが新しいガス火力を建てると書いており、申請書類の記述とは食い違う。
開発会社はポーツマス・ガス・デブコで、同社の事業説明によると、パイク郡の「ポーツ・エナジー・センター」として、まず最大2ギガワットのガス火力を建てる。ガスタービン単独の設備と、排熱で蒸気タービンも回すコンバインドサイクル (複合発電) の設備を組み合わせる。着工は2027年1〜3月、運転開始は2028年7〜9月から段階的で、オハイオ州電力立地委員会の建設認可 (環境適合性と公共の必要性の証明書) が要る。認可の申請は近く出すとしており、2026年7月30日に住民説明会を開き、8月27日にも開くと案内した。米インサイド・クライメート・ニュースの取材によると、7月30日の説明会ではSBエナジーの開発責任者が住民の質問に応じ、掲示ではタービンはLM2500・6F・7HA.02の3機種とされた (いずれも米GEベルノバの機種)。同メディアによると、SBエナジーは以前、GEベルノバにタービンを発注したと述べていた。第1期の2ギガワットは9.2ギガワットの21.7%にあたる。
発電所の完成が遅れた場合の対応も申請書類にある。データセンターはPJMの送電網に直接接続するため、発電所が遅れても計画は進められるが、代わりの電源を確保する必要が生じる可能性があるとSBエナジーは説明する。産業用ガスタービンの納期は最長7年とされ、SBエナジーは日程に合うタービンの予約枠を使えるとしているが、遅れや費用増のリスクがあるとしている。タービンの受注残高の状況は三菱重工とGEベルノバの受注残高を扱った記事にまとめた。賃貸借は2028年初めから2032年にかけて段階的に始まり、賃料は送電設備と電源の完成など引き渡しの条件を満たした日から発生する。引き渡しが遅れれば違約金が発生し、借り主に解約権が生じうる。
総事業費333億ドルは日米の投資枠組みで賄い、最初の協調融資の枠は5.7%
発電所の総事業費333億ドルは、日米両政府の「戦略的投資イニシアティブ」の第一陣の案件として2026年2月18日に発表された。経済産業省の発表では、第一陣は工業用の人工ダイヤの製造 (約6億ドル)、米国産原油の輸出設備 (約21億ドル)、AIデータセンターなどに電力を供給するガス火力 (約333億ドル、約5.2兆円) の3件で、合計は約360億ドルになる。ガス火力は第一陣の92.5%、5,500億ドルの枠全体の6.1%を占める。経済産業省はこの案件について「東芝、日立、三菱電機、ソフトバンクグループ等が関連機器等の供給等に関心」と説明した。
投資枠組みの仕組みは2025年9月4日の日米の了解覚書で決まっている。米議会調査局のまとめによると、日本は国際協力銀行などを通じて融資・保証などの形で最大5,500億ドルを支援し、案件は商務長官が議長を務める投資委員会が推奨し、2029年1月より前に実行する。収益は日本が出資額に相当する「みなし配分額」を回収するまで両国で折半し、その後は米国が90%、日本が10%を受け取る。財務省が9月18日に財政制度等審議会の分科会に出した資料によると、資金はプロジェクトの進捗に応じて段階的に供給し、初回の投資に対応する協調融資の総額は各プロジェクトの総額見込みの3%から約1割程度だった。SBエナジーの申請書類によると、発電所の資金は米商務省と、国際協力銀行が設立した会社の2者が共同で出資する投資会社から拠出される見込みで、日本の機関投資家が参加する可能性があると説明する。発電所の運営事業者も売電先も未定で、収益の分配と電力の配分は交渉中である。
日本側で公表された資金の契約は、現時点で貸付契約1件である。このほか国際協力銀行は貸付先の米国法人に出資しているが、額は公表されていない。国際協力銀行は2026年4月17日、自らが出資して設立した米国法人と約6億3,000万ドルを限度とする貸付契約を結んだ。民間金融機関との協調融資の総額は約18億8,500万ドルで、民間金融機関の融資分には日本貿易保険が保険を付ける。国際協力銀行の発表は事業の場所を明かしていないが、第一陣のガス火力は1件で、エネルギー省が9.2ギガワットに日本の資金333億ドルと説明する事業にあたる。使途は、天然ガス発電設備と関連する送電設備をデータセンターの開発と一体で整備する事業とされる。この協調融資の枠は総事業費の5.7%、国際協力銀行の貸付分は1.9%にあたる。払い出した額は公表されていない。
| 事業 (発表の回) | 推定額 (発表) | 国際協力銀行の貸付枠 | 協調融資の総額 |
|---|---|---|---|
| オハイオ州ガス火力 (第一陣) | 約333億ドル | 6億3,000万ドル | 18億8,500万ドル |
| ペンシルベニア州ガス火力 (第二陣) | 最大170億ドル | 8億100万ドル | 23億9,700万ドル |
| テキサス州ガス火力 (第二陣) | 最大160億ドル | 7億3,900万ドル | 22億1,300万ドル |
第二陣は2026年3月19日の日米首脳会談で発表された。GEベルノバ日立 (GEベルノバと日立製作所の合弁会社) の小型モジュール炉 (テネシー州とアラバマ州、最大400億ドル) のほか、ペンシルベニア州とテキサス州のガス火力発電所が含まれる。国際協力銀行は8月、ペンシルベニア州とテキサス州の事業向けに設けた2つの米国法人と、それぞれ約8億ドルと約7億4,000万ドルの貸付契約を結んだ。協調融資の総額は約24億ドルと約22億ドルで、シティバンク東京支店が幹事行を務め、JPモルガン・チェース銀行東京支店が融資に加わる。第二陣の推定額は上限で示されており、協調融資が事業費に占める割合はまだ確定しない。
1キロワットあたりの建設単価を出すと、333億ドルを9.2ギガワット (920万キロワット) で割って約3,620ドルになる。米エネルギー情報局の委託調査 (2023年12月付、2024年1月公表) によると、大型 (H級) ガスタービン2基を使うガスタービン複合発電 (出力約123万キロワット) の建設費は1キロワットあたり868ドルだった。2023年の物価で、建設中の金利を含まない数字である。オハイオの単価はその4.2倍にあたる。ただし比べる範囲は同じではない。国際協力銀行は融資の使途に関連する送電設備の建設を含めており、333億ドルは発電所本体だけの額ではない。発電所が常に全出力で動くと仮定し、同じ調査の複合発電の熱消費率 (1キロワット時あたり6,266英国熱量単位=BTU) を当てはめ、ガス1立方フィートを1,000BTUとして換算すると、必要なガスは1日約14億立方フィートになる。SBエナジーの申請書類によると、敷地から約25マイル (約40キロ) 以内に州をまたぐパイプラインが3本ある。テネシー・ガス・パイプライン (1日124億立方フィート)、テキサス・イースタン (121億立方フィート)、コロンビア・ガス (97億立方フィート) で、輸送能力は合わせて1日342億立方フィートになる。発電所が使うガスは、3本のパイプライン網全体の輸送能力の4.0%にあたる。第1期にはガスタービン単独の設備が含まれ、その熱消費率は複合発電より高い。
送電網の設備投資は申請書類で約51億ドル、負担はSBエナジーと借り主のオープンAI
送電網の投資額は2つの数字で示されている。エネルギー省と、米電力大手アメリカン・エレクトリック・パワー (AEP) 傘下のAEPオハイオは3月20日、765キロボルトの送電線と変電所4か所を新設する42億ドルの投資をSBエナジーが負担すると発表した。AEPは2029年に送電を始める見込みだとした。AEPによると、765キロボルトの送電線は345キロボルトの送電線の6倍の電力を送れる。一方、SBエナジーの申請書類では、AEPオハイオと関連会社が、この拠点に送電するための地域の送電網の増強に約51億ドルの設備投資を見込む。3月の42億ドルより9億ドル多いが、2つの数字が同じ範囲を指すかは開示されていない。SBエナジーは、この費用に規制当局が認める利益を上乗せした額を、契約期間を通じて送配電料金として払う。期間の終わりまで支払いを保証する担保も差し入れる見込みだ。3月の発表はオハイオの住民の電気料金には転嫁しないと強調したが、実際の負担はSBエナジーを通じてオープンAIに回る。エネルギー省が示したデータセンター専用の料金体系は、SBエナジーとAEPオハイオが取り決める。
| 送電線 | 区間 | 長さ | 費用 | 予定 |
|---|---|---|---|---|
| 1本目 | バクー変電所 (パイク郡) とギャビン変電所 (ガリア郡) | 約50マイル (約80キロ) | 約11億ドル | 認可2027年初め、運用開始2028年末 |
| 2本目 | ハンギングロック変電所とバクー変電所 | 新設約33マイル (約53キロ)、建て替え約7マイル、移設約3マイル | 未公表 | 住民説明会 (2026年9月23、24日に予定) |
AEPの送電部門が6月10日付で出した資料によると、1本目は鉄塔の高さが155フィート (約47メートル)、送電線の用地の幅が200フィート (約61メートル) になる。建設は2027年初めから2028年末までの予定だ。オハイオ農業団体連合会の9月3日の案内によると、1本目はオハイオ州電力立地委員会の手続きに入っており、費用は約11億ドルで、10月27日に地元の公聴会が開かれる。2本目は同じ案内で明らかになったもので、同委員会への申請はまだない。AEPは3月の発表で電力の供給開始を2029年と見込み、6月の資料では1本目の運用開始を2028年末としている。申請書類は賃貸借が2028年初めから段階的に始まり、第1段階は2028年の運転開始を目指すとしており、送電線の完成との間に1年前後の差がある。申請書類は、賃料は送電設備と電源が完成して初めて発生すると記すが、初期の電力をどう手当てするかは書いていない。
ソフトバンクGは外部資金で自己負担を抑える方針、日本企業12社は参加の意向を示した段階
ソフトバンクグループの企業ページにもまとめたとおり、同社は2026年3月期の有価証券報告書 (6月提出) で、エネルギー省と商務省が同社や子会社のエナジー・グローバル、AEPオハイオと組み、発電設備とAIデータセンターをそれぞれ10ギガワット規模で開発する官民連携を発表したと説明した。9.2ギガワットの発電設備は、戦略的投資イニシアティブの対象の1つだとしている。続けて、テキサス州とオハイオ州、フランスのAI基盤の計画について「これらのプロジェクトに多額の資金を要することを踏まえ、外部資金を活用することで自己資金負担を抑制」する方針も示した。エナジー・グローバルはSBエナジーの事業を持つ米デラウェア州のリミテッド・パートナーシップで、ソフトバンクグループの完全子会社だ。出資金は約30億ドルで、決算では「その他」の事業に分類されている。
SBエナジーの資金調達にも、この方針がうかがえる。オープンAIとソフトバンクグループは2026年1月9日、SBエナジーにそれぞれ5億ドルを出資すると発表した。2025年には米投資会社アレスが優先株で8億ドルを出資し、2026年8月にはエヌビディアが15億ドルの出資を決めた。グループ全体では大型の投資が続く。ソフトバンクグループの2026年3月期の決算説明会資料によると、同期の投資実行額は計440億ドルで、主にオープンAIへの出資と、米半導体設計アンペア・コンピューティングの買収 (65億ドル、2025年11月に完了) だった。5月時点の同じ資料は、今後の主な投資としてオープンAIへの追加出資200億ドル (7月と10月に各100億ドル。7月分は8月の説明会で実施済みと説明した) のほか、スイスABBのロボット事業 (54億ドル) と米デジタルブリッジ (31億ドル) の買収を挙げ、2件の買収はいずれも2026年後半に完了する予定とした。ソフトバンクグループは8月6日の決算説明会で、オハイオの拠点について「リース契約の交渉が、現在、最終局面に向けて進んでいます」と述べ、着工は2026年中を予定していると説明した。賃貸借契約は11日後の8月17日に結ばれ、9月の申請書類では用地で一部の工事に着手したとしている。SBエナジーは事業向けの融資 (プロジェクトファイナンス) で累計約190億ドルを調達し、建設中か稼働中の発電・蓄電設備は約5ギガワットあるという。同社は同じ説明会で、フランスと比べて米国や日本では「発電所そのものも建築する必要があるので、設備投資額も2倍かかる」とも述べた。オハイオでは、発電所の建設費を日米の投資枠組みから賄う計画だ。
日本企業は現時点で、参加の意向を示した段階にある。ソフトバンクグループは2026年3月21日、発電とAI基盤の事業に参加する「ポーツマス・コンソーシアム」を発足させ、事務局を務めると発表した。発表によると、日本企業12社 (フジクラ、日立製作所、三菱電機、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、村田製作所、パナソニックホールディングス、ソフトバンクグループ、住友電気工業、三井住友銀行、TDK、東芝。うち3社は銀行で、1社は事務局のソフトバンクグループ自身) と米国企業9社 (ベクテル、空調大手キャリア・グローバル、シティグループ、GEベルノバ、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、キーウィット、キンダー・モルガン、モルガン・スタンレー) の計21社が参加の意向を表明した。日本企業による機器の供給や工事の請負の契約は、1件も公表されていない。ガスタービンのメーカーでコンソーシアムに入っているのはGEベルノバだけで、上場申請書類・エネルギー省の資料・AEPの資料のどこにも三菱重工業の名前はない。7月30日の住民説明会で示された3機種もGEベルノバの機種である。エネルギー省は、納期の長い機器 (高圧の電気設備を含む) は既に確保したとしている。申請書類によると、SBエナジーも発電機用の昇圧変圧器など、納期が4年を超えることもある高圧設備を先に確保した。ただ、どちらの資料も調達先の名前は明らかにしていない。
日本の金融機関は、コンソーシアムとは別の形で既に関わっている。SBエナジーの上場の引受団には、みずほ、野村、三菱UFJ、SMBC日興、大和の各証券グループが入っている。同社の2026年1〜6月期の損益は赤字の内訳を扱った記事で、借入の利率は借入難を扱った記事で取り上げた。了解覚書の定めでは、日本側が回収を終えた後の取り分は収益の10%になる。
発電所の資金は日米の投資枠組み頼み、州の認可は2ギガワット分の申請から
オハイオの計画では、データセンターの建屋と土地をSBエナジーが持つ。隣接するガス火力はソフトバンクグループの別の関連会社が日米の投資枠組みの資金で整え、送電網はAEPオハイオが建設して費用を料金としてSBエナジーから回収する。SBエナジーはその費用をオープンAIに転嫁する。日本側でこれまでに契約に至ったのは、総事業費の5.7%にあたる約19億ドルの協調融資の枠だけで、払い出しの額は公表されていない。
今後の進み具合は、次の3つでわかる。開発会社がオハイオ州電力立地委員会に出す2ギガワットの申請の中身と、1本目の送電線の10月27日の公聴会、国際協力銀行が追加の貸付契約を結ぶかどうか、そしてSBエナジーが次に出す申請書類の修正版に、電力会社との供給契約の承認が盛り込まれるかどうかである。米国のデータセンターの所在地や規模はデータセンターの一覧に、オープンAIの事業の概要は企業データベースにまとめている。
※2026年10月4日、一次資料に基づき全面的に書き直しました。旧版の「2026年5月22日にエネルギー省がファクトシートを公開」は、公開時期を2026年3月に改めました。「ソフトバンクグループが333億ドルの日本側資金を投じて発電所を自社建設」は、SBエナジーの子会社ではない関連会社が開発し、資金は日米両政府の投資枠組みから出る、との記述に改めました。三菱重工業のガスタービンや日立エナジーの変圧器が計画の「心臓部」だとする記述と、日立製作所や三菱電機をコンソーシアムの「中核」とする記述は、一次資料で裏づけられないため削除しました。「規制審査を完全にスキップ」は、電力供給契約に規制当局の承認が要り、送電線と発電所にも州の認可が要るとの記述に改めました。SBエナジーによるデータセンター建設管理会社スタジオ151の買収時期は2026年1月から2025年に、デジタルブリッジとABBの買収は「完了」から「2026年後半に完了予定」に改めました。
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